『夜景』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
百万ドルを映したこの瞳はおいくらですか
/お題「夜景」より
美麗な夜景に伸びる影。矢印のようなそれをなぞった先にあるのは全身を黒いスーツに身を包んだ__認識も追いつかない人でないもの、黒く長い髪が顔を覆い隠しては表情も窺えない。何をするのか何がしたいのか、ふとエレベーターのある部屋の外に目をむけて、微動だにしなかった体を揺らして身支度に移る。しゅるしゅると髪が色素を落として銀に染まり、それをざっくりと切り落として適当に整える。その時見えた顔立ちは先の背格好から変わり少女のもので、いつの間にやら首から下もそういう形に変身している。部屋には誰もいないが、訪れないわけではない。静かにソファに腰掛けて、その貌はにっこりと笑った。
10年前に買ったカーテンとベット。そして小さいテーブルが私の部屋にある全てだ。
私の部屋は3畳半。田舎の団地の、1番寂れたところにある古びたマンションの1kだ。
家賃はなんと月9000円。とんでもなく安いが、それでも私の生活はギリギリだった。
私の収入は、手取り月16万。田舎で生活するには十分なだけあるが、私には多額の借金があった。
高校生のとき、両親が事故で他界し、引き取ってくれる親族が居ないばかりか、親族は皆両親を軽蔑しており、1人残された私にとんでもないコトを言ってきた。
「そんなに悲しいなら、あの窓から飛び降りたら?笑」
胸が張り裂けそうだった。自分は何も悪いことをしていないのに。私には関係ないはずなのに。誰かにそう訴えたかった。でも、話を聞いてくれる両親は、もう、いなかった。
私は生きる気力が無くなった。
田舎の一軒家である家に帰り、私は兄弟がいなかったため、両親がいないと、家はシン…と静まり返っていた。
言葉にできないような空虚感と切迫感。そして親族への憎悪。色んな感情が私の中を駆け巡り、私は
「そうだ。飛び降りよう。」
と思った。
家の二階にある自室のカーテンを開き、窓を開けた。
鈴虫が鳴く音と、ぬるい初秋の風を感じた。
身を乗り出し、地面を見つめた。これじゃ死ねないな。と思った。でも、そんなことはどうでもよかった。この苦しみを一瞬でもいいから消してしまいたかった。
だから、飛び降りた。
頭から落下し、首の骨は折れなかったが、頬骨が歪み、酷いアザができ、歯が何本かダメになってしまった。
怪我をしても、駆けつけてくれる人がいなかったので、ズキズキとした痛みに耐え、動けるようになった頃、立ち上がって部屋に戻り、ベットに横になった。
病院には行こうと思わなかった。全部がどうでもよかった。しばらく両親と親族の軽蔑した顔が脳裏に浮かんで、寝付けなかった。
誰かが玄関を叩く音が聞こえて、目が覚めた。
ぼーっとしながら玄関のドアを開けると、そこには親族がいた。例の言葉を言った人ではなかったが、何も言わずに見て見ぬふりをしていたヤツだった。
ソイツは、私の顔を見るなりギョッとした顔をして、ソレ、どうしたの。と聞いてきた。
私は、ぶつけました。とだけ言った。
ソイツは病院に連れていくから、車に乗れ、と言った。気が進まないと言ったら、ものすごい剣幕で怒鳴るので、仕方なく乗ってやった。
病院に行く途中、なんの要件でうちに来たのか、尋ねた。
ソイツは、あんたの両親のツケを払ってもらいに来た。と言った。
うちの両親は、この女に多額の借金をしているらしかった。どこにそんなに証拠があるのか。と主張したが、両親がやっていた企業が倒産し、借金を抱えた挙句、同時に手を出し、取り返しのつかないことになっているのは知っていた。この女は、借金の保証人だったらしい。
保証人なら自分で払え、そっちの責任だと言ったのだが。
何年かかってもいいから、借金を返済してくれるなら、就職するまで面倒を見てやると言われ。
