奇跡をもう一度』の作文集

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奇跡をもう一度』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど

10/3/2023, 4:19:00 AM

あなたがいることが、当たり前すぎて何も気にしていなかったの

ご飯も適当
掃除も適当

隣にいても
甘えてきても
催促されても
たまに猫可愛がりして、気分次第で邪魔だと追い払って、あなたの気持ちなんて考えたことなかった

あんなに大好きだと言ってくれていたのに
毎日大好きだと言ってくれていたのに

受け取るだけ受け取って何も返していない私は、それが後々打ちのめされるほど後悔することだなんて本当に気がついていなかった

あの日、あなたがいなくなって、でも、あなたがくれたものはそれが普通で当たり前だったから、寂しかったけどまだ特別だったってわからなかった

気がついたのは、次の出会いがあって
隣に来てくれなくて
甘えてくれなくて
催促だけはいつもされて

ご飯も掃除も何も言わないけど雰囲気で完璧を求められて
猫撫で声で名を呼んで、機嫌を取っても

それでも

大好きって言ってくれない
大好きって思ってくれてるかもわからない
大好きだけど、少しも返してくれない

あぁダメだってわかってる
でも毎日比べてしまう


もう一度会いたい
もう一度抱きしめたい
何度も願う
もう一度
もう一度
私に愛をください


『もう一度奇跡を』

10/3/2023, 3:44:08 AM

奇跡をもう一度

彼女との出会いは、まさに奇跡だった。彼女は私の人生に突如現れ、心を奪っていった。彼女の優しさに触れるたびに、私の胸は高鳴るような感覚に包まれた。

しかし、その奇跡はあまりにも短かった。彼女は病を抱えていることを告白し、余命宣告を受けていたのだ。私は彼女のそばにいることを選び、彼女と共に過ごす時間を大切にすることを決めた。

日々、彼女との時間は幸せで満たされていった。彼女の微笑みが私の力になり、彼女の存在が私の支えとなっていった。しかし、彼女の体調は次第に悪化し、彼女は入院生活を送ることになった。

深夜の病室。彼女の痛みを少しでも和らげるため、私は彼女の手を握りしめる。彼女の瞳には苦しみがにじみ出ていたが、彼女は頑張って笑ってみせる。

「ありがとう、いつもそばにいてくれて…」

その言葉が、まるで花のように私の心を染める。彼女のためにできることがあるのならば、それは彼女を幸せにすることだと思った。

ある日、医師から彼女の病状が悪化し、手術をしなければ生きられないと告げられた。彼女の心臓には奇跡が必要だった。

手術当日、私たちはお互いに強く手を握りしめ、祈り続けた。心の中で、奇跡を願い続けた。

手術が終わり、彼女は意識を取り戻した。彼女の顔には生き生きとした輝きが戻り、私たちは喜びに包まれた。

「奇跡だよ、本当に奇跡だよ」

彼女は言った。私たちが信じた奇跡が現実となった瞬間だった。

しかし、幸せは長くは続かなかった。奇跡的に手術を成功させたものの、彼女の闘病生活は続いた。彼女の体力は次第に衰え、私たちの時間は少なくなっていった。

ある日、彼女は穏やかな顔で微笑みながら最後の言葉を告げた。

「ありがとう、愛してる。」

彼女の手が冷たくなっていくのを感じながら、私は彼女を抱きしめた。

奇跡はもう一度起こることはないだろう。しかし、彼女との出会い、彼女との時間は私にとっての奇跡だった。彼女との恋は、胸を糞にする痛みも含めて、私の人生の大切な一ページとなったのだ。

