優越感、劣等感』の作文集

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優越感、劣等感』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど

7/14/2023, 7:53:33 AM

優越感、劣等感(2023.7.13)

あなたはわたしを選んだこと、後悔していますか?
わたしのことを好きなのはあなただけだけれど、あなたを好きな女の子はたくさんいる。
あなたがわたしといてくれる時。悪いことかもしれないけれど、わたしは優越感を覚えるの。わたしだけを見て、わたしだけに笑いかけてくれる。そんなあなたが、この世界の誰よりも愛おしい。
あなたが他の誰かといる時。それが素敵な人であるほど、わたしは劣等感を覚えるの。やっぱり、わたしなんかじゃだめだよね、ああいう人が、あなたとお似合いなんだよねって。そんなあなたが、この世界の誰よりも憎らしい。
だから、気をつけてね?わたしにとってあなたは、世界でいちばん一緒に生きたくて、世界でいちばん殺してあげたい人だから。

7/14/2023, 7:46:24 AM

【優越感、劣等感】


何かに対して優越感を抱くと
心の奥底にいた劣等感を覗かせる。
どちらもきっと綺麗な感情ではなくて
それでも人間ならではの感情だから
消すことは出来ないから必死に受け止めるんだ。
そんな人間でも
生きてていいんだって思っていたいんだ。

7/14/2023, 7:41:26 AM

あのこは私よりもフシアワセ
だってセーラームーンのへんしんステッキをもっていないんだもの

私はセーラームーンになって てきをたおすつよい子
おとうさんがどなっておかあさんをしかるみたいに
わるいひとがいたら たおす力をもっているの

なのにどうしてだろう

おとうさんは私をどなりつける
私はセーラームーンからわるい子にもどる

へんしんステッキをもってないあのこは
おとうさんと手をつないでニコニコわらってる
私よりもフシアワセなはずなのに
とてもたのしそう

7/14/2023, 7:39:12 AM

優越感に浸りたいことがよくある
けれど自分はダメなんだと劣等感に浸っていたい事もある
優越感に浸っていたい時はどうしても自分の話をしがちだ。
劣等感に浸っていたい時も自分の話をしがちだ。
結局のところいつだって誰かに自分の話を聞いて欲しいのだとそう思う。
相手の話を聞いて共感することの出来る『 ちょこっとだけ大人』になりたいな

7/14/2023, 7:27:31 AM

わたしには、憎い人がいた。
でも、正直言って、私がその人より劣っていることなんて、「世間慣れ」ぐらいだった。

絵は毎回賞をとれる。
文章は佳作に入った。
音楽は学年トップの成績。
算数も国語も理科も社会も体育も、
その人より良い成績を残したはず。

それなのに、
賞を取った時の優越感も、
その人が出来なかったことに対する満足感も、

その人が大人達に褒められて、慰められて、
        讃えられて、応援されて、

その度にないはずの劣等感がわたしを襲って。


わたしに足りないものはなんだというのか

あいつの何がいいの

自称インキャで
スタバのメロンソーダの自慢で
「ヨウキャごっこ⭐︎」とか

最初からコミュニケーション能力が
あったくせに
悪い分類のヨウキャだったくせに

あいつは、
伊達メガネして
整形して
髪の毛矯正して

その度に、人から話しかけられるたびに、
嬉しそうに
笑ってたのに。

そのクラスメイト達が
どれだけあなたのことが嫌いだったか

あなたは
偏差値の良い学校へ行った

わたしは
あえて
偏差値の悪い学校へ行った

なぜなら
あなたがゴミと見下してきたクラスメイト達
全員

わたしがまとめて面倒見てやる

全員天才にしてやる

お前がゴミと見下してきたやつが

お前を塵芥と見下す時が



待ってろよ

絶対

全部の面で

見返してやる

あなたとは違う、

正々堂々

何もかも

あなたより上に立つ

絶対。

今度こそ感じる
優越感
待ってろよ

あなたに最高の劣等感を
感じさせてやる
待ってろよ

7/14/2023, 7:17:15 AM

『友達?』
 私だけが知っているあなたの秘密。
 あなただけが知っている私の秘密。
 それはきっと歪な関係だけれど、私たちには欠かせない優越感。そして秘密を共有してないと保てない劣等感。
 何も無くても友達でいられれば良かったのに。そう願ったところでもう遅い。
 私たちは秘密でしか繋がれないのだから。
テーマ:優越感、劣等感

