君に会いたくて』の作文集

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君に会いたくて』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど

1/19/2024, 2:19:47 PM

DSを手に取り、ゆっくりと口を開かせる。
最後まで開かなきゃ、大丈夫だったっけ。

「う」

カチッ!しかし不覚にも、狭い寝室、無情にも、鳴り響く音。
昼間であれば、蚊の音より小さいのに、今は深夜。
猛獣が聞き逃すハズはなく……
バチッと目を見開く音が、背中ごしに聞こえてきそう。

間髪いれずに布団をガサッとめくられ、「あんたこんな時間になにしてんの!」
胃まで響く母ちゃんの咆哮。
たぶん、家のどっかにヒビ入ったよ。
父ちゃんも耳に指をずっぽり入れて、唸りながら寝返りをうつ。

手のひらにすっぽり収まる、ネイビーのDS。
母ちゃんの怒鳴り声も、そのカッコイイフォルムを見つめていれば、ないも同然だった。

「3DS!」

なに!顔を上げると、夏日がまぶしく、目が眩んだ。
しかし、木陰のベンチに座るレンの手の中には、太陽よりもっとキラめく白色があった。
おれはすぐさま駆け寄って、「ホントだ!ずりー!」
その白色に魅了されたのは、おれだけじゃない。
レンはもう公園中の子供心を、その手に輝く物ひとつでジャックしていたのだ……

「なんかゲームやって見せろよー!」

ころころ輝くネイビー色のDSをベンチに置いて、おれはレンの画面を覗き込んだ。

「マジで今こんな画面なの?」
「うん。おまえも買えよ!」

緑の帽子に猫目型のリンク。
それが今や、青い衣装をまとい、圧倒的な草原のグラフィックを、まるで本物の人間のように、レンの手の中にある画面をひた走っている。

Switchだ!
それはまたも時代を震撼させ、子供たちを冒険へかりだしてくれた。
帰ったら、父や母にも教えてみようか。

グジャーッ!と、とんでもない音が鳴り響く。
見ると、ショベルが丁度寝室に侵入している。

「はあー」

持ち出したネイビー色のDSを手に持ち、解体されていく懐かしき家を眺める。
そこら一帯の田畑はいつのまにか工場になって、新築の家は並びたち、初めて3DSを見た公園は古く寂れて、子供たちもろくに遊ばない。

ゆっくりとDSの口に手をかけ、慎重に開く。
寝静まった静かな寝室、父のいびき、母の寝言、それらの邪魔をしないよう、息を殺して……
クニ、と。
DSの口はなんの音も立てずに、あっけなくもガパッと開いた。

スカされたような気分で、真っ黒い画面を見る。
DSを持つ時、親指はどこにやってたか、どう持っていたか、意外に覚えていなかった。
電源をいれ、たまたま入っていた、どうぶつの森を起動してみる。

『こんにちは
遊びに来たんですね』

1/19/2024, 2:18:31 PM

卒業は節目を迎えることだ。例えば中学を卒業して高校に行く。この転機では新しい体験が待っている。その体験は自分の人生を大きく変えるかもしれない。だから卒業は自分が成長できる貴重なことだ。

