夜明け前』の作文集

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夜明け前』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど

9/13/2024, 7:27:49 PM

寝れない夜があった昔のことを思い出すと寝れなかった。
夜明け前に大好きな人が無くなったという連絡が入った、最愛の彼女だった誰よりも愛していた。
綺麗な瑠璃色の目をしていたんだ、
一目惚れだった
そんな彼女のことを毎晩思い出してしまってまた大好きな人を無くしてしまうのではないかと、寝れない
寝れない寝れない寝れない寝れない寝れない…大好きな彼女だったが忘れてしまいたい
彼女は夜明け前が好きらしい「夜が終わってしまう感覚が好きなんだよね」と言っていたそんな彼女の最後の嫌がらせだろうか。
私は彼女が好きだったのだろうか、彼女が死ぬ前まで嫌がらせがウザかったり喧嘩していたりで嫌気が指していたはずだ
でもなぜ彼女との思い出がこんなに頭にこびりついて離れないのだろうなぜ寝れないのだろう。
そんなことを考えると吐き気がしてきた不安で気持ち悪くなってしまう。
思い出すのはもうやめよう彼女を殺した瞬間なんて

9/13/2024, 7:23:49 PM

君の髪撫で梳いている夢醒めて
朝明(あさけ)の闇に枕のみ浮く


#夜明け前

9/13/2024, 7:14:02 PM

夜明け前#75

夏の終わりってなんだか寂しいよね。
あれだけ暑いって言ってたのにめっきり聞かなくなったりアイスも食べなくなっちゃうし。
秋ってなんだか面白いなぁって私は思うの。
急に寒くなったり、急に暑くなったりして毎朝の服選びも大変。

でも、こんなことできるのって秋だけじゃない?
最近は秋どこいった?とか聞いたりするけど、私は服どうしようの季節が来たら秋だなって感じるの。
夜明け前の気温も毎日変わってたりするから季節を感じられて素敵。

9/13/2024, 7:11:44 PM

夜明け前

夜勤が終わる夜明け前。
身体的にも精神的にも自由になるまであと少し。やっと解放される。

頑張れ。頑張れ。

と自分に言い聞かせ、朝日を眺めながらボーとする短い時間。

昨日の夕方からひっきりなしに聞こえてくるサイレンの音。救急車かパトカーか、はたまた消防車か。このサイレンは運命の別れ道だ。

プルプル〜

◯◯救急です。交通事後の方で右足に痛みあります。足を動かすと痛みが強くなるため、一時的に固定をしています。
バイタルは…。

こんな入電ばかりだ。
夜間は本当にいろいろな人がやって来る。
鼻血が出て止まらない。お腹が痛い。
手をスライサーで切った。子供の熱が下がらない。お風呂で転倒した。

重症者から順番に診ていくが、待つのは辛く苦情も多い。苦情対応も仕事の1つだ。
それでも、「夜中に悪いねぇ。ありがとう」なんて言葉を貰えれたら「これからもがんばろう」と思える。自分って割と単純だ。
緊張の連続で責任重大な仕事だけど、その分やりがいのある仕事だ。