7/14/2023, 7:00:41 AM

今日のテーマ
《優越感、劣等感》





数日間にわたる期末試験も今日でやっと終わった。
今日からは試験勉強から解放され、これでようやく自由を満喫できるというものだ。

「今日、この後どうする?」
「お昼どこで食べようか」
「あ、ごめーん、これから彼とデートなんだー」

いつものメンバーで昇降口へ向かいながら話をしていたら、その中の1人がそう言いながら手を合わせた。
しかし言葉とは裏腹に、その顔にはあからさまに自慢げな表情が浮かんでいる。
口で言うほど悪いと思っていないのは全員にしっかり伝わった。
なにせ、本人が迸る優越感を隠す気もなさそうなのだから。
友人達が一気に白けた顔になるのも当然というものだろう。

「あっそ。じゃあ早く行ったら?」
「そうそう、彼氏待ってるんじゃない?」
「待たせたら可哀相だし、あたし達のことはいいから行ってあげなよ」
「やだ、そんな追い出すみたいに言わなくてもいいじゃん」

みんな彼氏がいないからって僻んでるんでしょ?
そう言いたげな態度と口調に、友人達の顔からじわじわ笑顔が剥がれてくる。
このままいくと本格的に関係に亀裂が入ってしまうかもしれない。

「はい! わたし超おなかペコペコだから、お店が混む前にお昼食べに行きたい!」

一触即発の空気なんか気づいてません、というように、わたしは敢えて空気を読まずにそんな発言をした。
いつメンの中でも一番仲良しの親友だけはわたしの意図を察してくれたらしく、すぐにそれに乗ってくれた。
ムードメーカーの彼女が頷くと、若干険悪だった空気はすぐに緩み、他の子達も追従してくる。
彼氏自慢をしたがってた子にみんなで「またね」と手を振って、何とか穏便にその場は収まったのだった。


お昼を食べた後は、試験の打ち上げを兼ねてみんなで夕方までカラオケに行った。
ところどころであの子に対する愚痴が飛んだけど、普段は仲が良いだけあって深刻な悪口にまではならない。
みんな、自分達に羨む気持ちがあるのも、彼女が舞い上がってちょっと暴走しちゃってるのも分かってるから。
とはいえそれを笑顔で受け流せるほど大人でもないから、思い出したように愚痴が出ちゃうんだけど。

「自分だけ彼氏持ちになったって優越感マシマシなのが鼻に付くんだよね」
「ほんとそれ」
「ノロケならいいんだよ。でも、あれは違うじゃん?」
「えー、あたしノロケも聞きたくないんだけど」
「私は種類とか話し方次第かな」

またもぶり返した話題に、わたしは親友とこっそり目を見交わして苦笑した。
実を言えばわたしも親友も彼氏持ちだったりする。
でもそれぞれ相手が別の高校に通ってるから話題に出すことはない。
隠してるわけじゃないし、聞かれたら普通に話すけど、自分から率先して話したりはしてなかった。
日頃から「彼氏がほしい」という彼女達に話したら自慢してるように思われそうだし。
だからわたしと彼女は余計な口を挟むことなく、飲み放題のジュースのおかわりと称してそっと席を立ったのだった。

「彼氏ほしいって言うけど、みんな好きな男子っているのかな?」
「あの子みたいに、告られました、相手のことも好きになりました、ってことなら平和につきあえるだろうけどね」
「合わない相手とつきあうくらいなら、友達とわいわいやってた方が楽しくない?」
「分かる」

ドリンクバーでジュースを注ぎながらそんな会話を交わす。
でも、そんな話をしながらも、みんなの言いたいことも分かるような気もしていた。

自分だって恋をしたい。
誰かの特別になりたい。

そんな気持ちはきっと誰しもが持つものだろう。
そして、恋をして楽しそうにしている友人の姿をつきつけられて、我が身に起こらないことにささやかな劣等感を刺激されてるのだろう。

わたしも、この親友に彼氏ができたばかりの頃は似たような鬱屈を抱いていた。
自分の片想いは叶いそうにもないのに、と羨んでいた。
結果的にはそれから程なくして恋は叶ったし、おかげで嫉妬も羨望も劣等感もすぐに消え失せたんだけど。