1/19/2024, 2:16:26 PM

お題:君に会いたくて

 夜遅くにインターフォンが鳴った。『こんな時間に誰だろう?』と少し不審に思いながらも玄関へ向かう。ドアを開けると、そこには七海サンが立っていた。
「七海サン! どうしたんスか? 今日は任務だったんスよね?」
「ええ。ひどい現場でした……」
 いつもの様に淡々と話しているようだが、心なしか疲弊しているように見える。
「そうだったんですね。お疲れさまです。ここで立ち話もなんですし、上がっていきますか?」
「いや、それは結構です」
 俺の提案は即答で却下された。
「じゃあどうしてここまで? 疲れてるでしょう?」
「……君に会いたくて来ました」
「え?!」
 俺の聞き間違いかと思った。
「どうも気が滅入ってしまって。そうしたら、何故だか君の顔が見たくなったんです。こんな時間に迷惑だとは思ったのですが、どうしても会いたくて……気がついたらここに来てきました。どうかしていますよね」
「全然! 迷惑なんかじゃないです! むしろ、辛い時に会いたいって思ってもらえて嬉しいです。だってそれって頼ってくれてるってことでしょ?」
「そう……なんですかね?」
「そうです」
「では、きっとそうなのでしょう。また今度、何かあった時には頼っても?
「もちろん構いません! じゃんじゃん頼ってください!」
 そう胸を叩いて元気よく答える。
「ふふ、よろしくお願いしますね。さて、君の顔を見たらなんだか気が晴れた気がします。こんな時間にありがとうございました」
「どういたしまして! ……七海サン、本当に上がっていかないの?」
「すみません、明日も朝から任務なんです」
「そっか。それじゃあ仕方ないですね。明日も頑張ってくださいね!」
「ええ。君のおかげで頑張れそうです。本当にありがとうございました。それでは失礼します」
 一礼して、そう言いながら去って行く七海サンの足取りは、ほんの少しだけ軽くなったようだった。
 俺が七海サンの辛さを少しでも和らげることができたのなら、そんなに嬉しいことはない。いつだって頼ってくださいね!

1/19/2024, 2:15:57 PM

『君に会いたくて』

僕は遠く離れた地にいる君に会うために川を渡り、橋を渡って来た。君の喜ぶ顔が見たくて急いで来たというのに、君とくれば来て早々に帰れなんて言うんだから。酷いじゃないか。ここまで来るのに結構時間がかったんだよ?それに僕には君しかいないんだ。だからそんな風に言わないでおくれよ。
そんなに僕がこの場所に来る事か嫌だったの?……約束が違う?でも、だって…。ああ、分かったよ。

枕元で、みゃあと鳴く声がした。そうだった。僕には、僕達には、まだこいつがいるんだった。
重い身体を起こし、外の光が盛れるカーテンを開けた窓から見える空はよく晴れていた。まるで、何事も無かったかのように。

