『冬になったら』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
『お姫様になろうとする者へ』
夢の国のプリンセスは
はじめて出会った血縁のない男性という者が
王子であった可能性が昔の話では主流で
変わり者だと言われていた美女も
本物のプリンセスとして育った茉莉も
自分とは違った価値観よりも違った思考回路
から出た結果の相手と結ばれて。
愛って時代によって、形も意味合いも変わるのね…
冬になったら
少しずつあなたの風邪を心配する
悴んでる手に
手袋を編む器用さはないし
既製品を渡せるほど器用な人間でもないから
とりあえず待ち合わせだけは遅れないようにしよう
空が灰色の雲に覆われて
寒さが音もなく降りてくる
風が吹く度に身を縮め
襟元を締め直す
手袋は何処にしまっただろうかと
寒さに凍えながら
凍りついてく思考を必死で探る
もういいやと諦め
新しい手袋を買ってしまう
そうして毎年
手袋が増えていく
「冬になったら」
また、貴方と出逢えるだろうか。
2年前貴方と、この寒い季節に会ったのを思い出す。
懐かしいな。
また出逢えたらいいな。
冬になったら
あの職につきます。
そのためにはまず、室温を15度設定にするのが良いのです。
炬燵も必須と言えるでしょう。
コンロはイワタニを採用してます。
その上には土鍋。
中身はこれから比内鶏を仕入れに行きます。
冬になったら
冬の朝 寝台にて昏々と眠る私を
部屋中に留まる冷気が
槍のごとく
私を貫かんと待ち構えている
私は決心して目を開け
今日も羽毛布団から出る
冬になったら、一緒に白に染まる世界を見に行こうよ。
冬になったら、海を照らす朝焼けを見に行こうよ。
冬になったら、寒いねって笑いながら手を繋ごうよ。
冬になったら、風が冷たいねってお互い鼻を赤くして抱きしめ合おう。
冬になったら、その先の春を一緒に待とう。
冬になったら……いや、冬になっても、まだ君としたいことは沢山あるんだ。だから、まだ一緒にいてよ。さよならなんて、言わないで……
お題「冬になったら」
お題『冬になったら』
「冬になったらいつでも会えるよ」
と言ってくれた雪の妖精の女の子とは、もう何年も会えてない。
雪深かった街から父が東京への転職を決めてから、十五年くらいが経つ。
東京はあまり雪が降ることはないし、何年か経つうちに僕は彼女の存在を忘れてしまった。
そんな折、新卒で入社したばかりの僕に配属先の辞令が出された。昔住んでいた雪深い街の近くの事業所だった。
引っ越して十二月になりかけたある時、雪が降り始めた。僕はなんとなく彼女が現れる木の下に行った。
十五年くらい放置して、いまさらだろうと思う。
だが、彼女は僕の目の前に現れた。すこし頬をふくらませながら。姿は昔会った時とどこも変わっていなかった。
「ねぇ、遅すぎる」
腰に手を当てて怒る彼女にただ、ごめんとしか言えなかった。そしたら、彼女がふと表情をゆるめて、寂しそうに笑う。
「でも仕方ないよね。だって何年も前だもん。もう君も大人になっちゃったよね」
「そうだけど、また君と遊びたくなってここに来た。だめかな?」
そう言うと雪の妖精はパァと笑った。
「えっ、いいの?」
「うん」
それからというもの、僕たちは昔のように雪の上を転げ回りながら遊んだ。仕事で疲れていた心が童心にかえることで癒やされていく。
それにまた彼女としばらく過ごせるという事実を僕は噛み締めていた。
『冬になったら』
ずっと、覚えてる。
あの無垢な表情を。
ずっと、覚えてる。
あの温もりを。
息は白く
指先は悴む
繋いだ手は冷たく
