『優しさ』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
気づくこと
気づかないふりをすること
関心をもつこと
受け入れること
与えること
分かち合うこと
側にいること
見守ること
胸を痛めること
赦すこと
手をほんの少し伸ばすこと
「優しさ」
#314
人は誰しも優しさを与えられるところからはじまると思っている
誰かに優しさを与える初体験は何歳なんだろう
受け取り側の心がそれを決めるなら、きっと生後9ヶ月のときかもしれない
ここから消えてしまいたいと線路に歩いていった母
背中には言葉を持たない私
すすり泣いていた母の首に触れた小さな手
あなたの温もりがあったから今も生きてるよ
「優しさって何だと思う?」
あなたは私にそう問いかけた。
君は厳しくしすぎないところが素敵だけれど、そうして何でもなぁなぁにすることが優しさじゃないんだよ。
そう言うするあなたの表情は慈愛で満ちていて、何故か悲しげで、険しくて……感情でいっぱいなそれを正面からじぃと見つめる。
「もう、ちゃんと私の話聞いてるの?」
そんな問いににっこりと笑えば、あなたは呆れたように頭を撫でてくれた。
そんなことしないでさっさと私を切り捨ててしまえばいいのに、と思う。きっと彼女自身もわかっているはずだ。なのに捨てないなんて、愚かなひと。
やっぱり、あなたほど優しくて親切なひときっとこの世にあなたしか居ないのだわ。
唯一のあなた、いとしいあなた。世界でいちばんあなたのことを愛しているわ。
目の前のいとしいひとに、私は「にゃおん」と肯定の声を上げた。
▶優しさ #57
優しさと騙すことは、違うように見えて似通っている。
他人の弱さに漬け込んで、後は良いことをするのか悪いことをするのかどうかだ。
しかし、騙しがもし、相手にとってメリットの方が大きい場合、はたして悪だと言えるだろうか。
おそらく、一定数の人達からは称賛されるかもしれない。
優しさも同じく、相手にとってデメリットが大きい場合、善とは言いがたくなる。
かといって臆病になり何もしなければ、怠惰で冷たい人だと思われるだろう。
とかく人間とは難しい生き物だ。
優しさ
動く椅子で座ろうとしたら椅子が動いて転んだ人がいて、
大丈夫!?
って言いながらずっとその人を見るのは恥ずかしいからやめてあげて。
心配した後スッとスルーするのも優しさ。
コンクリートの道端に燕が翼を広げて倒れていた。様子を見るに死に垂んとするさまだった。彼は凝然とそれを見るばかりで、応急処置をしようとか、助けを呼ぼうとかそういう素振りは一切見せなかった。私たちは、憐れだな、と互いに共感を口にしてそのままその場から去った。彼の恬然とした顔つきはもはや見る影なく、親友の彼女と姦通した直後の男のような懺悔の面持ちで歩みを進めていた。ある程度の距離になっても、表情が懐柔することはなかった。ここに義侠心の敗北を見た気がする。
これは私の実話。
中学生になり、新しいクラス。
新しい友達。
隣の子が声をかけてくれた。
遠い街から引っ越してきたらしい。
たまたま趣味があって、どんどん仲良くなってた。
その子は虐められてた。
社長令嬢で可愛くて、コミ力もあるからかな。
要らないほどの正義感と
気の強さ
頑固
これは私の短所。
助けなければよかったかな。
先生も巻き込んで、部活を退部して。
そこまで辛かったんだよね?
何度も励ましの言葉をあげた。
守ってた。
でも事が落ち着いていくと、いじめていた子と仲良くなっていた。
私は、いじめていた子を小学生の頃から知っている。
中一で、ネッ友と会い
ネット出できた彼氏とDM
15人も彼氏いるんだ〜
10万を片手にインスタのストーリー
そんな子だった。
私は、多分。
見返りは求めてない。
でも、心配で心配で。
『 誰と仲良くするかは自由だけどさ、気をつけないよ』
『 お前さ、よくいじめてきたやつと仲良くできるよね』
強く言葉をかけてしまった
『 まぁいいけどさ、気をつけてよ』
私もしつこかったかな。
これに対して
『 いいなら、私の人生に口出ししないで』
あー。私、もう無理かも
助けなければよかった?