彼女は今はいないけれど、彼女がくれた思い出が私の中で生き続ける。そして、いつか必ず再び奇跡が起こることを信じて、私は彼女を忘れない。

10/3/2023, 3:16:31 AM

こんな自分の文章でも、❤️のま―クをいただけることが奇跡です。奇跡をもう一度などもったいないです。
 
目標に向ってがんばっている皆さんには、奇跡ではなく当然の恵みがあらんことをお祈りしています。
 
そして奇跡をもう一度と願うかたには、その願いが届くようお祈りします。

10/3/2023, 2:36:03 AM

奇跡をもう一度

布団の中からでもわかるくらいの強い光が
覚醒しきってない頭を刺激する。
光が見えないくらいに布団を深く被ろうとすると、すごい勢いで布団ごと引っ張られる。

いきなり開けた視界に目の奥がじんじんする。
やっと慣れてきた目に映ったのは

陽に反射して輝く湖

眼の前の光景に呆然としていると、後ろから草を踏み分ける軽い音が聞こえた。
まるで自分のことが見えてないかのようにそのまま横を通り過ぎる。

まだ幼さの残る顔立ちの少女が湖の淵に立つ。
湖はキラキラ光って少女の影を映し続けている。

「----.------- ---」

湖の中の少女が
一瞬
こちらを
見据えた気がした。

10/3/2023, 2:30:28 AM

「エモネタ多い気がするこのアプリだけど、何気に『奇跡』とか『運命』とかは、3月から今までならコレが初出だったのな……」
まるで、何度も引いてSSRは揃った常設ガチャの、何故か1枚だけ出てこないSRのようだ。某所在住物書きは過去投稿構分を辿り、今まで一度も「奇跡」が出題されていなかったことに気付いた。

「俺としては『もう一度奇跡』なんざ、10年前の例の、『あと一度だけ』から始まる歌と、それこそソシャゲのリセマラよ。
必要SSR2枚抜き。確率約0.05%が2枚。ほぼ奇跡じゃん。……『奇跡をもう一枚』よな」
まぁ、結局挫折して妥協したけど。物書きはポツリ、呟いてスマホをいじる。

――――――

酷い低確率のポジティブな現象が、己のまったく期待せぬ状況で発現することは、「奇跡」と評しても良いのではなかろうか。

最近最近の都内某所、某アパートの一室。
部屋の主を藤森というが、朝食と、スープジャーに詰めて職場へ持っていく昼食としての、オートミール入りのポトフを、

「……何を入れた……?」

作ったのは良いものの、
仕事で少し蓄積し始めた疲労と、それに起因する寝ぼけ眼で調理して、
そろそろ使い終わるであろう調味料を、処分のためにポイポイ目分量で投入したところ、
これが藤森の味覚に超絶ヒット。
「コンソメと、コショウは確実に入れた。
……どれだけ?どの程度?」
藤森は、後日同じ味を再現したくて、懸命に調理工程を思い出そうとするが、
「コレ入れれば美味い」をつまんで振って、落として入れて。入れた種類はギリギリ分かっても、入れた分量が出てこない。

「……しちみ?」
スープをひとさじ、すくって味見用の小皿へ。
舌にのせた黄金色は、入れた記憶のない少々のスパイスを伴っていた。

諸事情により、10月末で部屋を引き払おうと考えている藤森。
キッチンの調味料を今月で使い切り、退去時の荷物を軽くしようと画策している。
他者に提供する料理であればいざ知らず、それこそ丁寧に丁寧を重ねた調理と調味にもなろうが、
自分ひとりで食うものなど、それこそ自分ひとりが納得できればそれで良い。
そろそろ無くなりそうな粉があれば優先的にブチ込み、あと1回使えば容器を捨てられる顆粒があれば問答無用で放り込む。

それが今回は良くなかった。
分量不明と分量不明が、煮込んだ野菜と肉の出汁に対して、ああなってこうなって、どうなって。
一部カオスなランダム要素。これを忠実に再現するのは、まさしく「奇跡」の2字であろう。
なにより寝ぼけた頭と、「所詮自分単独」の大雑把で作ったメシとあっては。

「だめだ。わからない」
分量不明と分量不明。それから野菜と肉とオートミール。この確率的奇跡をもう一度。
藤森は悩んだが、結局時間内に解は得られず、
味覚の幸福とレシピの悶々が午前中ずっと残る結果となった。

昼休憩、イタズラに藤森のポトフをひとくち盗んだ、長い付き合いの後輩は、
「メッッッチャ奥の奥に、メッッッチャかすかにウスターソースの味がする」
と申告したが、
そもそも藤森の今のキッチンに、ソース類の在庫は無い筈である。

10/3/2023, 2:14:34 AM

奇跡をもう一度

 人間に奇跡を起こすことなどできない。
 奇跡だと思うほどの稀な時にたまたま成功する、人間の仕業だ。
 それでも欲しい。
 奇跡的な成功を、奇跡的な喜劇を!
 ああ、神様。
 奇跡をもう一度、起こさせて下さい。
 どうやって成功させたのか分からないのです。

