『刹那』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
私の住んでいる地域は国境の近くに位置しており、よく戦争の被害を受けていた。
貧困のためこの土地から離れられなかった私は幼い頃から遠くの金持ちの家に奉公に出て時々家に帰るような生活を送っていた。奉公先の家の方々も周りに比べたらとても優しく、この生活にあまり不満はなかった。
そんな生活が崩れたのは国から隣国と戦争をするという発表が出てからだった。
父の元に召集命令が来たのだ。
それからうちの近くではよく銃の音、戦車が走る音、戦闘機のエンジン音が響くようになり眠れなくなった。
それでもお金が無くては暮らしていけない、私は奉公先に休みもらわず働き詰めた。
家に帰ったのは情勢が悪化し奉公先から解雇を言い渡されてからのことだった。
すずめの涙ばかりの退職金を大事に持ちながら帰路を歩いていると前から強烈な爆発音が次々と響いてきた。空を見上げると爆撃機らしきものから無数の火の雨が降り注いできている。
その瞬間私は駆け出していた、爆撃されているのは家の近くだった。母は大丈夫だろうか、その思いばかり先行し足がもつれ上手く前へ進めない。やっとの思いで家が見えるところまで走った。
だが家は既に半分以上形を保つことな崩れていた。
母は瓦礫に押し潰されていた。声をかけても揺すっても少しも反応がない。玄関があったであろう場所で倒れており逃げ遅れたことが容易に想像出来た。
私は腰が抜け、ただその場に座り込むしか無かった。
お金が無いながらも自分を愛情を込めて育ててくれた母、奉公が始まってから頻繁に体調を気遣ってくれた母、最近父からの手紙が来ないと心配していた母、昨日まで手紙のやり取りをしていた母は、いまさっき死んでしまった。
実感が湧かなかった。
私は日が暮れ朝日が登るまで母の手を握りその場から動かなかった。
どうやら爆撃は私が家に着く前に止んでいたようだった、いっそ自分も爆発に巻き込まれて死んでしまいたかったが世界はそんなに私に優しくないらしい。
このまま何も食べずにここにいれば死んでまた母に会えるだろうか。
もしかしたら手紙が途切れた父ももう死んでしまったのかもしれない。
それならいっそ早く死んでしまいたいと思った。
そんな時だった。
「おい、嬢ちゃん。そんな目立つところにいたらあいつらが銃撃しにくるぞ。」
と後ろから男の声がした。
二十歳になってから約四年が過ぎた。目の前の出来事をなんとか片す毎日が繋がって、いつの間にか大人になっていた。大学を辞めてから三年のフリーター期間のち、塾講師という職にありついた。
面白味のない機械的な翻訳と英作文を繰り返して、生徒からのくだらない質問をいなしながら今日も仕事は終わった。
「ねぇ、塾の先生やってんの?」
仕事終わり、愛車の停まっている駐車場に向かっているときのことだ。走る車も少なくなってきた夜、信号機の淡い光源に照らされて歩道に立っていた彼女はそう言った。美しい声だった。
返す言葉を持ち合わせずに戸惑っていると、彼女はおもむろに塾の方を指さした。
「あそこから出てきた」
「はぁ、何か用ですか?」
一方的な彼女の言動に辟易して、思わず返事をしてしまった。無視してしまうのが正解だと思っているのに、気付けば言葉が出ていた。
受け入れられたと思ったのだろうか、彼女はちゃちなサンダルをパタパタと鳴らしながらこちらに歩いてきた。
「いや、別に用はないんだけど。暇だったから話しかけた」
吹く風が温くて嫌気がした。
「話すことはないんで。それじゃ」
ボタン式のキーで解錠をすると、慌てたように足音が早くなった。
「待って待って。あたし未成年じゃないよ? ほら」
言いながら、財布から取り出したのは身分証明書だった。単に億劫で恐ろしいだけなのだけれど、彼女は大人のようだ。まだ成り立てではあったけれど。
「大人なら節度は守ってください」
きっぱりと言い放つと、彼女は言いかけていた言葉を飲み込んで首肯した。その姿に何故か揺さぶられた。
「知らない人にだる絡みするのには、理由があるんですよね?」
「話してもいいの?」
「……十分くらいなら」
彼女はすらすらと話し始めた。大学受験に失敗したこと、浪人のプレッシャーから逃げるようにギャンブルにハマったこと、家に居づらくなってしまったこと。全部自業自得なんだけどね。と痛みのある笑顔を浮かべながら付け足して、彼女は話を終えた。
「それで、道行く人に話しかけてると」
「話しかけるのは今日が初めてだよ」
「それはラッキーな話だ」
とんでもなくというより、とんでもな幸運だった。
