NoName14

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日付けが変わる頃
皆んなが寝静まって
日常の空気が、冷め切ったリビングで
ひとり丸まって少し泣く。

風呂に湯を溜めながら
また、すこし痩せた身体を
ぼんやりと眺め
身体中にある、新しい傷やもう痕になって
しまった古傷を撫でる。

今はもう、夢を見ることがない。
ただ、皆んなの夢が醒める前に…

私は、今日も自分の身体に
刃物を這わせる。
そうして、朝が来る前に痛みと共に
少しの眠りにつく。

ごめんなさいとおやすみを繰り返して。


【お題:夢が醒める前に】

3/20/2023, 4:00:54 PM