「彼氏と過ごす楽しさと、友達と過ごす楽しさは別物だからなあ。きっとあの子ももうちょっと落ち着いたらちゃんと分かって戻ってくるでしょ」
「そうだね。今はつきあい始めの一番ウキウキしてる時期だもん、しょうがないよね」
「そうそう。まあ、暫くは彼氏とあんなことして、こんなとこ行ったって自慢しまくりでウザがられそうだけどね。私も前にやらかしてたからちょっと居たたまれないんだけど」
「あはは」

主にノロケを聞かされまくって辟易してた被害者として、その言葉に思わず苦笑してしまう。
もっとも、わたしも彼とつきあい始めてからはノロケたり相談に乗ってもらったりしてたから、それについてはお互い様だ。

「みんなもいい恋ができるといいよね」

子供の頃にCMで『初恋の味』というキャッチフレーズが使われてた乳酸菌飲料。
真っ白な炭酸入りのそれを手に、祈るようにわたしはそう呟いた。

7/14/2023, 6:54:40 AM

もし右手と左手が、優越感と劣等感で別れた、別々の生物だったら…。

そりゃあ、文字を書く役割の手が、いて。
そのまま調子に乗って、ものを描くようになったり。
紙を押さえる役割の手が、いて。
力が入りすぎて、紙をくしゃくしゃにしてしまったり。

優越感と劣等感さえ、別で生まれて、比較されてしまうのだから。
それぞれに好きなようにさせていればいい。
コントロールしようとしなくていい。
両利きなんて、ずるいよ。

7/14/2023, 6:53:42 AM

「あーあ来週かあ…。」

私は大きく伸びをした。ここは、会社の休憩所だ。

「何が?」

同僚のイシイちゃんが尋ねる。アクティブな彼女と大人しい私では、まったくタイプが違うが、不思議とウマが合うのだ。

「いや、来週結婚式なんだよね。友達の。出費はかさむし、旦那はイケメンだし、イマイチお祝いするモードになれないんだよねえ…。」

「人の幸せを素直に喜べない人は、劣等感が強いらしいよ。」

「え、何それ!?」

私は思わぬ鋭い言葉に、胸をズシリと射抜かれたように感じた。

「劣等感?そりゃまあ、確かにあるけど…。でも友達も悪いんだよ、なんせイケメンの旦那ができて、優越感のかたまりみたいになってるんだから…。」

「まあまあ。そんなんほっときなよ!飲みに行こ!」

彼女は何かというと飲みに誘う。

「わかった。じゃあ仕事終わったらね!」

私は思わず約束をして、制服に着替えた。制服があるのは嫌だったが、今以上は太れないという縛りが出来て、助かる部分はある。

結婚式前にあまり太りたくはないが、この制服が入るサイズなら、パーティードレスも入るはずだ。

【劣等感、優越感】

7/14/2023, 6:14:03 AM

同じような
幕の下ろし方

分かってる
逃げだって

変われば楽に
なれるのだって

いつだって
分かってた



それでも私は
私のままで

これまでずっと
生きてきたから

泣いたって
辛くたって

私のまま
生きてきたから


これからも
こんな私のまま

ありのままで
生きてく


変われないまま
変わらないまま

譲れないまま
譲らないまま



だって


これが


私だから




「これまでずっと」

7/14/2023, 6:10:06 AM

優越も劣等も連れてきたよ

それが俺だからね…

顔にはださないけど…

いつも2つを道ずれにしてきたよ

誰にもサトラレナイ様にね

顔で笑って心で泣いて

顔で怒って心で泣いて

イチローさんは凄いよいなぁ…ほんとに…凄い!

劣等も優越も顔でなくて…

行動で明日を魅せてきたから…

大谷さんの時代の礎を導いたね…




さてと

私も

今日も暑いけど…

もう一踏ん張りしますか!(笑)




ミーチャン…

イチローさんは生意気とか責められても

自分を通したね



俺は…俺の中の気持ちを…

通してね

いつかかならず…!



