『君の奏でる音楽』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
君の奏でる音楽は、僕の知ってる君と違って、静謐で気高かく品があった。公園に行くと、人気のないときを狙ってすべり台を滑りにかけていく君となんだか重なり合わなくて、うろたえるように何度もペットボトルを口元に運んだ。昨日、何も言えない僕に、君が正論を投げてきたときの言葉づかい、抑揚、身振り、顔つき、視線。その全てが君の音楽そのものだった。君は君だった。僕は何も知らないまま口の中に飲み込めない唾が溜まっていく。
君の奏でる音楽が一定の間隔をあけて鳴る。落ち着く優しい音。
君の奏でる音楽が止まる、どれだけ胸に耳を当てても聴こえない。
私の奏でる音楽が荒れる、どんどん乱れ大きくなる、汚い音。
君の奏でる音楽はもうどこにも無い
キミから放たれた言の葉
いつも優しい音がしてる
心がふんわりするような
温かく包みこむような音
ボクは静かに目を閉じて
キミの広い心に抱かれる
強さも弱さも人の痛みも
全部知ってるんだろうな
ルララ宇宙の風のなかに
ボクも一緒に乗りたいな
『君の奏でる音楽』
君の奏でる音楽は、
いつも柔らかくて、優しくて、悲しい。
<君の奏でる音楽 >
本人は全然そんなつもりなさそうだったけど。
君はいつも、何かを抱えていた。ずっと悩んでいた。
中学校の時。
なんでみんなみたいに上達しないのかって。
本当にコンクールに出るのかって。
みんなと一緒に出ていいのかって。
だから支部大会で、
金賞を取れた時は泣いていたよね。
「自分も出てよかったんだ。
ちゃんと上手くなってたんだ。
みんなの足を引っ張って無かったんだ。」
って。
高校生の時。
吹奏楽部に入ってよかったのかなって。
本当に私が最初のソロを吹いていいのかって。
こんな気持ちで出ていいのかなって。
だから県大会で、
銀賞を取った時は嬉しくも、もやもやしていたよね。
「自分のソロの批評を沢山して貰えた機会だった。
もっと頑張れたはずだった。
本当に吹奏楽部に入るべきだったのか。」
って。
結局君は部活を辞めたけど。
別にそれは悪いことだったとは思わないよ。
むしろ凄くいい決断だったんじゃないかな、なんて。
君はそれに後悔していないし、むしろ満足している
だろうし、ね。
君は今でもたまに、楽器を吹くけれど。
君はその度に楽しそうで、嬉しそうで、
悲しそうだけど。
君は今でも、何かを抱えているし、悩んでいるけど。
ひとつの決断をして、ひとつの大きな経験を経て、
君はつよくなっているから。
君の奏でる音楽は、
柔らかくて、優しくて、ほんのちょっぴり、悲しい。
お題『君の奏でる音』
お風呂の掃除をしていると、すっかり聴き慣れた旋律が流れてきた。食堂のピアノで主様が単独リサイタルをされているようだ。
日中こうも暑いと、さすがに畑仕事が趣味の主様といえど、外に出る気力も湧かないらしい。街の子どもたちを集めて開く勉強会も夏休みだと先日ミヤジさんから聞いた。
そういえば主様は、今年は茄子と胡瓜を植えたとおっしゃっていたなぁ。
「ボスキの燻製と交換してもらうの」
種まきを終えたときの主様の笑顔はいつになく邪悪に満ちていて、いつの間にそんな表情まで身につけてしまったのかと驚いた。しかしそれは多分ボスキ本人の笑い方を覚えたのだろう、口の端の上げ方がそっくりだった。
あれ? 音が増えた? ……これは連弾かな。そう思っているうちにチェロの音まで加わってきたので、おそらくミヤジさんとラトが一緒なのだろう。
だけど、主様の音だけは、俺は聴き取れる。ほら、多分ミスした。それを誤魔化すように演奏が走り出す。でもさすがというか、ミヤジさんとラトはそれにぴったり合わせていく。このトリオならではの演奏に、俺も鼻歌で参加する。
早くお風呂掃除を済ませて水風呂を用意して、俺も演奏会に駆けつけよう。
うたがじょうずなきみがうたうとぼくもうたいたくなる。
小さな手でピアノを触れる男の子の瞳は希望に満ち溢れていた。黒い鍵盤と白い鍵盤を交互に触る。力が足りなかったのか、聞こえてきた音は弱々しい。もう一度、今度は強めに、ボタンを押すように弾く。今度は大きな音が部屋中に響き渡る。男の子は楽しくなってきたのか、指の強さを変えてピアノを弾いた。強さによって音の強弱がつくことに気付いた男の子はこれからどんな音楽を奏でていくのか楽しみだ。
『君の奏でる音楽』
そこに愛なんてない
そこに希望なんてない
そこに嘘なんてない
そこに恋なんてない
そこに喜びなんてない
それに評価なんていらない
それに理解なんていらない
ただ悲痛を謳うだけでいい
君の奏でる音楽
君の作る楽器は、とっても美しい音色を奏でる、、、
君が楽器を作って僕が奏でるそうやって、綺麗な音色を奏でるそのはずだった、、、
でも君は、病に掛かり作れなくなってしまった、、、
君の作った楽器でないと俺は、綺麗な音色を奏でられないよ。
『君の奏でる音楽』
となかなかタイミングが合わなくて
最初は怒られてばかりだったね
でも
少しずつタイミングが合うようになってきて
僕らの音楽を聴いてくれた人が
癒されたり泣いてくれたりして
音楽は君と僕とみんなの心を繋げる
大切なものなのだと感じた
生きている限り
音楽と共にあるだろう
これからもずっと、ずっと
日常を生きて、心が疲れて、自分の居場所がないと悲しくなった時、いつも私を助けてくれる。
恋と同じで、惹きつけられるのはなぜかと、本当に私はこの音楽が好きかと自分を試してしまう。
より深く結びつけるのかと、音楽ではなく、「人」を知ろうとすると途端に掴めなくなり辛くなる。
離れても気づけばまた知りたくなっている。
書いていて思ったが、これは恋だな…。
いつか私が変わって繋がらなくなる日が来るかもしれない、己の理想との違いに気づき、嫌いになるかもしれない。
その日が来るまで、貴方様方の奏でる音楽は私の居場所です。
麦わら帽子
麦わら帽子に限らず、
帽子の紐をカミカミする子供だった。
自分の汗の味とゴム紐のゴムの味わい。
混じり合った夏の味?
