『喪失感』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
胸にぽっかり穴が空いた
きっと表現するならその言葉が適切なんだろう
でもこれは、ぽっかり、なんて可愛い擬音で済む類のものでは無いはずだ
虚しく、寂しく、何をしても満たされない、嫌何かをする気力さえも湧いてこない
喪失感や虚脱感。だが絶望する程では無い曖昧なもの。
時間が経てば、時間さえあれば、私は元の私に戻れるのだろうか。
ベットの上で寝転がりながら机の上にある錠剤を眺めて。
早く戻りたいな。そう思った。
【喪失感】
君を無くす前は
君は僕にとって大事な人だと思ってたと
なのに
君を失っても
喪失感は全く感じなくて
僕にとって君は
いったい何だったんだろう?
「今日で…終わっちゃうの…かな?」
『……そんなこと、言わないで』
「なんか…もう、身体に力が…入らないんだ」
「もう、無理だって…自分でも分かる」
『………』
「こんな…俺の側にいて、くれて」
「ありがとう」
『……こちっこそ』
『沢山の思い出をありがとう』
「…照れるなぁ……」
「………愛してるよ」
『……私も』
ピーーーーーーーーー。
午前0時
日付が変わったその瞬間。
私の前から貴方はいなくなった。
ー喪失感ー
君が居なくなった……
好きなものが分からなくなった……
食欲が出ない……
生きる気力がない……
何かを失った時の
喪失感が
以前の僕を分からなくする
そもそも僕って誰だっけ?
今日は休日だから、家でひとり。社会のしがらみから解放されて嬉しいはずなのに、何故か気分が浮かない。したいことを思い浮かべてみる。……ない。わたしには中身がないことを思い出した。いつも中身を他人で埋めていることを。
ひとりが嫌いだったんだった。
#喪失感
亡くす前から
大事って
ちゃんと
分かってたんだよ。
大切にしてたのに。
突然だったからさ
こんなことになる
なんて
思わなくて。
でも
頑張らなきゃいけない
穴を開けたら
絶対後悔する
場は
待ってくれなくて
この気持ちのまま
そこに
向かうなんて
嫌なのに―――
気持ちを切り替える
なんて
できないよ。
#喪失感
なんでもないよ
いやほんとに。
なんでもないけど、
胸の奥のモヤモヤしたものが
喉で突っかかっていてもどかしくてね。
涙が止まらないの。
お題 : 喪失感 #29
毎日、今日が終わるのが惜しいなと思う
今この時が過去にすり替わる瞬間が惜しくて、なんとなくいつも未来を考える
そしてまだ起きてもいない事柄に対して不安になるのです
-喪失感-
君の足跡
探し続けるのに
疲れた頃
締め付けてた痛みも
僅かな振動となり
外は秋の気配
時薬は
時間はかかるけれど
いつも味方で
今日の私は
ちょっとだけ
綺麗に笑えてる
久しぶりに
丁寧に染めた
指先に
出掛けてみよう
って
勇気も湧いて
風の匂いと
道行く人の袖の長さが
一つの季節が
終わった事を
告げている
淋しい
淋しいよ
季節の変わり目は
いつも淋しい
ぽっかり空いた
私の中のどこかで
風が吹いてる
軽くなって
その風に乗って
飛んで行けるよう
明日
君が褒めてくれた
この黒く長い
髪を切る
「喪失感」
私が初めて惚れた人は、高級妓楼の妓女だった。
彼女は、色では無く、芸を売る妓女だった。
将棋や囲碁などの盤上遊戯と、二胡の演奏が評判の妓女だった。
容姿は整い、美人の部類だが、此れと言った特徴は無い、
どの街にも一人は居そうな普通の娘だった。