そして…

いつまでもミーチャンを…

7/14/2023, 6:06:01 AM

「優越感、劣等感」
私はこの二つに縛られている。
私は時に人より何かが出来たとき優越感になる。
だが、人よりも何かが出来ないと、劣等感に襲われる。私は、この二つに縛られている。

7/14/2023, 5:47:11 AM

キラキラ輝いていないと価値はないの。

盛りに盛った写真を撮って、世界に発信。

毎日毎日、高級ブランドの衣服や装飾で着飾って、高いお菓子やお酒を貪りながらパシャパシャ。

高級品に取り囲まれたアタシも、価値ある存在に見えるでしょ。

家一軒ポンと買えちゃうような高級車を乗り回しても。

美男美女を侍らして、毎晩の様に遊び狂っても。

アタシ自身は、セミの抜け殻みたいに空っぽで、みっともないハリボテなのにね。

あー、笑える。

テーマ「優越感、劣等感」

7/14/2023, 5:41:14 AM

「みなさん、マフィンが焼き上がりましたよ」

 きみの声はよく通る。
 わっと我先にと集まってくる子どもたちを鷹揚自若に迎えて、きみはにこやかに微笑む。
 神官装束の裾をひらめかせながら大皿いっぱいに盛られたマフィンを庭先に運び入れていった。甘い香りにつられた子どもたちがはやくはやく、ときみを急かす。
 全員に行き渡るように、ひとつひとつ手渡しで配ってゆくきみは、よっぽど神の子に見えた。

 さくりとした食感のあとに甘いチョコレートの味が頬を緩ませて。チョコチップ入りのものも、バターたっぷりのプレーンもとってもおいしそう。

 現に子どもたちは次から次へときみの手からマフィンを受け取ってゆく。きみが笑えばつられて子どもたちも笑顔になった。
 きみはとても温厚でやさしくて優雅。けれど確固たる芯を誰にも壊させない。だからだろうね、きみの周りにはいつも人が集まる。
 いまもそう。

 孤児院の穏やかな庭先をぼくはじっと眺めている。庭に出されたチェアで脚を組みながら、テーブルに肘をついて頬杖。
 きっと、いま、あんまり宜しくない顔をしてる。
 ぶすっと不機嫌。
 手にはきみから一番に渡されたマフィン。むしゃりと頬張れば不機嫌な顔がさらに悪化して。

 「……」

 きゃあきゃあ、とても和やか。きみと子どもたちの周りだけ時間が贅沢なままいつまでも続くような気配で。
 三分の一になったマフィンを配り歩いていた。

 ぼくの表情に気づかないはずがないのに、きみはまるで気にした素振りもなく。残りのマフィンを持ってぼくが座っているテーブルとは別のテーブルに足を運んだ。
 ひとりで手遊びをしている少年。
 その子の前に屈んで、目線を合わせてお話し。

 ……何話してるんだろ。
 あんなににこにこして。口許に手の甲を持ってくる癖なんかも魅せちゃって。

 そうしたら少年が不意にぼくのほうに向いた。ぼくだって大人。スマイルで手を振ったらその子のお顔はぱあっと明るくなる。けれどその子に話しかけているきみは、少しもぼくを一顧だにしない。
 なんだか妙にお腹がぐつぐつとしてきた気がしているけれど、唇を噛んでおしまい。
 少年と視線が外れればぼくはまた不機嫌顔に。

 庭を見渡せば、きみが配ったマフィンを頬張ってしあわせ顔な子どもたち。それを見ればぼくだってこころ穏やかになる。
 あー、こういうお顔がぼくにも引き出せたらなぁ。
 適材適所とはよく言ったもの。それができていればなんにも問題はないのに。できないから困っちゃう。

 「なんです、そんな不機嫌顔で」
 「……」

 いつの間にかきみがとなりに。
 ぼくなんかと違っていつも変わらない笑みが憎たらしい。ぼくにも持てるかもって思ったものは、だいたいきみがすでに持っている。

 だからってじゃないけれど、ぼくは不機嫌なまま答えちゃう。

 「べつにぃ。誰にも教えたくないだけ。でもぼくには素直じゃなくちゃね」
 「なんですか、それ。おかしなひと」

 手の甲で口許を隠した。
 ぼくの目はきみを贔屓するようにできてるのかも知れない。
 だからかな。

 きみは空っぽになったぼくのお皿に冷めたマフィンを。大皿は空っぽに。

 「一番に焼き立てのマフィンを手渡して、一番最後にもうひとつ」
 「…ふぅん」
 「そうでしょう?」
 「……きみってばほんと、まるっきりぼくじゃないんだね」

 当たり前でしょう?
 そう言ってのけたきみがぼくの向かいに腰を下ろした。
 ほんと些細なこと。
 それだけで、ぼくはきみに心底からあふれたスマイルを見せちゃうんだから。



