「優しさって何だと思う?」
あなたは私にそう問いかけた。
君は厳しくしすぎないところが素敵だけれど、そうして何でもなぁなぁにすることが優しさじゃないんだよ。
そう言うするあなたの表情は慈愛で満ちていて、何故か悲しげで、険しくて……感情でいっぱいなそれを正面からじぃと見つめる。
「もう、ちゃんと私の話聞いてるの?」
そんな問いににっこりと笑えば、あなたは呆れたように頭を撫でてくれた。
そんなことしないでさっさと私を切り捨ててしまえばいいのに、と思う。きっと彼女自身もわかっているはずだ。なのに捨てないなんて、愚かなひと。
やっぱり、あなたほど優しくて親切なひときっとこの世にあなたしか居ないのだわ。
唯一のあなた、いとしいあなた。世界でいちばんあなたのことを愛しているわ。
目の前のいとしいひとに、私は「にゃおん」と肯定の声を上げた。
▶優しさ #57
1/27/2024, 1:44:44 PM