1/19/2024, 2:13:33 PM

霞がかった景色の先に
鮮やかな青が待っている

青はただただ広がるばかりで
光と共に海神がゆらゆらと揺らめいて
あなたの帰りを待っている

幾つ時を重ねても
変わらぬ世界の中で

1/19/2024, 2:13:25 PM

君の後ろ姿が冷たくて
君が汚いことを知らなくて
私はただただ恋をする

実れば燃える果実が
知らぬ間に実ってしまう
摘み取る手には花いっぱい
萌えて燃えて沈んでいく

鼓動を隠している内に
心の声が聞こえてしまいそうで
胸が張り裂けそうになる
私に気づいて欲しい

恋の形は終わりを告げて
愛することを初めてみた

#6 君に会いたくて

1/19/2024, 2:05:37 PM

瞼の向こうでは、誰かの泣き声が聞こえていた。
その声は、とても愛しい。
けれど、ゆっくりと、音は遠ざかっていく。

「ん……?」

目を開けると、綺麗な世界が広がっていた。
わぁ、と小さく歓声を上げ、一歩足を踏み出す。柔らかな草の感触が素足に伝わってくる。小さい花や大きな花が、心地好い風に揺れる。
背後では穏やかに水が流れる音がする。振り返ると大きな川が広がっており、見事に透き通った川の色に感嘆の息をつく。
そして、寂しさを覚えて唇を引き結んだ。
なんとなく、川の向こうにはもう行くことができないと感じていた。
けれど川の向こうに、行けなくてももう構わないと思っていた。
寂しさと同時に、確かな充足感が胸を占める。
優しくて温かい風が頬を撫でる。
「……ありがとう」
自然と、その言葉を口にする。
その時、慌ただしい足音と、懐かしい声が聞こえた。
記憶が揺さぶられ、濁流のように当時の感情が湧き上がる。まっすぐに日常を生きていくために、胸の奥に仕舞い込んでいたものが溢れてくる。
自然と目からは涙が流れていた。
振り返ると彼が、私を優しく見つめる。その眼差しは、ずっとずっと、私が恋しく思っていたものだった。
懐かしい声が、私の名前を噛みしめるように呼んだ。
その声が私の胸の奥をぐちゃぐちゃにかき混ぜ、新しい涙となって頬を伝う。
「あ……」
言いたいことは山程あるはずなのに、私は何も言えなかった。
彼は私に歩み寄り、頬を撫でる。若々しい手に撫でられるのは、少し、恥ずかしい。彼に比べて、私はすっかりおばあちゃんになった。早くに亡くなった彼よりもずっと長く生きた証拠だ。
「しわしわだ。よく、がんばったね」
そう。私は頑張った。
大切な彼を失って自暴自棄になりそうになる心を支えてくれた人と結婚して、家庭を築いた。そして、とても幸せな人生を送った。
それでも、彼に会いたいと心の片隅では、ずっとずっと、思っていた。後を追いたいと思ったことだってある。
「あいたかった」
涙に崩れた顔で、一言告げる。
「俺もだよ」
抱き締める腕は、あの時と同じで温かくて優しい。
「たくさん、生きてくれて、ありがとう。おばあちゃんになるまで、元気に長生きしてくれて、ありがとう」
彼なら、そう言うと思っていた。
後を追うことを望まないだろうと分かっていたから、懸命に、幸せに生きてきたのだ。
「素敵な人と結婚して、可愛い子どもに恵まれて、幸せそうなきみを見ていて、すごく幸せだった」
彼の声が涙に揺れる。
「最後はたくさんの温かい人に囲まれていて、本当に良かった……」
私の背を抱く手に力が籠もる。彼は、震えていた。鼻を啜る音が響く。私は、彼の背中を優しく撫でる。
「きみを置いていって、ごめん。……きみを、置いていきたくなかった…!」
「……大丈夫よ。こうして、また会えた」
私は泣きじゃくる彼の背中をあやすように撫で続ける。

「これからは、ずっと、一緒よ。一緒に、大切な人を見守りましょう」
「ああ、そうだね」


※※※

「おばあちゃん、幸せそうな顔してるね」
亡くなった祖母は、穏やかな微笑みを浮かべていた。
祖父は泣きすぎて真っ赤になった目を細めて笑う。
「ああ、そうだな」
祖父のしわしわの手は、優しく祖母の頬を撫でる。
「ありがとう」
その時、祖母の優しい声が聞こえた気がした。
「ありがとう」と。 

【君に会いたくて】2024/01/19

1/19/2024, 2:04:09 PM

君に会いたくて
星々を見て語りかける
今あなたは幸せの中にいるのか
悲しみに溺れていないのか
いつも彼らにあなたを導くよう願っている
星が降ったらまるで
夜空があなたが泣いているのを教えているかのようで
少し心配になる
本当はそばに居て大丈夫だよと抱きしめてあげたいけれど
それは無理だからせめてもと
月に祈る
あなたを私の代わりに優しさで包んでくれるように
そしてまた笑顔が溢れるように
たとえ私がそばに居なくて

