『勿忘草(わすれなぐさ)』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
《勿忘草》
ねえ。
ねえ。
気づいてよ。
僕はここにいるよ。
泣かないでよ。
こっちを向いていつもみたいに頭撫でてよ。
日向ぼっこしようよ。
猫じゃらしで遊ぼうよ。
いくら鳴いたって、つついたって、引っ掻こうとしたって、こっちを向かない。
ああ、そうか。
もう、戻れないのか。
また君と遊べるのはいつになるんだろう。
また遊ぶとき、君と話せるんだろうか。
忘れられてないだろうか。
怖い。
自分が、この大切な人の記憶から失くなってしまうのが。
自分が、ただの飼い猫だったものになってしまうのが。
空が赤に変わり始める。
君は泣きつかれて寝てしまった。
隣でうずくまる。
いつも感じていた温もりがない。
悲しいな。
落ちてく夕日を見ながらずっと考える。
夕日がなくなる瞬間、庭の何かが光った。
近づく。
それは、飼い主が大好きな花、勿忘草だった。
瞬間、それを咥えた。
...咥えられた。
そっと君の横に置く。
ありがとね。
君と出会って、幸せでした。
また、いつか。
月が昇る。
不自然に存在する勿忘草だけが、静かに揺れていた。
これはね、勿忘草って言うんだ。
花言葉は、真実の愛。
それと、私を忘れないで。
素敵じゃない?
この花はね、自分のことが人の心の片隅にあることを願ってるんだ。
常に考えるんじゃない。
ふと、思い出すような、そんな感じ。
寂しくなったら思い出すような。
こんな関係、最高だと思うんだ。
~一人と一匹の会話より~
勿忘草
素敵な貴方
愛しい人よ
世界はこんなにも明るく美しいんですね
声が、心が
貴方と交わればいいのにと思う
貴方に捧げよう
心に咲き乱れるこの花を
22日目【勿忘草】
熱帯夜のある日、ふと、22歳の夏に恋していた彼を思い出した。
私より2つ年下の20歳で、バイクが生きがいの理系男子だった。
だった一度だけ、今日みたいな暑い夜、彼とファミレスで食事した時は、夢みたいな気持ちだった。
でも、私の思いは叶わなかった。だって彼には私と同い年の年上の彼女がいたから。
その後は、彼に会うことは無かった。
携帯もまだみんながみんな、持っていなかった時代。
連絡の取りようも無かった。
だけどどこかで「また会える」って確信してた。
あれから25年。偶然、SNSで彼を見つけた。
良い歳の取り方をした、素敵な壮年男性になっていた。
何となくメッセージを送ったら、返事がきて…
私達は、どちらも独りだった。
今日、あなたは、私に勿忘草の花束をくれた。
そして、小さな箱を開けて跪いた。
私達は、時間がかかったけど、「真実の愛」を見つけた。
いつかの途中に見た向日葵の陰からあなたのことを思い出す。
私には勿忘草が必要なのよと背の高いことを気にしていたあなたの横顔が誰よりも美しいことを知っていた僕は富士には月見草がよく似合うと言った彼の言葉を否定した。
ちいさな青い星をひそかに集めたように、
慎ましやかに咲いている
「私を忘れないで」と冠した花の束を、
きみに放り投げて言えたらよかった。
忘れないでという呪い
かける勇気が僕にはまだ、足りなかったんだ。
勿忘草(わすれなぐさ)
(本稿を下書きとして保管)
2024.2.2 藍
『勿忘草』
「また会ったね」
嬉しそうにこちらへ駆け寄ってくる女性。
先日街で男性にしつこく口説かれている場面を助けたら、懐かれてしまいました。全く、やれやれですわ。
よかったら一緒に散歩をしようと彼女は言います。
見かけによらずグイグイと来る娘ですわね。
私はセバスチャンを先に帰らせて、
その子と近くの公園を散策することにしました。
彼女は歩きながら色々なお話を聞かせてくれました。
勇者がドラゴン退治に行った話や、メイドが魔法のポットを爆発させて屋敷が紅茶の海と化した話…。
彼女の奇天烈なおとぎ話に耳を傾けていると、
足元に小さな青い花を見つけました。
この花、以前も散歩をしていた時に見かけましたわ。
道端にひっそりと咲いていて、
誰かに踏まれ痛そうにしてましたわね。
「あら、可愛らしい花」
私の視線の先に気づいた彼女も足を止め、
屈んでその花を見つめました。
「あなたの瞳と同じ色ですわね」
彼女は目をぱちくりとさせました。
まあ、私ったら、殿方がレディが口説く時のようなセリフをつい零してしまいましたわ。
恥ずかしくなって頭の中で枕を殴っていると 、
彼女は私をまっすぐ見ました。
「ありがとう、すごく嬉しいわ。わたし......、
貴女にまた会いたいとずっと思っていたの」
あらあら、あなたとは先日と今日たまたまお会いしただけの仲なのに、随分と好かれてしまいましたわね。
あー、困りますわ困りますわ。
彼女はほんの一瞬だけ、寂しげな表情を見せ、
それからまたいつもの明るい笑顔に戻りました。
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その後、彼女と別れ屋敷に帰った私は、
花瓶に飾られた青い花を見つめていました。
帰り際に彼女から贈られたものです。
「今度はお菓子を持ってきてお茶しましょう」
勝手に約束を取り付け、彼女はそそくさと帰っていきました。いつどこで会うかも決めていないのに!