どこか儚げで、優しく、柔順な彼女は、瞬く間に値は吊り上がっていった。
武官の私でさえ、三カ月に一回通うことが限界な程だった。
彼女に身請け話をした、そんな矢先の事だった。
父が、亡くなったのだ。
亡き母は、父から最も愛された妾だった。
其の子たる私は、本妻から真っ先に家を追い出されたのである。
まさか、この時は……家督を取り戻すのに四年もの月日が掛かるとは、
思わなかった。
やっとの思いで、早馬を走らせ、彼女に逢いに行った。
すると、彼女は私の顔を見て……、涙を流したのである。
私は思わず、彼女に駆け寄り、抱きしめる。
そして、絹のハンカチを差し出した。
「あゝ、良かった。貴方を信じて……。」と、彼女は泣き崩れる。
「翡翠」私は、彼女の名を呼ぶ。
「はい。」彼女は、俯く顔をそっと上げる。
其の顔は、涙が溢れながらも喜びに満ちていた。
「ごめんね。迎えに来るのが、遅くなって。」と、私は穏やかな声色を保つ。
見栄を張り、溢れる感情の涙をぐっと堪えながら…。
「あなた、」
Jはそう言いかけて、止めた。
こんなことを他人に対して言うのはどうかと思ったからだ。
金の砂粒一つ一つにひどく熱がこもるこの真昼に、JはVのその日の話を聞いていた。
「それで、お前はなにか面白い話はないのか?」
耳にタコができるほどされてきた質問。
毎回毎回、面白い話とやらを考えて来ているつもりだが、いつも本当になにも浮かばない。
「ないわ」
そう言うとまたかとでも言うように目をぐるりと一周させてつまらん、とはっきり言う。
「お前も旅にでも出て色々知るべきだ」
これもやはりうんざりするほど言われてきた。
「私はここの薬師よ?」
辟易として前も言ったような言葉を返す。同じ毎日を繰り返しているかのような感覚。
変わらぬ日々を綴るような時間を過ごし、Vは家を去っていった。
暗く、広くなった部屋は少し涼しい。
いつもと変わらない一日は、まだ終わっていない。
真昼の日差しの刺激の記憶だけを残して夜を迎えた素肌のように、Jの感覚にはまだVが生きていた。
肺、いや、心臓か、そのあたりを風が吹き抜けていったような寂しさを覚え、Jはぼんやりと椅子に座る。
「やっぱり、」
「あなた、砂漠の真昼みたい」
誰もいない夜の空白に向かってJは言葉をこぼした。
こんなことを他人に対して言うのはどうかと思ったからだ。
喪失
喪失した
何を?
それが解らない
ただ胸のあった所に
摺鉢状の穴が
爆撃されたのだ、と気付いた
昨夜の空襲警報の耳鳴り
ただただ流れ落つ涙
胸の穴に溜まる
どんどんと溜まる
ああ ほら 月が映るよ
哀しみの凝(こご)った 月が映る
私は月を涙ごと飲み干す
そうしたら喪失した何かが解るかもしれない
そして 哀しい と思ったが
それでもなお
喪失した何かが解らない
不意に
感情の記憶 だ
感じる という記憶
そのものを喪失したのだ
喜怒哀楽のうち 哀しみ一つだけ残っている
月がそんな僕を哀れんで
笑った
思い出は思い出さなきゃ意味がないように
喪失感は何かを失ってはじめて"気づく"ことに意味がある
何のために生きているのか?親が私を生んだから。
生きている理由なんてただそれだけだし、それでいいと思っている。
何も失っていない、必要な物は大体目の前にある。日常生活でこれといった不満もない。
ならこの喪失感は何なのだろう。昔からこうだっただろうか? いつから私の手は、心は、こんなに冷たく熱を通さなくなってしまったのだろう。
知っているなら誰か教えてほしい
この隙間を埋めるにはどうしたらいい?
