何もいらない』の作文集

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何もいらない』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど

4/21/2026, 8:42:31 AM

*長いです

「何もいらない!?!?」
 とある寂れた、小さなビルの中にある一室で、女性の驚き声が響き渡った。
温かみのある白い壁と、木のフローリング床の一室に、人間の姿をした女性と男性が居る。
 一人は大人と子供を混ぜた、不思議な雰囲気の女性。ベージュの髪を肩下まで伸ばし、カーキの眼と、同じ色の上着を羽織っている。
 もう一人は、精悍な顔立ちをした男性。強風に吹かれた様なオレンジ髪に、赤紫の目。騎士の様な白いマントに、腰のベルトには刀の様な物が刺さっている。

 窓際に設置された、パソコン室にあるタイプの椅子に腰掛けている男性は、目の前の机に置かれたそれを、苦い顔で見つめていた。
それは、何度も洗われたようなボロい袋だ。ゴブリンが持っていそうなそれは、大きく膨らんでいる。
 それを上から、女性がじーっと眺める。苦い顔をする。そこに入っていたのは、キンキラギンに輝くお金だった。
女性は困惑しながら、男性に状況を確認する。
「え、なに?本当に見返りも無しでくれたの?」
「『私には必要のない物だから』って、将棋仲間のお爺さんが渡してきて…『何かお返しを』と聞いても、何も答えてくれなかった」
「えーーー?」
 ドン引きしながら、女性は袋の中を確認する。触ったり、踏んでみたり、曲げようとしても、壊れる事は無い。自身の物と確認しても、明らかな偽装は見つからなかった。
「おそらく本物だよ。ねぇ、やなぎ」
 やなぎと呼ばれた女性は、視線を男性に映す。
「申し訳ないんだけど、彼の自宅を教えるから、このお金を返しに行って来てくれないか?流石に受け取れないし、受け取るにしても、お返しはしないと」
「そうだね……流石に怖いよこのお金。いくら私達が現在進行形で財政難だとしても、いろんなリスクを孕みすぎてるし」
 やなぎは住所をメモし、お金の入った袋を鞄の中に入れて、部屋から出る。
「それじゃジョニー、行ってきます」
「うん、行ってらっしゃい」
 やなぎを見送り、ジョニーと呼ばれた男性は、軽いため息をついた。
一つの考察が、当たらないことを祈りながら。

 ビルから出たやなぎは、人通りの多い商店街を歩く。
しかしそれは人では無い。確かに殆どは人間の様な立ち姿だ。頭が一つあって、腕が2本あって、足が2本ある。だが所々、個性的に姿が違う。
 服を持って呼び込みをしている女性の顔はノートだし、コロッケを渡している子供の背中には、ドラゴンの様な緑色の翼が生えている。上を見れば、妖精の様な小さな体と羽を持った集団が、観光をしていた。
 左右を見渡せば、『思者(ししゃ)限定サービス!』や『かわいい想背者(そせいしゃ)達によるマッサージ』などといった看板が、所狭しに並べられている。
「そこの緑のコートのお姉さん!あんた人間の姿のままじゃないか…死んだばっかの思者かい?うちなら想いを沢山稼げるよ!」
「お気遣いありがとう〜でも大丈夫、アテはあるんだ」
 ディスりが入ったキャッチを軽く流し、やなぎはその場を去る。勿論、声をかけて来たキャッチの姿は人間では無く、ワニ人間の様なゴツゴツとした姿だった。
 そうやって歩き始めて10分ほど。商店街を抜け、更にやなぎは歩き続ける。
周囲は段々と寂しくなり、家よりも畑や花々などといった自然が増え始める。
ピンクのイチョウ並木を抜け、銀色に輝くひまわり畑を抜け、毒林檎が流れる川を越えた頃。
 そこには大きな豪邸が建っていた。緑色の屋根に、クォーツの様な透明感がある白で建てられたそれは、西洋にありそうな貴族のお屋敷。それを守る様に黒い柵が周囲を囲い、中央には金色の装飾が施された門と、チャイムが設置されている。
 やなぎはそのチャイムを押す。何も音は聞こえない。しかし、別の音が聞こえた。それはチャイムから聞こえる応答でも無いし、門が開く音でも無い。
嗚咽の様な、それをエコーで隠した様な、吐き気がしそうな、葬式で聞こえそうな音。
「狂者(きょうしゃ)か」
 やなぎは己の答えを呟き、門に手をかける。鍵はかかっていない。

