『冬晴れ』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
冬晴れ!やっとなった!
仕事仕事、
ちょっと何見てんの!?
仕事で忙しいのだけれど……
『あの……夏さんまだ早いです……』
『えっ!?マジで!?』
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
後日談
『ごめんなさい、遅れました!』
『遅せぇよ!春!』
『はははぁ……』
こんな事が毎年あります✨
「冬晴れ」
肌に纏わせた
雪解けの風を噛んでみる
胸澄む空の味がした
冬の晴れが一番好きだ。お日様がポカポカさしてる見た目の暖かさとは裏腹に、外に出た瞬間体にピタッとまとわりつく冷気のギャップがなんともたまらない。
それに、絶対気のせいだろうけど、冬の晴れは雲のない青空であることが多い気がする。そうなると夕方の景色も最高だ。空のグラデーションがまっさらなキャンパスにそのまま映し出される。そしてそのまま海になんか行ったりしたら……水平線は掻き消えて、空も海もおんなじ色に染まる、たまに見える人影で、無くなっていた上下感覚を思い出す。それは筆舌に尽くし難い絶景だろう
「冬晴れ」
今日は空が青く風も優しい。そしてなぜか暖かい
世界は"穏やかだ"と私に問いかけてくる
確かにたくさんの人が笑っている
子どもたちははしゃぎまくって
お年寄りの方は微笑んでいる
あの人もあいつもあの子も今日は皆笑ってる
「自分も笑いたい」そう思い
私は今、目を覚ました。
自分の今住む地域では
雪は滅多に降らないけれど、
冬にしか見られないものがある。
冬の澄み切った
空気の中でしか浮かび上がらない富士山。
同じ場所でも季節によって全く違う景色。
冬は遠くの山も色濃くはっきり見える。
雪の降る地域に住んでた頃は、
太陽に当てられて
光り輝く雪を見るのが好きだった。
雪が降らなくても、
遠くの景色が冬の到来を楽しみにさせる。
視線を窓に向けると 裸の木々が飛び込んできた
長く落としたその影は 優しくうごめく
夏のギラギラとたぎるような影とは違い
なんとも喩え難く それでいて物悲しくも感じる
あぁ これが哀愁ってやつか
見慣れた外の景色が たちまち深い色に変わった
単調な色しか持ち合わせていなかった絵の具のカラーが増えたようだ
こんな日常の瞬間を 誰かに伝えたく心をかすめたのは
この冬晴れに吸い込まれた亡友の顔だった
風は冷たいけれどなんだか日差しが暖かくて、
優しく包まれている感じがする。
新しい裏道を見つけたり、少し遠回りをして帰っちゃったり、なんでもない日常を少し彩ってくれる、肯定してくれる、そんな日だと思う。
#2 冬晴れ
「今日の関東から西は冬晴れの天気と──」
天気予報を聞きながら、窓をカラリと開ける。どうやら今日は暖かい一日になるようだが、流石に朝はまだ少し寒さが残っている。無防備に吸い込んだ空気が、肺の中からジンワリと体温を奪っていく。すぐに私は窓を閉め、暖房の風が直接当たる場所へと避難した。
