『二人ぼっち』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
好きな漫画も同じ
好きなミュージシャンも同じ
でも向かい合って語ることはない
背中合わせで楽しむのが一番
そんな二人ぼっちな日曜の午後
二人ぼっち
──世界が、嫌いだ。
歩いてきた道のりに禄なものはなかった。強制された感情、押し付けられる理想、平気で人を踏みにじる輩。その他反吐が出るような「普通」等々。
辛うじて持っていた灯りはどこかの曲がり角で捨ててしまった。見通しの悪い悪路に辟易しながら同時に何も見えないことに安堵してい自分がいる。とうに外れた「正解」の道が時折交差して、その度に少し惨めな気持ちを覚える。選んだのも進んでるのも己だと言うのに。
「こんばんは」
暗がりから、細い声がした。マッチの灯りがぼうっと揺れてすぐに消える。少しだけ見えた相手の瞳は美しかった。
「どうして、こんな場所に」
「どうしてでしょうね」
「ここはあまりよくない」
「知ってます」
「それなら」
「帰り道がある?」
──答えられなかった。どこまでも人間らしい押し問答は久しぶりで、少しだけ高揚した。どんな理由であれ、この場所に話のできる生命がいたことはない。透き通る瞳の奥に隠されたモノを知りたくなった。「同じ」なのか「似ている」のか。それとも「違う」のか。気がついたら言葉がこぼれ落ちていた。
「良ければこの先、一緒に歩きませんか」
「稀有な人。でもいいですよ、飽きるまでついてったげる」
灯りも持ってないの、と笑ったソイツはマッチを1箱こちらに差し出してきた。
「束の間の光は何かと便利だから」
ふいに、前方から明るい声が聞こえてきた。白くて明るい道が交わっている。ガードレールの先を通る人々はこちらを見もしない。人々の笑顔が全て仮面に思えて、黒いモノが胸の奥にたまる。
「気持ち悪い」
口に出したつもりはなかった。だけど、聞こえてたはずなのに隣は何も言わなかった。
「……ごめん」
「何が?」
沈黙に耐えかねて──或いは正しいコミュニケーションを思い出そうとして──謝罪をすれば、想定外だとでも言うような声が返ってくる。
「他人は他人ですよ」
それはどこまでも冷たくて固い響きだった。
「もし、帰り道が見つかったら」
しばらくの沈黙の後、先程の話がなかったかのように隣が言う。
「ちゃんと帰ってくださいね」
「嫌だ」
「なんでですか」
「初めて、居心地がいいと思ったから」
「……」
「一緒に歩きたい」
「……」
「だめ?」
馬鹿なんですか、と言う呟きは聞こえなかったことにして誤魔化すようにマッチに火をつける。
薄暗い火のもとに晒された相手の目は、やっぱり綺麗だった。
2人ぼっち
アンケートで「悩みを人に話すか」という項目がある。AIに書き殴っていく場合、話さないにマークせざるおえない。
「二人ぼっち」
あたたかな二人ぼっちのこの部屋であなたの淹れた珈琲を飲む
二人ぼっち正確には一人ぼっちだ
僕には2人の僕がいる
二重人格とかではない
みんなの見る僕と
僕
話し方、笑い方、好きなことも誰かのイメージによって作られた僕
誰もいない自分だけの部屋で好きなことをし、クスクスと笑い心の中でもうひとりの自分と話す僕
はたから見たら変人でしかないだろう
でもいい、ここには僕しかいない
僕を否定する人はいない
今日も僕は二人ぼっち
No.52
「ところで」
「ところで?」
「いや、それはぼっちではない」
「ふむ?お題の話かー」
「例えば親友やら恋人と二人なら、それは二人きりだ!」
「それはそう」
「つまり、恋人未満や親友未満ぐらいの一番甘酸っぱいやつ」
「なるほど、つまり?」
「イチャイチャしてるくせに言語化が下手くそで全方位に喧嘩を売ってる」
「なるほど」
「そして我々の関係や現実については無理に言及する必要はないということだね[
「なるほど」
お題『二人ぼっち』
題名:二人ぼっち
学生列車、乗れなかった。
置いてけぼりのI can't do it.