9/13/2024, 7:07:03 PM

昔は夜明け前の空が好きだった
橙、紫、濃紺、黒
沢山の色が混ざり合った空はとても綺麗で
早起きした日や夜更かしをした日は
よくカーテンを少し開けた窓から見ていた

あんなに好きだった空が今では苦手になってしまった
夜が明けると明日が来てしまうから
朝になってしまうから

こんな人間になりたくなかった
夜明け前の空を純粋に綺麗だと思えるままでいたかった


あぁ、また朝が来てしまう
自由になれる夜がずっと続けば良いのに




ー夜明け前ー

9/13/2024, 7:03:43 PM

夜明け前


心地良い静けさの中で、猫がにゃんと鳴く。

じきに来る朝を待ちわびているのだろうか。

人の音も、匂いも、熱も、何も無い。

なんだかすごく特別で、でもちょっぴり寂しい。

今日への期待と、少しの不安が混じる。

夜が明ける、ほんの少し前の時間。

9/13/2024, 6:57:45 PM

お題『夜明け前』



 閉め切られたカーテンが、仄かな青を湛えている。

 瞳孔の開ききった目でそれを捉え、緩慢な瞬きをひとつ。それから、慣れ親しんだ静寂の中に吐息を溶かした。

 もうじき、夜が明ける。
 星の影に沈み込んでいた自分の輪郭が、新たな日を迎えた空の微笑みで、薄ぼんやりと浮かび上がっていく。
 ただただ枕に顔を埋め、眠りの訪いを待つだけの時間は、良くも悪くもそれで終いだ。

 と、ここまできて、ずっと閉じる仕事を嫌々熟していたはずの目蓋が妙に重たい。四肢もなんだか鉛のようだし、思考にも靄が掛かり始めている。

 覚えのありすぎる感覚に、思わず天井を仰いだ。いつものこととはいえ、ちょっと本気でやめてほしい。
 そんな理性とは裏腹に、身体はやっと顔を見せた眠気を待っていたとばかりに受け入れ、心は親を見つけた幼子のように、穏やかな明けの光に絆されていく。

 ああ、今日も勝てなさそうだ。

9/13/2024, 6:39:50 PM

9月中旬、早朝

昨夜は疲れて
何もできず
寝てしまった
なんか損した気分

今日は土曜日のはず…
二度寝するかどうか迷う

いや、
眠れない自信がある

こうなったら
“三文”を探しに
起きてしまおう

『夜明け前』に
アレコレ考える
       まー

9/13/2024, 6:27:57 PM

「音を楽しむ」

午前3時前 起床

最近では秋の音がしている

虫の声だ

暗闇の中に映し出される世界

なんだか瞑想に似ている

1分でも良い

ただ虫の声に耳を傾けながら目を閉じてみる

心が洗われるようだ

夜明け前の贅沢な時間

もう少しだけ もう少しだけ

9/13/2024, 6:21:19 PM

社会人になると夜明けを忘れてしまう。
サンタクロースを待ち侘びて見た夜明け。勉学に励んで見た夜明け。語り合った友と見た夜明け。自由を求めて見た夜明け。
今では時間を数字でしか見なくなった。
朝の9時、昼の12時、夜の21時。
自身と同様、空も時刻によって瞬時に切り替わっていくように感じてしまう。
だからほんの少しだけ、窓の外に意識を向ける。
真っ黒な中に滲み出す白。あのグラデーションがそこにある。
決して忘却ではない。認識しなかっただけなのだ。
──確かにそこに、夜明けはあるのだ。

9/13/2024, 5:51:20 PM

夜明け前

午前四時三十分。もう朝が来るのに寝れない。

いや、眠らないだけ。

「夜がいっちゃん好き」

そう言って私は片手にエナジードリンクを持ちながら夜明け前の空を睨みつけた。

「朝が来なければいいのに」

9/13/2024, 5:32:15 PM

真夜中に一人きり冷蔵庫を開けて 窓開けて虫の声を聞いて
スプーンに乗せたアイスがゆっくりと溶けてゆく
それを見つめてたら胸がキュンとした

いつからあたしはあたしを作ったんだろう…
冷蔵庫の扉を閉じる勇気もない…
不安な気持ちが一つ胸ん中を巡る
代わり映えのないこの日々を傷つけよう

窓の隙間に見上げた黄色い満月は
あたしに気付かないフリして雲に隠れた
君がそこに居るんならあたしは歩けるわ
「か細く漏れる光、あたしを照らしてくれ…」って

叫んだとして いつも願ったとして
いつか不安定な距離も飛び越えてこうよ
一つのタメ息も残さないで あたしという輝きを放つ

9/13/2024, 5:17:26 PM

早朝の仕事が始まる日は
夜明け前に自転車を

キコキコ

こいでましたぁぁぁぁぁ!!!

よろしくぅぅぅ!!