#優越感、劣等感

7/14/2023, 5:29:39 AM

私が少し苦手な言葉。

その中に「優越感」「劣等感」というものがある。

これは、今はあんまり好きじゃないけれど、
昔はすごく気にしていたものだった。

いろんなことを誰かと比べては
「優越感」や「劣等感」を抱いていた。

例えば、何でもできる友だちとテストの点数や
体育の授業の試合などで勝負し、負けた時に
劣等感を抱いていた。

それと反対に、習い事で同じ子と勝負して
勝つ度に優越感を抱いていた。

でも、年齢があがるにつれてどれだけそれが
幼いことなのかが分かってきた。

もちろん、生きている限りそれらを抱かないことは
ありえないと思っている。

そして、それらを抱かなくなったのは、

「人それぞれ得意なことや
 不得意なことがあるのは当たり前です。
 だから、人と比べるのではなく、
 過去の自分と比べなさい。
 そして、自分で自分のことをちゃんと
 認めてあげなさい。」

という先生の言葉がきっかけだった。

そのおかげで今は自分は自分、人は人、
というふうに考えることができている。

これからもその考えを大切にしていこうと思う。




#優越感、劣等感

7/14/2023, 5:04:28 AM

優越感、劣等感

私のほうが可愛いでしょう?
私のほうが優秀でしょう?
あの子よりも、あの子よりも、あの子よりも。
私のほうが勝ってるでしょう?

足りない。
まだ足りない。
もっと私を見て、私を褒めて、私を認めて、私が必要だと言って。

「みて、じょうずにできたの!」
歪な折り鶴を、まるで宝物のように見せてきたのはあの日の幼いわたし。
ヨレヨレで、折り目だって揃ってない。
誰が見たって不格好なその鶴は、だけどあの時のわたしが一番丁寧に作ったものだった。

こんなもの。
そう言ってはたき落とそうとした私を、幼いわたしはキラキラとした笑顔で見上げた。
振り上げた手をそっと、彼女の小さな手に添えた。
「とても素敵ね」
「ありがとう!」
幸せそうに喜ぶ彼女に、胸か温かなもので満ちていく。
わたしは、私に認めてほしかったんだね。
不細工でバランスの偏った折り鶴は、何よりも美しいものに見えた。

7/14/2023, 5:02:20 AM

私の友達のA子ちゃん。
運動も勉強もできる文武両道の優等生。
肩より少し長い真っ直ぐな黒髪と、白い肌。
化粧もしてないのに整った顔。
まさに高嶺の花。
乱雑で男っぽくて、肌が黒い私とは大違いの、守ってあげたくなるような女の子。

高嶺の花と友達であることへの優越感と、
女の子として完璧なA子ちゃんへの劣等感。
二つがぐるぐると頭を回る。
何も知らない純粋なA子ちゃんは、今日も私の隣で微笑んでいる。あぁ、最低だな私って。



私の友達のB子ちゃん。
いつも周りの人を笑顔にしているムードメーカー。
肩につかない焦茶の短髪と、健康的な浅黒い肌。
大きな目にくっきりした二重。
皆んなに好かれる人気者。
無愛想で冷たくて、肌の白い病弱な私とは大違いの、明るく元気な女の子。

人気者と友達であることへの優越感と、
いつも皆んなに囲まれているB子ちゃんへの劣等感。
二つがぐるぐると頭を回る。
何も知らない純粋なB子ちゃんは、今日も私の手を引いてくれる。あぁ、最低だな私って。