ゴウンゴウンと朝から文句も言わずに動いている洗濯機が止まる頃には、もう少し暖かくなっているだろう。せっかく天気が良いのだから、やりたい事は山程ある。掃除洗濯、三が日は近所のスーパーが休みだったので、そろそろ空っぽになりそうな冷蔵庫にも、何か買ってきた方がいいだろう。毎朝、死んだ魚の目をして、ゾンビのような足取りで会社へと向かう私からは想像もできないくらいヤル気に満ちているのがわかる。生きている。今、私の体には、生きるための血が流れている。感情が昂まり、エイドリアーン!!と無性に叫びたくなった所で、今の若い子には通じないだろうなと気が付き落ち着きを取り戻した。仕方がないのだ。アラサーにとって、冬の寒さは耐え難いものがあるのだ。たまの冬晴れは、まさに地獄に仏の気分であるのだ。
冷静さを取り戻した心と、温かさが戻ってきた体を動かし、コーヒーメーカーのスイッチを入れる。どうやら単純な私は、天気が良いと頭の思考回路も随分とポカポカお花畑のような事になるようだ。けれど、それも悪くないなどと思ってしまうのは、仕事に追われると中々そのような気分ではいられないからなのだろう。
今日は、太陽が20時間くらい出ていればいいのに。
そんなくだらない事を考えている時間も、そんなくだらない事を考える私にしてくれる天気も、確かに私にとっては大切で必要なものなのだ。
『冬晴れ』
途中から頭空っぽだった
『冬晴れ』
妬み嫉みの毎日で
人の不幸は冬日和
やれ『あの人が失敗をした』
やれ『あの人が怪我をした』
"ざまぁみろ"
"情けない"
"自業自得の結果だな"
冷える心を暖める
人の不幸をもっとくれ
やれ『あの人が離婚した』
やれ『あの人が自殺した』
"馬鹿なヤツ"
"不甲斐ない"
"無価値な人生お疲れさん"
小馬鹿に人を見下して
悲痛な無様を嘲笑う
心は何時でも冷え込んで
どれだけ待っても春は来ない
【161,お題:冬晴れ】
木枯らしが吹かず、昼間は少し暖かいそんな日
こぎつねがひょこひょこと森を歩いていた
一歩進む度に細い脚が雪に沈む、その感覚が珍しく
泳ぐようにして大雪が積もった森のなかを、ひょっこひょっこと不格好に歩いた
『こんにちは、何をしているの?』
雪に埋もれていると、すぐ横から小さな声
見ると、こうさぎが首をかしげて雪の上に座っていた
『こんにちは、散歩をしているんだ』
ひょっこりひょっこり、雪に脚を取られながらこぎつねが進む
ぴょこぴょこぴょこ、雪の上を軽々と移動しながらうさぎが追う
『歩きづらくないの?』
『すごく歩きづらい。...ところで、君は何でそんなに軽々と動けるの?』
こぎつねはこうさぎの脚に注目した、こうさぎの脚は短くて平べったい
より多くの面が雪をとらえ沈みにくくなっているのだ
加えてこうさぎはこぎつねの身体よりもずっと小さい、身体が軽くて動きやすいんだろう
『僕の脚は特別だからね』
こうさぎがふふんと胸を張る、こぎつねはくしゅんと一つくしゃみをした
『雪で濡れたから寒くなってきた』
『それなら僕の家においでよ!』
ぴょんぴょんこうさぎが跳ねるので、キラキラと雪が飛んだ
『じゃあそうするよ、よろしくこうさぎ』
『うん、よろしくこぎつね』
ひょっこひょっこ、ぴょこぴょこぴょこ
2匹は並んで冬の森に消えてった
いい夢を見た朝は
鏡の前で微笑んでしまう。
いつもより明るいメイクをして
好きな服を着て
お出掛けしよう。
飛行機の音で空を見上げる。
今日は綺麗な水色の冬晴れだ。
足取りが軽くなる。
いい出逢いがありそう!
今日も頑張ろう!