私は頷くしかなかった。
病院で手当をしてもらい。医師にどうやったらこんな怪我ができるのか。と尋ねられたが、またしても私は、ぶつけました。とだけ答えた。
手術が必要なので、暫く通院することになった。
診察料などは、女が払ってくれた。
家、車など、両親が持っていた財産は、全て売り払い、そのお金は女のものになった。
私は、格安アパートに住むことになった。借金7000万を返済するまで、ここで暮らし続けなければならないそうだ。
生命を維持するのに必要な生活費、月3万だけ渡され、高校を卒業して事務員として就職するまで、女から金を貰い、就職してからは、収入の全てを女に渡し、その中から月3万を女から受け取って生活していた。
そんな生活も、もう10年だ。
私は28になり、女は60になった。
この生活は、女が死ぬまで続くらしかった。
女は、結婚して旦那に金を払って貰え、と言っていたが、ワケアリで容姿も優れてなく、くたびれていて愛想もない自分を貰ってくれる人など居ないだろう。
未来のことを考えた。
これから先の人生のことを考えた。
何度考えても、何一ついい事が思い浮かばなかった。
給料日、いつも通り女から3万を受け取り、私はその3万で、東京に行った。電車を使う余裕はなかったので、夜間バスで。
バスの窓から、外を眺めた。真っ暗で、よく見えなかった。鈴虫の声だけが聞こえた。
東京駅に着いたが、私には行くあてなどなかった。
コンビニでおにぎりを3つ買って、ふらふらと歩いた。方向や、目的地など決めず、ただ気の赴くままに。場所の特定を避けるため、スマホを持ってきていなかったので、自分が今どこにいるのか、調べることもできなかった。
ビルの上の方の階にある、ネットカフェで寝ることにした。
今日寝泊まりしたら、もう、お金は全て尽きてしまう。
おにぎりを2つ食べた。涙が出てきた。
窓から、外を眺めた。ビルが大量に並んでおり、耳を澄ますと、ごちゃごちゃした雑音が聞こえた。
こんなに沢山人がいたら、自分の存在なんて、ちっぽけで、いてもいなくても大したことではないと思った。
そう思うと、全部がどうでも良くなった。
残り1つのおにぎりを食べながら、屋上に向かった。
今度は、地面が遠かった。
2024/09/18
今日はね、何も無い日!だから報告する事は無いかな〜笑笑
けどね、今日は何故か泣いちゃた。なんでだろうね〜笑笑
泣きたくなくても泣いちゃう人居るー?笑笑
まぁそれも人生ですから、気にしない〜!!笑
涙に振り回されちゃダメだよね!
元気に元気に(💪・▷・)力森っと盛り付けて森なんちゃて?
今日はここまで!本当に何も無い日やわ、平和ですな〜
その光の中のひとつひとつに、人間が1人または複数人存在してると思うと心底気持ちが悪くなるだろ?
(夜景。)🦜
・よく鳥目、と
云う言葉を
聴くよね。🦜
・あれはね、
ニワトリ、しゃん、
みたいの
極、一部の鳥だけ
なんだよ。🦜
「雀や、他の鳥達は
人間、しゃん
並みに見えるんだよ。
でもね、
・食べ物も無いし、
障がい物も
有るから。」🦜
《飛べ無いんで、無く、
飛ばないだけなんだよ。》
✣だからね。
・娘雀しゃん。と
とっても綺麗な
夜景を観るのが
大好きなんだよ。🦜
【でも、帰ってから
お母しゃん、から
大目玉を・・もらうんだよ。】
❝もっと、大人になって
からにしなさいって。❞
テーマ…夜景
とある何処にでも残り…何時かは光るである暗い空。
それが夜景だ。本当に綺麗で綺麗で仕方がない……。
掴めそうなのに掴めない…。美しい宝石箱のようだ。
あの空に宿る星も…月も…宇宙も……銀河も…
あれはきっと宝石だ…誰のものでもない
永遠の可能性を秘めている………。
夜景なら…ただただ眺めるのもありだ…今は9月、
9月の1日は自殺が多いらしい。でも…9月は秋の遊優れお月見だって自分がちっぽけに見える世界など、