みんな、怪物みたいだ。
ふたりぼっちでラッタッタ。
—相合傘—
演劇部の部室の窓に、雨が打ちつけ始めた。
朝の天気予報では、一日曇りのはずだった。
「マジか、今日雨降んのかよ」
「折りたたみ傘、持ってないの?」
隣に座る水野が訊いてきた。
「ちょうど先週、壊れちまったんだよ」
「あぁ。あの時、風強かったもんね」
台風が近づいているわけでもなかったのに、台風並みの暴風が吹いていた。
そのせいで、俺の折りたたみ傘は骨がバキバキに折れてしまった。
元の状態よりも、折りたためる傘になってしまったわけだ。
「あたし、傘持ってるけど」
「なんだよ、嫌味かよ」
「そうじゃなくって……。あたしの傘でいいなら、駅まで入れてあげるって話」
俺の鼓動は急激に速くなった。
つまり、相合傘ということだ。
「いいのか?」
「だって、濡れたくないでしょ」
「……じゃあ、入れてもらおうかな」
「うん。帰ろっか」
彼女は、いつもと変わらない口調でそう言った。
昇降口を出ると、小雨に変わっていた。
しかし、ここで一人で帰ると言い出したら、逃げたみたいに捉えられる可能性があるので、俺は何も言わなかった。
「あんたの方が背が高いんだから、あんたが傘持ちなさいよ」
「わかったよ」
俺は右側に立ち、傘を握った。
彼女の歩幅に合わせて歩き出した。
「本番、来週だな」
何を話せばいいのかわからず、演劇部の舞台の話を持ち出した。
「そうね。でも大丈夫よ。きっと上手くいく」
「そうだな」
緊張のせいか、あまり会話は続かず、駅まで来てしまった。
「助かった。サンキュー」
「折りたたみ傘、ちゃんと買いなさいよ」
「あぁ」
傘についた雨水を払い、綺麗にたたんだ。
それを返す時、彼女の頬が少し赤くなっていることに気がついた。
「今度、なんか奢ってね」彼女は言った。
「わかった」
また明日、と言って俺たちは改札で別れた。
エスカレーターに乗っている時、俺は大きく息を吐いた。
もっと色々話せばよかった、と別れた今になって後悔した。
お題:二人ぼっち
二人ぼっち。
青い瞳の来客編4
2026年3月15日日曜日23時38分。
僕の名前は風雪武士。
職業はホテルのフロントマン。
男なので夜勤担当である。
お客様のチェックインが終わり、清掃指示書も作成した。
次は駐車場管理だ。
駐車場管理は、連泊で車をご利用のお客様のみ車のナンバーを管理表に記入し、停車している駐車場で車のナンバーが一致したら赤いコ−ンを置く。
その場所がお客様の駐車場となるのだ。
僕はホテルの自動ドアから出た。
僕はバインダーを片手にボ−ルペンを握っている。
入口付近からテキパキとこなして行く。
屋根の下の駐車場に歩いて行き作業をした。
すると、アォ−ン!アォ−ン!と鳴き声が聞こえた。
うん!?猫かな?
僕は立ち止まって、周りを観察した。
いないな?
取り敢えず、駐車場の右端に移動した。
アォ−ン!アォ−ン!と鳴き声がする。
猫はいない。
今度は左端に向かった。
アォ−ン!アォ−ン!と確かに聞こえる。
でも、ここにもいない。
最後に屋根の下の駐車場に戻り、車の下に潜った。
結局、猫は見つからなかった。
冬が終わり、春が訪れたのだ。
3月だから猫が発情しているのだろう…。
この声はオス猫がメス猫を誘っているのだ。
なるほど、そういうことか!
二人ぼっちで楽しもうってことか!
なんせ猫は出会って数分で◯◯だからね。
可愛い顔してるけとやることやってるからね。
だから猫は去勢しないと大繁殖してしまうのだ。
それに比べて人間はハ−ドルが高い。
猫のそういう所はいいな!羨ましいぜ!
男は笑顔で自動ドア内に去って行った。
続く????