空気が澄んで、空は晴天。
小さな雲が早く流れている。
仲間とかけっこするように。
#冬晴れ
"冬晴れ"
午前業務の準備を済ませ、診察室の座っている椅子の向きを変えて壁掛け時計を見る。開院までまだ一時間程あった。
「思ったより余裕あんな」
──病院前の雪、少しかくか。
椅子から立ち上がり、診察室を出て居室に入る。
「みぃ」
ベッドの上で丸まっていたハナが、俺の入室に不思議そうな声を出す。
壁に掛けていたジャンパーを取って腕を通し、ファスナーを上まで閉めるとハナの頭を撫でて居室を出る。ポケットの中から手袋をだして両手にはめ、裏口から外に出る。
裏口の横の壁に立て掛けていたプラスチック製のスコップを手に取って、なるべく早めに終わらせようと足早に正面玄関前に向かう。正面玄関前に積もった雪を見る。
──思ったより積もってはないけど、靴裏に雪が詰まってる状態でここを歩くと滑りそうで危ないな……。
あまり積もっていない為スコップで軽く払う程度で済むだろうと、道と正面玄関を結ぶ通路の縁に雪を払うようにスコップを動かして、通路を歩きやすいよう綺麗にする。短くともそれなりに離れているので、終わるまでに体感で一五分程かかった。
「……はぁ」
──やっと終わった……。腰いて……。
両腕を上げ身体を上に伸ばし、仰け反らせる。
「んーっ」
背中から、みし、というような音が鳴る。
──もう歳が歳だしな……。こればっかりは……。
少し気分を落ち込む。
ふと目を開けて空を見る。
「うお」
身体を伸ばすのを止め、空を見上げる。雲一つない、鮮やかな空色が広がっていた。
──そういえば、耳あてして来るの忘れてた。けど、暖かくて、それすら忘れてた。
こんなに晴れて暖かいのなら、ファスナーを閉めなくても、手袋をはめなくても良かったかもしれない。実際に今、身体を動かしたのもあるのか、身体がほかほかと暖かくて少し熱い位だ。
「……早く戻って最終確認するか」
スコップ片手に足早に裏口に向かい、中に戻った。
冬晴れの寒さに身体が凍ってしまう
温もりを求めてお布団へスヤァ…
白皙を 照らす朝焼け きらきらり
睦月吸い込む 紅い鼻先
『冬晴れ』 2024.01.05
一月五日、仕事始め。
六歳の娘が学童に持っていくお弁当を作って学童へ連れて行き、一度戻って、四歳の娘の手を引き保育園に徒歩で送る。
保育園は家から南東の方角にあり、太陽に向かって歩くことになり晴れた日は朝日が眩しい。
ほんの少しの時間さえ惜しく、教育に悪いと思いつつ歩きながら保育園のスマホアプリに入力する。昨日の就寝時間、朝食べたもの、体温。画面が反射して見辛い、と眉をひそめたら、娘が立ち止まって言った。
「おひさま、あったかいねぇ」
「そう?眩しいだけじゃない?早く行こうよ」
「じぃーっとしてたらあったかいよー」
じっとする暇なんてないよ、こっちは。
そう言いたくなるのを堪え、機嫌を損ねても仕方ないので立ち止まる。
だけど、贅沢にゆったりと冬晴れの太陽を浴びる娘が、ダッシュで化粧を済ませたしかめっ面の自分より、ずっと綺麗だ。
冬晴れ
冬の朝ってさ空気が澄んでて明るくて朝日が雪に反射してキラキラしてて
神秘的で好きなんだよね
雲一つない空はどこまでも澄み、
群青色が鮮やかに広がっている。
雪原に男が一人。
国防色の軍帽に少佐肩章付きの外套を纏い
煙草を喫んでいる。
男の目の下には、生来のものか、或いは、軍人としての激務故か、深い隈がある。
感情の読めない黒い眼差しは、
真っ直ぐ空へ昇っていく煙草の煙へ注がれていた。
風一つない今日は煙が空高く昇っていく。
何物にも邪魔されず、
在るが儘に、その存在を許されているかの様に。
─嗚呼。胸がすくような冬晴れだ。
男は口元を僅かに綻ばせると、
それを隠すかのように煙草を燻らせた。
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「煙と蜜」より土屋文治
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読み返したら思わず吹き出す誤字を発見。
「いや、これも有りなんだけど…」
暫し悩んで、正しい文字に訂正。
この文字を使いたかったら、「男」より
「青年」とすべきなので今回はコチラで。
誤字失礼しました。
刺すような冷たい朝から、日が差せば穏やか、冬晴れ
こんな日だって結局は、いつもと変わらないのだけれど
ほんの少し暖かな空気が優しくて
数秒長く、息を吸いこんだ
(冬晴れ)
2024/01/05「冬晴れ」
夢を見た。
あの人にもう一度出会い、許し合い、再び笑い合う夢を。
もう一度あの人と音楽を作る夢を見ていた。
よく晴れた冬の朝。
見た夢も朧げになる朝。
私は新しい夢に向かって歩んでいる。