『別れ際に』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
遠い異国の地で仲良くなった子供から、別れ際に一輪の美しい花を貰った。
それを大事に大事に母国に持ち帰り、なんという花なのか調べてみると、根が万病に効くという、今は目にすることのない幻の花だった。
そして、その花を巡り、戦争が始まった。
あの美しい花が根付いているかもしれない恵まれた土地を奪い合う。幸せそうに笑っていた人々を、また来てね。と、大好きだよ。と、そう言って花を差し出したあの子供達の居場所を、生命を奪い取る。
欲に塗れた人間はなんて愚かなんだと、嘆いたところでもう遅かった。
あの別れが、今生の別れになってしまった。
もう花が咲くことはない。
『別れ際に』
別れ際に
別れ際に彼から、
「好きな人ができた」
と言われた。返す言葉がなく、その場を足早に立ち去った。4年も付き合っている彼だった。付き合い始めた頃の熱い気持ちはなかったが、愛し合い唯一無二の存在だと思っていた。
別れ際に言われた言葉から逃げる様に帰って来たが、その間の記憶はない。泣くこともなく、ただ心臓の鼓動が大きく速く波打っていた。
好きな人、どんな人だろう。私とは全く違ったタイプだろうか?そういえば彼は、小柄な目がぱっちりした可愛いアイドルが好きだった。私はどちらかと言うと、背が高く痩せ型である。やはり、彼のタイプではなかったんだ。
もう諦めるしかない。泣いて縋る様なことはしたくない。
そして、別れて1年が経ったある朝。ストーカー事件のニュースが流れる。
女子高生にストーカーをして、殺害容疑で逮捕されたのは、彼だった。テレビに映し出される彼の顔を見て、愕然とした。
なんてことをしたの?そんなに彼女のことが好きだったの?私じゃダメだったの?と思いながら泣き崩れた。
でも、何処か心の片隅で別れて良かったと安堵する自分もいた。
別れ際に
君のことを眺める
今日も
"バイバイ''
って伝えられなかった
別れ際に
君のことをこっそりと見る
好きだなって思う
「これ、もう一品頼んでい? あとおかわりも」
また始まったな。照れくさそうにしながらメニューをトントン指で叩く君に笑みが止まらない。
君はいつもそうだ。そろそろお開きの別れ際、もう一品、もう一杯が始まる。
たとえ明日会えるとしても、君の大嫌いな別れ際の、これは儀式。
だから俺はニコニコ笑ってこう言うしかないわけで。
「もちろん。もちろんもう少し一緒にいよ。だから俺のも一緒に頼んでね」
▼別れ際に
約束
思い出して笑顔になる
寂しくて真顔になる
会いたくて必死になる
安堵と反省が始まる
※別れ際に
「 Don't go! My ___ 」
がばっ_
額にびっしりと汗が滲みだし乍目を覚ました。
周りの酸素が少ない様に息が出来ない。
過呼吸気味に喉をひゅーヾと鳴らし
近くのペットボトルの中の水を飲み干した。
時計を見遣れば0:00。
嗚呼、不吉だ。深夜でもこの時間なのか…
無意識に溜息が出てくる。
また寝るには……夢見が悪過ぎた。
何処か出掛けよう、
指輪がぶら下がるネックレスを握り締め
数分祈りを捧げては
ベットから身体を起こし
シャワーへと足を動かして
適温流れるシャワーで汗を流し、
上がっては髪を乾かし
そして、外服へと着替える
今夜は近くの公園に行ってみよう。
なんて考えながら玄関を開け外へ
マンションに響く革靴の音。
一人、英国の細道を歩いてる
そんな懐かしい気になりながら
マンションから出て
目的地の公園に着き
一息近くのベンチに座り込んだ 。
あの日の夜 も こんな 静かな 日 だった 。
あの夜 彼女 の 最後 の 言葉で ___
¿ 仮
『また明日!』
夕暮れを背に、彼女は笑顔で手を振った。
貴方の明日はいつ訪れているのだろう。
ふと街を歩いていて、泣きたくなった。
ずっとずっと忘れられない、懐かしい香りがしたから。
少し甘く爽やかなその香りは、あなたに本当によく似合っていて。
別れ際にふわりと香るのが大好きだった。
それは別れる時も同じだった。
あなたの声を忘れることはできた。
どんな顔をしていたのかも、ぼんやりとしか思い出せなくなった。
私にどんな風に触れるのかも、一緒に食べたご飯の味も、朧気にしか残っていないのに。
あなたのその香りだけは強烈に記憶に焼き付いていて、いつまで経っても忘れられない。
デートの度、別れ際にハグなんかするんじゃなかった。
似た香りを探す癖なんかつけるんじゃなかった。
別れる時、あなたの香りを消すぐらい強い香りの香水を纏っていけばよかった。
そしたらこんなに切ない思いをすることもなかったのに。
高校の親友。
卒業して4年。互いに全く違う道に進む。
会う時間も、喋る時間も、少なくなる。
ある時、久々に会って、別れ際。
「またな〜」
1年後、突然の連絡…
あなたともう喋ることができない。
あなたともう会うことができない。
若くして亡くなったあなたへ。
別れ際の言葉をもう少し言わせて欲しかった。
どんな声をしていたか、徐々に薄れる記憶。
突然の連絡から10年。
30代のあなたに会いたかった。
別れ際、何気ない会話から、「ありがとう」をもう一度。。
別れ際に
別れてるのが常だから
特別な何かはしない通常運転です
今の所は誰が相手だろうとね
別れ際に
別れる前にってことだけど
特に何も思わないって意味ではない
それでもいつも通りで
そのいつも通りに違いはない
何と別れるにしても
どうってことはない
元々が別々なんだよ
別れ際に何かするとしても
それも含めての別れ際な訳で
自分を継続していくだけ
自分に残ってるものは何かしらある
例え思い出せないにしても
思い残しがあるのが普通で
仮に全てを伝えても
継続して変化していくので
全てでは無くなってしまうよね
何かを与えても
何かを奪っても
その何かは
自分にとってじゃないかな?