1/19/2024, 2:03:46 PM

「君に会いたくて」

過去を振り返り

会ってみたい人を思い浮かべてみた

昔の友や彼女が浮かんだが

本当に会いたいのかと

自問自答してみると

会ってはみたいが

もう一度付き合いたい訳でもなく

もう一度あの頃のように弾けたい訳でもない

そう思うと会いたい事に疑問を感じる

本当にそこそこ生きてきているのに

会いたい人はいない訳がないと

思っていたら ふっと降りてきた❢

叶わぬもとの思っていたが

もし会えるなら母に会いたい

自分が5歳の時に天国へ行ってしまった母に

写真の姿しか思い出せない母に

「君に会いたくて」…

1/19/2024, 2:03:35 PM

【小説 君に会いたい】

我ながらバカみたいだ。
お気に入りの服を着て、一番似合う化粧を施して、ラメは多めに、背の高い彼の隣もしっかり歩けるようにいつもより高いブーツを履くの。
髪は朝早くから起きて美容室に行って、綺麗なカラーコンタクトで気分を上げて、貴方はどんな格好でくるのかな。どんな話をしようかな。なんて考えながら電車に揺られるの。
待ち合わせ場所で貴方を見つけて、かっこいい立ち姿に見惚れて、手鏡で自分の容姿を見直してから。
お待たせって精一杯の笑顔で君に駆け寄るの。
そうすれば貴方はいってくれるよね。
「待ってないよ。今日もかわいいね。」
ありがとうって笑って、私たちはいつも通り、『友達として』一緒に過ごすの。
私がどんなオシャレをしても、どんだけ君に話しかけても。周りにバレるほどの好意をあなたにむけていても。貴方は一度だって気づいてくれないよね。
それどころか、私にむけたことがないほどの満面の笑みで振り返って
「これ、あの子に似合うかな?」
なんて聞いてくるよね。うん。似合うと思うよって私は頷いて、貴方はやっぱりって心底愛おしそうにその子に似合いそうなものを大事に抱えて会計に行くの。
その後ろ姿を見つめる私の顔を、貴方はみたことがないでしょうね。
ねえ、バカみたいでしょ。滑稽でしょ。
こんなに無謀な恋を、何年も続けてるの。
もう、嫌になっちゃうよね。
でもね、あの人がたまに私に見せる言動が、いつも私の心を揺さぶるの。
「ねえ!待っててよ!?僕君のこと一番信用してるんだから!」
「あーやっぱりゲームじゃ君には敵わないなあ。」
貴方の言葉で一喜一憂する私を、友達はいつも叱責するんだ。そんな恋やめて、次にいきなよって。
次に行こうって毎回思ってるよ。会うたびに、今回で最後にしよう。どうせ叶わないのならいっそ捨ててしまおうって。
そうなんだけどね、あの人ずるいんだ。
いざもう二度と会いたくないって伝えようとすると、途端に悲しそうな瞳で言うの。
「僕たち、友達でしょ?」
あの人は自分がどれだけ残酷なことを言ってるのかわかってないんだろうね。
でもそんな言葉に当たり前でしょって返してしまう私も大概なのかも。
結局はね、どんなに心を殺しても、傷ついても。あの人に会いたいんだ。あの人の隣で、あの人が語る思い人の話を静かに聞くの。時に明るく、時には悲しそうに、頬を染めたり、照れくさそうだったり、焦ってたり困ってたり。そう言うコロコロと変わるあの人の表情が好きで、同時にそんな表情を引き出してしまうあの子が妬ましい。
ねえ、知ってた?あの人会計を終わらせると、いつも楽しそうに笑って、あの子のリアクションが楽しみだなんて言うんだよ。キラキラと光る瞳が宝石のようで、幸せそうで。
ああ、この人が幸せならいいかもなあなんて、ふざけたことを思ってしまうの。その表情を、隣でずっとみてたいなともね。
でもまあやっぱり、あの人との予定が終わると、泣いてしまうんだけどね。
それでも次の約束を取り付けてしまう私は、きっともう手遅れなんだろうね。