「偶然じゃないよ。近くを通る度に見てたから」
「どうして?」
もしこの瞬間に戻れるなら、どうしてなどと軽はずみには聞かなかった。文字通りそれは過去のことであって、ifによって導かれる過程もまた、起こり得ないことではあるけれど。
「あたしももっと勉強してたら、違ったのかなって」
さらりと言葉が流れたのが、逆に沈黙を際立たせた。
教室の光に後押しされるように帰路へ着く子供たちを、彼女はどんな気持ちで眺めていたのだろうか。
「もう十分経ったね」
ありがとと歯切れよくお礼を言って、彼女は踵を返した。その細い背中に何を言おうか迷っている自分に驚きながら、独り歩きする玩具の兵隊みたいに、言葉は前に進んでいた。
「フリーター経験があるから分かるけど、肩書きがないっていうのは想像してるより辛い。だから、やることないなら取り敢えず働いてた方がいいぞ。働きながら、余裕を作って、それで、次を考えればいい」
そんな計画性なんて持ち合わせていない人間のくせに、それっぽいだけの助言を贈った。
「分かった。働いてみる」
あっさりとそう言って、彼女は今度こそ何処かへと去っていった。たなびく不安のほつれだけを一本残して、車へと乗る。多分この記憶もまた、積み重なって繋がっていく日々の中で過去形へなっていくのだろうと思いながら、アクセルを踏んだ。
蛇の道は、人によって違うのかもしれない
喉が渇きそれを他人のせいにしてエゴで刹那に散っていくもの,それは違うと
懸命に、側にいるものに愛を注ぎ
花を咲かせるもの.
私は後者で生きてきたが
今は、刹那までは行かぬとも
蛇の道を歩んでいる
刹那とは、自分の忍耐の無さなのでは?
そこを知っているので、ありがたくも
すぐ横道に歩いて行ける
刹那に散らなくて良かったものもいる
だから、神に感謝する。
そして、今日が無事終わり
平穏な夜明けが来るよう祈る
刹那という言葉に、エゴで固定化し
ニヒルな自分を作り上げる。
そんな、魂を見るたびに僕は悲しくなる
さ,蛇の道を遠らざるしかなかった光よ、
明るい朝を共に迎えましょう
祈りを込めて……
初めての一人暮らしは、始まりから散々だった。
急な内示から始まった家探しは、祝日休みの不動産屋、土砂降り、長時間の運転と、なかなかな滑り出し。
なんとか見つかった内見は、薄らぐらくて外装ヒビだらけの六畳一間。この片田舎でオール電化とは何事か。(個人的偏見を過分に含む。)
こちとらうら若き乙女であるからには、
譲れぬものもあるのだ。せめて脱衣所は欲しい。
なんやかやあって、外装と間取りの写真だけで決めた八畳一間(脱衣所と独立洗面所付き)に入居したのは本日の午前九時のことである。
ちなみに、五階建てのこの建物にエレベーターなんていう文明の利器はない。やはり裏切らないのは筋肉だけなのである。裏切るほどについていないけれど。
荷解きやら、ガスの立ち合いを済ませ、一息ついた頃にはもうへとへとであった。
ようやく風呂に入って、ベッドの上に倒れ込んで、
今日はよく眠れるだろうと布団をかぶってはや三十分。
これが全く寝付けない。
何故だか逆に目が冴えてくる始末。
あの、眠りに落ちる一瞬がどうやったって訪れない。
手洗いは済ませた。寒いわけでも、暑いわけでもない。
寝る前に怖い話を読んでもいないし、
コーヒーなんてまだ家にない。
そんな不安をぼんやり言語化するとすれば、意識を落とす刹那、己の無防備を晒せる安心感を失ったのだろう。
いつか、状況に慣れて、この家でだって眠れるようになるだろうが、自分一人で立っている自信に他ならず、これまでのような包まれる安心を得ることは不可能になるのだろう。
眠気の訪れを待つために温かいお湯を沸かすこととし、覚書とする。
よりによって
ずっと続いて欲しいと思うものほど
一瞬で過ぎていってしまうから困ったものだね
もうすぐ帰っちゃうよ、の時間に
ぎゅっとしていた手の温もりと
一秒でも見逃したくないと思ったその表情も
二人でいた場所からどんどん離れていく新幹線の中で泣かないようにしていた時間も
ほら、こんな調子で
君といたら人生なんか、あっという間なんだって。
だからね、私は
君と過ごす一秒一秒を大事にしたいんだよ
《刹那》
遠い記憶もまた刹那
以前、長崎の無言館で
戦時中の画学生の作品展示を
観に行ったことがある。
繊細に、丁寧に、
紡がれたそれは、
どの作品にも
重みがあり、
深みがあり、
愛があった。
どこか切なさも感じられるような
ひだまりのようなあたたかさ、
けれど説明的ではない
極めて純粋な
実直で洗練された作品たち。
生が当たり前となったこの時代に、