7/14/2023, 4:50:12 AM

優劣感、劣等感

「ありがとう! 君って本当に優しいね!」
ああ、気持ちがいい。
「どうってことないよ。またなにかあればおいで、できる限りのことはするから」
そんな羨望の目で見るのはよしてくれよ。気持ちが高ぶりすぎてどうにかなりそうだ。
「僕もう帰らなくちゃいけないんだけど……」
ああ、その縋るような目。何かを求める目が自分に向けられていることがとても興奮するんだ。
「そうかい、良かったら一緒に帰ってもいいかな?」
「も、もちろんだよ! 嬉しいよ、君から誘ってくれるなんて」
君から、なんてよく言うよ。お前が望んで出させた言葉なのに。
「何を言ってるんだ、私達は”友達”だろ? 当然のことだ」
友達なんて馬鹿げたものになったつもりはないけれど。
「それじゃあ帰ろうか。話は帰り道でもできるからね」
そして私は彼の手をとって教室を出た。
君のその薄紅に染まった頬と耳で私に向けられている感情をたやすく感じることができた。
可哀想に。今まで誰とも関わってこなかったから、こんな経験もないのね。
それもそうよね。少し前までいじめられて、友達もいなくて、誰にも相手にされなくて、本当に可愛そうな人生よね。
だからこそ、こうやって私があなたに目をかけているのだけれど。
「でね、そうしたら今日谷屋くんがクラスで〜」
「ふふ、そうなのね」
こうやって適当に相槌を返すだけで勝手に喋って、勝手に好感度を上げてくれる。
こんな簡単に好かれるなんて、今まで本当に誰にも相手にされなかったのね。可哀想に。
「そういえばさ、君って兄弟は居るの? 君と友達になってからいろんな人とかいろんなことを聞いているけど家族の話だけは聞いたことがないと思うんだよね」
「なんの変哲もない普通の家庭さ。それ以上でもそれ以外でもない」
「そ、そっか」
”家族”そのワードを聞いて思わず強く言葉が出てきてしまった。あいつはそれに対して少し戸惑ったように返事をして、そのまま黙り込んでしまった。
……あいつらの話をする、お前が悪いんだ。あんなやつら家族なんかじゃない。
「私の家族よりもさ、君の家族の話を聞かせてくれよ」
この沈黙を破るために私は話題を振った。…まあ彼の家庭環境はあまり良くはないと聞いている。
いや、端から見たら良い家庭と言えるのだろうが彼に限ってはそうではない。
「僕の家族…? 僕の家族かぁ。僕の家族は自慢じゃないけどおじいさんの代から全員医者の一族なんだ。だからみんな優秀で、両親も医者で姉と兄も今は国立のトップの大学の医学部なんだ。
弟も良いところの私立中学校に入学したんだ」
聞いた通りのエリート一家だ。
「すごいんだね。君が成績が良いのも納得だ」
「そんなことないよ……、僕は落ちこぼれだから。家でいつも言われているんだ。家においてくれてるのが奇跡みたいなものだよ」
ヘラリと笑ってそう言い始めたが、言い終わる頃には顔から笑みが消え、うつむいて拳を握って居るのが見えた。
だから私は立ち止り、彼の手を取って
「そんなことないよ、君が落ちこぼれなんてことは絶対ない。だって君は今まで頑張ってきたのでしょう?」
そうやっていってやると、彼は顔を上げて少しうるんだ目を私に向けている。その目はさっきと同じ目をしている。
何かを望んでいる目。私に言ってほしい言葉があるんでしょう?
「そ、そうだけど、でも僕は」
「大丈夫だよ。君は落ちこぼれなんかじゃない。今まで頑張ってきた君が落ちこぼれなはずないじゃない」
まあ、成績が底辺の君に本当にできるとは思っていないけれど。
それでもほら、目の色に少し希望が走り始めている。本当に身の程知らずね。
まあそれでも、ほんとうに気持ちが良いわ。そうやって私に願いを込めて、私の存在をありがたがれば良いのよ。
「それに、今からでもどうにかなるわよ。……一緒に頑張って、みんなを見返してやりましょう? 大丈夫、君ならできる!」
今まで溜まっていた涙が瞳からこぼれ落ちていく。その涙は流れるほどに勢いをましていって頬を伝う。
私はすかさずポケットからハンカチを出して彼の涙を優しく拭った。
……可哀想に、こんなに心のこもってない嘘を信じて泣いて。

「本当にごめん、君にこんな迷惑をかけてしまって。ハンカチもごめん。洗って返すよ」
ひとしきり泣き、少し落ち着いたあとも涙の余韻が残っているようなのでハンカチを渡し、彼の背中をさすりながら再び帰路についた。
そして彼の家の前で彼を見送ろうとしたとき、彼はそう言って一度私の手に帰ってきたハンカチを優しくとった。
「そんな、大丈夫だよ」
その時、何故か彼の目を見ることができなかった。見たくはなかった。
だから私は彼の手からハンカチを奪い返すことなく、一人で帰路についた。
私の中には先程まであったあの優越感なんてものはなく、ただただ形容し難い虚しさがあるだけだった。

