『声が枯れるまで』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
どんなに声を張っても、届かなかった。聞こえましたか?私の思いは届きましたか?きっと、蝶の羽音より小さな音に聞こえたでしょう。
周りに反対されても、それでも私は叫び続けます。この思いが誰かに届くまで、声が枯れるまで。
聞いてください。私の主張。
『声が枯れるまで』
始まりはいつも平凡です。そして何かが起こり、苦難を乗り越え、また平凡に戻る。それの繰り返しでございます。
ですから、私達はいつも期待しているのです。
ハッピーエンドなエピローグを。
『始まりはいつも』
「ねぇ!たすけて!ねぇ!誰もいないの!?たすけてえ!」
はぁ、、はぁ、、はぁ、、
もう誰にも…私の声は届かないのかな…
暗い部屋に閉じ込められてもう何日たったか分からない…
いつまでここにいないといけないのだろう。
私は、ここを出なければいけない理由がある。
だから、声が枯れるまで。いや、声が枯れても
ここから出ないといけない。
『声が枯れるまで』
叫びには声が枯れるまでという身体による限度がある
しかし叫びは形を変えて声から逸脱していった
.mp3から.txtへエンコードするような叫びの変換
現代の心の叫びは声でなく文字で遂行可能なものとなった
喉代行の指先は人の欲動のままに打ち出す
枯れることを知らない限度なき叫びを
声が枯れるまで (10.22)
むかしむかし、あるところに光のように凛と透き通る声で歌う少女がおりました。彼女の歌は悪しき気を晴らし、病を治すことができたので“奏鳴の巫女”と崇められていました。
そんな彼女にも治せない人がいました。青白く痩せた少年です。最後まで歌えば治るはずなのに、何故だか途中で胸が苦しくなるのです。
「巫女さま、巫女さま。どうしたの?」
「大丈夫。今度は歌ってみせるわ」
それでも辛くてむせてしまいます。
「巫女さま、巫女さま。無理しないで」
「大丈夫。ちょっと変なだけなのよ」
やっぱり痛くて声が詰まります。
「巫女さま、巫女さま。もういいよ。来てくれるだけで嬉しいんだ」
だいじょうぶ、と言う声は枯れていました。とその時、苦しげなうめき声が耳を貫きました。彼の命はもうほんの少しだったのです。もう一度歌おうとした少女はしかし、青年のどこに力があったのか、強く口を押さえられて叶いませんでした。
「——-、歌わないで。1人の女の子として、これからも生きて」
少女の名前を呼んで、そう言い残した青年は静かに眠りについたそうです。
どんな時でも、
どこにいても、
君への思いを叫び続ける。
君が亡くなったとしても、
ずっとずっとずっと、
叫び続ける。
声が枯れるまで。
〜声が枯れるまで〜
・声が枯れるまで
赤ちゃんの泣き声というのは、凄まじい。火がついたように、とか、叫ぶように、とはよく言うけど、本当にその通りだ。
しかも、物心ついたのちのそれと違って、余計な魂胆…わがままを聞いて欲しいだとか、構って欲しいだとか…がないだけ、タチが悪い。
やっと少しまどろみかけたとき、我が娘の泣き声が、容赦なく耳をつんざいた。
「はいはい、いい子だから、おねんねしましょうね」
まもなく一ヶ月を迎える娘は、日を追うごとに重くなる。この子に抱っこが必要じゃなくなるときには、たぶん私の腕はボディービルダーもお呼びじゃないくらい鍛え上げられていることだろう。
「〜♪〜♪〜♪」
歌い出した途端、泣き声が止む。後にはまんまるい目だけが、きょとんと私を見ていた。誰もが知る童謡から、なつかしの1900年代ソングまで。バイクを盗むのは教育に悪いかなぁ、なんて思いながら、調子に乗って臨場感たっぷりに歌い上げてしまう。