このような絵はもう描けない。
瞬間、瞬間を大事に生き、
愛する人との日常を、何気ない風景を、
一瞬を、大切に描き止めている。
現状を
受け止めながらも
向き合いながらも
絵を描き続けてきた画学生たち。
当時の刹那的瞬間が
身にしみて伝わった。
ほんの一瞬。
だけど、
一瞬が連なって、繋がって、時間は流れている。
どんなに短くても、時間は、時間。
時間が流れる限りは、何かがどこかで必ず起こる、
その刹那に、自分の運命を変える出来事が、
起こることだってある。
いつ何が起こってもいいように、
気を引き締めて生きなくちゃ。
◌ 刹那 ︎︎◌
刹那なんて綺麗な言葉で片付けてしまうから命を儚いものだと言ってしまうから簡単に落としてしまう
その瞬間が刹那であったとしてもその命が儚かったとしても良かったものとして片付けてしまうのはダメだ
いついかなる時も堅実に物事を捉えるべきだと社会の念頭としておいて欲しい
僕がもう目の前の人を失ってしまわないように
できなかったことを悔やんで消えてしまいたくならないように
君と過ごした時間は
あまりにも
刹那的で
刺激的で
切なくて
苦しくて
逃げるように
離れた
離れれば
忘れられると思ってた
けれど
今もこうして
君のことを想っている
君はきっと
だったらずっといればよかったじゃないですか
って笑うだろう
ただただ
嫌われたくなかったんだ
刹那
「僕は刹那の時間でも君と交えていられるだけで幸せなんだ。いつも君のことだけを考えいるんだよ。なんで逃げるの?こんなにも君の事だけを想っているのは僕だけなんだ。君の事ならなんでも知ってるんだよ?あぁ、そっか!君は僕の方から来てほしんだ。それなら早く言ってくれれば良かったのに。ふふふ、絶対に手放さないから。楽しもう?今そっちに行くね。」
毎晩目を瞑ると一瞬だけあなたに逢える
こんな頻繁に逢えるのに
目を開けた世界に君がいないとは
信じがたく受け入れがたい
『刹那』
刹那
私は神を信じている。
私は、周りと比べたらそれはもう熱心な〈信者〉だ。毎日〈教会〉に行って、〈教祖様〉の話を聞くことが大好きなのだ。
他の人はなぜ〈教祖様〉を侮辱するのだろうか…?我々はまだ未熟であり、それを正してくれる素敵なお方ではないのか。別に咎めたりなどはしないが。ただ私が、その哀れな人達とあまり関わらなければいいだけである。私は、私の好きな人達といることができればそれでいいと思っていた。
そう、あれはバレンタインの4日前だった。せっかくのバレンタインなのだ。親友に感謝の気持ちをしっかり伝えたい。だからあの日は、あの日だけは親友と〈教会〉に残らずに先に帰宅してしまったのだ。
「話したいことがあります。この後1人で私のところに来てください。」
「…は、はい!」
〈教祖様〉から呼び出された、バレンタイン3日前。こんなことはじめてだった。いそいで〈教会〉の一室に向かう。私なんかの話を聞いてくれる喜びで、私の心は溢れていた。
「失礼します…!」
「えぇ、どうぞ。お入りください。」
「…えっと〈教祖様〉、お話とはなんでしょうか?」
──────────────
結論から言うと、私は冤罪をかけられた。
どうやら〈教祖様〉は、その他の馬鹿な〈信者〉から言われたことを全て信じ込んでしまったらしい。私がそんな生産性のない、馬鹿げたことをするわけないのだが。
「自分の言った言葉に責任を持ちなさい。」
私はそんなこと言ってない
「貴方だから、親友は何も話してくれなかったのですよ。」
親友はそんなふうに思ってないはず
「何人もの〈信者〉が口を揃えて貴方だと言ったのですよ。」
私の言葉は聞いて下さらないのですか
「そろそろ認めてはいかがですか。」
………。
「 ?」
…それだけは、貴方に言われたくなかったなぁ
刹那───私の中で、何かが壊れてしまった。
「はい。大変申し訳ありませんでした。」
〈教祖様〉は全て正しい訳では無かった。それでも正しい人間だった。
それに今まで気づけなかった私が悪かったのだ。人生ではじめて恨んだ人間が、〈教祖様〉だったのは私の一番の失敗である。
私は〈教祖様〉を誰よりも強く信じていた分、馬鹿な〈信者〉どもよりも、〈教祖様〉に対して失望してしまったのだ。
私は神を信じている。
神は私に、失敗を意義あるものにしてくれると信じている。
「〈先生〉。私の将来の夢、決まりました。」
私は〈教祖様〉を否定したい。
〈教祖様〉はもっと完壁で優しくて正しい、愛のある何かであるべきなのだ。
「私は〈先生〉と同じ、教師になります。」
私は誰よりも狂信者なのだと、自分に言い聞かせた。
刹那って何?