何処にでもあるのだ…私はそれを追い求めるよ。
きらきらした世界。
暗い世界を明るく照らす。
しかし、この宝石箱のような輝きは、みてる人の心の輝きによって感動したり、嬉しかったり、切なかったり、哀しかったりと違うだろう。
この暗い世の中がキラキラと輝く夜景のように明るい未来であってほしいと思う… 全ての人がこの輝きに感動できるように。
夜景を見ながら気付いたら空っぽの心が音を立てて壊れていた
いつか救えると思っていた
いつか救われるのだと信じていた
願うだけでいいのだとそう疑わなかった私は
やっと心から信じて愛せる人に出逢えた
何度も手放そうとした命で
何度も手放そうとした心だったけれど
生きていてよかったとやっと思えることが出来た
投げ出さなくてよかった
諦めかけたけれど諦めなくてよかった
私は今日も此処にいる
夜景
夜景が美しく見えるためのポイントは、最低でもふたつあるわ。ひとつは明かりを作ったり使ったりする何かが生息している、または無生物でもいいので存在すること。もうひとつは、夜景を可視光として認識する何かが夜景を見ること。こちらも光を認識して鑑賞できるなら人工物でもいいわね。簡潔に言えば光源と鑑賞者ね。でも基本的に限られた能力の生物が夜景を見るのが面白いのよ。あなた、夜景をどんなシチュエーションで誰と見るかが重要だと思ったの? あなたってかわいいのねえ。そうねえ。それ以外の問題として、人工物でないと美しいと思わない人も逆に自然物でないと美しいと思わない人もいるわ。知能を持つものってめんどくさいのよねえ。エイリアン観光事務局っていうけどエイリアンだけでもないのよね。ここで働くためにはとりあえず顧客の可視光域と文化背景を知っておかないと絶景夜景の案内はできないの。勉強しましょうね。
***
蛇足。
熱源を光として感知するエイリアンにとって夜景観光案内とはなにかというのもすごく面白いと思います。工場とか温泉とか明るく見えそう。火山もめっちゃ明るいかも。可視光域が紫外線または赤外線に及ぶエイリアンにとっての夜景もいけてるかも、と書いて思いましたが、コウモリのような音波系の生き物が「夜景?なにそれ」と思いはしたもののVRで認識したら美しくてびっくりしたとかも面白いかもです。逆に視覚的な生き物がエコーロケーションの世界を絵として認識したらびっくりというのも楽しい。そうだ、未来的には、視覚を失った人も夜景を楽しめる時代がくるといいよね。今は夢物語だけど、たぶん不可能なことじゃないと思うんだ。
高層ビルの屋上で、私はあたりを見下ろした。
まるで夜空が真っ逆さまになったよう。
色とりどりの星々がきらきらと輝いている。
とても綺麗だ。
“夜景”
夜景
「あなたと観たあの夜景は素晴らしく綺麗だった。」
美しくて…儚くて…でも、目の前の夜景よりも隣りにいる…側にいるあなたがとても綺麗で…目が離せなかった。車から降りれば、ひんやりと冬の冷たい風がそよそよと吹いた。助手席から降りたあなたは僕の近くに来て、
「…綺麗だね。」
そう呟いた。
綺麗な夜景の明かりがあなたを映す。
胸が熱くて、苦しくて…でも、最高に嬉しくて…
僕は赤くなった顔を誤魔化すかのようにマフラーで顔を隠しながら、
「あなたも…綺麗ですよ。」
そう、言った。あなたとなるべく目を合わせないように。
この胸の高鳴りにあなたが気づきませんように。
「僕のほうばっか、ドキドキさせられっぱなしで困ってます。」聞こえないようにそっと静かに呟いた。
残酷な世界でも君を愛す
「一度、、、もう一度だけ、、、あいつに会わせてくんねぇかな笑」
きれいな夜空にそう言葉を吐いた。
第一章 過去
「きゃはは笑ねえはーくんやめてー笑」
「うっせぇ!くらえ!雪だるま!」
「きゃー笑」
みんなの声が聞こえるなか、俺だけはいつも一人だった。
「ズキッはぁっ、、」
「永遠?大丈夫?」
「大丈夫っ、、、ズキズキ」
