『君と最後に会った日』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
「君と最後に会った日」
また遊びに来いよ〜
じいちゃんは何度も言った。
しつこいとばあちゃんも何度も言って、
じいちゃんに聞こえない声で
次会うときは葬式の時だよ
と冗談ぽく言った。
次の年、じいちゃんは布団に寝かされていた。
親戚がたくさん集まった。
「じいちゃん、遊びに来たよ」
返事はなかった。
2019があと数分で、、
終わった
私は唐突にあの町に向かった
サイゼリヤ以外どこも空いてないこの日になにをおもったのか、
あの頃の神社やいつの日かの旧友、大切なあの頃を回収し君とも別れを告げる。
またね
そのまたねが叶わないよう、普段は飲めないコーヒーを買って電車に乗り込む、
普段は苦手なこの苦味もどこか美味しく感じた。
あの日は、梅雨時にしては珍しく、雲一つない快晴だった。
幼馴染みと出先で偶然再開し、昼だったのでそのまま一緒にランチをした。
観光客や学生でごった返す大通りから路地へ抜けて、個人経営だろう小ぢんまりとした喫茶店へ。
カリリンッ、と控え目なドアベルが鳴り、涼しい店内に入る。
カウンター席が六つ、テーブル席が二つ、テラス席もあるようだ。
テーブル席には既に先客が居たので、カウンター席に並んで座った。
老年の女性が「いらっしゃいませ」と持ってきてくれたメニュー表を二人して暫しにらめっこ。
悩みに悩んで結局アイスコーヒーとランチセットのAを二つ頼んだ。
出されたランチを食べながら、色々と話をした。
家族のこと、仕事のこと、趣味のことを。
ボリュームたっぷりなランチを平らげた君が食後のデザートと、追加でアイスクリームを頼む。
幸せそうにアイスクリームを頬張っていた君の顔が印象的だった。
午後も仕事だ、二人で駅前まで歩いて、他愛もない話をしながら、改札で別れた。
バイバイと手を振る君に、またねと手を振り返した。
一月も経たない内に、君が亡くなったと御両親から報せが入った。
テーマ「君と最後に会った日」
今日のテーマ
《君と最後に会った日》
彼女と最後に会ったのは祖母ちゃんの葬式の日。
桜の蕾が膨らみ始めた、春もまだ浅い頃。
一緒に暮らしてた俺達家族は、日に日に弱っていく祖母ちゃんを目の当たりにしていて心の準備ができていた。
亡くなった時も、もちろん悲しさや喪失感はあったけど、心構えができていた分、動揺も少なかったんだと思う。
けど、離れて暮らしていた彼女にとっては寝耳に水の出来事だったんだろう。
叔父夫婦もまだ高校生の彼女には祖母ちゃんの容態を詳しく話していなかったらしい。
棺の前で泣きじゃくりながら、休みの度に見舞いに来ればよかったと後悔の言葉を重ねていた。
彼女は小さい頃から祖母ちゃんっ子で、夏休みや冬休みはしょっちゅう家に泊まりがけで遊びに来ていた。
一人っ子の俺にとって、彼女の訪れは妹ができたみたいでとても嬉しかったし、弟しかいなくて家では姉の立場の彼女にとってもまた俺は兄のような存在だっただろうと思う。
だけどそんな交流も彼女が中学生になると同時にすっかり頻度が減ってしまった。
彼女の所属している部は県大会突破の常連校で、土日はおろか夏休みや冬休みも部活動の練習があってなかなか休めない。
たまに休みがあっても、そこは年頃らしく友人達とのつきあいを優先させるのが普通である。
小学生の頃ならまだしも、自転車でもバスを乗り継いでも20~30分かかる親戚の家に、そうそう頻繁に足を運ぶことはなくなっていた。
葬式を終え、火葬も済ませ、親族一同での食事の時も、彼女はずっと啜り泣いていた。
隣に座る叔母が宥めるように背中を叩いてやっても、反対隣に座る弟が心配そうに声をかけても、その涙は乾くことはない。
こんなことならせめて祖母ちゃんの容態を知らせておいてやれば良かったと、俺は少し離れた席から様子を窺いながら激しく後悔した。