10/3/2023, 1:51:51 AM

一度、合格出来たんだ。

今度だって。


/奇跡をもう一度

10/3/2023, 1:30:49 AM

『 アセビ 』


ツヤツヤと光るロングの髪

ミカンのように丸っこい目

絹のように白くて繊細な肌

彼女は生まれてきたことが奇跡だと世界から言われていた

そして僕はその彼女と交際をしている。

別れろと言われても僕は頑張って親と彼女の親を説得した

「ごめんね。私のせいで...」と君は言い張るけど僕は君のためならなんだってできる。

でも今日の朝彼女は階段から転落した。

医者に重症だと言われた。

僕は神にもう一度彼女に奇跡をと願った奇跡的に彼女は起き上がった。

彼女の口からでた言葉は

「あなた、だれ?」


『 犠牲 』

10/3/2023, 1:24:20 AM

奇跡をもう一度起こせるなら

僕はタイムスリップして

産まれた頃に戻りたい.......

10/3/2023, 1:12:54 AM

有り得ないことだらけだった。

誰かから伝え聞いた「普通の生活」なんてものとは縁もないし、そして多分その誰かは死んだ。
顔も名前も覚えていないからそうだろう。

そんな世界で生きてこられたのは、まさしく「奇跡」としか言いようがない。
振り返ればあまりにも多くの「奇跡」は起こっていた。

いや、起こしてきた。
起これば生、無ければ死
なら「無い」という事は無いとなる。
馬鹿げた主張だと笑えばいい。
手も足も出ない時は馬鹿げた事を言うしかないからだ。祈るしかないからだ。

「奇跡よ起これ、起これ」と。
後は魂が削れる程に祈るしかなかったから、いま僕たちはここにいて。
仮に祈らずとも助かっていたとて、魂を差し出せない生に意味なんてあるのだろうか。
そんなもの、助かったなんて言えるのだろうか。

詭弁だ。
それでも僕たちがこの両足で立つには必要な事なんだ。

10/3/2023, 12:43:14 AM

「奇跡をもう一度」


●「おい知ってるか?どうやらあっちの世界に逝っ
たら人生逆戻りになってるらしい」

◯「逆戻り?」

●「死んじまった歳からまた人生始まるんだって
よ」
「遡っていくんだ、だからどんどん若返ってい
くわけよ」

◯「へぇ〜、だけど、最後はどうなるの?赤ん坊に
まで戻って、そのあと一体どうなるの?」

●「母ちゃんの腹ん中に戻んだよ、また生まれるん
だよ、この世に」

◯「ぼく、また生まれるんか」
「母ちゃんのお腹の中、すごく心地よくて、ぼく
生まれたくないなぁ・・・」
「あれ?ぼく、なんでお腹の中での記憶あるんだ
ろう・・・」

●「おーい、聴こえてるか?元気に生まれてこい
よ〜母ちゃんも父ちゃんもお前に会えるの楽し
みにしてるぞ」

◯「あれ、父ちゃんの声が聴こえる・・・なんだ、
えっ、ぼくまた生まれるんか?」
「嫌だ、ぼくまだ生まれたくない、ずっとここに
いたい」
「またあの世界で、あんな思いしたくない、父ち
ゃんに酷いめにあわされるんだ」
「嫌だ嫌だ嫌だ・・・」
「なんだか、眠くなってきた・・・あれ、ぼくっ
てだれだ・・・?」


