『フラワー』
それは美しいものだけれど
見ているだけじゃ物足りないでしょ?
そう言って。
ゼリーにしたり
サイダーに浮かべたり
ケーキに飾ったり
言葉の通り、華やかで。
透き通るゼリーの中で
グラスを持つと水面で揺れ
果物と並べられた色彩で
花 ひとことだけでは表せない
貴女の美しさ。
目で感じたのなら
舌でも感じたい。
その華やかさ
美しさ
舞う。私の中で。
そう ふわり、ふわり。
エディブルフラワー
『君と』
気の優しい彼女との生活の中で
毎日書き綴るエッセイ。
それを仕事とする僕は、
1日ずつ、文章を書く。
その毎日はとても楽しくて。
残されたのは、1日。
時の流れはとても早くて
寿命は追いついてくれない。
もう、ここでお終いか
あの日々がどれだけ楽しかったことか。
僕は 必死に呼吸をしながらペンを持つ。
ありがとう。
それが今日分の随筆。
君へ向けた最期の文。
ありがとう。
最期まで。
君と ともに。
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『記憶』
触れてみた
観察してみた
嗅いでみた
質感と、
かたちと、
香り
それだけが、
僅かに残る、
鮮明な 記憶。
何も覚えてないけれど、
笑って泣いた貴方の顔は
心に残る
最期の記憶
『もう二度と』
必死に
伸ばした腕でも、
彼女には届かない。
追いかけ続け、
追い抜かすことを夢見て
ずっと
ずっと
嗚呼、
なんでこんなこと、
死ぬ間際に考えるのだろう。
落下しながら
必死に伸ばした私の腕は
届くはずのない彼女の方へ。
もう、これで、
もう、一生、
もう二度と
届かなくなってしまった。
『心のざわめき』
嫌な予感がしたんだ
そういうのはだいたい外れるもんだから、
信じてなかったけど、
遅かった。
まさか目の前で起きるなんて思いもしなかった。
いつだったかな。
心のざわめきを覚えたのは