私はどうすればいい
また裏切られたのかな。
悲しいな。
先生からも言われた。
『 あなたは優しすぎるから、気をつけて』
優しくないよ。
多分、人を助けたいだけ。
うん。
でもさすがに自分でも言っていいかな。
私は優しいんだな。
正義感なんていらないよ。
#優しい
私がお腹痛い時
あなたは必ず「お母さん 大丈夫?」と
扉の向こうから声をかけてくれますね
そんなあなたに1番最初にプレゼントしたモノは
(優希)という名前です
名のとおり 優しい子に育ってくれ
母はこの上なく嬉しく思います
どうかこのまま 優しさに包まれた日々が続きますように
#優しさ
テーマ/優しさ
学生のとき、ちょっとしたモデルの仕事をさせてもらっていたことがある。いわゆる読モではなくて、公共物のパンフだとか、電車等の中吊り広告に起用されるもので、ザックリ言ってしまえば〝素人感〟とか〝フツーの人っぽさ〟が演じられるモデル。
そんなアルバイト的な仕事をしていたときに、同じくモデルの仕事をしている女性と知り合った。歳は2月の早生まれで学年的には私と同学年。1年近く友達づきあいをさせてもらった。
小田急線で、私の大学は玉川学園前、彼女の短大は本厚木だったので、ときどき、町田駅にある東急百貨店町田店の中にあるアイスクリーム屋さんで仕事の入ってない日の学校帰りに待ち合わせて、30分か小一時間おしゃべりをするだけのことだったけれど、油絵を描く趣味が同じであったりとか話が合って楽しかった。
その程度の友達づきあいでしかなかった彼女に、郷里の新潟で当時中学三年の美樹の話をしてあげたことがあった。美樹は早生まれで2月6日が誕生日だと話したら、彼女が驚いた。実は彼女も美樹と同じ2月6日生まれだということを初めて教えてくれた。
不思議な縁だなあと思って、彼女に美樹の写真を見せてやったら、どことなく雰囲気が似ていると言って親近感を抱いたらしい。
そう言われてみれば、私は仕事上で表情を作っている彼女を見ていたせいか、それが彼女の素顔のように錯覚していたけれど、目の前でアイスを食べながら微笑んでいる彼女をよく見ていたら、確かに目元と口元が美樹と同じように思えた。
その後、松女短大を卒業した彼女はOLを経て本格的にモデル業に携わって、歌を歌う仕事に転身した。
1992年、美樹は玉女短大を卒業した後、何も理由の言葉も残さず姿を消した。実家のご両親に執拗いほど訊ねてみても本当のことを話してはくれなかった。
ショックが大きすぎて、どうしようもなく歌手デビューしたばかりで多忙なはずの彼女に聞いてほしくなった。
仕事の環境がガラッと変わった彼女に果たして繋がるかどうか分からない電話番号に、繋がってほしいと祈るように電話を掛けてみた。
「おと君、まだこの番号覚えていたんだね。社長から解約するように言われていたから、その前に繋がって良かったあ。でも……この電話に掛けてくるなんて、よほどのことがあったんじゃない?」
忙しいはずなのに、かつてのような優しい声が返ってきた。胸に溜まった苦しみがもう爆発しそうで、ダムが決壊したように美樹の失踪のことを彼女に打ち明けた。
「おと君。美樹ちゃんのことは写真も見せてもらったり、二人のそれまでの8年間の付き合いのことを話してもらったりしていたから、私なりによく分かっているつもり。だから言うね。美樹ちゃんはその理由を言ったら、おと君がもっと苦しむと思ったから何も言えなかったんだと思うの。それは美樹ちゃんなりの自分で選んだ優しさだったんだよ、多分……」
「そんなの……いなくなるほうが、どんな優しさであっても俺には辛すぎるよ。もう美樹の隣を歩けないって……そこには俺はいないんだって、そんなことを思うだけでも呼吸が変になって、苦しいよ」
と、私は涙ぐみながら安定しない声で返事をした。
彼女は一緒に泣いてくれた。そして