積もった雪に足をとられる
毎年、冬になったら、思い出す。
分厚い手袋を はめて
肩甲骨まで伸びた髪をなびかせ
宝石のような瞳の上の睫毛は 粉雪で白く
寒さ故に 柔らかなその頬を赤く染め
やさしい笑顔で駆け寄る貴女
そんな貴女はもういない。
今はまるで冬のような、貴女。
いつになったら、春が訪れるのかしら
「冬になったらサンタさん研修があるからな。予定を開けておくように」
久々に顔を合わせた父は唐突にそう言った。聞き間違いだろうか。
「いまサンタさん研修って言った?」
「ああ。父親は参加必須だから今のうちに調整しておいたほうがいいぞ」
どうやら聞き間違いではなかったようだ。サンタさんとはサンタクロースのことで合っているのか。聞きたいことが山程あるがうまく整理できない。
「それって父さんも受けてたの?」
なんとか絞り出してみたものの無難な質問になってしまった。もっと他に聞くべきことがあるというのに。
「もちろん。欲しいものの聞き出し方とかうまい誤魔化し方とか色々と勉強になるぞ」
かなり実践的な内容だ。サンタとしての苦労が窺える。話を聞いてみるとサンタさん研修とやらは公共団体で開かれており、サンタさん経験者たちが悩めるサンタさん初心者達のサポートを行っているらしい。段々サンタさんがゲシュタルト崩壊してきた。
「本場のサンタクロースを呼んで講習するとかじゃないんだね」
なんとなしにそう聞いてみると父はしょっぱい顔になった。
「予算が足りないんだとさ」
考えてみれば当然ではあったが、地に足付いた世知辛い理由に同じくしょっぱい顔になってしまった。
子供の頃
木枯らしの日でも
裏の砂浜にある
秘密基地に出かけた
朽ち果てた小舟の中
弟と空想ごっこが始まる
冬の夕暮れは
急に目の前に訪れる
黒い海の波の音が
どんどん押し寄せてくる
弟の手をギュッと握り
かけ足で家路へ急ぐ
おうちで待っていたのは
あったかい手作りの
甘酒とみかん
次の秘密基地は
ぬくぬくのこたつの中
薄暗いオレンジの灯りの中で
弟との宇宙探検が続く
#冬になったら 738
冬になったら
なぜか 過去の恋人達の別れは
冬ばかりだった
私はいつも 寒々しい部屋の中
布団にくるまり
自分の世界に引きこもった
寒さを感じ始めると
その時の空虚感が呼び起こされる
しかし いつも 春までには
ちゃっかり一人を楽しんでいることを 私は知っている
【冬になったら】
空気の冷たさをかんじながら洗濯物を干す
洋服にうでをとおして、くつしたを履くか考える
家じゅうのカーテンと窓をあける
ベッドのクッションとシーツをととのえる
部屋の中におちているものを所定の位置にもどしながら部屋の状態を見てまわる
朝食につかった食器を洗ってキッチンを整理
牛乳たっぷりのカフェオレをあたためる
会話をしながらそれをのむ
そのあいだに窓をしめたり、うさぎをかわいがったり
ベランダの落ち葉を集めたり、もらった大根の置き場所を変えたりする
調理方法を考えたりする
あれこれ思い出しては立ったり座ったり、
家族の予定を確認したり
あらゆることを全部する
一年をとおして、朝にすることは同じ
だけど冬だけは温かいお湯のにおいを思い出す
乾燥をさそうヒーターのにおいを思い出す
すこしだけなつかしい、すこしだけさびしい、
それからすごくやさしい、冬のにおい
「冬、そうだよ、冬の筈なんだよな……」
11月だぜ。昨日の11月17日に、東京は最高気温23℃を記録してたんだぜ。
某所在住物書きはスマホ画面の、予報とカレンダーとを見ながら、ため息を吐いた。
「冬が来る」ってなんだっけ。そもそも秋はいつ浴びたっけ。例年は今頃何着て何食ってた?