1/19/2024, 2:03:00 PM

君に会いたくて               君に会いたくて、私は今から飛び降ります。

1/19/2024, 2:02:23 PM

#4 君に会いたくて





お互い恋人がいる。
ただの仕事仲間、



だったー。



会社の飲み会。
もちろん君もいる。



その日、一度だけ一線を越えた。





それからというもの、君はボクにこう言うんだ。








「また飲みに行こうよ」








なんだかその言葉が妙に嬉しかった。
また君にプライベートで会えることが。



なんだかちょっぴりね。





別に今の恋人に不満はない。





だけれど、ボクはまた、君にメッセージを送る。








「今何してる?」








別に今の恋人に不満はない。






ただ、ちょっと。



          ちょっとだけ。





      君に会いたくなっただけ。

1/19/2024, 1:58:30 PM

君に会いたくて
久しぶりのクラス会…仲良しの届いた誘いに、ふっと浮かんだのは、あの頃、秘かに想いを寄せていた君の顔…もともと人見知りで、クラスでも浮いていた私は、イジられるか、無視されるかのどちらかで…でも、そんな私にも、何時も普通に接してくれたね…優しい君の笑顔が迚も眩しくて、ちょっとだけ期待していた…勿論、あり得ないって解っていたけれど…結局、何も云えない儘に、卒業して君とは、逢えなくなったけれど…このクラス会で、もしも君と会える事が出来るなら…

1/19/2024, 1:58:12 PM

いつもみる朝の情報番組は既に終わってしまった。
急いで髪をセットしたからかアイロンで火傷した。
それもこれも不運なこと全部めざましがいつもの時間にならなかったせいだ。
いつも早めの行動を心がけているがこういうのはどうしようもない。
もしかしたら、あの子、先に行っちゃったかな、なんて約束もしていないのに女々しく考えてしまう。
約束はしていないけれど、途中で彼女が後ろから走ってきてそれをおはよう、と返すのが俺の日常になってしまった

「…はあ、ツイてない」

彼女と一緒に学校へまで歩くあの道、結構気に入ってたのになぁ
思わずため息をついたら、その拍子にドアの角に足をぶつけたので今日はとことんツイてなさそう。


いつも通りあの道をあるく。
あの子がいたらなぁ、なんて考えて直ぐにこんな寒いなか待たせていたら風邪ひいちゃいそう、と直ぐに心配が勝った。
もし俺なんかを待っててくれたら可哀想でしかたない。
そう思うと自然と歩くスピードが早くなる。
…気の所為じゃない。
あそこにいるのって…もしかして、

「あ、先生っ!…よかったぁ、先行っちゃったかと」

いつもの場所にやっぱり彼女はいた。
惜しげも無く晒された白い脚が寒さからかほんのり赤く染まっている。

「貴方…ずっと待っててくれたの?約束、してないのに」

「約束はしてないですけど、もし同じ状況で先生がここで待ってくれたら私嬉しくて死んじゃうなぁ、って思って。朝から先生に会えたら幸せですし!…ぁ、…でも先生は嬉しくない、か。迷惑、でしたか…?」