「今は泣くしかないよね。息もできないくらい泣いて泣いて、もっと目が腫れるまで泣いたっていいから。ひとの優しさってさ、いろんなカタチがあるけど、ひとりの人間が持っている優しさでも時にはカタチを変えるものだと思うの。美樹ちゃんの最後にみせた優しさはきっと、覚悟の優しさであって、おと君に優しくすることで自分を痛めつけるものだったんだよ。私にもそんな経験あるよ……その道しか選べなかったんだよ。おと君にそれを悟られたら嫌だったんじゃないかなあ。なにかの理由でその選択が一番いいことだって、美樹ちゃんは判断したんじゃないかな……だから、この先どんな結果になるとしても美樹ちゃんを恨まないでやってね」
それが、彼女から最後にもらった言葉で、最後にもらった優しさだった。その翌年、彼女は『君がいない』というタイトルで曲をリリースした。明るめの曲調で歌詞の最後に「切なく good-bye」と終わらせている。
その優しさ、ありがとう。
自分の人生、気持ち切り替えていこうって思ったんだ。
優しさ
猫に優しさがあるのかどうか
わからないけれど
かつて飼っていた猫を
思い出すのは
優しい猫
だったな、と
夜更かししているとニャアとうったえ
それでも私が起きているとあきらめて
親の布団に潜り込み
やっとこさ私が一緒に寝ようと
猫を迎えに行けば
自ら出てきて
トイレをすませ
私の部屋で朝まで一緒に過ごしてくれた
優しい猫
思い出の宝物
ありがとう
Theme:優しさ
貴方はいつも優しい。
でも、その優しさが私を苦しめる。
貴方は誰にも分け隔てなく、惜しみなく手を差し伸べる。
優しい笑顔と一緒に。
貴方の優しさが他人に向けられているのを見ると胸が痛む。
誰にでも優しい貴方。
その優しさが、その笑顔が向けられる先が、私だけならどれだけいいだろう。
今日も貴方の優しさが私の胸を切り裂く。
優しさ
やさしい人がいいわ。
みんなそういうの。
でもね、やさしい人はずるいんだよ。
やさしい人はやさしいから、
やさしい人からやさしくされると、
みんなきらいになんかなれないから。
もしも、やさしい人が
わがままで
つめたくて
サイテーなやつだったとしたら?
きらいになれるのに、別れられるのに
やさしい人はやさしいから、
やさしい人からやさしくされると、
きらいになんかなれないから。
だから
やさしい人はずるいの。
ずるいんだよ。
「ハトにエサを与えるのは優しさではありません」という、小さな看板書きを、15年ほど前に札幌の大通公園の緑地帯で見た。その直後に屋台で焼きトウキビを買ってベンチで食べたんだが、一羽のハトがずっと近くに居た。クレクレ光線出しまくりのガン見で、ずーっと居た。
「お前にトウキビ粒をわけてやるのは優しさじゃないとか看板に書かれてるからダメだよ」と言いながら焼きトウキビを食べる間、僅かかもしれない可能性にハトはブレなかった。すべてのトウキビ粒が無くなると、ハトは静かに去って行った。
誰かがハトに迷惑を被っているのか、それとも人間から食べ物を得ることにハトが慣れて本来の捕食能力を鈍らせることを危惧しているのか、看板文言だけでは判らない。
これが知床の熊相手なら、食べ物なんて絶対ダメだ。最近の観光客は熊に食べ物を投げてやる人も居ると聞く。ホント、ダメ絶対。はっきり言えば、野生の熊に食べ物を与えるという行為は、その熊が殺されるリスクを与えているのと同義だ。人間から食べ物を得た熊は、人間と食べ物を結びつけて覚える。繰り返し人間に接触を試みてしまえば、猟友会のおじさんおじいちゃん達が出動せざるを得なくなり、その熊は撃たれる。そういう可能性を考えることなく、通りすがりに無責任の極みを楽しくやるなんて鬼畜も同然だ。絶対に優しさなんかじゃない。ひとつ言い添えておくが、熊撃ちを喜んでやる人はいない。大抵、命を奪うことに複雑な想いを持ちながら「出動の義務」で実行している。「人間の業というやつだろうか」と言っていた熊撃ちのおじいちゃんもいた。
生態や習性をよく知らないまま、口だけけたたましく動かす「声だけでかい」人も居るが、本当に生きものへの思いやりや優しさを発揮するなら「どちらかが死ぬ」結果につながる行動はしないはずだ。「優しさ」はまんべんなく渡るものなのだから。
蒼空「今日はわしの誕生日やった訳やけども
なんでやねん!わしそれなりな信頼あったやんな?!