「まだ生まれたくない」

10/3/2023, 12:40:16 AM

奇跡をもう一度。奇跡か。なにも思い付かないな。ドラクエで奇跡の剣なんてのがあったなー、くらいのもんだ。

 しかし昨日今日と朝は寒い。でも昨日の夕方は暑くて結局エアコンをつけちゃったな。まだ冬用の寝具に変えるのは早いか。

 最近バイトが忙しくてまいる。ウーバーのせいでやること増えすぎて仕事量がパンクしてるわ。割りにあわん。

 こんなんが続くならやめちまいたいけど学がなけりゃ技もない。今のところをやめたところでもっとひどいところで働くはめになるのが落ちだろう。

 ろくに教育もしない猿のような親から産まれたのが不幸の始まりか。まともに親ができない貧乏人が子を作るなという話だ。

10/3/2023, 12:28:17 AM

受け入れ難いことに直面したとき
     仲間内に裏切られたと感じたとき
     築き上げた塔が少し傾きはじめた
     ボクの知らないキミの顔を知った
     宝石箱の中の煌めきを追いかけて
     共に笑い共に泣いて過ごした時間
     ボクにとってかけがえのない日々
     キミにとってもそうだったはずだ
     この塔はね簡単には崩れないんだ
     共に歩いた軌跡が塗り固めている
     キミからの言葉を引き出すために
     ボク達は此処に集まってるんだよ
     たったひと言それだけでいいんだ
     キミの美しい心を見たかったんだ


           『奇跡をもう一度』

10/3/2023, 12:17:51 AM

【お題:奇跡をもう一度】

奇跡って
実は この世には案外なくて

水が高いところから
低いところへ流れるように

そうなるべきものが
当然のこととして、
起こるのではないか

と思うことがある

村上春樹のエッセイに
通常なら、
あり得ないだろ
と突っこみを入れたくなるような
話があった
(でも本当)

本が今、手元にないので
うろ覚えだが

彼が小説家になる前に
経営していたお店の話だった

用意しなければならない、
まとまったお金があり
そのうちの数万円が
どうしても用意できない

明朝には納めないと
お店を存続できない

という内容だったと思う

彼と奥さんは
万策尽き果て
夜道をトボトボと
歩いていた

そのとき なんと

足りない金額と
全く同じ金額分の
一万円札が数枚 ひらひらと
飛んできたというのだ

たしか
住宅街か何かで
村上夫妻のほかに
歩いている人もいなければ
誰かが上から
飛ばした様子も全くない

しばらく悩んだ末
そのお金を借りることにして
翌日、全額を納めた
といった内容だったと思う

結果からいえば
お店があって
小説を執筆、
デビューとなったわけである

村上春樹は
小説を書き
世に出す必要があったから

奇跡みたいなことが
そこで起こったのではないか

逆から言えば
彼は作品を世に送り出すことが
必要だったから

当然 起こるべくして
起こったことで
自然の成り行きだったと言える

彼が小説家になりかったから
ではなく
あくまでも
世の中がそれを必要としていたから

起きたこと、なのだろうと思う

10/2/2023, 11:58:43 PM

奇跡をもう一度
もう一度、
もう失いたくも、無くすのも嫌なのだ。
大切な人、愛する人たちがいなくなるのは…
だからあと一度だけでいいから…

10/2/2023, 11:58:07 PM

木の成長

お父さんが私が産まれてすぐに木を植えた
桜の木だった

お母さんが桜が好きだった事もあり
私にも桜が好きになってほしいという願いを込めたようだった。
それで、私の名前もさくらと名付けられた

10/2/2023, 11:54:43 PM

『奇跡をもう一度』

 これまで、何度だって奇跡を起こしてきた。
 聖闘士の頂点である黄金聖闘士の中でも最強と謳われるサガを倒し、沙織さん――アテナを救った。
 天秤座の武器でも傷一つ付けられなかった海界のメインブレドウィナを破壊することだってできた。
 命を極限まで燃やし、神聖衣を蘇らせて、神を討つことだってできた。
 地上を狙う邪悪な奴らと何度も戦ってきたが、その度にオレたちは持てる力以上の力を引き出して、それらを退けてきた。
 友の力を借り、自分の小宇宙と命を最大限まで燃やすことで、オレはいくつもの不可能を可能にしてきたんだ。信じて貫けばできないことなんてない。どんな夢も信じれば叶うさ。
 だから今度だって、オレは奇跡を起こすことができる。オレは自分自身を信じる。
 オレは拳を握り締めて念じると、その手を大きく振りかぶり、ハンドルに手を掛けた。

 ガラガラガラ……コロッ

「残念、外れです! はい、参加賞のティッシュ」
「……」

10/2/2023, 11:14:17 PM

奇跡をもう一度(10.2)