最近は意識も混濁してることが多くて、見舞ったとしても祖母ちゃんと話せるわけでもなかったけど、それでも彼女はきっと見舞いたかっただろうし、そんな祖母ちゃんを目の当たりにしていれば俺達家族みたいに心の準備をすることが叶っただろう。
可愛い妹分をこんなにまで泣かせてしまった一因が自分にもあるんじゃないかと、そんな罪悪感に苛まれてやまない。
だから俺は、彼女達一家が帰る前に少しだけ話す時間を取らせてもらった。
「ごめんな。祖母ちゃんのこと、連絡しとけば良かった」
「ううん、お兄ちゃんが謝ることない。わたし、入院してるって聞いてたのにどんな容態なのかも聞いてなかった。お見舞いにだって行こうと思えばいつでも行けたのに……」
「部活忙しいんだろ。しょうがないって」
「それだけじゃないの……それだけじゃなかったから……お祖母ちゃん、ごめん……ごめんなさい……」
また泣き出してしまった彼女の頭を子供の頃みたいに撫でてやりながら、何となく腑に落ちた。
彼女は、たぶん祖母ちゃんを見舞いたかった。でも、それを躊躇う何かがあったんだ。
たとえば祖母ちゃんかうちの母親と些細な喧嘩をしたとか、そんな、来づらくなるようなことが。
「おまえのせいじゃないって。そんなに泣いてたら、祖母ちゃん、心配で成仏できないぞ」
「でも……ううん、そうかも……そうだね、お祖母ちゃんのためにもこんなめそめそしてちゃ駄目だよね……」
俺の言葉が響いたのか、必死で涙を堪えようとする。
その健気な様子がたまらなく愛おしくて、何だか妙にそわそわと落ち着かない気分になってきた。
最近会ってなかったから、すっかり女らしく成長していたことに今更気づいて狼狽えたのもある。
ずっと小さな妹のように思ってたのに。
いやいや、落ち着け、俺。
子供の頃から兄妹みたいに過ごしてきてたのに、その俺がいきなり女として意識し始めたなんて、そんなこと気づかれたら気持ち悪がられて引かれるのは間違いない。
こいつは妹、俺にとって可愛い妹。
でも従兄妹って結婚できるんだよな。
いや、だから、待てって! 節操を持てって、俺!
いくら彼女いない・彼女欲しいからって、そんな目で見たらこいつだって迷惑だろ!
やっと泣き止んだ彼女を叔父一家の元へ連れていって送り出し、俺は何だかひどく落ち着かない気持ちを抱いたままその後の日々を過ごすこととなった。
あれから3年の月日が流れた。
祖母ちゃんの葬式から程なく、俺は地元を出て就職した。
GWや盆暮れ正月の帰省も県を跨いでの移動が面倒で頻度は少なく、法事の時は彼女が部活の関係で来られなかったりで、結局あの日以来会ってない。
そして今日、従姉の結婚式で、久しぶりに顔を合わせた。
大学生になった彼女はもうすっかり大人の女性然としていて、着飾った姿が目に眩しい。
久しぶりの挨拶を交わした彼女から「お兄ちゃん」ではなく名前で呼ばれ、そのことが益々俺を落ち着かない気分にさせる。
この再会を機に程なく交流を再開した俺達は、それから暫く後に、彼女による猛攻を経て関係を改めることとなる。
そして、彼女が祖母ちゃんの見舞いに来れなかった理由が、俺に彼女ができたと勘違いしたことによるものだと知るのは更にその後の話。
一緒に墓参りに行った俺達を見て、きっと天国の祖母ちゃんは「やっとくっついたか」と笑っているに違いない。
九月、彼はいつもの場所に現れなくなった。
最後に会ったのは八月だ。
私は彼から借りていた本を返して、また新しい本を借りた。読んだ感想をたくさん話して、お礼を言ってその日は解散になった。
「また、いつか」
私は彼が言ったその言葉を、未だにはっきりと覚えている。いつも通り住宅街にある階段に腰掛けて、風に黒い髪をなびかせながら、私に手を振っていた。私は笑って手を振り返して、そのまま家へ帰った。
今思えば、あの日だけだった。
いつもは別れの際「また、来月」と言ってくれていた。なのにあの日だけは「また、いつか」だった。