 やなぎは軽くジャンプをした。足の裏に想いを込める。すると、強い風が吹き出て、ジェットスキーの要領で高く飛び上がった。風で髪と上着が靡く。屋敷を越えるまで高度を上げ続けた。
声のした方、屋敷の裏に近づく。そこは庭だと推測できる、芝生で作られた広い空間が広がっていた。
 そこにポツンと、ナニカが立っていた。黒い人影。やなぎは静かに、庭へと降り立つ。黒い人影が振り向いた。

 それは確かに頭が一つあって、腕が2本あって、脚が2本生えている。
でもそれは人間ではなかった。顔は真っ赤なペンキで塗りたくったのっぺらぼうで、体は黒の全身タイツを着ている様な、漆黒に呑み込まれている。
 ソレは静かにそこに居る。後ろにある何かを守る様に、隠す様に、佇んでいる。
やなぎはソレに向かって歩き、手を繋げるほど近づいた。ソレは何もしてこない。ただ、立っているだけ。
そして………

 やなぎは、ソレが守っていた何かに近づいた。芝生にじわじわと染み込む、赤い液体を踏んで。
 それは胸ぐらいまでの大きさの、長方形の石だった。黒と紺が混じった色のその表面には、文字が刻まれている様に見える。しかし、硬い何かで傷つけられたのか、それを読むことは出来ない。
 それはお墓だった。やなぎはそう認識した。静かに目を閉じて、手を合わせる。日本人がする、その仕草だ。
 恵方巻きの様な時間が経ち、風が吹いた。転がったステンレスの花瓶と、萎れた花が、静かに揺れる。
やなぎは目を開けた。そして呟いた。
「そっか…」
 やなぎは、悲しそうに微笑んだ。
「お金は持っていけないもんね」

 数日後。あの庭には、二人の人影があった。やなぎとジョニーは、掃除道具を持って、庭の掃除をしている。
「めんどくさいよね、想者(そうしゃ)って」
「なんでそう思うんだい」
 ジョニーが、黒と紺の石を水で濡らしながら聞いた。
「人間は死んだらさ、死体になって終わりだけど、想者は違う。発狂して、狂者になって、誰かを襲う。」
「人間にとっての、認知症みたいなものじゃないか」
「誰かに迷惑をかけて、自己を見失う点では同じだけどさ…なんかこっちの方が実害が更に出るじゃん」
「でも、死体は残らないよ」
「そりゃそうだけど」
 庭をきれいにし終わった二人は、最後に石に向かって手を合わせる。それを終え、道具を持って背を向け、帰ろうと歩き始める。
「お金、どうするの?」
「そうだな…それじゃぁ…」