誰からもプレゼントどころかなんも言われへんなんて!
翠ちゃんに朝イチで言われたきり誰からもなんて…なんでやねん!」
はぁ、最悪…帰りにケーキ買お
やけ食いだやけ食い、ひとりでホール食いするわ
ガチャ
部員「蒼空さん誕生日おめでとーう!」
蒼空「へ?お、あんたらぁぁぁ」
レイ「うわぁ!」
蒼空「ほんま、あんたらわぁ、グスッ、愛してるでぇ」
翠 「私達も、貴方が居ないと成り立ちませんし、わざわざ、地元に全国でもなあなあの結果残せる強豪あるのに
たまたま全国いけた☆程度の学校まで単身で来てくれるなんて本当
ぶっ飛んでて大好きですよ」
蒼空「今日、誰にもお祝いされへんかったさかい嬉しおして
泣いてへんさかい!
って、ほんまになんで誰からもお祝いされへんかってん!」
普 「それわだわwww
昨日のうぢに明日の蒼空の誕生日
祝わんでーって、バレー部でドッキリするんだよーって
全クラス回ったで」
蒼空「全クラス回ったでとちがうで!プレゼント貰えへんかったし!
お祝いの言葉貰えへんかったし!ふざけんな!普やろーと容赦しねーぞ」
普 「そいだば、ビデオメッセーズどみんながらのプレゼントはこの箱さ」
蒼空「そんなんなら早ういえやー!
危うう普を18発なぐるとこやったやろー」
普 「なんで18発なんだよー
てが、殴んなす、わっきゃ現役選手だぞー」
蒼空「元凶として部員全員分しばかれろー
リベロで点取れへんねんさかい少しの怪我くらい平気やん
わしだって現役選手やし、チームのエースやし主将やしーわしの方立ち位置も背も上だしよー」
普 「わー居ねば点どれねぐせに、生意気しゃべるみでぐなったねぇ
何ですたっけ?地元、不良過ぎでどごも学校門前払いだったんですたっけー?
おっかねねー」
蒼空「勝手に過去捏造するなし!
そっちこそ、小さ過ぎて小学生と間違われて迷子放送されて、高校入試、
受けられすらなっかったんどしたかいな?」
普 「小学生でね、中1だす!
迷子放送もされでね!試験落ぢだだげだはんで!」
蒼空「間違えられた事は認めるんや
てか、身長も小さいとおつむも小さいんやぁ」
普 「あぁ?」
蒼空「喧嘩やったら買うで、わしより20cmも小さい相手なんてデコピンで倒せるさかいなぁ」
優花「ど、どうしましょ、翠先輩、大悟さんとか瑞希さんとか呼びます?」
(元主将とマネ、冬に引退した、詳しくは以前の投稿をチェック)
翠 「大丈夫、あれは2人なりの優しさだから、ほらよく見て、喧嘩してるけど顔、笑ってるでしょ」
優花「ほ、ほんとだ!めっちゃ笑顔!」
レイ「ねぇ、何でみんなあの方言無視できんの?会話出来てんの?俺外国語より意味不明なんだけど」
翠 「2人とも方言濃いとこ出身だからね、蒼空さんが京都で普が青森」
優花「あ、確かに2人とも方言だ!今気づいた!」
2人「え?そこから?」
優しさ
優しさって何だろう‥?
相手の気持ちに寄り添うこと?黙って側に居ること?相手の意志を尊重して、進む道を見守ること‥?