引越しとか、仕事の都合とか、何か事情があったのかもしれない。と、当時相談した母からは言われた。でも、私は何故かそう思えなかった。
最後に会った日から十年。彼が本当に存在していたのか、実は夢を見ていたのではないかと思い始めるほど、私は所々の記憶が薄れてきていた。しかし、彼から借りている本を見て、表紙を触ると、そこには存在感があり、あの時の私と彼との繋がりは実際にあった出来事だと強く認識するのだった。
【君と最後に会った日】フィクション作品 #1
晴れて、とても暑い夏の日だった。
雲もなくて、太陽に照り付けられた地面も熱くて、歩くのがすごく億劫で。
私は、君と海に行く約束をしてたんだ。
付き合って1年経つあの日。
実は別れ話をしようと思っていた。
君は、初めて私からデートに誘って貰ったとウキウキしていて、前日もこうしようああしようと、計画を楽しそうに立てていた。そんな君を見るのがこれで最後になるのかと思うと、私にとっては複雑だった。
「10時に君の家に迎えに行く。」
そう言ってあったから、私は約束通り10時に着くように君の家に向かった。
インターホンを鳴らすと、バタバタと君が出てきて、
「買い忘れたものがあったからコンビニ行ってくる。少し待ってて。」
私の肩にポンっと手を置きながら横を通り過ぎていく。
忘れ物や時間の遅れは日常茶飯事だった。
むしろ、遅れや忘れ物がなかったことは無い。
そんな杜撰なところが、今回別れを切り出す理由でもあった。
きっと私の心が狭いのだろう。
他の人なら、もう少し許せるのかもしれない。
それ以外は完璧な人。
見た目も大まかな性格も問題なし。
「いい男捕まえたね。」と、知人や友人からは何度も言われた。
そう、私の心が狭いだけ。
私が彼に合わなかっただけ。
だからしっかりお別れを伝えて、彼には私なんかよりもいい女捕まえて幸せになってもらおう。
ずっとそうやって言い聞かせてきた。
少しと言ったくせに30分経っても帰ってこない。
遅すぎると思って、コンビニに向かおうと大きな道へ出ると、
そこには救急車とパトカーが止まってた。
大きな声で叫ぶ人。
AEDを持って救命処置を施そうとしてる人。
周りでざわつく野次馬達。
その真ん中で、倒れている人。
倒れている人にはものすごく見覚えがあって、
数十分前に出ていった君の格好にそっくりだった。
それからは巡るように時間が過ぎていって、病院に搬送されて一度は持ち直したものの、結局君は帰らぬ人となった。
ずっと集中治療室にいたので、家族以外顔を見ることも出来ず、君は遠くへ行ってしまった。
まさかこんな別れ方をするなんて思ってなくて、しばらくは放心状態だった。
周りからは仲のいい彼氏彼女で通っていただろうから、すごく心配された。でも、それが重荷でもあった。
葬儀や四十九日法要も終わって落ち着いた頃、彼のお母さんから連絡があり、彼の家を訪ねた。
「これ、息子がずっと持ってたらしいの。」
差し出されたのは、手紙だった。
不器用な君。
文才もなく、たった2行の手紙だったけど、
私にとっては、初めてのラブレターだった。
そして彼の傍には、もうひとつ落ちていたものがあったらしい。
小さなクチナシの花束。
手紙と一緒に渡そうとしていたのではないかと言われた。
コンビニの隣には、できたばかりの花屋があった。
きっと、そこに行ってたんだね。
私はそこで初めて泣いた。
ぽろぽろと涙がこぼれてきた。
彼のお母さんの前なのに、構わずわんわんと泣いていた。優しく、背中をさすってくれた手は、彼のように優しくあたたかかった。
あれから数十年、私は毎年この暑い時期になると彼に会いに行く。
___白いカーネーションの花束をもって。
【花言葉】
クチナシ:私はとても幸せです。
白のカーネーション:私の愛は生きています。
#君と最後に会った日
最後に会ったのはいつだったかな