一瞬って事でいいんだよね。
あまりにも使わない言葉だから一瞬焦った。
いや違うな。
あまりにも使わない言葉だから刹那に焦った。
合ってる?
「今この瞬間が大事なの」
わたしは言った。誤魔化すように取り繕った言葉。夜中に帰ってきたわたしに、彼が今まで頭を抱えてじっと待っていたような、悲しげな態度で疑問を投げかけてきたものだから。
君のやるべきこと、できることは他にあるだろう?
そんな風に言われて、わたしは頑なになった。
過去に縛れたくない。
未来のために今を犠牲にしたくない。
なんて浅はかな言葉だろうと自分でも思いながら吐いた。
「犠牲ではなく投資だよ」
彼はまっすぐにわたしを見て言った。切実な目をしていた。
「自分の将来に自分で投資するんだ。自分を信じて。それは大切なことだ。それができることは幸せなことでもある」
そう、幸せなことだ。余裕のある人間のできることだ。
「そんな刹那的な生き方をしていたら、君がいつか壊れてしまいそうで怖いんだ」
彼の言葉に胸がぎゅっと痛んだ。彼はこう続けた。
「失いたくない」
その瞬間、わたしはどこかで自分が長く生きる気がないのだと悟った。
わたしを置いて先に逝ってしまったあの人を、自ら置いかけることもできず、かと言って長く生きる気もない。自然と終わりが早く来るといい。
わたしは、それを口にできずただ彼の目を見つめていた。
『刹那』
刹那とは、きわめて短い時間。瞬間。
春になり1つ学年が上がった。
自分が学生で居られる時間も僅かとなった。
青い春と書いてセイシュン。
人生の青春は学生時代のことだろうなと思う。
社会に出ることなんてまだまだ先だと思っていた。
でも気づけば自分も小学生、中学生からしたら立派な大人に見えるのだろうと思う。
かつて私が今の私の歳の人を見た時、大人だなあと思っていたように。
青春が終わらないでほしい。ずっとこうしていたい。
わたしにとって『刹那』の如く過ぎてしまうものはきっとこの青春時代。学生時代。
恋に落ちるまでの時間はどれくらいだろう。
人によっては多くの時間が必要な時もある。
だけで私は本当にわずかな時間だった。
その割に、落ちてからのずっと底なしの穴に落ち続ける様な感覚。
刹那という時間が永遠と、絶え間なく突き動かす。
ああ恋をしたのだ。
刹那
刹那
日々、いつものように当たり前に動いて時間が流れる
目の前のことを必死でもがいているあいだも
時間は動いている
気づけばもう1週間
もう1ヶ月
もう1年…とあっという間…
こんなに刹那に思うってことは
毎日が充実してるからなのかな…
みんながみんな、いろんな想いをもちながら動いてる時間は
本当に刹那的に感じるよ
刹那
刹那とは一瞬、
一瞬とは時だ。
また時というのは概念。
この世は曖昧なことで溢れている。
と言いたい訳では無いが、
そう捉えてしまいそうになるのは、
時と言う曖昧な概念と共に、
刹那の生を授かってるからだと思う。
キミが鋭い針突き立てる刹那オレ達は確かにまじりあえた
[刹那]
蚊って確実に血を吸うね。
そういうの、AIで採血に活用できないのかな。
#刹那
街ゆく女子高生、男子高校生を横目に思う。
あぁ、青春ほど、短いものはないんじゃないのか
と。
刹那。
そんな言葉がぴったりな今の学生の子には、もっと沢山青春を味わってほしい。
ーさくしゃぁぁぁぁぁっの一言ー
やっばい
なにこれ駄作。
スランプなのか、、無断で投稿休んでたバチが当たったのかな…
🥺