いつしか、愛しい我が子はくうくう寝息をたてていた。
***
ボカロが好きだ。人間には出せない、あの透き通った声が好きだ。高音でテンポが速い曲が多いのも、イイ。
試験前日、イヤホンから流れてくるのも当然ボカロだった。
一人暮らしを始めて早半年。イヤホンさえ外してしまえば、そこに音は何もない。自分が望んだことなのだから、不満は全くないのだけど。
ごくごくたまに、恋しくなるときがある。
お世辞にもうまいとは言えない母の子守唄が。声が枯れるまで歌い続けて、翌朝母が舐めていたのど飴の匂いが。
私があんまり寝ないから、と文句を言っていたけど、あれはちょっと納得できない。自分から熱唱していたのはどこの誰だよ。
イヤホンからは変わらず、澄んだ高音ボイスが流れていた。母ならきっと、ボカロだって子守唄にするんだろう。
あの掠れた声で、母が歌うボカロ曲を、聞きたい、と思った。
のど飴と「大丈夫?」の問い
(ひとカラで練習しただけ 君の好きな歌)
20231021「声が枯れるまで」
お題「声が枯れるまで」
私は、歌が好きだ。
作曲や作詞をしているわけではないけれど、誰かが書いた歌を、私が私の大切な人へ向けて歌う。
この想いが、あなたにどれだけ伝わるかはわからない。
もしかしたら、微塵も届いていないのかもしれない。
それなら、歌い続けるだけだ。
声が枯れるまで。
僕は登山が趣味である。
山を登頂したあとは必ず行うことがある。
「ヤッホー」
そう山彦である。
せっかく高い山に登ったのだから、これをしないのはマナー違反であろう。
しかしその日はおかしかった。
山彦が帰ってこないのである。
「ヤッホー」
もう一度、大声を出してみる
やはり山彦が帰ってこない。
信じられないことだった。
確かに場所によっては帰ってこないこともある。
しかしここはヤッホーポイント百選に選ばれた場所だ。
少しの間思案する。
山彦の調子が悪かったのかもしれない。
もう一度すれば、きっと返してくれるはず。
そう思って息を大きく吸った時、突然肩を掴まれる
驚いて後ろを振り向く。
そこにはガタイのいい中年の男性がいた。
「止めな、坊主。無駄だよ」
その男性は諭すように言う。
「あなたは?」
「俺か?俺はこの山の管理人だ」
男性の方に向き直る。
「何かあったんですか?」
「ああ、ヤマビコ様の喉が潰れたんだ」
男性の発言に耳を疑う
「待ってください。神様が返すというのはおとぎ話です」
「カモフラージュというやつだ。信じられないのは分かるが、実際に山彦は帰ってこないだろう?」
ありえない話なのだが、実際そうなっている。
もしかして本当の話なんだろうか。
「続けるぞ。最近ヤッホーポイント百選に選ばれただろ。それで人が増えたんだが、ヤマビコ様は律儀な方でな。たくさんの山彦を返して、声が枯れるまで返し続けてドクターストップ、というわけだ」
「そんな。僕らは無理をさせていたんですか?」
「ヤマビコ様も、人が増えて喜んでいたんだがな。まあ、何事もほどほどが一番というやつだ」
僕は男性に別れを言い、下山していた。
冷静になってみると自分は騙されたんじゃないかと思い始めた。
だが彼が騙す理由と、山彦が帰ってこない理由が分からなかった。
色々考えていると、前の方から老人が歩いてきた。
足取りがしっかりしていて、山登りの経験の多さを物語っている。
「こんにちは」
挨拶をすると、老人の方も笑顔で手を上げて応える。
そうしてすれ違った瞬間。
「ヤッホー、ヤッホー」
かすれた声が聞こえた。
驚いて振り向くと、さっきの老人はどこにもいなかった。
なるほど、律儀な神様である。
声が枯れたらしい。
なんで?