昔、何かの歌詞かコピーで「この世にあなたとわたしの二人だけになってしまったとしても、あなたはわたしを選ばないだろう」(意訳)という文言を見た
これはどちらも悪くなく、誠実な対応でよいのではと思ったけど、本来の意図はそうではないということは私でもわかる
: 二人ぼっち
今回、初めて書くのですが、二人ぼっちってタイトルが謎すぎて逆に面白い。二人ぼっちってまずぼっちではないのでは?というのが僕の考え方です。ぼっち🟰一人のイメージはできますが、ぼっち🟰二人というのは無理矢理に感じます。ですが、ぼっちというのは『だけ』という考え方もできると考えてます。二人ぼっちなら二人だけ。一人ぼっちなら一人だけ。といったように。二人ぼっちって言うのはなんだか個人的にはロマンスが詰まってるようにも感じますね。互いが互いに夢中になって二人だけしか世界に存在してないかのように互いにずっと見つめ合っているように感じます。うーん、ロマンスだぁ…
「あなたと一緒なら何があっても構わない」
それは私耐えられないかも
思ってるより私は寂しがりで
色んな人とつながってないと嫌
二人ぼっちにはなれない
あなたぼっちじゃ嫌
引っ張っていくことは苦じゃないから
私と他人と遊んでほしい
こんな夢を見た。私は突然世界の誰からも知覚されなくなってしまった。声をかけたり、体に触れたりしようとしたが無駄に終わった。人恋しくて人混みの中に突っ立っていると、誰かに肩を叩かれた。驚いて振り向くと、メガネをかけた優しそうな男性がホッとしたような顔をしていた。
「もしかして、私が見えるんですか?」
「はい。あの、僕のことも見えてますよね?」
頷くと、彼は安堵のため息をついた。
「良かった。やっと僕が見える人がいた」
彼も急に知覚されなくなったので、手当たり次第声をかけたりしたらしい。私もそうだと伝えると、彼は驚いていた。
「同じ状態になった人が、僕以外にもいるなんて」
「もしかして、同じ状態の人間同士なら見えるんでしょうか?」
「かもしれないですね。それにしても、本当に諦めなくて良かった。このまま誰にも気づかれず、死んでしまうんじゃないかと」
「ええ、本当に。私も、ずっと一人ぼっちなのかと不安で」
「だったら、一緒にいましょう。そしたら不安はなくなりますよ」
それから、私と彼は一緒に行動するようになった。そして、一年後。一時的なものと楽観視していたが、一年経っても治る気配はない。
「一年、経ちましたね」
「ええ、でも僕たちに誰も気づきませんね」
私と彼はお互いの手を握り、交差点の人混みを眺めていた。
「人がたくさんいても、誰にも気づかれないのは寂しいんですね。一人ぼっちって感じで」
「僕がいますよ」
「そうでした。じゃあ二人ぼっちですね」
「二人ぼっちなら、寂しくないですね」
彼は私の手を強く握り、何かを決心したような顔でこちらを見た。
「少し考えたんですけど、僕たちこのまま旅に出ませんか?いなくなっても、どうせ他の人たちには見えないんですし」
自分のスマホを見つめる。この一年間、誰からも一度も連絡が来ない。心配する声も、欠勤を咎める声もない。本当に私が消えてしまったのではないかと錯覚するほどだ。
「僕と一緒に世界を見に行きましょう」
私は頷く。世界一周旅行なんて初めてだ。
「世界一周旅行?豪華な新婚旅行ですね」
冗談めかして言うと、彼は耳までみるみる真っ赤になった。
「そういう意味じゃ…」
「えへへ、冗談ですよ。旅行楽しみましょうね」
私は茹でダコみたいになった彼を引っ張り、空港を目指した。
二人ぼっち3/22
私は、こんなのおかしいと思う。
私のクラスの担任の先生は、最悪な先生だ。
なぜなら、とても厳しくて、昨日なんて、授業中に喋っていただけの男子を、泣くまで叱って、それに加え、
「高学年なら泣き止みなさい。切り替え!」
と怒鳴って立ち去った。
私は、許せなかった。
なのに、男子は叱られるのが怖くて反論しないし、女子だって、権力のそばに居たいのか、それとも、男子に酷い目にあって欲しいのか、先生と楽しそうに会話している。
でも、一人ぼっちで反論したって勝ち目などない。でも、私は協力者を見つけた。
その名も柳田蓮だ。
そいつが、先生の背中をぐっと睨め付けるのを見て、こいつなら協力してくれる、そう確信した。
これで、ようやく私は二人ぼっちになれた。
一人も二人も、あの先生の前では無力にすぎないのに、蓮がずっと頼もしく見えて、なんだか悔しかった。
『二人ぼっち』
だれとなら二人ぼっちになってもいい?
