22日目【勿忘草】
熱帯夜のある日、ふと、22歳の夏に恋していた彼を思い出した。
私より2つ年下の20歳で、バイクが生きがいの理系男子だった。
だった一度だけ、今日みたいな暑い夜、彼とファミレスで食事した時は、夢みたいな気持ちだった。
でも、私の思いは叶わなかった。だって彼には私と同い年の年上の彼女がいたから。
その後は、彼に会うことは無かった。
携帯もまだみんながみんな、持っていなかった時代。
連絡の取りようも無かった。
だけどどこかで「また会える」って確信してた。
あれから25年。偶然、SNSで彼を見つけた。
良い歳の取り方をした、素敵な壮年男性になっていた。
何となくメッセージを送ったら、返事がきて…
私達は、どちらも独りだった。
今日、あなたは、私に勿忘草の花束をくれた。
そして、小さな箱を開けて跪いた。
私達は、時間がかかったけど、「真実の愛」を見つけた。
2/2/2024, 1:42:49 PM