「冬、ふゆ……?」
大丈夫。ちゃんと一部地域で雪降ってるし、予報によりゃ北海道では最高気温が氷点下だぜ。
冬だよ。今は、多分、冬だよ。物書きは己に何度も、何度も言い聞かせた。
「冬になったら、鍋焼きうどんにちょいと七味振って、熱燗に軟骨の唐揚げとか、良いなぁ……」
――――――
最近最近のおはなしです。都内某所のおはなしです。某アパートの一室の、部屋の主を藤森といい、
花咲き風吹く北国から来た、雪のひと。
その日、満を持してリビングに、念願のこたつを堂々実装。椅子に座って入れるタイプを買いました。
理由あって去年まで、部屋にこたつが無かった藤森。お金が無かったワケではありません。
ただ、その「理由」の解消に、藤森の後輩のコウハイ、もとい高葉井が貢献してくれたので、
今夜はお礼を兼ねた、お披露目会。
お肉をちょっとフンパツして、マグロのたたきで生ツナマヨなんか作ったりして、
カゴ入りミカンも抜かりなく。中央にスタンバイ。
『冬になったら、おこたとミカン』
意外と北に行くほど、こたつ保有率は比較的下がる傾向のあるトリビアにならい、
雪のひと藤森、人生初のこたつなのです。
「お前には去年、本当に世話になった」
気温の下がり始めた夜道を歩いて、先輩の部屋までやって来た後輩、もとい高葉井を、
藤森、リビングに丁寧に招きます。
「お前のおかげで、私と『加元さん』の、」
私と加元さんのトラブルが、解決したと言っても過言じゃない。 藤森、言いたかったのですが、
言い終えるのを待たず、後輩が感無量の落涙。
「先輩が、普通の人になった……!」
なんだ、「普通の人」って。
雪のひと藤森、後輩の予想外の反応に素っ頓狂。
ただ――あぁ、そうだ。藤森、去年を思い出します。それはまさに上記の「理由」が、「加元さんとのトラブル」が、解消して数日後のことでした。
「お前たしか、去年も私にクッションひとつで『先輩が人間になった』と言っていたな?」
「だってこの部屋、去年、何もなかったんだよ」
ぺた、ぺた。ぱたり、ぱたり。
感涙の高葉井、部屋のこたつを両手で触って、こたつに涙を数粒落として、言いました。
「『何も』『無かった』。クッションも、余分なソファーも。唯一、香茶炉?茶香炉?あれが在ったから『ここは先輩の部屋だ』って分かるくらい。
『すぐ部屋を畳んで逃げられるように』って」
そんな先輩の部屋に、
とうとう去年、無駄なクッションが置かれて、
それで今年、更に無駄なこたつが入ったんだよ。
もう逃げなくて、良いんだよ。先輩は、やっと、普通の人になったんだよ。
後輩の高葉井は、ぽつり、ぽつり。
去年の「藤森と加元のトラブル」を懐かしむように、または藤森の変化を喜ぶように、言いました。
というのも先程から名前が出てるこの「加元」、
藤森の元恋人でありながら、藤森の心魂をズッタズタに壊し尽くした、理想押し付け厨。
挙句の果てに、失恋の悲しみで加元から逃げた藤森とヨリを戻すべく、所有欲の執念で数年藤森を探し続けた実績を持っておりまして。
執着強いこの加元に部屋がバレても、市町をまたぎ区を越えて、遠くへ遠くへ逃げられるように、
ずっと、ずっと、藤森の部屋には、最低・最小限の家具や道具しか、揃えられていなかったのです。
これぞ、今までこたつが無かった「理由」でした。
「良かったね先輩。よかったね」
ぐすぐす、えっぐえっぐ。
あんまり泣き過ぎた高葉井、藤森からティッシュの箱を受け取りまして、ぐしゅぐしゅ、ちーん。
「近々、先輩から貰った香炉、里帰りさせるぅ」
ざまーみろ加元。おまえがズッタズッタのボロッボロにした先輩は、ここまで元気になったぞ。
あとミカンおいしそうイタダキマス。
完全に情緒が情緒で感極まってしまっている高葉井は、ひとまずコタツに入りまして、
カゴからミカンを、ひとつ、ふたつ。
「……うん、」
そんな嬉し泣きされることを、私はしただろうか。
「喜んで、頂けて、なにより……?」
高葉井を部屋に招待した藤森、首を傾けて困り顔。