そんな風に思えるひとがいますか?
わたしにはたいせつな宝物がふたりいるから
そのふたりが二人ぼっちにならないよう
ながく生きて
それぞれがたいせつなだれかをみつけたら
安心して逝こう
二人ぼっち
二人もいればそれはぼっちじゃないだろ。そりゃ誰かがぼっちだと言えば百人だろうとぼっちになるのかもしれないけど。
そういえば最近自転車のチェーンがめちゃ錆びてたから掃除用のスプレー買ってきれいにしたんだよな。
最初はめんどくさくて放置してたんだけどあまりに異音がするからさすがにこれは恥ずかしいしやばいと思って掃除することにした。
それで掃除しようと思っても店に持っていこうとか考えたけどコスパ考えたら自分でやるべきだと判断した。
ホームセンターにスプレー買いにいっていざ掃除と意気込んだらびっくりした。あまりにも掃除が簡単すぎて。
なんかもっとめんどくさくて時間がかかるのかと思ってたけど実際にやってみるとものの数分で終わった。
それから自転車に乗ると今までとは全然違う乗り心地。スムーズに走れてびっくりした。
どうも錆のせいでかなり負担が大きくなってたみたい。おかげで足の疲れが軽減された。
こんな簡単に掃除できて乗り心地が改善するならもっと早くやっておくべきだったな。何事も先送りにするのはよくないということを学んだ。
クリスマス/如月 紅葉
クリスマスは、毎年1人で過ごす。そう決めていた。親友とワイワイクリスマスパーティーをしても良いが普通に1人でいつも通り過ごせば、良いと思っていた。
12月23日
会社で仕事をしていた。すると、いつの間にか定時になっていた。ちょうど仕事も終わったし、帰ろう。そう思っていた。
「あの、鈴木さん。」
そう呼び止めたのは、同士の若井さんだった。
「はい、なんですか。」
何か仕事のミスがあったのかもしれない。だから、僕は、耳を傾ける事にした。
「あのさ、明日の15時頃ってさ、暇。」
彼女がそう問いかけた。正直に言うと1人で過ごしたい。けれど、もうこんな機会は、ないと僕は、思った。たまには、人とクリスマスを過ごしても良いのかも知れない。
「特に、予定は無いです。」
「そっか。じゃあ、明日の15時頃に〇〇公園で待っててくれる。」
「分かりました。」
そう言って彼女は、自分の席に戻った。
12月24日
待ち合わせの場所についた。時計を見るとまだ待ち合わせの時間より、速い。近くに自動販売機があったので、ホットの飲み物を買って、近くのベンチで本を取り出し読み始めた。公園には、子供が沢山いる。中には、クリスマスの話をする子もちょくちょくいた。何分経ったかはわからないけど、ちょっと後に若井さんがきた。会社の時とは、違いブランのコートを着て白のマフラーを巻いている。そして、手には何かが入っているビニール袋を持っていた。
「ごめん、遅くなっちゃって。」
彼女は、頭を下げながら僕に言った。
「全然大丈夫ですよ。本読んでいたし。」
「ありがとう。じゃあ行こっか。」
そう言って彼女は、歩き出した。彼女がどこに向かうかなんてわからない。ただ後ろをついていくだけだ。数分くらい歩いていると、墓場が見えた。1人は、誰1人いなかった。彼女は、そこに入り、(田辺家之墓)そう書かれている所に止まった。
「ごめんね、何も言わずに連れてきちゃって。」
彼女は、持っていたビニール袋から、花を取り出し、墓を綺麗にし始めた。
「全然大丈夫ですよ。それよりこの墓って、」
「うん、私の彼氏の墓。」
彼女は、そう口にした。何故か僕には、それが寂しく感じた。
「3年前だったかな。今日が彼の命日、事故で子供を助けて亡くなったの。」