【別れ際に】
私は見知らぬ土地に立っていた。
頭上には多くの大木から張り巡らされた無数の枝葉が生い茂る。空すら拝めぬ暗闇のカーテンは、鬱々とした空気を周囲に漂わせていた。
眼前にも同様に暗闇が続いているが、そこに一人、白装束の人間が立っていた。顔を手で覆い隠しているため誰かは判然としない。長い髪を後ろに垂らしているのでおそらく女性だろう。
女は顔を隠しながら震えた声で話しかけてきた。
「私を見ないでくださいな」
聞いたことのある声だ。ぼんやりと声の主を思い浮かべるが、顔にモヤがかかっておりどうにも思い出すことはできない。
女は時折しゃくり上げながら、尚も話しかけてくる。
「あなたがこちらに来るのはまだ早いの。後ろに灯りが見えるでしょう。その灯りを目指して早くここから出て行って」
背面を見据えると、確かに彼女が言った通り小さな灯りが見えた。
正直、言っている意味はよくわからなかった。しかし、彼女の言った通りにしなければ、何か取り返しのつかないことが起こるのではないか、という恐怖が内から湧き出ていた。
私は彼女に礼をいい、背面の灯りに向かって歩みを進める。灯りは坂の上からこちらを照らすように光を放っていた。
坂を登る前に、もう一度助言をくれた彼女に礼を言おうと振り返る。
そこで私は見てしまったのだ。露わになった彼女の顔を。
彼女の顔は、元々そこに張り付いていたであろう皮膚が腐り落ち見るに堪えないものだった。眼球の一つは完全に外れ眼窩に深淵が広がっている。もう一方は視神経の一つでなんとか繋がっているのか、ぷらんぷらんと宙に揺れていた。
「……だから、言ったのに」
その一言を皮切りに、私は全力で坂を駆け上がる。
私は彼女のことをよく知っていたし、この話にも聞き覚えがあった。
別れ際の彼女の顔も表情も、あの悲しげな声色も、私は全てひっくるめて一生涯忘れることはできないだろう。
その背中に 何を呟けば良い
きっと 二度と会えない
「ごめん…。」
喉から絞り出した細い糸
震えた右手が 空を切る
「」
何かが切れる音がした
/別れ際に
これが最後かもしれない、なんて、普通思わないよね。
別れ際に
あなたに拒絶され、全てに絶望を感じた
真っ暗闇の底のないどこかに堕ちいくような…
色あざかな世界が白黒に塗りつぶされるかのような…
全ての音が遠のき、もう何も聞こえない…
もうその場にとどまること自体が辛くなった。
部屋を出ようと歩みを始めた時、
不意に、振り返り、
一言「さようなら」。
また歩みを進めようとすると
突如後ろから温かいものに包まれる。
それがあなたの腕の中だと理解すると小さく
「ごめん。」
別れ際に
もう寝るか
深夜だし
明日もあるし
でもまだ寝たくないな
メモには はやくねろと書いてある。
これは自分が今日朝7時のくらくらでしにそうな
状態で書いた未来へのメッセージだった。
電気を消して横になったら、いよいよ明日だ。
面倒で辛い作業を終えたら
ひとりきりの部屋と一旦お別れ。
もう寝よう。その先は考えない
どうか目よ覚めないでくれ
別れ際には
何の素振りも
見せなかった
いつも通り
二人の楽しい明日を
信じてた君は
不安顔で今
迷子になった風みたいに
隙間を探してる
いつからか
一つ一つ
扉に鍵をかけ始めた
あの日
君にとっては多分
何気無い会話
そして
僕にとっては
トリガーになった
信頼を崩した会話
あの後に僕は
最後の扉に鍵をかけた
突発的だった
それは否めない
けど
そうさせたのは君
分かっているから君も
もう
ノックも出来ないでいる
いつまで経っても
あやふやで
笑顔で綺麗にさよなら
なんて
関係でもなかった
だから
言い訳さえお門違いで
虚しくて
せめて少しだけ
泣いて欲しくて
突き放すように
黙って消えるしか
僕は…
ごめんよ
僕は
君が思うような
いい人ではない
心配しないで
こんな事
大した事じゃない
そう
君は
「友達」一人
失っただけ
「別れ際に」
#別れ際に…
別れ際に男は言った
“愛している”と
別れ際に女は言った
“さようなら”と
新幹線のドア越しに…
別れ際に…
男はまた会えると確信した
別れ際に…
女はもう会わないと決心した
動き出す列車のドア越しに
唇だけで別れを告げた
<別れ際に>
またねって手を振って
別れたあなたをもう一度見る
あなたが振り返ってくれることないのに
いつか振り返って大好きな笑顔を
私だけに見せてくれるって
そんなことを願いながら
「またね」で終わる
誰も気にしない嘘
つくづく自分は真面目だと思う
貴方にはちゃんと
「さよなら」が言いたい
20230928【別れ際に】
#別れ際に
別れ際に君が残したサヨナラは、今でも俺の心を蝕んでいる。
本当は別れたくなかった。縋り付いて、君に愛を乞いたかった。
だけど、自分の爪の欠片すらも無いそれほどちっぽけなプライドがそれを許さなかった。
なぁ、どうすれば君は俺の元に戻ってきてくれる?
月を見上げながら呟いたその言葉は、そのまま空に溶けた。