「…ただいま」
「あら、おかえりなさい。今日は遅かったのね、何をしていたの? ……まさか」
「図書館で勉強していただけだよ。お母さんが心配するようなことするわけないじゃない」
気持ち悪い。
「そうよね……、安心したわ。あなたはあの子のようになってはいけませんからね」
「わかってるよ」
心配しなくても、あんなやつみたいにはならないさ。
「さ、ご飯を食べて。もうこんな時間ですからね」
「うん」
家に返る途端に重くなった足を一歩一歩進めてリビングへと足を進めた。
「いただきます」
無言で箸を進めていく。料理以外に何も見ないし、何も喋らない。見れば見るほど、喋れば喋るほど私が惨めになっていくから。
「ねえ、見てくれないかしら」
ああ、さいっあく。
「このトロフィー、すごいと思わない? またあの子が獲ってきたのよ!」
そのトロフィーは嫌味なほど眩しかった。その輝きはただの光の反射以外の光を放っているような気がしてとても嫌だった。
その光を見たくなくて目をそらした。反らした目の先に合ったのは、おびただしい数の賞状とメダルとトロフィー。
あれもこれも全て、弟のもの。
ああ、胸がざわつく。苦しい。気持ちが悪い。
「それに比べてあなた達は…、違うのよ? 別にあなたを見限っているわけではなくて」
そうやって表向きだけを良くするあなたが本当に嫌い。
もう話を聞きたくなくて、ご飯をかきこんで部屋に逃げた。
「本当にくだらないわ」
全部、全部。
今日はなかなか良かった。いつもい以上に私を満たしてくれた。クラスメイトは相変わらず私を羨望と憧れの目で私に接してきた。
彼だってそうだ。今日は特に私を特別にしてくれていた。
……だけれど、最後のあれだけが、どうしても気になった。気がかりだったんだ。

「君って空っぽだね」
「…どうしてそう思ったの?」
放課後、突然私にそういったのは一月ほど前に転校してきた男子だ。一ヶ月だ、たった一ヶ月。たった一ヶ月でこいつはクラスの中心人物になった。
そのお陰で私の立場が弱くなった。あいつも、最近こいつと話している。私はどうしてもこいつが嫌いだった。
「うーん、なんていうかさ楽しくなさそうじゃん。いっつも作り笑いで、他人に媚びてる? っていうんかな。なんか自分がないっていうか」
「そんなことないよ。いつも楽しいし、媚びているつもりもないしね。自分の好きなことをしているからね」
心のそこから出ている嫌悪感を抑え込んでなんとか返事をした。
「ふーん、そっか。まあ良いけどさ、でもそのまんまだと」
「おい、何してんだよ。今日ゲーセン行く約束だろ。早く来いよ」
「おーわりー。っておい引っ張んなって! それじゃあ行くから」
「ええ、さようなら」
またな! となんとも輝かしい笑顔を放って連れて行かれるアイツをなんとなく見ていた。
あの裏表のなさそうな性格、天性の輝き、類まれない才能のひとつだと思う。あいつがいると私が霞む。私という存在も、私の心も。
私の脆い心の支えが、ゆらいでいく。
「馬鹿みたい。あいつも、あいつに群がるやつらも。みんな私を崇めていればいいのに」
ボソリと言った私の言葉は、誰の耳に入ることなく空気に溶けていった。
最近私と一緒に帰ることがなくなったあいつの席を軽くにらみつけて、帰路へとついた。