ずっと大切な存在になると思ってたのに。
君のこと忘れたくないと思っていたのに。
どんどん記憶は薄れていく。
でも、最後に会った場所は覚えてる。
それは、夜空の下、星が綺麗に見える夜だった。
何気ない楽器の練習の日。
それが君と会った最後の日。
あれからぐんぐんと…背が伸びるわけでもなく
次に会ったら多分笑われるんだ。
そしたら笑い返そうと思ってる。
君の方が小さいじゃんって。
でも伸びてたらどうしよう。
もしかして僕より高くなってたり。
いや、それはないか。
もう君、この世に居ないし。
あれから/宮浦透
君と最後に会ったのはいつだろうか。
「さようなら」という言葉すら交わしたのかどうかも、忘れてしまっていた。
日々の忙しさにかまけて記憶の隅にしまった、最後のキミの姿。
今どうしてるのか気になるけども「元気してる?」なんて今更言えなくて。
ああ、薄情な私を赦しておくれよ。
もうあれから一年。
君と最後に会ったのは一年前のちょうどこの時期だったね。
もうすぐ7月になりそうなこの時期に私たちはお別れしたね。
ずっと大好きだった。
別れる前日まで花火大会行きたいねとか、浴衣着たいねなんて言ってたね。
あなたとは友達みたいで、なんでも話せて一緒にいるのがすごく楽しかったな。
もうあれから一度も会っていないし、今どこでなにをしているのか私は知る方法もない。今でも元気にやっているかな?
あなたと過ごした日々も過ごした時間もずっと大切な思い出として残ってる。
またいつかどこかで会えたら、その時はあなたに話したいことがたくさんある。
きっとその時はお互い笑い合えているといいな。
その日は突然で
なんの前触れもなく貴方は
消えた。
よく晴れた日で貴方は
昨日まで
私の隣で笑っていたのに
もう怒らないから
もう一度私に笑いかけて
【君と最後に会った日】
✂ーーーーーーーーここから⚠ーーーーーーーーーー✂
僕と似てる人が嫌いだ
僕と似てる弟が嫌いだ
僕が僕を嫌いなのを知って
"好き''という君を理解できない
僕が女を嫌いなのを知って
彼女の話をするお前が怖かった
いつからこんなに''嫌い''
が増えたのか
今のこの時間も嫌いだ
【嫌い】
最後に君と会った日。
あの日は、私の心に深く刻まれた。
夕暮れ時、私たちは公園のベンチで座っていた。
君は、いつものように笑顔で私に話しかけてくれた。
その時、私は初めて、
君が私にとってどれだけ大切な存在であるかを
思い知らされた。
空気中には、切ない静寂が漂っていた。
私たちが知っているような別れ際とは違い、
この別れは、思い出が途切れることではなく、
私たちが新しい道を歩み始めることを意味していた。
私たちはお互いに、
言葉にできない思いを胸に抱えていた。
しかし、その時、君は私の手を優しく握り、
力強く言った。
「これからも、ずっと友達でいよう。」
その言葉に、私は涙をこらえることができなかった。
私たちは、友情が永遠に続くことを誓い合った。
最後に君と会った日は、私にとって、
永遠に忘れることのできない日となった。
─────『君と最後に会った日』
あなたと最後に言葉を交わした時から、
もう数ヶ月経ったんだね。
私たちは1歳からずっと一緒だった。
でも、中学生になってから、違う学校に
通うことになって全然会えなくなったんだよね。
そして、離れてても私のことは親友だって
言ってくれた時はとっても嬉しかった。
小学生まであんなに毎日一緒に居たのにね。
その分、中学生になってからはあなたが
居ないことがすごく寂しかった。
でも、お互いの将来の夢を叶えるためだってことは
分かってたから、私も頑張ろうって思えた。
そして、久しぶりに遊びに行った時、
やっぱり変わんないなって思った。
私が一緒に居て安心できるのはあなたなんだって。
お互い中学受験したから高校受験はないけど、
次は大学受験に向けて頑張らないと
いけないからもっと忙しくなるのかな?
