『太陽の下で』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
太陽の下で
(お題更新のため本稿を下書きとして保管)
2023.11.26 藍
『太陽の下で』
私は日陰の女だ。
はじめは家庭がある人だとは知らなかった。
私が彼と会えるのは平日の夜だけで、「部屋に行ってみたいなぁ」と伝えてもやんわり断られ、なんだか変だなと思っていたら結婚していると告白された。
言い訳だけど、はじめから既婚者だと知っていたら恋愛対象外として見れていた思う。
ズルい。
好きにさせてから、言うなんて。
そんな訳で、「こんなのダメだ」「いけない」と思いながらも別れられなくてズルズルと今に至る。
こんな関係許されないからと彼に別れを切り出した事もあったが、「好きなのは実花だけだ」と言われてしまうと別れられなかった。
いつ彼のご家族にバレてしまうのだろう…
私も知り合いの誰かに知られてしまったら…
ビクビクしながら関係を続けていて、そして、ついにその日は来てしまった。
彼と一緒にホテルで食事をし、部屋で過ごした後。
一階のエレベーターを降りたところでなんの偶然か会社の同僚の真山に出会ってしまった。
真山は目を見開いて私達を見ていたけれど、他人のふりをしてその場で声をかけてくる事はなかった。
「林原、青島さんって結婚してたよな…。」
次の日、会社の休憩室に一人でいると見計らったように真山に話しかけられた。
私の付き合っている彼は会社の取引相手で真山も面識がある。
誤魔化せないと思った私はその日真山を飲みに誘い、全部打ち明けた。
「バカだなぁ…。」
真山は大きく溜息をついて言う。
「うっ…自分でも重々承知しております…。」
自分がしていることが世間的にはアウトな事は言われなくても分かってる。
それから真山には彼との事で何度か相談に乗ってもらった。
その度に「もうやめた方がいいんじゃね?」と真山が優しく困ったような笑顔で言うから、人として駄目な事をしてるんだなと罪悪感も募り、漸く別れる決心がついた。
「私、他に好きな人が出来たの。だから別れて欲しい!」
会う約束をし、「まずは食事に…」と私の肩を抱いてきた彼に嘘を混じえて別れを切り出す。
他に好きな人なんて出来てないけど…。
絶対に、絶対に、今回は別れる。
有耶無耶にされない!
そんな気持ちが伝わったのか、彼は私の肩から手を離し、「わかった。」と言った。
私に背中を向けて去っていく彼はこちらを振り返ることはなかった。
好きだった…。
でも彼は私が1番じゃないんだ。
奥さんと別れて私と結婚してと言ったら何と言われていただろう…そんな事怖くて聞けなかったけど。
私は本当に愛されていたんだろうか…?
視界が涙で歪む。
あ、真山に報告しなきゃ…。
私はスマホをカバンから取り出し、真山に電話をかける。
なんか、真山には申し訳ない事をしてしまった。
私の事に巻き込む様な事して…相談にも乗ってもらって…。
本当、真山には足を向けて寝られない。
数コールした後、「もしもし」と真山が電話に出た。
「私、林原だけど…別れた。」
そう真山に伝えると「今どこにいる?行くから。」と言われ、申し訳ないと思いながらも、今一人でいることが辛くて申し出に甘えてしまった。
数十分後、走ってきた様子の真山が私の姿を見つけて「林原…!」と手を挙げる。
「終わった…全部…終わった…。」
「偉かったな、頑張ったよ林原。」
真山が私の背中をポンポンと優しく叩く。
「次は太陽の下で会えるヤツと付き合えよ。」
そう言って、真山が私の頭をクシャクシャッと撫ぜる。
「うん…。」
俯いたまま、ポロポロ涙を流しながら私は返事をした。
「例えば…俺とか。オススメ。」
「…へ?」
一瞬何を言われたか理解出来ず、真山の顔を見上げると目が合う。
「考えとく…。」
冗談を言って私を励まそうとしているのかと思って、その冗談に乗っかるつもりで返事をする。
「おう、前向きに検討頼むわ。」
えっ!?
本気!?