「先生呼ぶ?苦しかったら言うのよ?」
あれは、確か小学生ぐらいのときだった。難しい言葉は分からなくても一つだけ聞こえた。
「うーん、、、なにか病気かもしれませんね。」
「そ、そんな、、!治るんですよね?!」
「まだ今の状態では分からないので検査しましょう。」
幼かった俺でさえ、〝病気〟〝検査〟その言葉だけで分かった。
なにかいけないものが俺の体の中にあると。
もちろん最初は病気でもすぐ治るだろうと思っていた。
「これは、、、脳腫瘍ですね。」
「脳腫瘍って、、、っそんな、、、あの子はまだ小学生なのに、、」
「ですが、まだ手術はできます。そこまで進行していないので。」
「受けます。」
「まだ永遠くんは小学生ですので、もしかしたら後遺症が残ってしまう可能性があるかもしれません。頭痛がしたり、目眩がしたりします。それでも受けますか?」
「受けたほうがいいんですかね?」
「受けないよりかは受けたほうがいいかと。」
「そうですか。じゃあ受けます。」
「分かりました。永遠くん、先生と一緒に頑張ろうねニコッ」
「よく分からないけど頑張ります。」
「永遠くんは小学生なのに随分しっかりしてるねぇ。」
「そうですか?ありがとうございます笑」
そうして、小さい体で手術を受けた。
一旦切ります!
私のアカウントでは、主に短編小説を書いています!でも最近はお題が難しくてあまりかけていないんですけど、最初の方を見てくれればたぶんいいお話が見れるかもしれません。
あなたの心に残るような、言葉、小説を残したい。あなたの人生を変えるきっかけになりたい。
本気でそう思っています。ぜひ小説読んでみてね!ここまで見てくれてありがとう。
ここまで読んでくれたあなたの毎日がとても素敵なものになることを願っています。
昔から夜景を見るのが好きだ。
昼間とはまた違って、夜の静けさを纏った光景が。
特に私は、父が運転する車の中から見える高速道路の夜景が大のお気に入りだった。
父厳選のカセットに入った吉田拓郎の懐かしいフォークソングの数々が車内に流れる中、ただボーッと何も考えずに通り過ぎ行く景色を眺める。
時期によって異なる色のゲートと化す明石海峡大橋、真っ赤に聳え立つ神戸ポートタワー、ひたすら続くコンクリートの道をぽっかりと照らし行く橙色の街灯、きらびやかとした光を放っては存在感を主張する有名企業の大きな看板。
正月とお盆の年2回、父の故郷である徳島から関西の自宅へ帰る時にしか見れなかった光景だからこそ、何だか特別感があって好きだったというのもある。
なので、吉田拓郎の曲を聴くたびに今も思い出す。
ちなみに今はもう滅多に流れていないであろう、テレビの深夜の道路中継も実はお気に入りの一つだ。
しかし、何故それがこんなにも私の心を擽り、謎の安らぎ感を与えるものなのかは不明である。
夜景を観に行っても、晴れた試しがない。
よくて曇り。ひどい時には、さあ山頂だという段になって雨がぱらついてくる始末。
ついてない人生。もってない男。
とても、大谷翔平みたいにはなれない。
ーーけどね。
「雨降ってきた。風も。帰りのロープウェイ、揺れるかもだから少し待つって」
あーあ、残念。と彼女は言った。夜景見たかったのにと。
待合室は、俺たちみたいに夜景に振られた観光客でごった返し、不平不満が燻ってる。
「そうだね」
「終バス、出ちゃうねえ。今夜中にうちに戻れるかなあ」
「どうかな」
「……小谷くん、落ち着いてるね。悔しくないの、夜景も見られなくていつうちに帰れるかどうかも分からないのに」
少し訝しむように俺の顔を覗き込む。その眼差しの愛らしさにキュンとする。
でもそれを気取られないように、視線を逸らして
「悔しいよ、ついてないよほんと」
と言う。
「だよね。こんなことになるなんてー、あたし雨女かなぁやっばり」
しょんぼり言うから、俺は内心ゴメンと謝る。
ごめん。
君のせいじゃあないんだよ。