後ろから見ていたから分からなかったけど、彼女の声は少し鼻声になっている気がした。
「私が、殺したようなもんなんだよね。私がクリスマスにデートしよなんて言ったから。」
彼女は、線香に火をつけた。
「彼は、速くに両親を亡くしたから、祖父母に育てられたんだ。足が悪いから、私がいつも変わりに墓参りに行くんだ。」
「毎年、1人で、行くんですか。」
彼女は、作り笑顔を見せながら僕に言った。
「私が、誰かと関わったらその人を不幸にさせてしまう。そんな気がするから。」
「じゃあなんで、今年は、僕を誘ったんですか。」
彼女は、作業をしていた手を止めた。
「本当は、誰かと関わりたいそう思っているんじゃないんですか。」
彼女は、僕のほうに顔を向けた。目に溜めていた涙を流した。
「本当は、いろんな人と関わりたい。一緒にいつも一緒にいたい。」
僕は、彼女の頬に流れた涙を拭き取った。そして彼女を覆い被せるように抱いた。
「じゃあその不幸を僕に分けてください。そして、毎年の様に一緒に過ごしましょう。大丈夫です。僕は、貴方の前から急に消えたりは、しません。」
言った後に僕は、気がついた。結構やばい事をしているんでは、ないのかと。
「すみません、急に抱いたりして。すぐに離れるので、」
「もう少し、」
少し間が空いてから言った。
「もう少し、このままでいさせてください。」
彼女は、そう僕から離れなかった。
田辺さんへ
彼女の傷は癒えることは、ないだろう。だけど、僕は、その傷を少しでも癒す事ができるのかもしれない。それは、わからない。貴方を超えられるかは、わからない。だけど、少しでも貴方の代わりになって、彼女を支えられればと思う。
目を開けると彼女が言った。
「鈴木君、行こっか。」
「はい、若井さん。どこでもついていきます。」
彼女を守っていきます。
ふたりぼっち
君と私だけ
世界に君と私だけだったらな
永遠に私たちの愛は途切れないのに…
「かわいそうなひとたちだわ」
月子は憤然と言った。そうとうお怒りなのが見て取れる。私は「まあまあ」なんて毒にも薬にもならないような合いの手を入れた。当然、月子の怒りはおさまらない。
「あの子たちには、お月様の声が聴こえないのよ。こんなにもおしゃべりなのに」
言いながら、月子はぎゅっと制服のスカートの裾を握りしめた。華奢な両肩は、小さく震えている。怒りで震える人ってほんとにいるんだ、なんて思いつつ、私は月子の背中をぽんぽんと叩いた。
「あの子たち、私のこと嘘つきって言ったの」
「聞いてたよ。ひどいよね」
「ええ。ママとパパと、同じくらいひどいわ。私とっても傷ついた」
月子の両親は、月子のことを変な子だと思っているらしい。両親に煙たがられているのは私も一緒だから、シンパシーを感じて仲良くなった。こんな時間まで帰らなくても一切心配されないくらいには、私たちは彼らにとってどうでもいい存在なのだ。家にいても窮屈なだけだから、こうして公園のベンチに並んで、いつまでも喋っている。
「理沙は私のこと、信じてくれるよね」
月子はそう言って、私の手にそっと自身のそれを重ねた。迷わず頷けば、月子は嬉しそうに微笑んだ。
あいにく、どんなに耳を傾けても、私には月の声は聴こえない。私にも聴こえたら、月子とおんなじ世界を見れるのに。
そんなことを思っていたら、月子が手をぎゅっと握ってきたから、私はやさしく握り返した。手のひらに伝わる体温があたたかい。
月明かりの下で目を閉じた。二人ぼっちの夜に、ずっと身を浸していたい。そう思った。
【テーマ:二人ぼっち】
増えるほど
重み減りゆく
言葉かな
(お題無視の回)