『夢が醒める前に』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
ただ幻想に騙されたい。
あらゆる現実に目を瞑りたい。
だけれど
夢が醒めるその時がいつか来るならば
急に起こされてしまう位なら
自分で夢を終わらせたい。
諦めは肝心なので。
目の前に君がいる。
嗚呼夢だと気付いてしまった。
君に会いたかった。
夢から醒める前に
君を抱きしめた。
嗚呼
叶うことなら
ずっと夢の中にいたかった。
日付けが変わる頃
皆んなが寝静まって
日常の空気が、冷め切ったリビングで
ひとり丸まって少し泣く。
風呂に湯を溜めながら
また、すこし痩せた身体を
ぼんやりと眺め
身体中にある、新しい傷やもう痕になって
しまった古傷を撫でる。
今はもう、夢を見ることがない。
ただ、皆んなの夢が醒める前に…
私は、今日も自分の身体に
刃物を這わせる。
そうして、朝が来る前に痛みと共に
少しの眠りにつく。
ごめんなさいとおやすみを繰り返して。
【お題:夢が醒める前に】
夢から醒めてしまう前に…
「…ここは何処?」
分からない。分からないが、何となく察しが着いた
「嗚呼、此処は夢の中か」
確かでは無いが、そう思う事にした
「ふむ、夢の中なのは良いが、、夢から醒めるまでココで何をしようか」
私は何かするでも無く一先ず歩くことにした
暗い、暗い闇の中を…一人で一歩また、一歩と進んで行く
「この暗闇を抜けた先には何があるんだろうか。全く持って想像がつかないな」
不安が無いと言えば嘘になる
けれど、その不安に負けない位の好奇心が抑えられない
「好奇心は猫をも殺す、か」
私はその言葉をポツリと呟いて肝に銘じ、また一歩、また一歩と、進んだ
やがて、突き当りに着いた
「おや、此処が終着点か?…ここからは進めそうに無いな」
「…だ」
不気味だ、何か聞こえる私の耳が可笑しいのか?
そう思いながら何をすることも出来ない
「…だ」
「…」
後ろを振り向いても誰も居ない
左右を見ても上を見ても
そこにあるのはただただ何処までも続いてる暗闇の地平線だ
「気持ちが悪い」
「…だ……えは、……りだ」
「何だ、何と言っているんだ、」
問い掛けてみるが案の定その問いに対する返答がある訳が無く
私はその場に呆然と立ち尽くした
暫くすると、不思議な感覚に陥る
「、何だ、…これ」
知っている様な知らない様な…
嗚呼、
「もう少しで夢から醒めるのか、やっとこの気味の悪い場所からもおさらばだ」
そう、思った矢先…
「…だ」
まただ、まだ聞こえてる
「もう…もう、ウンザリだ!何だ、何なんだ!?はっきり言えよ!!」
私は誰も居るはずのない暗闇に精一杯叫んだ
そうでもしないと、気が動転しそうだからだ
「夢から醒める前に!何と言ったか突き止めてやる!」
「…だお前は……だ」
駄目だ…夢から醒める…
「くそっ!」
もう、駄目だそう思い諦めかけてたその時に…
「…だ お前は独りだ…誰からも愛されずに…朽ちて行く」
「ッ…ひと、り、?」
俺が恐れていたモノ、それは…『孤独』
「嗚呼、そうか此処はこの夢は、私の恐れているモノなのか」
そう気づいた、気づいたんだ
「気づいたとて何になる」
「さてな」
そう、気づいた時にはもう
『手遅れだ』
夢が醒める前に
『ねえ』
またこの夢
話しかけると消える夢
あの人は誰?
何がしたいの
私は何を思ってるの?
全てが不思議で堪らない
もうこんな夢
『見なければいいのに。』
____________
『ねぇ』
あれ?