愛は金では買えないだなんてよく言ったものだ。
君に振られて3日が経ったよ
君は何してるかな
私はね、君に振られて空いた穴が塞がらなくて困ってるよ
おかしいよね、浮気されたのにまだ君のことが好きって
ごめんね、だから嫌いになったんだよね
まあそんなことはもうどうだっていいや
今日もまたアニメ見て喪失感を埋めようとがんばるね
#喪失感
#81【喪失感】
大好きなバンドが解散すると知った日は
大好きな人に振られた時より辛かった。
解散理由もわからないまま
彼らはいなくなった。
ラストライブは天井席。
どれだけ叫んでも私の声なんて届かないと
わかる距離だったから
しっかり目に焼き付けなくちゃと思いながら
流れる涙を止めることもしなかった。
視界が滲まないように
シャッターを切るように瞬きをしていたと思う。
心にポッカリ穴があいた、なんて言葉じゃ
足りないくらいの喪失感。
何を糧に生きていけばいいの…?と
真剣に思っていたと思う。
若かったのだ。悲しくて痩せちゃうくらいには。
失恋には新しい恋。
推しの解散には新しい推し。
まぁ、私の喪失感なんて
所詮その程度のもの。
時間が経てば、他で埋められる。
多分、本当の悲しみと言うものを
有り難いことに私はまだ知らないのだ。
本当の喪失感を知ったとき
私は立っていられるのだろうか。
バイバイ
僕は、母を殺した。
理由は単純にただ殺したかっただけ
ねぇ母さんあの日を覚えてる?
僕を殴って「死ね」って言ったこと。
あれ、すごく痛かったんだよ?
お母さんはのうのうと生きて、自分はこんなに苦しむって少し不公平なんじゃないかな?
僕はその日までどんなことにも耐えた。蹴りも、殴りも、痛々しい暴言も
「あんたなんか生まなきゃよかった」
この言葉を聞いたとき僕はどう思ったか考えたことがある?
僕は、おもいっきり母の中核に向かって刃を向けた。
そうすると母が苦しそうにあがきもがいた。
刃先がどんどん真っ赤に染まっていく。
「ハハッ」そう呟くと同時に
母が蚊が泣くような声で言った
「ごめんね、正ちゃん、ええおかんになれんくて、ちゃんと愛してあげれんくて、ほんまにごめんなぁ、うちの分までちゃんと幸せになるんやで」母はそうやって安らかに息を引き取った。
その時にはもう涙が流れ始めていた。
真っ赤に染まった刃物が涙によって薄れていく。
「正ちゃんはうちの一生の宝物や」
あぁ、あの頃の母ちゃんや
お題「喪失感?」
左目、君の左目。
お水をあのグラスで一杯飲んでまた寝て。
平気だって言いながら仕事へ出かける君の目。
誰にも話さない
くだらない話は全部私だけにしてよ。
猫を愛でるみたいに。
左目、君の可愛い右目が恋しがってるよ。
早く会ってあげて
っていっても君のその高いお鼻は
彼らを会わせてあげもしない。
苦しいよ、君に会えなくって。
寂しいよこの真っ暗の心にも、君のスペースがあったって
知ったよいつまでも、そこにいてほしい。
つたない私の言葉を信じてほしいの。
だって、泣き虫の、
だって、泣き虫の、
暗い雲の下で、倒れてる私、
君しかいない私。
君から話しかけられて何度も君と屋上へ行って
君のつま先の上で踊って。
何度も、何度も。頭の中を超えて壮大な夢の中で。
君の君の君の君の声。
早く早く早く聞かせて。
この心の深いここには、まだ
君の形が残ってるんだからね。
だって泣き虫の、私。
誰も話しかけないよ、静けさが耳をだめにして、
心から電気を奪って、君の形しか分からないんだもん。
君も平気じゃないんだから、私と二人で一つになろう、
左目と右目。
後悔する必要はない
だってもうなっちゃってんだもん
これからどうするか が大事
そして案外同じ悩みを持った仲間は多い
喪失感
失ったものは2度と戻らない。
亡くしてからその大切さに気づいても、もう遅い。
溢れる涙も、締め付けられる胸も、息もできなるほどの苦しみも、
どれだけそれが大切だったか、
その全てが語っているというのに。
もう一度元に戻れるのなら…
いや戻れなくても、また一からやり直せるのなら…
今度こそ大事に大事にするのに。
そう、君がいない部屋のベッドで
君が好きだった月夜に誓う。