真山の言葉にドギマギしていると
「よし、なんか美味いもん食いに行くぞ!」と言い、真山が歩き始める。
「ちょっ、待って!」
私は真山の真意が分からないまま、先を歩く彼の後ろを小走りで追いかける。
気づくと流していた涙も止まっていた。
そして少しだけ、太陽の下で真山と歩く自分の姿を想像してしまった事は今はまだ私の心にしまっておこう。
「太陽の下で」
太陽の下で生きてるわたし。
もうここにはいないあなたを思い出す。
あなたがくれた温もりは太陽のように暖かく、
あなたの笑う顔は太陽のように眩しかった。
これからは上からわたしを見守っててください。
#64 太陽の下で
愛しんでいる
恋焦がれている
何かが伝わるわけではないけれど
全身で表さずにはいられない
「太陽の下で」
いつか、太陽の下で君と笑い合えたなら。
そのときは、きっと君に好きだと伝える。
だけど、この夜のネオンのうるさい街にいる君は、
「嫌いだ」。
太陽の下で君と笑い合えるのはいつになるかな。
本当はそんな日が来ないと薄々勘付いてはいたけれど、認めたくなかったんだ。
輪廻の枠組みから外れた存在、物語の中にしか存在しないと思っていた闇の眷族。
何年経っても少しも変わらない容貌が少しずつ憂いを帯びていくのを、ただ見ていることしかできない僕は君に何をしてあげられるのだろう。
いっそ永遠などこの手で終わらせようか。
最後に君と笑いたい、太陽の下で。
『太陽の下で』
15時48分
またやってしまった。8時には起きて朝ごはんを食べてから部屋の片付けなんかをして、お昼前には予定はないけど何かをしに外に出たかったのに。
沈んだ気持ちで積もった洋服の山からおもむろに服を選び、着る。外に出る。まだ少し太陽の光は感じることができるな。広がっていく日陰を避けて、太陽の当たることができる場所で夕方の道を歩く。
【太陽の下で】
24時間前にお題を見てから
頭の中をこの曲が流れてる。
「笑って心開いたら
あなたのこと好きになった」
もう17年前だってさ
父からもらったウォークマンに入っていた曲
父もこんな感情を抱いたのだろうか
お題:太陽の下
外出しないからせめてベランダで太陽を浴びたかったのに、建物の影になって太陽の下で伸びることは叶わなかった。
日当たりが悪い分安いアパートの一室。
散歩もなんだか近所の目が気になって出来ない上は、日中カーテンと窓を開けて健康に気をつかう。
太陽、浴びないと自律神経狂うんだよな、と思いながら、僕は。
風通しだけはいい部屋の中で、大きく伸びをするばかり。
小さい頃、
大きな太陽には近づけないのか
と考えた。どんなに走っても
どんなに跳び跳ねても
近づけない。
どんなに離れてもついてくる太陽が好きだ。
太陽の下で今日も生きている。
「太陽の下で」
私は太陽が好きだ。
太陽のおかげで色々なものが育てられる。
太陽のおかげでみんなの顔が見れる。
太陽のおかげで今がある。
そんな太陽の下で、
私は今日も生きる。
「さっきの依頼、ご一緒しても良いですか?」
酒場でぼーっとしてると、突如二人組の少年に声をかけられた。
一瞬困惑したが、彼らの洋装からなんとなく察しはついた。胸元に目立つ校章が誂えられた学生服。学徒に不釣り合いな酒場での勧誘。
「『応急戦闘実習』の授業か!」
「話が早くて助かります」
伊達に私もその門を潜っていない。確か、交流がない人と臨時的に共闘を強いられた際への対処法を実習的に学ぶ。とかいう不人気投票ぶっちぎりの授業だったはずだ。
当然当時私も非常に嫌いだったものである。早く無くせよその授業。
それからしばらく待ち人が来るまで雑談をして過ごした。
敬語でかちこちな会話が崩れた理由と原因が学校の愚痴大会だったということは秘密にしてもらおう。
なんというか、まるで太陽の下で過ごしていた過去の私自身と話している気分だった。
......別に指名手配されてたりはしないので安心して欲しい。
『太陽の下で』
蝉時雨が降り注ぐ昼半ば。太陽に熱されたコンクリートから湯気が立ち上っているのではないかと思うほど、辺りは蒸し暑い。こんなかんかん照りでは打ち水も大した効果を持たなそうだ。