夢が覚めない
『あなたは誰?』
何故か懐かしい
『ねぇ、どこにいるの?』
思い出さないと
『私と知り合い?』
夢から覚めちゃう
『ねぇ、あなたは誰なの
答えて、』
嫌な予感がする
『_____』
聞いたことある声
『もしかして___』
夢が醒める前に
『あ______』
目が覚めた時
私は枕を濡らしていた。
桜並木の下をただ並んで歩く。
貴方はおそらくふんわりとした笑顔だろう。
でも私は下を向き、その笑顔を感じながら涙を流している。
一言も交わさず、ただ貴方のあたたかな空気に包まれながら、幸せと悲しさと寂しさのごちゃ混ぜと、逢いに来てくれたうれしさとともにただ並んで歩く。
涙ともに目覚めた時、うれしさと悔いが残った。
なぜ夢が醒める前に「ありがとう」と言えなかったんだと。
もう二度と見れない夢なのに。
さあ、明日は何を行動しよう。
自分はどうだったの?という視点、振り返れば忘れていて驚いた。
そんな自分、認めたくなかったけれど、誰か身の回りの人にばかり感情を持っていた自分にふと言いたくなった。
何だかわたしは、とても反省した。
「そんなことを言うけど、あなたは失敗したことがないのか?」と。
いや、絶対にあっただろうと。あなたが。
もちろん、過去を振り返りすぎると、とてつもなくキリはない。
けれども、完全体を目指そうとしているようで自分の不完全さをただ置き去りにしているだけだった気がする。
そういう自分がとてもエゴイスティックで、驚いて、何度も体を叩いた。
正直、これ以上自分自身が醜くなりたくない。だから、帰ってきた。よかった。
あとは、自分だって、そういうところがあったでしょ?という視点を忘れていた。
ただ、それを親以外の誰かに目立ってぶつけたことはないということだけは、自分を愛している、褒めたい。
いやわからない、ぶつけたことを認めていないだけなのかもしれないけれど。
そういうものが一切ない、というよりは「懸命に優しく生きる」人々に、ともかくものすごく失礼だったのだ。最近。
わたしは、ものすごく人間であり、とてつもなく人間臭い部分をもつ存在だったとしった。
なんというか、棚に上げていた。とても恥ずかしい。
悪口がどうのといったけれど、自分だって悪口をいったことはある。
あと、時間通りにこないことも。自己評価には、全部自分に責任があった。
これからは、変わっていきたいところに目を向けたい。
「夢が醒める前に、答えが見つかるといいね」
貴方はそういった。
私は夢の中で、まだ、答えを探してる。
この現実という夢は、醒めそうにない。
「見てみて、蒼原。海だよ」
「…そうだね。海だ」
「久しぶりに来たけれど、やっぱり綺麗だねえ」
「ああ、夕日と海なんて贅沢の極みだ」
青雲の突然の思いつきにより、青雲と蒼原は電車を乗り継ぎ、海に来ていた。家を出た時間が時間だったため、あたりは夕日に染まっていた。電車を降りてから海の見える景色を堪能し、今は二人で波際をたどるように歩いている。
「この海に沈む夕日というのは、とても幻想的だねえ。まるで、別の世界のようだ」
「うん、そうだね。本当に綺麗だ」
ふと、青雲が立ち止まる。後を着いてきていた蒼原もつられてゆっくり立ち止まった。
「時々考えるんだ。今私が生きているこの世界は誰かが夢に見ている瞬きの間の世界なんじゃないかって」
「青雲…?」
「だからその誰かが目を覚ましたとき、この世界ごと私達はぽっかりと消えてしまって、誰の記憶にも残らず忘れ去られてしまう」
青雲は蒼原と向き合うように体を向けた。その雰囲気がなんとも言えない寂しさを孕んでいて、蒼原は何も言えなくなってしまった。