「将棋盤でも買おうかな」
笑い声の様な風が、庭を吹き抜けた。


お題『何もいらない』 文字数 2627

やなぎ 主人公 "自由"の思者 若干チャラい
    風を操って、飛んだり蹴ったりする。

ジョニー 情報屋を営む"感謝"の思者 ジョニーはあだ名
     腰にある剣みたいな物は使っていない

お爺さん 狂者になってしまった想背者

4/21/2026, 8:36:20 AM

・何もいらない

ビールさえあれば、他の酒は何もいらない


それくらいしか思いつかないな
それくらい色んな事物が溢れてる
何も無いと思っても、色んなものが与えられてる
おつまみは欲しいし

4/21/2026, 8:12:57 AM

もしも未来が見れるのなら。

もしも未来が見られるのなら自分の死に際がいい。
いつ死ぬのか知りたい。
そうすれば逆算して使えるお金を把握できる。
質素倹約に生きてるので贅沢したいのだ。
オ−ディブル3ヶ月750円(1ヶ月)プランも、YouTubeの無料朗読で十分ではと迷ったぐらいだ。
なのにつまらない無駄遣いをする。
それが人間だ。
PS5が一時値下げした時に買うなら今だ!と思ったが、そもそも夜勤明けの寝不足でゲ−ムする元気がない。
しかもPS4は稼働している。
ちなみにPS4をTVに繋いでYouTubeを視聴する毎日だ。
僕は独身なので、もしも亡くなれば母親か兄が遺産相続する。
それは避けたいので甥や姪にはボ−ナスぐらい残せばいいだろう。
渡さなくてもいいぐらいだ。
僕を怒らせる事をすれば1円もあげない。
と言うのも5年前に、母親と兄の家族と食事に行った事が2回あるが、甥っ子も姪っ子も携帯ゲ−ム機で遊びまくりで気分が悪かった。
僕が注意すればいいのだが、兄は僕が何を言っても反論する人だから喧嘩になるので我慢した。
兄嫁は良妻だが、子供に常識的なマナーを躾けたりしないのだろうか?
相手が不快に思わないだろうかとか?
僕の子供なら激怒するよ!
話を戻そう。
遺産の残りは日本人対象の慈善団体に寄付。
できれば奨学金返済の為に風俗で働く女の子に寄付したい。
遺産が残っても死者には関係ないのだ。

4/21/2026, 8:11:00 AM

『何もいらない』

欲しいものが何なのか、自分でも分からない。愛なのか、誰かに認められることなのか、それとも、誰かの温もりに触れて初めてかたちになる「生きている」という実感なのか。

口にしてみても、どれもしっくりこない。そうじゃない、もっと奥の、言葉になる前にふっと消えてしまうような何かだ。

友人と笑い合ったあの瞬間に、それはあったかもしれない。家族の声が部屋いっぱいに満ちていたあの夜に、確かに息をしていたかもしれない。

でも、気がつけばもう手の届かないところにある。

満たされた気持ちというのは、どうしてこんなにも消えやすいのだろう。砂を握るみたいに、強く閉じるほど指の隙間からこぼれていく。だから人は、また次を求める。次の笑顔、次の食卓、次の夜。

それが欲深さなのか、それとも単純に、生きることへの誠実さなのか、私にはまだ分からない。

ただ一つ確かなのは、「何もいらない」と思えたあの瞬間もまた、きっとそういう何かだったということだ。

4/21/2026, 8:10:37 AM

なにもいらない

そう言えるほど
君の隣はあたたかくて

特別な言葉も
派手な約束もいらない

ただ目が合って
同じ時間を過ごせるだけで

それだけで、もう
全部そろっている気がする。

4/21/2026, 8:04:19 AM

友達も金も何もいらないただ自分がいいと思った方に結末が進むのである

4/21/2026, 7:59:20 AM

みんなが楽しく
元気でいてくれたら
いいな。
自分も大切にと思うけど
未来の為にスッキリと
しておきたい

4/21/2026, 7:55:14 AM

何もいらない


欲しいものは沢山あったはずなのに
いつの間にか欲が薄れちまった気がする。

この小さい家が俺の帰る場所で
そんでアイツが帰ってくるのを待つ場所。
とりあえずそれでいいかな〜。

4/21/2026, 7:38:45 AM

『何もいらない』

何もいらない。
金も土地も、命さえも——あなたが生きてくれたら。


おわり

4/21/2026, 7:24:26 AM

「何もいらない」

幼なじみの誕生日、欲しいものがないか聞くとそう返された。普段から様々な物を衝動買いする割には、彼女にこれといった欲しいはないようだ。

「じゃあなんでいつもあんなに衝動買いしちゃうのさ」
「なんか、これが欲しいなぁって思って買うんじゃなくって、これがあった方がいいかもな。っていう気持ちで買うんだよね」
「何それ。凄く損しそう」
「でも、全部何かしら使ってるからいいんだよ」

