『君が見た景色』
あなたは、
憶えていますか
わたしと
過ごした時間
わたしは
憶えているのでしょうか
あなたと
過ごした時間
その過去
美しいもの
惨いもの
美麗なもの
苦しいもの
ぜんぶ
ぜんぶ
全部
あなたとの時間
そしてその全てが
わたしであり
記憶の全て
あなたが見た景色が
ずっと色褪せないように
あなたがもう起きなくても
わたしがあなたを
語れるように
『涙の跡』
ただ今日という日を
淡々と生きること
明日という日々を
迎え続けること
そのスピードは
速く、遅く
楽しいことは
まるで風のように
苦しいことは
水中で走るように
過程。
わたしが生きたように
滴る
乾く
そして残る
涙の跡
1日 1ヶ月 1年
足跡みたく。
その一粒を
大切にして
わたしが生きた
跡だから
『もしも過去へと行けるなら』
わたしのすべての後悔。
わたしのすべての罪。
なにもかも、
全部全部
消し去ってしまいたい。
今こうなってしまった理由が
きっとあるから
もしも過去へと行けるなら
贖罪として
人生をやり直して
また、貴方に想いを伝えたい。
過ちを犯さない人生をつくり
新しいわたしが
認めてもらえるように
『真昼の夢』
天高く昇った日を見つめては、
何か、ひとつずつ壊れていく気がして
妙な胸騒ぎを感じては、
成す術なく放置している気がして
あの日見た景色が、
まるで
嘘だったかのように
それが
白昼夢だったというように
それが夢であればいい
真昼の夢だと言ってほしい
少しずつ壊れていく世界が
嘘であったと言ってほしい
『二人だけの。』
最初は正義のつもりだった。
ほんの少しの迷惑のつもりだった。
まさか、
あそこまで大規模になるなんて
思いもしなかった。
これは、
僕と君の
逃避行の物語。
許してなんて言わない。
悔いもない。
君を守るために
必要だったから。
きっとまだ、この犯人を探し続けているだろう。
僕が犯した大罪は
誰にも許されないことだけれど
君も同罪だと。
でも、だから。
僕と君、
たった二人だけの。
大きな秘密。