もう彼岸に渡った優しさかった人たちを思い出します。至らないわたしを見守ってくれたなって思います。
わたし自身は、優しさ全然足りないな。ほんと全然優しくない。
デリカシーがないからかも。
優しさ‥欲しいけど、生まれつきの持ち合わせがないみたい。
でも優しさは、欲しいです。もう会えない人たちの中でも思い出すのは、優しくしてくれた方ばかりだからね。
それは、僕を支配する。
それは、僕を打ち砕く。
それは…
わかっている。それはそんなものじゃない。
きっと清らかで、柔らかで、温かいものだろう。
わかっている。頭では。
でも身体が、心が、追いつかない。
それのない者が僕を育んだ。
それなら僕にもないのだろうか。
それを受け入れて、与えることが僕にもできるだろうか。
ねえ、教えて。あなたの優しさを。
/優しさ
この世界はクソだ。
さっきなんて、
ドンッ
「あっ、すみませっ、」
?「お前、ちゃんと前見とけよ!」
?「ねぇ、さっき私がそこ座ってたんだけど!」
?「いやいや、関係ないですよ。
お隣空いているのでそこ座ったらいいじゃないです か。」
?「でも、私はそこじゃないとだめなの!
分かんないの?!」
なんでこんな人間ばかりの世界なんだ。
神はなぜ7日だけで世界を作ろうと思ったんだろう。
私だったらもっと時間をかけて少しずつ作るのに。
「はぁ、」
パサッ
?「すみません、ハンカチ落としましたよ。」
「あ、ありがとうございます。」
あれ?
?「大丈夫ですか?お荷物お持ちしましょうか?」
?「ありがとうございます。じゃあ、これを。」
こんな世界にも優しい人、いるんだ。
少しだけ見直したかも。
そんなことを思いながら、私は少し嬉しさに浸りながら帰った。
優しさ→どこかで見たことある話
【優しさ】
他人を優しいと評す人間は間抜けである。
私は幾度となく「優しい」と言われたことがあるが、「優しさ」の定義は何だろうか。
間抜けはその意味も知らず発言している。
私は優しいと直接相手に言う人は信用できない。
荘子曰く「面と向かって人を褒めたがる奴は、影に回ると悪口を言いたがる」だそうだ。
同感だ。いつの世もこのような人間がいる。
私も荘子側の人間であると思うと、位が10ほど上がった心地である。
大概「優しい」と言う人は相手のことを真剣にみていない。
どこが優しいかと詰問すれば口ごもるだろう。
特段相手に良いところがないから「優しい」という耳触りの良い言葉に逃げるのだ。愚かである。
何をもって優しさとするのか、具体性を伝えれば良いのだ。
誉めるところがないからといって「君には良いところがないね。バイバ-イ。」と言えば良いものでもない。
そんなことを言えばバイバイされるのはあんたの方だ。正直すぎるのも困ったものである。
私にとって優しさとは、私の心が喜ぶもの。
私が好きだと思えるものが優しさ。
私は私が優しさだと思えることをする。
私が優しければ、誰かも優しくなるかもしれない。
すべては私から始まると思えば、優しさの重要さは計り知れない。
誰かから受け取る優しさも私は好きだ。
心が一瞬にして晴れる感覚はこの時に訪れる。
私の優しさなど大したことはないが、意図しない人の優しさはなぜか心が喜ぶ。
荘子曰く「自ら其の適を適とす。」である。
君と街中を歩いている時、横の路地の方で不快な音がした。そちらを見ると、派手な格好の女がガラの悪い男3人に囲まれ、うずくまって震えている。どうやらリンチに遭っているようだ。僕は息をのみ、隣にいる君に
「助けてあげようよ」
と耳打ちする。しかし君の反応は期待にそぐわぬものだった。
「放っておけ。これはあいつら4人の問題だ。私らの出る幕は無い」
言葉遣いこそ冷たいものの根は優しいと思っていた君が、どうしてそんな態度を取るのか、僕には理解できなかった。だって、目の前に困っている人がいるんだ。それなのに手を差し伸べないなんて。
