蓮池

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優越感、劣等感

私のほうが可愛いでしょう?
私のほうが優秀でしょう?
あの子よりも、あの子よりも、あの子よりも。
私のほうが勝ってるでしょう?

足りない。
まだ足りない。
もっと私を見て、私を褒めて、私を認めて、私が必要だと言って。

「みて、じょうずにできたの!」
歪な折り鶴を、まるで宝物のように見せてきたのはあの日の幼いわたし。
ヨレヨレで、折り目だって揃ってない。
誰が見たって不格好なその鶴は、だけどあの時のわたしが一番丁寧に作ったものだった。

こんなもの。
そう言ってはたき落とそうとした私を、幼いわたしはキラキラとした笑顔で見上げた。
振り上げた手をそっと、彼女の小さな手に添えた。
「とても素敵ね」
「ありがとう!」
幸せそうに喜ぶ彼女に、胸か温かなもので満ちていく。
わたしは、私に認めてほしかったんだね。
不細工でバランスの偏った折り鶴は、何よりも美しいものに見えた。

7/14/2023, 5:04:28 AM