ゆーがめ 普通イカの高校生

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11/21/2024, 6:05:16 PM

『どうすればいいの?』

ただ淡々と送る毎日。
まるで心配事など何もないように振る舞い、
楽しければ広角を上げ、
何かあれば頭を下げた。
ただそんな毎日。

それでも、
少しずつ、
壊れていく。

人間というものは愚かで、
寛容な人間がどれほど少ないことか。

自分が嫌であれば、伝えなければ分からない。
また然り、伝えられなければ、分からない。
故に、はっきりと、言葉を発する。

気が付けば、
その人は私の近くにはもういなくなった。
正解は、なんだったのだろう。
テストみたく、解答が明確にあればいいのに。
どうすればよかったんだろう。
私は、
どうすればいいの?

11/19/2024, 3:29:41 PM

『キャンドル』

薄暗く静まり返り、
ひんやりとした室内。
月は天頂に近く、
一面の粒子状の星。

窓辺の机には月光が差し込み、
細く、物静かな雰囲気を醸し出す。

取手が付いた金色の燭台。
3.9インチの、上部が溶けた蝋燭。
灯火は、辺りに少しだけ希望を与える。

木製の机と椅子。
腰を掛け、左手元に燭台を置く。
白い羽ペンを右手に持ち、インクに浸す。
そして くすんだ色の羊皮紙に、執筆する。


「キャンドル」

薄暗く静まり返り、
ひんやりとした室内。
月は天頂に近く、
一面の粒子状の星。 …………
──────────────────

11/18/2024, 3:55:39 AM

『冬になったら』

ずっと、覚えてる。
あの無垢な表情を。

ずっと、覚えてる。
あの温もりを。

息は白く
指先は悴む
繋いだ手は冷たく
積もった雪に足をとられる

毎年、冬になったら、思い出す。

分厚い手袋を はめて
肩甲骨まで伸びた髪をなびかせ
宝石のような瞳の上の睫毛は 粉雪で白く
寒さ故に 柔らかなその頬を赤く染め
やさしい笑顔で駆け寄る貴女

そんな貴女はもういない。
今はまるで冬のような、貴女。
いつになったら、春が訪れるのかしら

10/27/2024, 7:27:07 PM

『紅茶の香り』

鼻先に感じる、心地よい香り。
揺れるカーテンの隙間から入る暖かな日差し。
ゆったりと腰を掛け、右手にはティーカップを、
左手には分厚い本を。
昼下がり。

庭のマリーゴールドは鮮やかに色づき、
マスカットのような風味のダージリン。
スッと鼻に抜ける爽やかな口当たり。
紅茶の香りとともに、左手は忙しく頁を送る。

ふと、隙間から窓の外を見る。
もうこんなに時間が経っていたとは。
おやつの時間ですよと部屋の戸を叩く音がした。

10/4/2024, 5:07:13 PM

『踊りませんか?』

紺藍の夜空に、
浮いた月。
天頂で、白く、淡く。

ルージュ・ドゥ・サンのドレスに身を包み、
耳の上のあたりで結われた髪に、
刺された薔薇の髪飾り。
ノワール・ドゥ・シャルボンの背広に身を包み、
目の元まで下ろした髪に、
すらりと伸びた下半身。

まるで、今日の主役は彼女らなのだと、
言わんばかりに。

そう、物語る。
白手袋に包まれた手を、紳士に差し出し、
長手袋に包まれた手を、そっと置く。

踊りませんか?

そう誘ったように、
今宵は深く、長く。
耳から拾う音に、ひらりと。
明けない夜に、舞うように。

もう、今宵の主役は彼女らなのだと、
言わんばかりに。


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