夜蝶

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視線を窓に向けると 裸の木々が飛び込んできた
長く落としたその影は 優しくうごめく

夏のギラギラとたぎるような影とは違い 
なんとも喩え難く それでいて物悲しくも感じる

あぁ これが哀愁ってやつか

見慣れた外の景色が たちまち深い色に変わった

単調な色しか持ち合わせていなかった絵の具のカラーが増えたようだ

こんな日常の瞬間を 誰かに伝えたく心をかすめたのは
この冬晴れに吸い込まれた亡友の顔だった

1/5/2024, 1:27:18 PM