昔から夜景を見るのが好きだ。
昼間とはまた違って、夜の静けさを纏った光景が。
特に私は、父が運転する車の中から見える高速道路の夜景が大のお気に入りだった。
父厳選のカセットに入った吉田拓郎の懐かしいフォークソングの数々が車内に流れる中、ただボーッと何も考えずに通り過ぎ行く景色を眺める。
時期によって異なる色のゲートと化す明石海峡大橋、真っ赤に聳え立つ神戸ポートタワー、ひたすら続くコンクリートの道をぽっかりと照らし行く橙色の街灯、きらびやかとした光を放っては存在感を主張する有名企業の大きな看板。
正月とお盆の年2回、父の故郷である徳島から関西の自宅へ帰る時にしか見れなかった光景だからこそ、何だか特別感があって好きだったというのもある。
なので、吉田拓郎の曲を聴くたびに今も思い出す。
ちなみに今はもう滅多に流れていないであろう、テレビの深夜の道路中継も実はお気に入りの一つだ。
しかし、何故それがこんなにも私の心を擽り、謎の安らぎ感を与えるものなのかは不明である。
9/18/2024, 11:03:05 AM