私は彼女のそういう所がよく分からなかった。でも、余計な事を考えず自分の気持ちに従って行動している彼女が、私にはとても生物らしい綺麗な生き方だと思った。

4/21/2026, 7:23:36 AM

「何もいらない」  


私は何もいらない。

そう言った。
家臣が大騒ぎとなった。

「姫、姫、望めば何でも手に入りますぞ」

私は家臣を見下ろした。

「だから、何もいらないという自由を望んだ。
 いけないのか?」

家臣は首を振る。

「姫は何もお分かりでない。
 施政者としてそれは許されませんぞ。
 選ばなければなりません」

私は家臣を見る。
何を戯言を言っているのだ。
お前の望みを叶えたいだけだろう。
民は何が欲しいのだ?
それを申してみよ。
言えぬのであろう?

「民の下へ行く。
 其方の話しが正しいか聞こうではないか。
 でなければ、何も選ばぬ。
 何も要らぬ」

「お好きされるがよろしい。
 姫。選ばなければならない事がおわかりになる」

私は街へ消えた。
もう戻らない。

何もいらない。
民が求めないならば。

私が消えても民は困らないのだから。

4/21/2026, 7:20:13 AM

何かの才能が欲しい
一つで十分
人々を凌駕する圧倒的な才能
今の私はあまりにも凡
多くの人々に埋もれ、息もできない

4/21/2026, 7:14:22 AM

『何もいらない』

彼女は笑った。「貴方さえいれば、私は何もいらないよ」はっきりとした口ぶりで、茶髪を揺らしながら、黒い眼でこちらを見据えて。
とても在り来りな愛の謳い文句だ。世界のどこであろうと、いずれはどこかでこんな言葉を聞くだろう。小説とかでよく見る、『月が綺麗ですね』だとかと同じ部類である。

ただまぁ、彼女はいつも自分の予想を超えてくるような女性だった。出会いは交通事故から助けられたことで、告白のセリフの一言一句さえも見透かされている。正直に言って、こんな在り来りなセリフを言うなんて。という驚きの方が強い。もうちょっとひねりを加えたセリフを言うのかなとか、いやこれは厨二病すぎて言わないとか考えてたのに。
それを含めて、自分の想像を超えてきたと言うべきであるのかもしれないけども。

4/21/2026, 7:07:28 AM

「なんで怖がらないんだよ!!」
激昂した友人に肩を掴まれた。男となった大きな手に、確かに恐怖を抱いた。
だけど、こんなに淋しげな目は見たことがない。
彼はいたずら好きで、ムードメーカーで、感が良くて、ずっとそれでも皆の中心にいながら孤独だった人。
「俺は、お前を攫ってきたんだぞ!」
何をされるかわかってるのかと。
血の池に染まる自分を想像した。でも、不思議と怖くない。
彼にとっては何もかも手に入れた女と思われているのかもしれないね。悲しくて、でも息をする度に力が抜けていくの。



何もいらない

4/21/2026, 7:02:12 AM

【何もいらない】

今は、まだ、わからない

幸せ、と思える人生が手に入れば
きっと、そう思えるだろう

その時まで
答えは、お預け

4/21/2026, 6:40:02 AM

前回投稿分からの続き物。
世界線管理局なる厨二ふぁんたじー組織の空間管理課職員、ゴーレムつかいのボクっこトルネが、
焚き火の世話の途中で寝落ちして、焚き火を大きくし過ぎまして、
お気に入りのステンレス調理器具、メスティンを真っ黒クロスケのススまみれにしてしまいました。

「うぅ、ボクの、初めて買ったキャンプグッズ、初めて買ったメスティン……」
トルネは完全に意気消沈。
それでも、お気に入りのキャンプアイテムをススけたまんまにしておきたくなかったので、
キャンプを終えて下山した後、すぐ近くのキャンプ場の洗い場に寄り道しました。

「落ちるかな」
ちゃっ、ちゃっ。
試しに少量の水を付けてみますが、
かけた水が真っ黒になるだけで、なかなか全部が落ちる気配は、ありません。
「キレイにしてあげなくちゃ」