「この世界はとても優しくて、美しい。まるで夢を見ているようなんだ。だけど同時に酷く怖くなる、
終わってしまったらどうしようと」
手を掴まれ、そのまま青雲の首に手を掛けさせられる。
「だからこの夢が醒める前に君が終わらせて」
蒼原はひゅっと息を呑んだ。青雲の突発的な死にたがり行為は何度か目にしている。しかし、どの一度も慣れたことはない。それこそ悪夢として夢に見るほどに。でもきっとその思いが青雲に伝わることはないのだろうと毎回思わされている。
青雲の顔は夕日に照らされて、赤く染まっていた。その中でも青雲はいつもと同じ笑顔を浮かべている。蒼原と青雲の間に波の揺蕩う音だけが響いていた。
「もう少しだけこの夢の中に居ようよ、青雲」
俯き、首にかけていた手を震えながら青雲の肩に持っていく。そして力なく掴んだ。
「もう少しだけでもいいから、僕の側にいて」
声は震えてしまったが、涙は出なかった。蒼原は縋るように今度は手に力を込める。青雲はなにも言わなかった。しかし、ゆっくりと右手を自分の肩を掴む蒼原の左手に重ねた。蒼原がゆっくり顔をあげると青雲は先ほどと同じ笑顔で、だけど少し困ったような顔をしていた。
「…お腹空いちゃった。何か食べにいこう」
そう言うと青雲は重ねていた左手を握り、ゆっくりと歩き出した。蒼原は青雲の歩幅に合わせて歩く。ふと、海の方を見た。もう夕日は半分以上沈んでいて、夜の訪れを待ち望んでいる。
あの夢のことを思い出す。何度も青雲が死んでしまう夢。あのときは見ているだけだったけれども、こうして何度でも青雲に縋ろう。青雲はまた困ったような顔を浮かべるだろうけど、きっと何度だって自分の手を取る、そう蒼原は信じている。だからきっと大丈夫。蒼原は青雲の手を握り返した。
「何度だって、ちゃんと君の手を引くよ」
小さく青雲の背中につぶやく。するとはは、と力ない笑い声が青雲から零れた。
「私も、精々この夢に溺れ死なないよう努力するよ」
顔は前を向いたまま、でもたしかに青雲の手は温かく、繋がれたままだった。
きっとまだ私たちは何も知らないね
私がどんなに卑怯で
不器用で、頑固で、生意気で
怖がりで、強がりで、甘えたがりで
でも頼るのが下手くそで
気持ちを言葉にできなくて
なのに分かってほしいって思ってる
実はそんな面倒くさい人間でも
君に会う時は本当の私なんて見せられない
だから着飾って隠してる
君はそんな私に優しすぎるんだよ
贈り物とか優しい言葉とかは私にとって
「恐れ多い」って言葉がぴったりなんだ
いつか君が本当の私に気づいた時
君はどう変わるんだろう
そんな不安がよぎる
この夢が醒める前に
もっと近くに手繰り寄せてしまいたいのに
#夢が醒める前に
ゆめがさめるまえに
しらなかったなまえを
ひとつこぼして
きみがくれたのは
あかいはいいろだった
夢が醒める前に
夢が醒める前に
もう一度会いたい
夢の中でしか会えないから
この世界は夢で溢れている
人は夢を追いかけ
叶えるために生きている
でも途中で追いかける夢が変わってしまう
そして諦めてしまう
でもまた新しい夢を追いかける
夢を追いかけられなくなった時が
夢から醒める時
自分がこの世からいなくなる時だ
『夢が醒める前に』
久々に会うおまえと、あの公園でキャッチボールをしたい。あの頃のように。
懐かしい景色とその一部のおまえとおれが童心に還りたわいない戯言を宣いながら、おつかれなんて言い合いながら。
小学校から中学まで同じで、高校は別々だったから一緒の時間は確実に減ったけれど、たまに会って飯を食って笑ったな。
高校三年の夏、喧嘩した。
しょうもない馬鹿げた口喧嘩から口を聞かなくなった。
