「秘密の場所」
夢だとわかっている「夢」も、夢から覚めたらもう戻れない自分の「秘密の場所」だと思わないかい?
自分が見た夢は、他の人には共有されないから、完全に自分だけのところになるよね。
たとえば、「今」とかもね…
君も、もう気づいてるんだろう?
これが「夢」であることに。
一度覚めてしまったらもう戻れない。
だから、覚められないにするんだよ。
この大きな箱の中を、残酷な戦場にしよう。
ここを悪夢にしてあげよう。
君のトラウマに残ってみせよう。
もう、逃がさないよ。
「手紙の行方」
私の書いた手紙は 紙飛行機にして飛ばすと必ず誰かのところに着くの。
誰のところに着くかは わからないけど、私は今日も誰かに向けて手紙を書くの。
手紙の内容は私とその誰かにしかわからない。
その誰かが他の人に手紙の内容を見せるかは自由だけど、私は届いた誰かに だけに手紙を書いてるかな。
紙飛行機にして そらに飛ばすと、手紙はもう誰かのところに飛んでゆく。
ほら、ふわりと飛んでった。
さて、次は誰のもとに着くのかな?
「そっと伝えたい」
いつも読んでくれる皆様へ 今見つけてくれた皆様へ
見つけてくれてありがとう
そして、読んでくれてありがとう
自分の書く文章が、あなたの記憶に残ってくれたら
とても嬉しいです
「静かな夜明け」
静かな夜明けを あなたと共に
「バイバイ」
小さなときからどんなときでもずっと一緒にいた。
やりたいことが同じで、学校もずっと一緒だった。
そんな君が大人になって、大きな駅で、採用された就きたかった会社の近くに引っ越すから遠いところに行くと切り出した。
バイバイと君は言った。
その言葉に"バイバイ"じゃなくて"またね"だよ と返した。
バイバイじゃなくまたねと。
またどこかで会える可能性を信じて。
こっちを見ながら駅のホームの方へ歩いていく君に、小さく手を振り見送った。