トルネは洗い場に、金属製の古典的かつ、アナログなタワシを見つけました。
これでゴシゴシ、ごしごし、一生懸命にこすれば、
きっと頑固なスス汚れだって……
「……」
はて、そんなにゴシゴシして大丈夫かしら。
そもそも何を使って洗うのが最適解なのかしら。

「よし!ツバメさんに聞きに行こう!」

…––「うーん、材質によりますね」
相棒ゴーレム、テキサスロングホーンに乗って、ボクっこトルネはキャンプ師匠、ツバメの部屋を5分くらいで見つけました。
というのもツバメ、トルネがキャンプグッズを洗おうとしていたキャンプ場で、上司のルリビタキと昼食をとっておったのです。
「まず、自分の持ち物の材質がステンレスか、アルミか、覚えておくことです」

全部俺の火で加熱殺菌じゃダメなのか?
ドラゴンのルリビタキがツッコミますと、ツバメはツバメで人差し指をふりふり。
加熱したって、ススは落ちないのです。

「ステンレス製にもアルミ製にも言えることは、
強くこすらないこと、可能なら煮沸すること、それからしっかり乾かすこと。
そして無理に全部の汚れを落とそうとしないこと」
「それだけですか?研磨剤とかは?洗うときの、テクニックとか、技術とか?」
「何もいらない。それだけです」

「何もいらないんですか?」
「何も。『強くこすらない』それひとつだけでも守れば、メスティンの寿命は伸びます」
「つよく、こすらない」
「そうです」

そう言うわりに、ツバメおまえ、灰を布につけるとか、米のとぎ汁でとか、アレコレするよな。
ドラゴンのルリビタキがまたツッコミます。
ツバメはツバメで人差し指をルリビタキに、ベッ。
それ以上言わせませんの精神です。

指になにか、薄若葉色のクリームが付いてて、
それをルリビタキがクンカクンカした瞬間、
ぎゃおん!ぎゃおお!
どったんばったん悶え始めましたが、
ツバメが何を指に付けてたのか、トルネには分かりませんでした。

「そうですね」
ツバメは言いました。
「あとで、一緒に道具の手入れをしましょう」
さあ、きみも温かい、デカフェコーヒーをどうぞ。
ツバメから受け取ったマグカップに、トルネがくちを付けますと、
キリッとした、しかしフルーティーな、
優しいコーヒーがトルネの喉を、潤しましたとさ。

4/21/2026, 6:38:29 AM

『何もいらない』

 あなたの好意が俺に向いているのであれば、ほかに望むことはない。
 そんな謙虚なことは俺には言えない。

 俺のワガママを彼女は照れくさそうにしながら答えてくれるから、どんどん欲張りになってしまうのだ。

4/21/2026, 6:38:05 AM

[何もいらない]
何もかも要らない…家族も彼氏も友達も全部全部いらない
だって存在がうざいから…私は……いらないったらいらないそれが当たり前なのかもしれない

4/21/2026, 6:30:03 AM

九日目 何もいらない

 今年も彼女は、一日中僕を連れ回す。こんな言い方では聞こえが悪いかもしれない。しかしそれは、彼女が僕を想っての行動である。
 彼女が毎年同じ日にこうして僕を連れ回すのは、とあるデートから始まった。というのも、その日は僕の誕生日で、彼女が「誕生日プレゼントは貴方に直接選んでもらいたい」と言ったからだった。しかし僕は、こともあろうに「何もいらない」と答えた。その言葉が彼女の気に障り、意地でも祝ってやる、と夜まで様々な店に連れ回された。
それから来る年も来る年も、「何もいらない」という僕の誕生日に、どうにかして祝ってやろうと必死になりながらも試行錯誤しているのだ。
 本当に、"君意外"、僕は何もいらないというのに。
そう思いながら、今日も必死な彼女の顔を愛おしくみつめる。

4/21/2026, 6:14:03 AM

何もいらない

 手にしたものは、さらさらと崩れてこぼれ落ちていった。
 大切だと抱きしめたものは、幻覚のように薄れて消えた。

──失うくらいなら、もしかして
    もう何も持たない方がいいのかもしれない。

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