ですが、悪い気はしておりません。
彼女の声を聞きながら紅茶を嗜む、そんな光景を想像しながら、知らぬ間に笑みがこぼれていました。
ふと中庭を見ると、しゃがんで土いじりをする生徒が見えた。もうすぐ昼休みも終わる時間だが、一体何をしているのだろう。
「おーい、昼休み終わるぞー」
声をかけると、生徒はパッとこちらを振り返って、手をブンブン振った。その手には何かが握られている。
なんだ、あれ。よく目を凝らすが、さすがに距離があって見えない。そのことに気付いたらしい生徒が、駆け寄ってきた。
「先生、見てみて!」
「何それ。花? だよな?」
「そ。あげる」
ん! と差し出された花をとりあえず受け取る。小さくて青い花。こんな花が中庭に咲いていたなんて、知らなかった。
「これなんて花?」
「……」
「え、なんで急に黙るんだよ」
「……俺も知らないんだよね。せんせー、調べたら教えてよ」
じゃ、教室戻るね。
生徒は走ってその場からいなくなった。俺の手に小さくて青い花だけが残される。
「……絶対知ってるだろ、あいつ……」
まあ、調べるくらいなら自分でやってもいいか。
花をクルクル回しながら、俺は職員室に向かった。
青い花の名前と花言葉を知り、頭を抱える5分前の話である。
13歳の春休み、僕はおばあさんの家に帰った。
おじいさんが運転する白い軽トラックには、田んぼからの泥っぽく青臭い匂い風が絶えず流れていた。
「それにしても、えっらいおおきくなったじ」
「そうかな」
風は強いけれど、のどかな田舎道でおじいさんの声は快活だ。おじいさんは、僕の知る中で、一番元気でやんちゃな人だ。僕はなんだか、久しぶりに僕に
なった気がして、自然と大きな声になった。
今日は暖かな明るい春休み。おばあさんの家の庭は以前にもまして、のびのびと草花が茂っていて、ぽやぽやと輝いている。僕はモネの風景画を思い浮か
べた。
おばあさんは、ずいぶん小さくなっていた。僕が軽トラから降りると、縁側の奥の薄暗い部屋から庭に降りてきて、僕の荷物を受け取ると二階にいってしまった。僕は明るい庭に立ち尽くした。おじいさんの声と知らないおじいさんの声が遠くの方で聞こえる。蝶が目の前を横切った。
転校したのは小学校3年生の夏だった。僕は半袖で黒いランドセルを背負って軽トラックの前にいる。
その時、青いワンピースの少女が現れる。少女は僕を不思議そうな目でみつめながら、坂道を下ってゆく。駆け足で、颯爽と。
「松苗さんは本当に…わっはっははは」
おじいさんの声が一段と大きくなった。振り返ると、おじいさんは坂道を少し下ったところにいて、塀の近くのサザンカの木の合間にちょうど顔が覗いてみえた。おじいさんは松苗さん(?)と話している。
おばあさんが夕飯に呼んだから、僕は玄関にいった。玄関で僕はまた、たち止まった。ここでバーベキューをしたこともある。あの夏の匂い。焼肉のタレの甘辛い、けむ臭い匂い。蝉の声。
目を閉じて夏のあの日を思い出す。さようならバーベキュー、僕は転校してしまった。青いワンピースの女の子は茣蓙に座らずに、ボールで遊んでいた。
ぺんてんぺんてん 白いうさぎは野山の隅で 今日の晩飯つくってる 赤いうさぎは野山の陰で …
ぺんてんぺんてんと、ボールの音が聞こえてきて、目をあけると、家の向かいの道にあの子がいた。あの日の少女だ。
「松苗さん…」
僕の声は発せられただろうか? 彼女はまだ、ぺんてんと、ボールを叩く。
「松苗さん、あのね…」
ボールが彼女のサンダルにあたって、跳ねた。僕の方にトントンと転げてきたので、屈んでボールを拾いあげた。
ゴム製の少し重たいボール。僕の手は震えている。西日が強くて何も見えない。これは、幼い頃の僕のボールだ。これでよく遊んだ。毎日遊んだ。煤けているところは、もしかしてバーベキューの煙?