 一度だけ、幽霊を見たことがある。

あれは見るもんじゃなかった。どんなホラーでも足りない、えぐるような悍ましさと寒さに凍りつく感覚。血濡れて荒れた髪の毛から見開かれた眼がこちらを凝視していて。しばらく錆びた鉄の臭いが鼻にしがみついて離れなかった。
 でも、あれは。
男はしかし、その幽霊を見た交差点に毎夜訪れる。激辛と知りながら食べに行くとか、無理だとわかりながらジェットコースターに乗るとか、その類ではない。
 いや、そうかもしれないけど。
整理のつかない心を抱えて、無人の交差点で手を合わせる。
「恨みは、あるだろうけどさ。お前は本当にいい女なんだから、早く天国に行けよ」
———会いたい
もう、往生したかもしれない。踏ん切りがよくてサッパリしてて、そんなところも好きだったから。
「あんな苦しそうな姿、見たくねぇんだよ」
———どんなお前でもいいから、もう一度……

静かにひんやりと風が抜けていく。
そっと目を開けて、落胆する自分が嫌になる。
「明日も、来るわ」
『待ってる』
がばりと振り向いて、男は嘲った。

10/2/2023, 11:07:29 PM

仕事辞めてしまった

バリバリ働く社員に戻りたい

10/2/2023, 10:51:07 PM

昔からくじがよく当たる人間だった。
 おみくじの大吉。
 お菓子の当たりでもう1本。
 応募した懸賞のゲーム機。
 商店街のくじ引きの1等の国内旅行。
 そして宝くじ。
 宝くじは小さいものから大きなものまで。
 だからお金なんて、使っても使ってもまた当てればいいと思っていた。

「1等……!?」

 宝くじを持つ手が震える。
 画面に映る数字は間違いなくこの手にある宝くじと同じ物だ。
 さすがに数億もする金額が当たったのは初めてだ。
 高額当選への少しの恐怖と、大きな喜びと興奮。いろいろな気持ちを抱えて、それを手にした。
 もし当たったらこう使おう、ああ使おうという考えはあったものの、実際当たってしまえばそんな予定はどこへやら。しばらくして、気付けば当たったお金もほとんどなくなってしまっていた。
 まぁまた当てればいいさ。
 そう思っていたのに――。

 ガサゴソと、レストランの裏口に捨ててある生ゴミを漁る。まるで野良猫のようだ。
 どうしてこんなことになったんだ。
 あれからというもの、宝くじは一向に当たらず。宝くじだけじゃない、パチンコ、競馬、そういうギャンブル全て。それなのに1等を当ててからできた友人とやらはまだ集ろうとしてくる。
 お金がないと言っても疑う。挙句の果てには使えないと言い捨ててどこかへ行ってしまった。
 何故だ。
 昔からくじがよく当たる人間だった。
 それなのに、今はこんな、誰の前にも姿を現せられないような人間だ。

 小腹をほんの少しだけ満たして、ふらふらとまた歩き出した。人の目につかないような路地裏を通り、ホームレスが溜まっている公園へ。
 そこへ、見覚えのある人物が通った。
 宝くじが当たってからできた友人の一人だ。
 身なりの良い格好をしている。きっとこいつはこんな風にお金に困ったことなんてないのだろう。
 それなのに、こいつは俺に金をせびって、俺はこんなになってしまったのに、こいつはこんなに裕福で。
 金を返せ。そうだ、お金を返してもらうだけだ。
 俺はそいつに近付いた。

 そいつは俺がわからなかったのか、揉み合いになった。
 気付けば、足元には血だるまの何かが転がっていた。脇にはそいつが持っていた鞄が落ちている。
 鞄を開けると、中に数万円とキャッシュカード、クレジットカードが入った財布があった。
 お金を返してもらうだけだ。そう、お金を――、

 ――違うだろ!

 はっと我に返った。
 殺人を犯してしまった。そんなつもりではなかったと言っても、殺してしまったのは事実だ。
 何故だ。
 何故こんなことになってしまったんだ。ただ、昔みたいに戻りたかっただけ。
 今までよく当たっていた。あれは奇跡だったのか。
 どうか、どうかあの奇跡をもう一度。
 こんなことになる前に。少しだけでいい。あの満足していた頃に戻してくれ。
 昔からくじがよく当たる人間だった。
 数億円なんてなくても、ちょっとした物が当たるくらいで満足していた。それで充分だった。
 それだけで良かったんだ。


『奇跡をもう一度』

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