やっとこぎつけたデート。急な悪天候で夜景が見れないのもロープウェイが止まるのもきっと俺のせい。
俺が太谷ならきっと今夜は晴れて、それはそれは綺麗な夜景を観れているはず。
そして重ねてごめん。帰りの見通しが立たないことを内心喜んでて。
君と一緒にいられる時間が増えるだけで、俺は天国へ登る心地なんだ。
ナイショだけどね。
「また来ようね、小谷くん。今度こそ一緒に夜景見たい」
「……うん」
俺は頷いて待合室のベンチにもたれた。彼女と肩がちょっと触れた。
大谷翔平みたいにはとてもなれないけど、今俺はとても幸せだった。
#夜景
「夜景」
夜景はとても美しいと思う。
余分なものを隠し、陰影で映し出される光景。
光があたる風景とも全く違う。
全て見える必要がないと教えてくれる。
でもなかなか上手に写真に残せない。
頑張ってみるけど、見たように映せない。
結局、目に焼けつける。
飽きることなく見ていられる不思議。
そして
また夜が来る。
#夜景
星を見に行こうと約束した。
僕たちの初デートの場所
日本で1番星がきれいに見れるところ
何週間も前から計画を立てている旅行。
何年ぶりの旅行。
僕たちは、気づけば彼氏と彼女から妻と旦那と変わっていった。
今年で結婚30年目
けれど、
旅行当日の昼はあいにくの雨。
その夜は星が見えなかった。
天気予報でも、言われていなかった
でも、星は見えなかったけど星で埋め尽くされて隠れていた空は
君と見る空は輝いて見えた
夜景
夜景って、夜の景色ていう意味だそうだ。
まあ、漢字を見たまんまだけれど。
でも、こんなにも田舎だと夜景って感じがしない。
だってほら、夜景って聞くと大体の人はビルの光が綺麗に輝いているのを想像するでしょ。
田舎者としてはそんな夜景は憧れでしかない。
けれど、上を見上げると空一面の星と大きな月が綺麗に輝いているこの夜景も悪くない。
5…4…3…2…1…。
ハッピーニューイヤーという声が世の中を包み込む。
そんなこと私には関係ないけど。
中くらいの大きさで
とても分厚い漫画を寝っ転がりながら読み、
内容を付箋に書き
表紙に貼る。
本を読んだ時はいつもそうだ。
1部の本を除いて、
その本がどんな本だったか見返す時間が
惜しくてたまらない。
お陰で本棚は付箋だらけだが、
別に構わない。
大切なのは
過去にこの本を読んだことがあるという事実と、
どんな内容だったかだけだ。
私にはそれ以外必要ない。
本なんてただの紙切れ。
写真なんてゴミが増えるだけ。
思い出なんか明日には忘れてる。
冷たい人間だと言われる人も、
優しい人だと言われる人も、
羨む人も、
恨む人も、
全部この夜景の中にいる。
まとめてしまえば皆同じなのだ。
新しい本を読もうと
新巻の本棚へ手を伸ばす。
「世界が青くなったら」
あれ。
この本の名前見たことある。
しかしそこに付箋は無い。
おかしいな。
何回も読みたいと思った本は付箋を貼っていない。
だがこの本は特にそうは思わなかったはずだ。
本棚から出し、
少し考えて隣の本棚を探してみた。
あった。
これはつい3ヶ月ほど前に読んだ本で、
何回も読みたいと思ったが、
なんとなく付箋を貼って戻したんだった。
真横にはそのシリーズの新巻が置かれていた。
表紙が同じ青色だから
間違えたのだろう。
そういえばどんな内容だっけと、
付箋に目をやる。
"Good Midnight!"
ああ。
そうだった。
この本の内容は
付箋には書き表せないものなんだった。
ただ
3ヶ月前も、
今も、
この言葉が1番ピッタリなのだと
満月を細目で眺めた。
1人で夜景を眺めるのは寂しい。ねえ、一体どこにいるの?あの夏の日の君に会いたいよ。話したいよ。
…ううん。会えなくても、別にいいんだ。ただ、僕のことを忘れないでくれたら、死ぬまでずっと覚えていてくれたら、それで十分だ。そう自分に言いきかせた。