少し笑いながら、立ち上がると、彼女はいなかった。いなかった。
庭から溢れて、覆うようにゆれる青い花が、僕を西日から守る。彼女らは、もうじき枯れてしまう。
僕は日陰に逃げ込んで、夏まで生きよう。青いワンピースの夏まで…
【勿忘草】
勿忘草
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~以下、店先にある掲示板の内容~
【魔法薬専門店 置いてけ堀】
本日のおすすめ物々交換用アイテム
▪ミオソティス(素材)
ミオソティスとは、おもに調合や錬金術で使う素材のことです。
見た目は、小さくて可愛らしい青色の花。
モデルと思われる勿忘草にそっくり。
おすすめの採取場所は「一角獣の森」と「人馬の縄張り」。
高難易度のフィールドですが、そこで採取したミオソティスは非常に品質が良いです。
ミオソティスは「忘却薬」とその他の実験に使用します。
忘却薬は、次回イベントでの必須アイテムです。
ご協力をよろしくお願いします。
同フィールドでユニコーンからドロップする「一角獣の角」とケンタウロスからドロップする「人馬の蹄」も不足しています。
魔法薬専門店 置いてけ堀は、皆様にお持ちいただいたアイテムの内容によって、交換する魔法薬の品質が上下します。
本日も下級から上級の魔法薬を各種取り揃え、皆様のご来店をお待ちしております。
勿忘草
小さな花が集まってるタイプだ。バラやひまわりに比べたら、どこか自信なさげで、単体じゃさびしいのかな、親近感がわく。
勿忘草(わすれなぐさ)
※前日の『ブランコ』と対になっていますのでよろしければ読んでみてください。
私はもう死んでる。死んだあの日のまま、ずっとあなたの横にいる。
私の十三回忌、似合わない喪服を着て私の両親に挨拶するあなた。それを遠くからぼーっと眺める。何も感じない体に、最近感じた自分の体の透明感。つま先があるようでない、氷が溶けるかの如く世界に同化していく感覚。
最寄りの駅まで歩いていたあなたは、不意に足を止める。目線の先には幼い頃よく遊んだ公園があった。今では遊具の色は塗り替えられ、撤去されたものもあれば新しく仲間入りしたものもある。それでもブランコだけは昔のままだった。懐かしいそれに腰かけるあなたの相向かいに座る。だが、ブランコの鳴き声はひとつだけ。それがたまらなく寂しい。
『もう、辞めてくれ。』
そう言って君は喪服を濡らしていく。
『気づいていたんだね。』
あえて生前のように笑って話かけたが、こちらの声は聞こえていない。それをいい事に私の感情が流れ出す。自分の終わりを悟って。
『あのね、私、子供の頃からずっとあなたのことが大好きだよ。ずっと、ずっと、これからもきっと。これが大人の言う《愛してる》なのかな。』
あなたの涙は止まらない。私が見たいのはそんな顔じゃないのに。
『ねえ、笑って。』
あなたの代わりに私が涙を流すから。
勿忘草:真実の愛、私を忘れない
勿忘草
勿忘草には花言葉がいくつかある
「わたしを忘れないで」
貴方は言った
可憐なチューリップや魅惑的な深紅の薔薇ではなく
蒼く 小さく この手で守らなければ と思わせると
私のようだ と囁いて 掌に届けてくれた この華
でも、気がつけば 私の手には 何ものっていない
貴方は いつの間にか 他の華に目移りしていた
儚い蒼い華にも 弱いけれど 毒があるの それ
「私を忘れないで」
今生では 忘れられない女でいてあげる
届けた勿忘草を見る度に 思い出させてあげる
貴方が似合うと愛した 裏切った私のことを
だけど、私は誰かと上書きする
過去のわたしに 束縛されてればいい
そっと
勿忘草の根もとに
埋めたのは
あなたへの
変わらぬ想い
胸の奥に
秘めておくのが
辛すぎて
勿忘草の花咲く季節が
巡る度
わたしのことを
少しでも
思い出してくれればと
儚い夢を
見続ける
# 勿忘草
『勿忘草』
別れ際、彼から白い勿忘草をもらった。
「私を忘れないで…」
白い勿忘草の花言葉を呟いた。
彼は寂しがり屋だったもの。
わたしに忘れられたら、きっと泣いてしまうわ。
タンスに飾られた彼の写真を見る。
写真の中の彼は笑顔だった。
どうして白の勿忘草なの?
わたしに忘れて欲しくないから?
わたしから離れていったのは彼のほうなのに?そう考えると胸がズシリと重くなる。
白い勿忘草、
こんなものなくても忘れたりしないわ。
わたしは貴方を愛しているから。
わたしは貴方を忘れたりしないわ。
ずっとずっと覚えているわ。
タンスに飾られた、彼の写真に掛かっている黒いリボンをきれいに直す。
今日も写真の彼は笑顔だ。
笑顔の貴方が一番好きなの。
忘れたりしないわ。
わたしは彼の写真の前に勿忘草を飾った。
-fin-
その小さな花に
私を込めて
ただ一つ気をつけて
熱さには敵わないから
《勿忘草》
勿忘草
勿忘草
忘れないで
真実の愛を
見つけるときまで
お願い
忘れないで
あなたが私と
隣同士になるまで
言えなかった言葉を
今日こそは伝える
忘れないで
私が隣にいたかったこと
たいそうな由来 Vergiss mein nicht! に負けない mein name はmutter の勘から
9."勿忘草"
この花を見る度に
私を思い出す呪いを君に。
『知ってる?』
『この花言葉は、私を忘れないで。』
勿忘草
花言葉は
私を忘れないで
私もガンダム好きなの。
私を忘れないで。