すみれ

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「太陽の下で」
この世界には、晴れをもたらす神と雨をもたらす神が天界に住んでいた。2人の神は、正反対の存在ということもあり、一切話したりはしなかった。

ある日、地上では雨が降っていた。その日1日は雨を降らせる予定だった。雨の神は地上に雨を降らせるだけ、晴れの神はその様子を見たりするだけと、両方とも暇を持て余していた。
2人の神は他にすることもないので、近くをうろついていた。
2人がすれ違ったとき、誤って晴れをもたらす力と雨をもたらす力がぶつかってしまった。それは眩しく光り、2人の神は思わず目をつぶった。
気がつくと、空は澄んで晴れていて、そこには綺麗な虹がかかっていた。2人の神はお互いの顔を見て笑顔を見せた。

これをきっかけに、いままで一切話しかけたりもしなかった正反対の2人の神は毎日笑顔を見せながら話し合うようになった。
2人晴れた空から綺麗にかがやく虹を見ながら。

11/26/2024, 9:55:16 AM