「君ならあの女の人を助けられるだろうに、どうして?そこら辺の男や僕よりも筋肉あるし、何かの武道でだって黒帯持ってるんでしょ?困った人がいたら助ける。それが優しさってもんじゃないの?」
「私には関係のないことだ。行くぞ」
僕の説得には聞く耳も持たず、君はその場を去ろうとする。それでも、僕は諦めきれなかった。
路地裏へと踵を返し、ガラの悪い男たちの側へ近づいていく。君は呼び止めるがその声は無視する。
「なんだ?おまえ。」
男たちがこちらに気づく。僕は少し震えながら息を吸い込み、
「あの、弱い者いじめは良くないと思います」
と、男たちの目を見据えながら言った。
「理解できないな。なぜ無関係な面倒事に自ら首を突っ込む?」
僕を追ってきた君が、後ろから呆れたように言う。
「そうだぞ??坊ちゃんには関係のねぇことだ。そこのねーちゃんの言う通り、大人しくしてりゃ良かったのによぉ」
男たちの1人が僕に近づき、鬼のような形相で睨みつけてくる。しゃがみこんでいる女は、恐怖と不安を帯びた眼差しでこちらを見つめている。
「ほら、助けてあげようよ…!」
僕は後ろにいる君に再度ささやく。しかし君は少しばかり女の方を見た後、ため息をついた後こう言い放つ。
「助けも乞えない能無しに手を差し伸べるメリットなんて無いだろう」
僕は絶句し、男たちは途端に笑い出す。
「だとよ???残念だったな、人を救うヒーローになれなくてwww」
その時、ずっと無言だった女が不意に声を上げた。
「助けてください」と。
君は少し目を見開き、女に問う。
「助けたら何か私に良い事があるのか?」
女は言葉の意味をすぐには噛み砕けず、目を泳がせる。
「助けたらお礼のものくれるのか?と聞いてるんだ」
女はハッとして、指にはめていた指輪を君に見せる。
「これは…高級ブランドので、えっと……ここにルビーが埋め込まれてます」
「助けたらソレをくれるのか?」
「あげます、あげます……だから助けてください……お願いです……」
消え入りそうな声で女は懇願する。その横で僕は唖然としていた。人が困っている時に、助けた後の見返りを求めるなんて…!純粋に人を助けようという気持ちはないのか…?
見返りがあると聞いた君は深く息を吐き、男たちにナイフのような鋭い視線を向ける。
「そういうわけだ。早くここから立ち去れ」
スイッチが入った君は、男たちに食ってかかる。
男の1人が君を軽く鼻で嘲笑い、予想外の発言をする。
「オイオイ、俺たちはこの泥棒女を成敗してただけだぜ?」
「泥棒女?」
聞き返すと、別の男が饒舌に語り出す。
「そうさ。こいつは俺たちが汗水垂らして働いてやっと手に入れた大金を盗みやがったんだ。他の仲間も何人もこいつの犠牲になった。こいつはスリの常習犯さ。どうせその指輪も、スったカネで買ったんだろうよ」
僕らが衝撃の事実に愕然としていた隙に、うずくまっていた女が急に立ち上がり逃げ出した。
「あっ!待てゴラァ!!!」
女の逃げた方向へ、男たちもあっという間に去っていった。
残された僕らはただ立ち尽くす。やがて君は大きなため息をついて、数分前僕が言ったセリフを復唱する。
「……困っている人を助けるのが優しさ、ねぇ。……なぁ、この場合、困っているのはどっちだったんだ?優しさって、なんなんだ?」
僕は答えられず、黙りこくるしか無かった。
【183,お題:優しさ】
優しさを向けられると混乱する
自己肯定感が、底辺どころか床突き抜けて地球の裏に行きそうな程には低いから
優しさを向けられると脳内が、?でいっぱいになってしまうのだ
優しさは居心地が悪くてむず痒い
照れてるんだと、周りは勘違いしてるけど
綿で首をじわじわ絞められてる感じがする
少し苦しいけど温かくて、自分自身この感じが何なのか分かりかねている