9/13/2024, 5:17:00 PM

夜明け前の4時、眠れずに眼が覚め窓の外を見ると彼方の空が薄いオレンジ色になっていた。ああ、もう夜明けなんだと1日が始まる期待と切なさが胸の中で交錯した。

9/13/2024, 5:15:00 PM

夜が怖い。
20を過ぎた大学生が未だにこんな事を思うのは恥ずかしいだろうか。
昔から怖がりで心配性だった。
自分より大きい物も些細な物音も、小さな虫を殺すのだっていつか復讐されるものだと思い込んで怯えていた。
怖かった原因を理屈で知る事が出来るようになっても尚、私の心臓は小さくなっていく心地がした。
遊園地の大きなサメも決められた動きを繰り返す恐竜も、いつか意思を持って私を襲う様な絵が鮮明になっていく。
夜は怖い。
視界を奪われること、自分の意識が保てなくなっていくこと。
意識を手放した先の秒針で知らない事が起こっていること。
何が起きてもおかしく無いのだ。
お化けも、虫も、事件も私を脅かす全ての事象は必ず夜。
眠る前の自分と次起きる時の自分は、全くの別人になっている可能性だってある。
落ちる瞼に逆らいたい。眠った後の私は、起きる私を明るい世界へ連れていって欲しい。
まだ外は暗い。起き抜けの私が絶望している。

『夜更け前』

9/13/2024, 4:51:02 PM

#74「夜明け前」

 僕の鬱病が悪化したのか眠れない夜が増えた

 苦しいと感じているせいか目から涙は止まらない

 誰かの言葉がほしい…

 誰か僕を愛して欲しい…



 「ねぇ、君は僕を認めてくれるの?」

 「あぁ、俺は君を認めるよ」

 「なら君は、僕の手を話さない?」

 「勿論さ。離すわけないだろう

 だって…ずっと君と僕は一緒だ」



 嬉しかった

 例え嘘であろうとも僕を愛してくれているだろう

 そう思える環境で苦しくても幸せだった

 ずっと明けなかった人生に

 やっと夜明け前の光が差し込んだ

9/13/2024, 4:47:39 PM

表参道、午前5時

まだ夜は明けていなかったけど

どこか明るい蒼い夜空が
とても美しかった

車通りのない交差点は
昼の面影はなく


大の字で寝てみたい衝動に
かられたけれど

9/13/2024, 4:43:56 PM

「いえーい、美紀っち。
 恋してるぅ」

 フードコートでうどんを食べていると、後ろから抱き着かれた。
 誰が抱き着いてきたか、確認するまでもない。
 こんなことをするのは、友人の慶子くらいしかいない。

 慶子は彼氏が出来ると異常にテンションがあがり、ウザい絡みをしてくるようになる。
 基本的に気のいい奴なのだが非常にウザいので、彼氏がいる間は距離を置く友人も多い。
 それほどまでにウザい。

「今食事中だから後でね」
「やだー、今話したいの!」
「分かったわよ。
 話していいから、隣に座りなさい。
 私は食べるのに忙しいから返事しないけど、それでいいなら」
「美紀っち、話が分かるぅ」

 慶子は、隣の席に座ると同時に、惚気話をし始める。
 恋人がいない人間にとって、惚気話は猛毒だ。
 だから皆距離を取るのだけど、私はこの時間が嫌いではない。

 誤解の無いように言うが、別に慶子の惚気話が聞きたいわけじゃない。
 今だって、慶子の話を右から左に流している。
 私が興味があるのは、慶子のファッションだ。

 慶子は、付きあっている相手に合わせてファッションを変える。
 いわゆる『相手の色に染まる』タイプだ。
 しかも、どんなに相手がニッチな好みでも完全に対応する。
 見ている分には非常に面白い。

 慶子のファッションを見て、彼氏の人物像を推理する。
 趣味が良いとは言えないけれど、聞きたくもない惚気話を聞くのだ。
 これくらい許されるだろう。

 さて、今回のファッションはなんであろうか?
 前回はロリータファッションという、なかなか痛い服装であった。
 慶子にあまりにも似合わなさ過ぎて、笑い転げてしまった。