君の奏でる音楽
恋に落ちた。高2の夏、
とあるミュージシャン。
その方のお言葉。
「このバンドも好き、
このミュージシャンも好き、じゃなく、
オレへの絶対的な愛が欲しいんだ…」
その時のCDアルバムを今でもよく聞く、
と言いたいところだが、
実は聞けない。聞かないではなく聞けない。
その時の私の正負の感情、情熱、悲しみ、
苦しみ、全てがパッケージされているので
聞くのが苦しいのです。
君の奏でる音楽。
ボクはそれが好きだった。
楽しそうに、自由に、だけど力強く、心に響く君の音楽は、いつ聴いても、何回聴いても、心がゾワゾワして
ボクは、君を超えたくて、沢山努力したさ。
...けど君にはかないっこない。
だって、
君は僕と違って、────
君の奏でる音色
君の奏でる音色を独り占めしたかった。
小学校のお昼休みになると、決まってオルガンを弾いていたあの子。
私は決まってあの子と向き合う形でピアノを眺めていた。
本当はあの子の指先や音色を私だけが独り占めしたかった。
だけど人気なあの子は決まって何人かに囲まれていた。
そしてピアノが弾ける子はあの子と距離を縮めて楽しそうに弾き合っていた。
私は楽譜が殆ど読めないから、その輪の中に入れずに眺めることしかできなかった。
代わりにその子の指を、音を記憶していた。
弾くのは大抵何曲かに決まっていて、そのうちの1曲は音楽の教科書にも載っている分かりやすい曲。
覚えやすかったその1曲を、ひたすら眺めては記憶し、家でこっそりと練習した。
そして弾けるようになった。
けれどどこまで頑張ってもその子の真似しか出来ない私は、「弾けるよ」と言い出すことも出来なかった。
そしてそうしているうちに、飽きられたのかその1曲が弾かれることはなくなった。
もっとピアノが弾けたらあの子が奏でる音色を独り占め出来たのだろうか。
そしてあの子を独り占め出来たのだろうか。
君の奏でる軽やかな音色が、君が、憧れで、大好きだった。
君のことちょっと照れくさくて
君も知っちゃったのか
「あの子、本心知ったって!?そっかぁ〜たいへんだね」
あー駄目にしちゃった、一発目
ゼッタイ私のせい
他のひと、みーつけた
次はゆっくりと
「君の性格は…思ってたのと違う」
うん、それは…ごめんね…
やっぱりだめか…
ん、、私だけじゃないんだよね
仕方ない、
「良かったね〜!ホントに 私も嬉しいな〜」
もう!その手があったのにいつも大回りしてたんだ
遂に裏切った。すべては君のために、あなた達のために
そうだよね、ホントの訳なかった。さっさと離れればいいのに君無しじゃ生きれない。君無しじゃ私の地位が!!!
?:結局は利用するのがヒトの性だよ。そう、あんたもね
冷たく言い放った目は半分ぐもって、半分澄んでいた。
君の奏でる音楽は痛くて、辛くて、暗くて、重い。
そんな君の曲に救われた。今も救われている。
君のライブに行くために出るようになった外、君のことが好きな人と始めたSNS。たくさんもらった。
少し前向きになれた気持ちも、生きようと思える理由も。
だから、君が完全に引退するまで。それまでに感謝を返したい。
君の曲みたいに自分を救う曲を作って君に聞いてもらいたい。
君の奏でる音楽は嫌いだが、音楽を奏でる君は好きだ
今すぐ引き裂いて食べたくなる
題:君の奏でる音楽
貴方の奏でる音楽は、
透き通っていて癒されるんだ。
私の奏でている音楽はどんな感じなのかな。
聴いてくれる人はいるのかな。
あなたの奏でる音楽は
あなたという人間そのもの
真面目な生き方 熱心さ
かわいらしさに ユーモア
高い理想 美しい夢 あこがれ
優しさ あたたかさ 厳しさ
何も語らなくても あなたがわかる
今日もあなたのやわらかな魂が
空気を震わせ 世界を鳴らす
「君の奏でる音楽」
#193
『君とピアノ』
君とピアノそれとアルトリコーダー メロンの薄皮
隣には寝相の悪いリトルスプーン 楽譜を飛び越え歩いていこう しっかりできなくても しっかりしてなくても いいと思うよ 窓越しにはいつの間にやらお月様 部屋中を音符たちが遊び回っていた 何時間も
何時間も