できたら高校1年生の間に
また一緒に遊びに行きたいな。
私はいつまでもあなたのことを応援してます。
これからも親友でいてください。
#君と最後に会った日
ドクリ、
心臓に杭を打たれたような衝撃が走り
私は思わず「それ」から目を背けた
ここがスクランブル交差点のど真ん中でよかった
突然俯いて立ち止まっても
有難いことに全く目立たない
「なりたい自分になろう!」
「自分を愛し、全てを愛する」
最近よく聞くようなキャッチコピーを唱えながら
晴れやかな表情でスクリーンの中から
大衆に笑顔を振りまく彼女は
最後に会った時より何十倍も綺麗になっていた
君と最後に会った日、
あれから何年経っただろうか
あの時のビジョンがふいに脳裏に流れ始める
私は未だにあの日を生きているのかもしれないというくらい、全てが鮮明に蘇った
今だって手を伸ばせば
彼女の頬に触れられそうなくらいだ
「未来はまさにあなただけのもの」
私の中途半端に宙に浮いた手が
空気を掴むと同時に
スクリーンが切り替わり、
お昼のニュースが流れ始めた
交差点の信号がチカチカと点滅し始める
もうお前の彼女はどこにもいないのだと、
はやく目を覚ませ、と急かすように
青色が心臓の動悸のように早鐘を打つ
私は俯いたまま
雑踏の中に重い1歩足を踏み出した
ある日二次会で席が空いていたので
私たちはその場所に座る事にした
隣の席は女性2人で
楽しそうに話をしていた
私たちも話をしていると
女性2人が一緒に話しませんか?
といってきた
お互いに色々な話で盛り上がって来て
女性の1人の方がカラオケをしませんか?と
誘われる
入れ替わりデュエットをして
そろそろ女性の2人は帰るということで
店の玄関でお見送りした
そのあとは私たちでいつものように
酒を飲んでいた
君と最後に会った日、
最後な感じがしなかった。
じゃあね、またね。
約束もしてないし、根拠もないけど、
どちらかが、何となく連絡すると思ってた。
似てる人を見かけると、あれっ?って思う。
そんなハズないのに。
もう一度会いたいなんて言葉浮かびもしなかった。
次とかいつとかもしもとか、いやなことばかり考えてしまう。
大切な親友だった
君は誰よりも優しくて繊細で弱くて
だけど誰よりも頑張り屋さんで
そんな君と一緒にいると私の心は穏やかになれた
そんな君だから優しく耳を傾けてくれると思い込んだ
最後に君にあった日の最後の言葉に
どれだけ君は傷ついただろう
「みんな頑張ってるから」が君を突き放し、追い詰めた
繊細だからこそ、頑張り屋だからこそ
言葉を慎重に選ぶべきだったのに
もう戻れないあの時が君との関係を壊してしまった
君とまた言葉を交わすことができるなら
今度は言葉以上のもので「お疲れ様」を伝えたい
【君と最後に会った日】
おはよう って
君をいつも起こしに行ってた
眠そうな君に勢い良く突進して
すり寄って
君の匂いをいっぱい吸い込んだ
毎日がとても幸せだった
それが出来なくなってから どれくらい経ったのだろう
優しく笑いかけてくれる声も
撫でてくれる手も もう無い
明日はいるかな?と思って眠りに就いても
毎朝希望は打ち砕かれて
段々と この家から君の匂いが消えて行く
あの日 皆が集まっていたあの場所
そこに君はいるの?
匂いはしないけど きっとこの下にいるんだよね?
冷たい石に 寄り添ってみる
やはり君の匂いはしないけど
何だかとても眠くて
僕も瞼を閉じた
『君と最後に会った日』
雨が降っていた
ただ立っていた
濡れた髪が垂れ落ちて
透けたシャツがへばりつく
ポツポツ ポツポツ
ザーザーザー
アスファルトを打つ雨粒が
その瞬間に弾け飛び
ドキドキ ドキドキ
ザーザーザー
動悸とズレた雨音が
いやに耳にこびりつく
何処の誰かは分からない
窺う顔もありはしない
けれど今日が最後だと
お互いよくよく理解した