 さすがに本人も似合わないと思っていたらしいが、いわく『本気の恋ですので』とのこと。
 本気の恋なら、羞恥心すら克服できるらしい。
 私はそのことに関して、慶子の事を物凄く尊敬している。

 そこからロリータファッションに合うメイクやキャラクターに調節してきたのだから、大したものである。
 一週間後に会ったときには、違和感なくロリータファッションを着こなしていた。
 どこに出しても恥ずかしくない、なり切りっぷりである。
 あれには、慶子をウザがっている友人たちも感心したほどだ。

 まあ、フラれたけど。
 現実は無常である

 さて前座はここまででいいだろう。
 私はうどんの残り汁を一気飲みする。
 これで私が笑い転げても周囲を汚すことは無い。
 私は一息ついて、慶子の方を見る。

 しかし、私は笑い転げるどころか、言葉を失ってしまった。
 慶子のファッションが、あまりにも奇抜だったからだ。

「どう?
 彼氏のために、気合入れてコーデしてきたの」
 一瞬遅れて感想を聞かれているのだと気づく。
 私は頭をフル回転させ、なんとか感想を絞り出す。
 
「……慶子は本気で恋してるんだね」
 それしか言えなかった。
 それ以外に言いようが無かった。

 だが正解だったらしい。
 「分かるぅ」と慶子は上機嫌だ。
 
 慶子のファッション。
 それはニンジャコーデである。
 慶子は全身真っ黒で、顔も頭巾で隠していて、肌の見える部分が極端に少なかった。
 相手の色に染まるタイプといっても、ここまでやるか。
 というか、彼氏の好みがニンジャってどんなだ?
 理解できない。

 まだ見ぬ彼氏にドン引きしつつも、私は慶子の事が少し羨ましくもあった。
 私は生まれてこの方恋をしたことが無い。
 せいぜいが少女漫画に出てくる王子様くらいだ。

 だから慶子がそこまでする気持ちが全く分からない。
 けれ慶子は楽しそうな様子を見て、いいなあと思う自分もいる。

 私も恋をしたら、慶子みたいに尽くすのだろうか?
 ちょっと怖いけど、慶子を見ているとそれも悪くない。
 一度だけ、本気の恋してみたいな。



 一週間語

「男って、男って……」
「ほら、元気出して」

 慶子はフラれた。
 元カレ曰く、『普通の女がいい』とのこと。
 なんて奴だ。
 慶子をニンジャ色に染めた奴のセリフじゃねえ!

 まったく世の男どもは見る目が無さすぎる。
 こんなに尽くしてくれて、そしてこんなに面白い女のどこが不満だって言うのか?

 やっぱり男は駄目だ
 恋はいいや。

「あんたの良さが分からない男なんて、。
 きっと慶子の良さを分かってくれる人が現れるさ」
「グス、美紀っち、優しい。
 男みたいにバカにしない。
 ――決めた。
 私、美紀っちと付き合う」
「はあ?」

 慰めていたら、告白された。
 なんぞこれ?

「ノーサンキュー。
 私、男が好きなの」
「美紀っちの好みは……」
「聞いてる?」
「美紀っち――いや、美紀」

 急に慶子が私の顔を見つめる。
 その目はどこまでもまっすぐで澄んでいた。
 声もいつもの高めではなく、低く抑えた、いわゆるイケメンボイスだ。
 まるで――

「美紀、今までありがとう。
 いろんな男と出逢ったけど、美紀が一番だ」

 慶子が急に顔を近づけて、イケボで私に耳元に囁いてくる。
 なんとか反論しようとするも、なにも言い返せない。
 その様子はまるで、少女漫画に出てくる王子様のよう……
 それほどまでに、慶子は『なり切って』いた。

「美紀、『俺』と付き合ってくれ!」

 ひいい。
 私は身の危険を感じ、その場を離脱しようとする。
 しかし回り込まれた。
 私を逃がすまいと、慶子は私を押し倒す。

「逃がさないよ、美紀。
 本気の恋、しようよ」
「いやだあああああ」

 こうして、私と慶子は(強制的に)付き合うことになった。
 だが、この恋を実らせはしない。
 絶対に別れていい男見つけてやる。

 私の恋の行方はどっちだ!