カスカスの咳をするその人に問いかけたら、言いにくそうに目を逸らされた。
たぶん、風邪とかじゃないと思う。
そういうことを気にするあなたは、風邪気味だと分かったらすぐマスクするしオレに寄り付かなくなる。
寂しいけど、オレの体調を心配してるんだって、嬉しくなるのも本当。
だからマスクもしないでオレの目の前に座ってるのは、ちょっとした異常事態。
「心配させてよ」
―気にしなくていいから
まるで準備してたみたいに差し出されたメモ帳に走り書きされたそれ。
不満ですって顔しながら飛びついたら、やっぱり目を逸らされる。
ぷん、と頬を膨らませて見つめる。
「……」
「……」
「………」
「………」
「…………」
「…………」
顔は逸してるけど、オレのこと気にしてるっぽい。
もう少しで勝てそう。
そんなオレの考えがバレたのか、オレを見る目が不審だ。
別に何かを企んでるわけじゃありませんよ?
「…………ース」
「ん?」
「ケホッ……昨日の夜、中継されてたレース見てた、から」
パチリ。
目を瞬いたら、赤くなった耳が見えた。
「おまえ……出てたろ」
「あー……はい」
「それで、思いっきり叫んじまって」
「…………」
「まさかレース終わってすぐ帰国すると思わなかったんだよ!!げほっ………カフッ」
叫んでしまって喉を痛めたあなたに慌てて飲み物を差し出す。
それを飲んで深呼吸してる姿を見つめて、あれ?と首を傾げる。
「なんでオレが帰ってきたことが関係あるんですか?」
「……おまえの基本ボケボケなのに突然鋭くなるとこ本当にキライ」
それはつまり?
そういう?
もしかして?
「オレが出るレース見ていつも騒いでるの?」
毎回。
声が枯れるまで。
今回は喉が復活する前にオレが帰国したから。
酷使した喉を治しきれなくて。
「……ッ」
真っ赤になったあなたを見て、オレも顔が熱くなってきた。
でも、なんだろう。
「次のレース、見に来てください」
「オレの喉を殺す気か……!?」
それも楽しそうだけど。
口に出したら怒られるから笑うだけにした。
でもね。
あなたが声が枯れるまで応援してくれたら。
テンション落としたオレを叱ってくれたら。
カスカスの声でゴール前にいてくれたら。
なんでも出来る気がするんだ。
お題「声が枯れるまで」
声が枯れるまで
子育てをイチからやり直したい
子供達や現状に時に不満は無い
ただ…
もっと子供との時間を大切にすればよかったと思う
忙しくバタバタと時間は過ぎて小さい頃の子供たちの姿をあまり覚えていないのです
声が枯れるまで泣いて訴える子供に
丁寧に寄り添えていたかな…と考える日々です
これからを大切に日々を過ごそう
俺は叫んだ。
額に汗して。
涙を流して。
煙に巻かれながら。
熱にこらえながら。
貴女へ届く様に。
声が枯れるまで。
そう。
必死に、叫んだつもりだった。
けれども。
その喉を震わせ、鼓膜を伝い届く筈の俺の声は、風の様に、惟々、空を切るばかりで。
目の前に横たわる貴女は、目を覚さない。
どうしよう。
どうしよう。
どうしよう。
今起きないと、
貴女は、貴女は。
---------おふくろ…おふくろ…火事だ…火事だ…!!