昔はお互い若くて、青かったから無駄に意固地になって終ぞ謝ることなどしなかったな。
それからおれは県外の大学にいった。
あれから四年経ち、社会人になった。
ふらりと懐かしいこの場所に立ち寄ってみれば夕が差しグラウンドが焼けたように美しい。誰として居ない此処には遙か上空に海色の鳶が一羽。
遠く飛翔する、落ちる陽に向かって。
それは煌いてとっても眩しかった。
目が醒めるその時まで、
おまえが生きていたあの夢にまだ浸らせてくれ。
早く
早く、あの手を掴まなきゃ
わたしから遠ざかっていく後ろ姿を
ただひたすらに追いかける
その足は重く
あの人との距離は開くばかり
お願い
わたしに気づいて
立ち止まって振り向いて
夢から醒めるその前に
誰かが私の夢を醒ます前に。
夢の中でならあなたは私が好きなあなた。
でもきっとこの夢が醒めたら私はあなたの事を嫌う。
私が好きなのは夢の中のあなただから。
「どうかこの夢が醒めても私が本当のあなたを好きでありますように。」
夢が醒める前に
夢が醒める前に、
したいことをしてしまおう。
どれだけ恨みを買ってもいい。
夢が醒めれば、僕に害はない。
もしも現実でできるならば、
自分の中の幸せは満たせただろうな
『夢が醒める前に』
「これは夢だよ? だから、何も気にしないで」
そう言って笑うアイツが、どうしても哀しくて。
いつからだったか。俺の世界に”昼”がなくなったのは。
不治の病と言えば、寿命が縮まるものを想像しがちだが、俺の場合はちょっと違った。
俺が患ったのは、”昼に起きていられない病”だった。
……いや、笑うのも解る。けどこれがかなーり厄介なんだよなぁ。
昼ってのは朝も含まれてるからな、日が昇ると同時に強制睡眠状態になるわけで。
日没と共に起きる虚しさは、何とも言えねぇしな。
そんな俺の心内を見透かしたかのように、アイツは起きる度に俺の側にいるようになった。
ニコニコと、何でもないように笑って、いつものごとくはしゃぎまくって。
俺に怒鳴られて、見た目にも解るくらいしょげて、仕方ねぇなって許すまでがセットで。
ーーーでもさ、解ってんだよ。
アイツが、俺に合わせてることも。
その為にろくに寝てないことも。
なのに、会う度に言うんだよな。
「”夢が醒める前に”話したかったから」ってさ。
本当、お人好しにも程があんだろーが。
ーーーま、そんなアイツを突き放せない俺が、一番情けねぇんだけどな。
夢が醒める前に
冷たくなっていく祖父を見た日、漠然と抱いた感想。
「ああ、この人はもう、起きる時間なんだ」
どこかズレているかもしれない。起きる時間、だなんて、むしろ永遠の眠りについたところだというのに。それでも僕はそう感じたんだ。
僕らは今、長い長い夢の中にいる。笑いあり涙ありの長編小説の中に。そうしてその物語を終え夢から醒めるとき。それこそが、僕らの“死”なんじゃないかと。
だからあの日親族が揃って涙を流しているなか、僕は泣かなかった。ただ、祖父の目覚めを静かに見送っていた。
・・・
「先生!———は助かるんですか!?」
悲鳴が聞こえる。母が嘆く声が、医師の焦る声が聞こえる。うるさいのに、抗議する声は出ない。僕の体は何故か動かなかった。
ふいに、ふわりと身体が浮く感覚があった。直感的に悟る。『夢が醒めるんだ』と。
待って。僕はまだ、まだやりきれていないことがある。多すぎる。あれもこれも、まだ全部。
ああでも、どうしても目覚めなきゃいけないのなら。最後に、目の前にいる母に伝えたいことがある。それだけでいいから。
夢が、醒めてしまう前に。
夢が覚める前に、今何事もなく生きていることがどれだけ幸せな夢であるか、気づいておきたい。