9/13/2024, 4:42:30 PM

彼誰時。

私は彼と手を重ねた後、唇を重ねた。

二人が見つめ合ってる間に、街が点灯していき

街が明るい服を着たように温かい光が差していた。

9/13/2024, 4:36:42 PM

夜明け前
*ヴァンパイア×BLです


 明治二年。
 世間が文明開花とうたう頃、僕は肺を患ってもう命が長くないことを悟っていた。
 日々街が変化していく様子も、肌で何も感じることが出来ず、一日中布団に横たわり、少しマシな日は座って本を読むことが出来た。
 夜な夜な、まだ若い妻が声を殺して泣いているのが聞こえて来る。残していくことが心配で、調子のいい日には、僕がいなくなったら、いつかいい人を見つけて幸せに暮らしてほしいと冗談めかして言って聞かせた。そう言うたびに妻は顔を青ざめさせて、そんなことを言うなんて酷いと僕を責めたけれど、それは本心で、死ぬ間際の切なる願いでもあった。

 その日は、本当に体調が良かった。手の施しようがなく、治療法もない。そう医者に告げられたし、常に息が苦しく、咳き込むと血を吐く。そんな毎日だったのに、不意に夜中に目が覚めると、いつもよりも体が軽く感じた。少しまともに息が吸えて、立ち上がってもふらつかない。
 これが最後かもしれない。そうはっきりと頭に浮かんだ。
 寝巻きの上に妻が用意してくれた暖かい半纏を羽織り、襟巻きをしっかりと首に巻いて、外に出た。きっと一緒に来ると言うだろうから、隣に眠る妻を起こさないように、そっと抜け出して、少ししたら戻るつもりだった。

 しんと冷えていて、吐く息が白い。これで体調をさらに悪くしたら妻に申し訳ないから、家の周りを少し歩いて明るい満月をしばらく眺めたら、すぐに家に入るつもりだった。


 一瞬のことだった。迫り来る黒い影に何の抵抗もできず、ただ恐怖で固まって突っ立っていた。
 最後に覚えているのは、目の前に迫って来た男の瞳孔の開いた瞳と鋭い牙。そして、首に感じた痛みだった。

 次に目が覚めた時には、真っ暗闇だった。暗闇に座って、眠っていたらしい。酷く喉が渇いて空腹で。病気をしてからどんどん食が細くなっていたのに、食への渇望で気が狂いそうな程だった。それに、息もまともに吸えるし、何よりも、体のどこにも辛いところや痛いところがなかった。

 奇跡が起きた。そう思った、あの時調子がいいと感じたのは、本当に快方に向かっていたからだったのかと、頭の隅に浮かんだ。
 けれど、そんな考えもすぐにかき消されてしまうほどの、空腹だった。

 自分がどこにいるのか分からず、ただ小さい場所に閉じ込められていることに気がついた。恐怖の中でただ、生きようともがき、暴れ、自分の中にまだそんな力があったのかと、興奮した。どのくらいの時間そうしていたのか、在らん限りの力を使って、ようやく外に出ることが出来た。
 土の中から這い出て最初に見た光景は、今もまだ覚えている。それは、月明かりに照らされた墓地だった。