しばらくして、テストの結果が帰ってきた。
結果は、学年二位。二位。そう、二位だ。私が二番目。
「ねえ、聞いてくれよ! ぼくついにやったんだ!」
「おお、いつにもまして元気だな。っておいお前すごいな! 学年一位って……、やばすぎだろ!」
聞こえたその会話に勢いよく顔をあげた。その声はあいつと、あの転校生の声だった。
学年一位? あいつが? 私があいつより、下?
「僕報告しなくちゃ!」
「報告って、誰に?」
「僕のことを応援してくれている子が居るんだ! 僕が自信をなくしていた時もずっとそばに居てくれたんだ!」
二人が近づいて来る。でも、今の私はそんなのが気にならないほど混乱していた。
「ねえ、聞いてくれよ!」
その言葉で意識が再び覚醒した。
「な、なに? なにかいいことでもあった?」
私がそう聞くと彼は嬉しそうに私に自慢を始めた。
「僕、ついに学年一位になれたんだ! これを見てよ!」
そういって私に今までのテストの結果と、今回のテストの結果が記載されている紙をこちらに見せてきた。
私がその紙を見ている時ですら、彼は自分の努力を語っていた。
320位、125位、32位、10位、3位、……1位。
その字を見た時、私の心の何かがこぼれ落ちた。
そしてそれと同時にこいつの声が耳障りでしょうがなくなった。
「……るさい」
「え?」
「うるさい!!」
気がついたときにはそう叫んでいた。
だって、だっておかしいじゃない。私が上でこいつが下。それが当然のことでしょう?
なのになのになのになのに……。なんでこいつが一番なの?
「ねえ、大丈夫? どうかした?」
あいつはそういって私に手を伸ばしてきた。私にはその手がとてもおどろおどろしく見えて、とても恐ろしく見えて。
だから私はその手を振り払った。
クラスの連中の視線が私に突き刺さるのに気がついた。
「どうしたこうもないわよ……。なんで、なんであんたが上なのよ? どうしてあんたが上にいる!? そこにいるのは私だろ。どうしてお前がそこにいるんだ!」
気がついたときにはもう遅かった。
私の心に流れるこのどろどろしたなにかは私の脳みそを支配して、私の思考を鈍化させる。痛い、痛い、苦しい、怖い、痛い、つらい、かな、しい。
「お前の、せいだ」
「ど、どうしたの? なんか、変だよ」
変? 私が変? 違う私はおかしくなんてない。普通だ、いや違う。普通以上だ。私は特別なんだ。
私は人より上なんだ。だから、私はこんなやつに負けたらだめなんだ!
「お前が私を軽蔑するな!」
「君を軽蔑なんてしていないよ!」
「いいやしてるね。そうやって一位をひけらかして。私を下に見ているんだろう? なあ、どうしてお前が私の上に居る? お前は私の下にいる人間だろ。
家で見向きもさあれないグズが私の前に立つなよ!」
「……え?」
その時、私の頭がサーッと冷めた。
やってしまった。周りの目線が軽蔑の眼差しになったのを肌でジリジリと感じた。痛い。とても痛い。
その時ふと目に入って来たのは、あいつの悲しそうな顔だった。その瞬間何故か居た堪れない気分になって、私は教室から飛び出した。
あの教室に、私の居場所などなかった。


私は私の足の赴くまま逃げ続けた。いつの間には私は屋上の扉の前まで来ていた。
人が屋上に行きたがるのはなぜだろう? アニメや漫画に出てくるから? 憧れ? ……学校という空間で、一番空に近いから?
ガチャガチャッ
扉は開かなかった。それはそうか。屋上は元々立入禁止だし。
「大丈夫?」
後ろから、声をかけられた。
「可哀想に、こんなに乱れちゃって。君らしくないね」
君らしい、ね。ちょっと前に君は空っぽだといった人のセリフとは思えないね。
「なによ。なにか用事でも?」
「大したことではないさ。ただ僕は、やっと君らしい君を見ることができたなと思ってね」
「初めて見たときからずっと思っていたんだ。君みたいな人は初めてだってね。君みたいに、劣等感にまみれた人間はね」
劣等感? 私が、劣等感にまみれている?
「私が劣等感にまみれている?」
「そうさ。だからああやってアイツのことを見下して、情けをかけてやったんだろう。クラスのみんなにも同じように」
「まあ、それもたった今崩れちゃったんだけど」
「可哀想に。ずっと見下してたやつに抜かされて、自分の嫌いな人間がクラスの中心になって、もう君の中になにが残っていると言うんだ?」
こいつの言っていることが頭の中をぐちゃぐちゃと駆け回る。
胸がざわついて、苦しい。痛い、涙が出そうなほど今までに感じたことのない何か私の心をうごめいている。
「なあ、君は知っているか? これが、劣等感だ」

今までの優越感が幸せなほど、今の劣等感が刺激されるだろ?

7/14/2023, 3:59:12 AM

「優越感、劣等感」


どちらも、
誰もが誰かに対して大なり小なり感じることで、
それを肥大化させずに生きていくことが、
だいじなのかな、と思う。

7/14/2023, 3:34:20 AM

優越感と劣等感は、紙一重だ。
結局は他人と比べて己が優秀かどうかの感情を孕み、時には己の自意識を蝕んで、喰らい尽くしてしまう。
しかしヒトという人種は社会性とともに生きており、生きている限り他のヒトと干渉して生きて行かねば生きていけない。
不器用で、不完全な存在だ。
だからこそきちんと自意識と向き合って、優越感に溺れず、劣等感に苛まれず、バランスをとって生きていくのだ。
---自分が自分で、あるために。

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