直子と匠は夏期講習の帰り道を歩いていた。別に示し合わせたわけではなく、何となく気づけば一緒になっていた。特に何か喋るわけでもなく、彼女が先を歩いて、彼がその後ろを歩いている。
(抜かしたらいいのに)
歩幅も歩く速度も違うから、きっと歩きにくいだろうに。そんなことを思いながら彼女は歩いていた。
「直子」
蝉の大合唱に紛れて、彼が呼んだことに気づかなかった直子は、もう一度、強めに声をかけられて、ようやく気づいて立ち止まった。振り返って見た彼の表情は、語調に反して穏やかだった。
「何?」
「明日も来るの?」
怪訝そうに直子は眉をひそめた。
夏期講習は必修の二日間を除いて選択制だ。推薦やら総合型選抜やらで進学先が決まっている人は、必修の二日間を受けたあとは、残り僅かな夏休みを満喫している。彼もどちらかというとその口のはずだった。決まりそうだと自分に自慢してたくらいなのだから。
「まあ、一応」
推薦を使えるほどの成績がない彼女は、普通に入試を受けるしかない。正直なところ、塾の夏期講習を受けている方が自分のためにはなるだろうけど、家のお金に余裕はない。とはいえ自宅では気が散って勉強できないために、学校に通っている。
「ふーん……そうなんだ。俺も行こっかな。練習がなかったら、毎日、暇で暇で……」
そんなことを口にする彼に何と返していいのかわからず、直子は黙っていた。
大体、彼がこういう軽口を叩くときは、何か悩んでいるときだ。でも、もう直子には彼の悩みに何か応えることはできない。それは彼が山の頂上で悩んでいるのに、自分は麓で応えているようなものだからだ。
二人の間の沈黙を埋めるように、蝉が鳴いている。慣れてくると並木路の枝葉が揺れる音や、時折強めに吹く風の音が聞こえるようになってくる。
直子が目を閉じてそれらに聴き入っていると、突然びゅうと突風が吹きつけて、ぐらりと体が傾いだ。
「直子!」
たたらを踏むこともできずに倒れる彼女の腕を、彼が掴んだ。彼の手は大きくて力強かった。
「……ありがとう」
彼女は小さく呟いた。どういたしましてと返ってくる。
「俺、明日も行くよ」
唐突に彼が言った言葉に、直子は困惑した。曖昧な返事を口にしながら、好きにすればと言いそうになったのを、やっとのことで呑み込んだ。
そんな彼女の胸中を知ってか知らずか、彼は満面の笑みを浮かべると言う。
「直子に会いたいから」
絶句する直子を見て、彼は楽しそうに笑い声を上げた。
「好きにすれば」
そう言い捨てて、直子はさっさと歩き出した。自分の顔が熱いのは、たぶん、照りつける太陽のせいだろう。
それは太陽のせい
カミュの小説「異邦人」
殺害の動機を訊かれた場面で
主人公はとっさにそう答えた
彼は殺意も理由もなく
ほんとうにただなんとなく
眩い太陽の下で引き金を引いた
この破綻した思考を持つ人物は
カミュの語る不条理を描く
なんの理由を持たない出来事を
人はそのまま受け止めることができるだろうか
陽の光を浴びた植物と
それを食らった家畜に育てられ
ながながと続いてきた
僕たちは太陽に生かされている
太陽の下で
太陽の下でする ピクニック。
太陽の下で見る 山と海。
太陽の下で見る 貴方との想い出。
太陽の下で想い出す 貴方との生活。
ああ、貴方はは今幸せなのかな。
そう思いながら私は、目から水を零しながら空を見つめる。
いつ貴方に会えるのかはわからない。
でも、貴方が見守ってくれているから私は生きている。
_ 18end _
えまって駄作かも (
是非ハート押してっていっていただけると モチベが上がりますので ((
ポニーテール。
うなじからキラリと光り、流れた。
それに触れたいと思った僕は。
(太陽の下で)
太陽の下で
錦秋の太陽の下で吉野山
名物の柿の葉寿司は、この時期、紅葉した柿の葉で包んでいるお店があります。とっても綺麗です。
#99
太陽の下で
錦秋の太陽の下で照り映える紅葉 吉野山
#99
太陽の下で
暑いだの寒いだの騒ぐのは勝手だが
そのキッカケをつくってしまったのは
人間である