こんなに絶叫しているのに。
こんなに懇願しているのに。
こんなに、悔いているのに。
どうして俺は、貴女より先に逝ってしまったのだろうか。
あなたの名を
叫びましょう
あなたが戻ってくるまで
この海の波に
消えてしまっても
【声が枯れるまで】
天国へと行ってしまった彼に向けて毎日必ず想いを伝えている。本当は声が枯れるくらい叫びたいけど近所迷惑になるから写真立てに映ってる彼に向けて手を合わせて「好きだよ」って伝えてから始まる私の生活。二度と会うことは出来ないけど今日もこの先もずっと私の心の中で生きている。
最近どうも寝ながら頻繁に怒鳴り散らしてるらしい。
誰かに対して鮮明に怒っているようだ。
たまに泣いたり、歌を歌ったりもするらしい。
ソコまでして全く目が覚めないのはかえってスゴいと
自分に感心してしまった。
おかげで起きたときは声が枯れていることが多い。
鼻呼吸テープ買おうかな。
テーマ『声が枯れるまで』
ギターを掻き鳴らして叫び歌った。
休むことはあれど止めることなく、歌い続けた。きっと彼女は喜びも怒りも哀しみも楽しみも、全ての感情を歌として歌い続けるのだろう。フォークもバラードもロックだろうとギターを掻き鳴らし彼女は歌い続けるのだろう。
そして声が枯れるまで歌い、きっと満足するのだ。
心底音楽が好きなのだろう。
違う、もしかしたらそれしかないのかもしれない。
だが、一つの事を好きなだけ出来るという事は、夢も何も無い自分からしたら羨ましい事だと感じるのだった。
【声が枯れるまで】
一体わたしはなぜ蓋をしてきたのだろう
いっそこの身が滅びるならば
その前にわたしはこの身を使い果たす
あめんぼの足音
アゲハ蝶の羽音
雲の動く音
なんでみんなそんなに忍び足なの
あなたが声を忍ばすから
わたしも思わず息を潜めちゃう
たとえ雷が落ちようと
あなた達は黙って逃げるだけ
あなた達は足音も立てなければ
怒って彼を止めることもしない
そんなあなた達の朽ちた身体が
わたしの心にひとつまたひとつと積もっていく
そして私もあなた達と同じように朽ちていく
それならば
どうせそうならば!
わたしは最後にあなた達を全て吐き出す
わたしは彼らに劣らぬ雄叫びを上げる
たとえお前らが屍になろうともわたしは構わない
わたしはお前らに生の命運など握らせない
わたしはわたしを生かす
わたしはわたしを殺す
じゃあいいよ。勝手にすれば。
そんなに私の話を聞いてくれないなら、これ以上一緒に居ても意味がない。
1人で何でもできると思ってんでしょ。そんなわけないじゃん。思い上がりすぎ。
今までどれだけ私が助けてきたと思ってんの?まさか全て忘れたわけ?恩知らず。
私の存在なんて、あんたにとったらその程度だったってわけね。
ってか、ほんとに私を見捨てる気なんだ?信じらんない。あんたって、そーゆう人だったんだね。最後の最後に知れて良かったよ。
もういいよ、さよなら、バーカ。
踵を返しても追いかけてきてはくれなかった。振り向くと私から遠ざかってゆく背中が見える。
後ろ姿がこんなにも大きいなんて。いつもいつも、先を歩くのは私だったから、こんなに成長していたことに気づかなかった。あぁ、そうか。体も心も成長して、もう一人でやっていけると確信したんだね。だから私から離れようとしている。もうあんたには私は必要ない。
でも。
それはあんたにとってはそうだろうけど、私にとっては違うんだよ、まだ。
私にはまだ、あんたが必要。
こっちを向いて。
行かないで。
「おいてかないで!!」
その言葉だけを、ただひたすら叫んだ。
馬鹿みたいにおいていかないでを大声で発した。でもこっちに振り向くことはなかった。声が枯れるまで何度も叫んで泣き喚いたけど、何をやっても無駄だった。これじゃまるで私が子供みたいだ。
これでもう、本当に終わり。
今やっと気づいた。
依存してたのは、私の方だった。
◤声が枯れるまで◢
『バイバイ……またね』
あの日なにか言いたげな顔をして、でも君はただ手を振った。
困ったように眉尻を下げた笑顔は、なにかを隠している表情だ。
それがなにかなんて本当はわかっていたのに。
俺も伝えたいことはあったのに、ただ笑って手を振り返した。
関係が変わるのが、怖かった。
もう会えなくなるよりも、怖かった。
あの時呼び止めていたら、どうなっていたんだろう。
去っていく君の背中に何度も何度も呼び掛ける夢を見る。
何度呼んでも振り向いてはくれなくて、それでも俺は何度も何度も、声が枯れるまでその名前を呼んで。
あの日出せなかった勇気を今頃になって出したって、もう遅い。
夢の中の君はきっと、一生振り向いてくれることはない。
もしも私が、声が枯れるまで誰かに助けてを言うことができたら、辛いを言うことができたら、感情に任せて処女を失って都合のいい女になることもなかったのかな。
なんてね。全部私のせい。