普通イカの高校生

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4/3/2026, 10:09:09 PM

『1つだけ』

紅茶茶碗に淹れられた液体の色を眺めては、慣れない香りが鼻を擽る。
上質な茶葉が引き出すその香りは、余韻が長い。

きらきらとした陽が差す席で、
ひとり 知らない世界を愉しもうとしている。

口元に添えられた紅茶茶碗の底には、細かな茶葉が沈んでいる。
少し傾け流れるダージリンティーは、透き通った琥珀色に輝く。
知らない味を、知らない香りを身体が感じるとともに、舌に残る少しの苦味に戸惑いを覚える。

卓上の隅に置かれた角砂糖の匣を開け、
1つだけ、
陽が反射する水面に落とす。

甘美な香りが漂う昼下がり。
静やかな店内で、焼菓子とともに
微かな甘さを口にする。

2/19/2026, 3:33:23 PM

『枯葉』

涙が頬を伝うのを
止めたくて、
ふと、上を見ると
味気ない空をバックに、
細く揺れた枝にピントが合った。
そこには一枚、色落ちした葉。
風に揺れ、今にも支点は力尽きそうである。

其れは、僕の涙が零れるのと
同じくらい、ぎりぎりで。

ぱ と、
1枚残っていた枯葉はひらひらと風に流れてゆく。
気付けば
僕の瞳からは、泪が伝っていた。

2/12/2026, 4:25:45 PM

『伝えたい』

教室の端で佇む彼の横顔は、綺麗だった。
バレンタインが近づくこの季節で、気持ちが高ぶっているのだろう。

彼の優しいところが好きだ。
彼の格好良いところが好きだ。
彼の整った顔が、笑貌を見せるとき、
私は魅せられる。

どう思われているのだろう。
そう考えることが多くなる。
もし、好きだと伝えたら、
どう思うのだろう。
寧ろ彼方側から伝えてくれとも夢に見る。

猪口令糖の甘い香りがする。
誰にも言えないこの感情は、
心の中で静かに息絶えていくのだろうか。

伝えたい。
そう思うのは罪なのだろうか
そうして羞恥心と自意識が邪魔をしてばかりいる

1/27/2026, 3:46:41 PM

『優しさ』

僕は貴方にどう接していただろうか。
ちゃんとまっすぐ関われただろうか。

貴方と手を振ってからの帰り道は
ひとり、一言一句鮮明に思い出して
過去の失言を重ねて
一人反省会をしてしまう。

貴方は僕をどう思っているのだろう。
拙いことを、言ってはいないだろうか。

その心配だけがいつも心に残る。
僕の心には、いつもその凝りが残る。

優しさ を求めて。
優しくできなかった過去の自分へ。
きっと優しくなれない未来の僕へ。

今日の僕が、親切だと思われますように。
優しくないひとだと、思われませんように。

僕が、貴方にも
そして僕自身にも
優しくなれますように。

9/19/2025, 7:18:07 AM

『もしも世界が終わるなら』

ずっと生きていてほしい。
ずっと愛していたい。
貴方がずっと笑っていられるように

貴方が悲しむことが無いように


貴方がくれたすべてのものを



忘れることがないように




もしも世界が終わるなら






少しずつ終わっていくのなら







明日が来ないのだとしたら






何もない世界には









空白以外に何が残るというのだろう










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