でも突っ立ってても何も始まらぬので、コタツに入って藤森も、「冬になったらやりたかったこと」を――こたつでミカンを、始めました。
去年を思い出しながら。たくさんの想い出を、後輩と一緒に振り返りながら……
冬になったら何をしよう
昨今はみんな早とちりだから、もうクリスマスとかお正月とかの飾りが出回っている
心がせいてくる
冬になったら、私は変われるのだろうか。
いくつになっても、わがままな子どもでいられるのは、温かい両親の前でだけである。「変わりたい」「どうせ変わったって…」という心の彷徨う様を、私はいつまで眺めているのだろうか。どうせ、眺めてるだけなのに、どうして何度も何度もそう感じ考えようとするのか。
どんな小さな反応でも、意味や原因無くして起こる事象はないと思う。何の理由もなく子どもが泣かないように、その出来事の裏側には、必ず何かがある。
果たして私という人物は、どこへ向かおうとしているのか?否が応でも、生きていくということはたった一人、自分だけの旅、自分だけとの旅なのだと痛感させられる問い。別に、変わらなくたって、いいじゃん。私だけ生きていけてれば、何の問題もないじゃん。
そう気軽に示せたなら、きっと苦も楽もない、のっぺらぼうの人生だ。私の好きな、大好きな周りの友人や街々や感情は、そんなことでは見向きもしないと思う。山があり谷がある、辛いこともあるがその分花が咲くように笑える日が来るということを、心のどこかで私は分かっている。
大丈夫だ、とは簡単に自分には言えないが、好きなものがある限り、好きな人たちが心の中に生きている限り、少しだけ前に進んでみよう、と思える。その小さく胸に刻む約束を、今日も握って生きていく。
『冬になったら』
冬になったら私にはやりたいことがある。
秋になっても秋らしくないような気候が続いていた。紅葉もしないし霜も降らないおかしな気温は日が沈むと途端に冷え込んで情緒もおかしくなっていく。そのせいで同居する姑はいつにも増して機嫌が悪く、その腹いせのとばっちりが私に来る。
けれどいくらなんでも冬になれば氷は張るだろうし雪も降り積もるだろう。夏とは違って簡単にはものは腐らないし、日は短くて夕暮れも早い。死体を隠しておくにはうってつけの季節だ。
きょうも不機嫌な姑が声を荒げて私を呼んでいる。私がいつものように明るく返事をしていられるのもいずれは冬がやってくるとわかっているからだ。道具はすでに揃えてあり、荷物もちゃんとまとめてある。心離れた夫は家に寄り付かないから発見はきっと遅れるに違いない。
あぁ。冬が待ち遠しくてたまらない。
冬になったらUGGのブーツはいてカシミヤ100のジョンストンズの大判ストール。
もっこもこで防寒。
昔より寒くない。気がする。
温暖化と言われてるけど、そうなんだろう。
小学生の頃は寒かった。
身も心も寒かった。
なんであんなに寒かったんだろう。
安心して暮らしたことなんてない。
父も母も兄もみんなイライラしていたっけ。
いつも誰かが怒っていた。
自分が怒られると胃が痛くて。
怒られた後も胃が痛くて。
顔色を伺うような時間がずっとだった。
子ども時代は顔色ばかり伺ってた。
伺ってみたところで、怒られないとい選択肢はないのだけど。
東京の学校にも進学したし、食事は毎食出たし、お小遣いだって貰っていた。
毒親だと思うのは私だけなのか。
安心して暮らしたことがない。
父親も母親も幼稚なんだと思う。
毎日、夕食の時間に晩酌をし職場の愚痴を言い私らに説教をする父。
小心者で自己中な父がよくぞ私ら兄弟を都会に出した。
私は都会に出て初めて幸せを自由を自分で決める責任を味わった。
冬になったら
また、君と同じ星空の下で会えるだろうか。風に靡く日々はあっという間に過ぎていって、あの冬の日から1年という言葉を使えるようになってしまったよ。大切な思い出は抱きしめて、今年も冬を越えるんだ。
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