きゅるっと上目遣い。あぁ、可愛い。可愛くないわけが。
迷惑なんて、とんでもない。君がもしかして待ってくれてたり、なんて淡い期待を抱いて早歩きになった俺も大概だ

「…ううん、迷惑じゃないよ。待っててくれてありがとうね、」

首元のマフラーを掴んでいた白い手にそっと触れる。
指先まで氷のように冷たい。可哀想だ。
カイロでも持ってくればよかった。

「…せんせ、?」

「……冷たい。ねえ、約束しようよ。毎朝8時にここでさ、待ち合わせするの。休む日はLINEでも電話でも」

「せんせいいの…?」

「貴方がいいなら。約束ね、」

俺と彼女の小指がきゅっと絡まって何度が上下した。
この約束をした今俺は寝坊する気がしない。


2024.1.19『君に会いたくて』

1/19/2024, 1:55:32 PM

『君に会いたくて』

少し辛かった時のこと。

親の仕事の都合で外国に行く事になった時。
初めての飛行機。初めての異国。初めて食べるご飯。
何もかもが面白かった。

そこで日本人の友達ができた。しかも、同い年で
趣味嗜好が合うのでその子とはよく遊んでいた。

でも、そこで暮らして何ヶ月か経った時、
日本に帰りたいと思うようになった。

慣れない外国の暮らし、外国の人と話す緊張感、
家族みんな、慣れない環境に疲れていた。

体と心は繋がっていると何処かで聞いた。
体が疲れていると気持ちの余裕がなくなる。
そして、だんだんと家族喧嘩が増えた。

あぁ、日本に帰りたい。
日本に帰って祖父母に会いたい。

そして、よく遊んでくれた幼なじみ。
あの子は元気にしているだろうか。

そう思った。

そんなこともあったが、今となっては笑い話だ。
でも、誰だっていつかは別れる事になる。
誰かと過ごす時間をもっと大切にしよう。
「君に会いたくて」

1/19/2024, 1:55:24 PM

君に会いたくて僕は走り出す。君を殺したくて君を愛したくてその輝きが欲しくて会いたくて、会いたくてたまらならない。
そんな僕を僕は愛してやまない。


お題『君に会いたくて』より

1/19/2024, 1:50:53 PM

きづいたら
みつけられなくなってた
にじはひかりのはんしゃ
あいもみえてないだけかも
いつかきづくときがくる
たりないぼくたち
くもりぞらでもそこにあるけど
てをのばしてもふれられない

1/19/2024, 1:47:55 PM

流行りの病がどんなふうに辛いのか彼女は話した。それは一方通行の語り口で、傾けられた耳は疑いにそばだった。
「ただのかまってちゃん……」
 どこか腑に落ちないふうに、僕は首をかしげる。なぜ彼女はこんな投稿をしたのか。
「べつに心配してなんて言ってない」
「なら、どうしてこんな真似を」
「発信することで、辛いときに誰かが救いの手を差し伸べてくれるかも」
 なるほど病気の報告をソーシャルネットワークでするのはかまってちゃんがすることのようで、実際には益のあることかもしれない。
「君の言うとおりだ。ごめん」
 彼女の家のドアノブにかけられたコンビニの袋を、僕は熱い瞼に浮かべた。気をかけた彼女の友達が持ってきてくれたものだ。
「あなたは大丈夫?」
 瞼を開く。熱い涙が頬をつたう。
 僕はひとりだ。たったひとりきりだ。病に伏せているという投稿をしなかったのは、やったとて救いの手どころか温かみのある言葉ひとつ届かないから。
 でも……
「僕は」

1/19/2024, 1:47:07 PM

"君に会いたくて"

