ゆーがめ 普通イカの高校生

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『冬になったら』

ずっと、覚えてる。
あの無垢な表情を。

ずっと、覚えてる。
あの温もりを。

息は白く
指先は悴む
繋いだ手は冷たく
積もった雪に足をとられる

毎年、冬になったら、思い出す。

分厚い手袋を はめて
肩甲骨まで伸びた髪をなびかせ
宝石のような瞳の上の睫毛は 粉雪で白く
寒さ故に 柔らかなその頬を赤く染め
やさしい笑顔で駆け寄る貴女

そんな貴女はもういない。
今はまるで冬のような、貴女。
いつになったら、春が訪れるのかしら

11/18/2024, 3:55:39 AM