kaya

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 一月五日、仕事始め。

 六歳の娘が学童に持っていくお弁当を作って学童へ連れて行き、一度戻って、四歳の娘の手を引き保育園に徒歩で送る。
 保育園は家から南東の方角にあり、太陽に向かって歩くことになり晴れた日は朝日が眩しい。
 ほんの少しの時間さえ惜しく、教育に悪いと思いつつ歩きながら保育園のスマホアプリに入力する。昨日の就寝時間、朝食べたもの、体温。画面が反射して見辛い、と眉をひそめたら、娘が立ち止まって言った。
「おひさま、あったかいねぇ」
「そう?眩しいだけじゃない?早く行こうよ」
「じぃーっとしてたらあったかいよー」
 じっとする暇なんてないよ、こっちは。
 そう言いたくなるのを堪え、機嫌を損ねても仕方ないので立ち止まる。
 だけど、贅沢にゆったりと冬晴れの太陽を浴びる娘が、ダッシュで化粧を済ませたしかめっ面の自分より、ずっと綺麗だ。

1/5/2024, 1:08:26 PM