 早朝の散歩から帰ってきて、裏口の扉を閉め錠を下ろす。カチャ、と乾いた音が響くと「みゃ〜」とジャンパーの中のハナが鳴いた。
 そのまま居室へと向かい、ハナをジャンパーから出して水で満たされた皿の前に下ろす。
「ほら、水飲め」
 それから間もなく、ピチャピチャ、と音が聞こえた。
 一緒に早朝の散歩をするようになってから、帰宅してすぐ水を飲ませている。因みに水は、散歩に向かう前に水を水用の皿に入れて、ご飯と同じ場所に置いてからジャンパーを着てハナを中に入れて出ている。
 するとハナの身体がピクリと動いた。視線は正面玄関の方を向いている。
 その後すぐに、タタタ、と居室を出て廊下を曲がって行ってしまった。それは来客が来た時と似た反応だった。
──こんな朝早くに誰だ?
 遅れて正面玄関に向かう。廊下の突き当たりにハナが立ち止まって廊下を曲がって消えて、その数秒後に声がして、その声に「みゃあ」と鳴いて挨拶をした。
 少し距離がある上に閉ざされた扉の向こうからの声。普通の人なら《誰か》までは特定するのは難しい。けれど俺は《誰か》すぐに分かった。
 早足になるのを何とか抑えてたどり着き、正面玄関の錠を外して扉を開ける。
「どうした、朝っぱらに」
「朝早くに済まない」
 飛彩は申し訳なさそうな声色で謝ってきた。
「別にいい。……で、急な調べもんの依頼か?」
 いつもの調子で問う。
──まさかこんな朝早くに会えるなんて……っ。
 と声が聞こえた時から思っていたし今でも昂っているが、表に出さぬよう必死に取り繕う。
 ふと飛彩の足元を見ると、ハナが飛彩の足に擦り寄っている。飛彩は「やめろ」と困った声色でハナの頭を撫でている。だが頬を擦り付けるのを止める気配が全くない。そんなハナを黙って見つめる。
「……」
──ずるい。俺だって、そうしたいのに……。
 そうは思うが、早朝な上に飛彩の身なりは明らかに出勤前で、そもそも二人きりでもそんなに分かり易く甘えた事をした事も無いので、実際にはできるはずもなく。嫉妬心で黒い感情が渦巻いているのを、何とか抑え込む為に目を閉じる。
──まさか猫相手に嫉妬する日が来るとは。結構嫉妬深いのかもしれない。
 自分を落ち着かせる為、バレないように静かに大きく息を吐く。
「いや、そうではなく……。ただ予定より早く支度が済んでしまって。貴方に会ってから出勤しようと……」
 そう言い切って再び足元のハナに「やめてくれ」とハナの頭を撫でる。
──……ん?今、なん……。
 一瞬少しパニックになる。落ち着いて先程の言葉を反芻する。
 すると、みるみるうちに自身の耳が熱くなっていった。こういう時程『髪に覆われてて良かった』と思う事は無い。
「そうか」
 恥ずかしさで震えそうになるのを必死に抑えて短く答える。
 正直、さっきから開いた扉から入ってくる風に若干震えていた。だが今は、先程の言葉のせいで熱くなった耳を撫でる風が逆に有難い。
「では、そろそろ行く。……会えて良かった」
 柔らかな笑みを浮かべながら言う。
「お……」
 思わず素っ頓狂な声を漏らす。
──心臓に悪い……っ!
 そんな声を出した俺に、首を傾げながら不思議そうな顔で見てくる。恥ずかしさに見てられなくて、咄嗟に顔を逸らす。
「おう、そうか。……なら早く行ってこい」
 我ながら無愛想極まりない言葉を発する。素直じゃない自分に嫌気が差してくる。
「あぁ。行ってくる」
 そう言って身を翻して、歩いていく。その後ろ姿を見送りながら『あぁもう、俺の馬鹿』と心の中で自分への文句を言い放つ。
 曲がって物陰で見えなくなる前に立ち止まってこちらを振り向き、手を振ってきた。
──そういうの、俺なんかじゃなくて女にやれ……。
 そう思いながらも口には出さないのは、結構重症だ。そんな自分に呆れながら、控えめに片手を上げて振り返す。
 ふっ、と笑いかけて物陰に消えていった。
 扉を閉めて、ハナが中にいる事を確かめる錠を下ろして早足で居室に入り、ベッドに飛び込んで枕を抱いて顔を埋める。
──なんだあれ。なんだあれ……っ!
 思わず出た、呻きに似た声が枕でくぐもった声になる。
──あんな……ずるい……。何もかも……。
「……もう」
 まだ朝食前で、朝食の準備をしようと思っていたが、胸がいっぱいで何も食べる気が起きない。
「みゃあ」
「……」
 ハナの鳴き声で我に返る。
──ハナの朝ご飯の用意するだけでいいか……。
 枕を離しベッドから降りて、ふらふらと台所に向かった。

1/19/2024, 1:46:21 PM

君に会いたい。
他の誰よりも、君に会いたいんだ。

出会いは最悪だった。
わたしのことは睨んでくるし、変なこと言ってくるし。あの頃の君は本当に何がしたいのか、何がしたかったのか、わからなかった。
でも、君のことをもっと知りたいと思った。
だから、君を追い続けた。
どこに行っても、君を追い続けた。
わたしはただ、君のことを追い続けたかった。

行方知らずの今。
君はどこにいるの?

君の声を聞きたい。
君の姿を見ていたい。
君を感じたい―。

君に会いたいよ……

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