 僕は、埋葬されていた。
 わけがわからず、何が起きたのか教えてくれる人もおらず。ただ、空腹で混乱していた。

 飢えと渇きを抑えたくて、本能のままに、体が勝手に動く。そんなことはしては駄目だと知っているはずなのに、理性は全く働かなかった。

 先生に捉えられるまで、僕は動物のように闇雲に人を襲い飢えを凌いでいた。
 後になって聞いた。僕をヴァンパイアに変えた男は気が狂っていて、ルールを破り無作為に僕をヴァンパイアに変えてしまったのだと。
 ヴァンパイアの社会にも掟があって、簡単に人を殺したりはしないし、ましてや、人をヴァンパイアに変えるのには多くの約束や条件があって、それを理解して契約を結ぶのだと言う。変える方は親が子に教えるように、責任を持って生き方を教えるらしい。
 だけど僕は間違いから生まれた存在だった。先生は僕を拾って、何もかもを教えてくれた。
 僕は本能のまま、動物のように幾人もの人を襲っていた。目撃もされていて、騒ぎになって気が散ったおかげか、命を奪うまで血を吸うことはしていなかった。それは、不幸中の幸いでもあった。
 街に現れた化け物に、本当は胸に杭を打つはずだった。そう言われて、その後、なぜそうしてくれなかったのかと何度も先生に泣きついた。
 そんな君だから殺せなかった。そう言って先生は僕を導いてくれた。

 血への渇望をコントロール出来るようになってからも、妻の元に戻れるとは到底思えなかった。
 僕は一度目の命を終えた。
 そして、別のものとして生を受けた。
 妻は僕とはもう関わらずに暮らした方が幸せになれるに違いないと思った。
 ときどき、遠くから妻を見に行った。元より格段に鋭くなった聴覚と視覚で、妻が少しずつ元気になっていく様子も見ることが出来た。

 そうやって、長年かけて妻が新しい家族と幸せになっていく様を見守った。
 不思議と、悔しさや虚しさは感じなかった。ただ、彼女に幸せでいて欲しいと心から願ったし、彼女はそうやって人生を歩んで行ってくれた。

 長い時間に、出会いと別れを何度も経験した。いくら経験しても、別れは辛い。惚れた腫れたの別れではない、本当の意味でのお別れ。
 僕は、永遠とも言える生を受けた。
 どんなに大切な人とも、いつかは別れることになる。
 もう、これ以上その別れには耐えられない。だから、もう人とは深く関わらないはずだった。
 適切な距離を保って、穏やかな関係で人々と関わって。老けないことが不自然になる前に住居を移す。
 そうやって、気楽に過ごして行くと、決めたはずだった。そうやってこの数十年は、うまく行っていた。


 ステンドグラスの窓から、ほんの少しだけ光が射し始めた。
 夜が明ける。
 二度目の生を受けた当初は、夜明けが恐ろしくてたまらなかった。ほんの少しの太陽でも火傷をして、何度か命を落としそうになったこともある。
 体は歳とともに強靭になり、皮膚は強く滑らかに、簡単には傷つかないようになった。


 スースーと静かな呼吸で眠る乙都(おと)くんの息遣いが、耳に心地いい。
 大雨でカフェにひとりもお客の来なかった夜。思いがけずふたりで過ごすことになった。従業員の寮として二階に暮らしている乙都くんが、下で過ごしたいと降りて来てくれた。
 誰も来ないと仕事という仕事もない。彼が来なければ閉店していたかもしれない。乙都くんの好きなお酒やドリンクを振る舞って、話をした。
 
 最近読書にハマっている乙都くんは、ソファに座ったまま寝落ちしてしまった。
 ヴァンパイアになってから、あらゆる感覚が鋭くなったし、腕力も格段に上がった。眠った乙都くんを抱き上げて部屋に運ぶことは容易だけれど、さすがにそれはやり過ぎだろうと、毛布を掛けるに留めた。

 ステンドグラスから透けた光が、乙都くんの頬を彩る。なんて美しい。
 ただそばで見ていたい。その気持ちが、日に日に強くなる。けれど自分を律していないと危険だとわかっている。
 幸せな時間を過ごすと、それと同じだけ不安になる。
 踏み出したら、今度こそ耐えられないかもしれない。いつか来る別れを今から想像してしまう。そんなのには、到底耐えられそうにない。僕もそのうちに、あの狂った男のようになってしまうんじゃないかと、いつも心のどこかに引っ掛かっている。

 乙都くんの絹のように滑らかな黒い髪に手櫛を通す。とくん、とくん、と静かに打つ乙都くんの鼓動を掻き消す、自分の心臓の音。ドコドコと荒々しく、落ち着きのない鼓動。
 血への渇望ではない。
 ただ。君のそばに。

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