『不条理』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
ぷるりとした露を、紫陽花の葉の上から滑り落としてみたり。
あるいは、道に落ちたカラカラの落ち葉を勢いよくふ(つぶしてみたり。
そういう、どうしてもやりたい、説明のつかない破壊衝動は、きっと皆持っている。
普段は、その矛先が人間でないからと見て見ぬふりをして、あまつさえ外でそれらの欲求を満たしている。
そんなのは許されるのに、何故僕は許されないのだ。
自分一人に向かって集中するカメラのフラッシュと、軽蔑と好奇心を孕んだ人々の不躾な視線が、僕を真正面から貫いていた。
昔から、破壊衝動の抑えられない子供だった。
友達の作ったブロック製の城や砂の山なんかを、衝動に急かされるままに壊しては友達を失ってきた。
端から見れば、僕は最低最悪の人間なのだろう。
人様のものを壊して、それで喜んでいるのだから。
それはいい。だって、事実だ。
僕が他人のものを無許可に破壊したのも、それが楽しかったのも、全部事実だ。
僕が気に食わないのはそこじゃない。
僕が嫌なのは、清廉潔白を装って僕を叱る、正義ヅラした肉塊たちの存在だった。
皆、本質は僕と同じくせに。
僕なんかより、ずっと巧妙に、ずっと気味の悪い衝動を隠し持っているくせに。
僕に向いたフラッシュは、君たちの抱える衝動の化身だ。
無責任に、他人の落ちぶれる様を見たい。
めちゃくちゃになった他人の人生を、あくまで他人として消費したい。
皆、そう思っている。
モノを壊して喜ぶ僕と、ヒトを壊して喜ぶ君たち。
どうして僕がそんなに責められなくてはならない。君たちの秘めるその衝動のほうが、ずっとずっと醜くて汚いじゃないか。
幼稚な僕は、その不条理と苛立ちを堪えきれなかった。
僕の破壊衝動はその日、初めて人間に向けてふるわれた。
テーマ:不条理
不条理 3/19
こんな世の中、きっと何か間違っている。
人でいっぱいの電車に揺られ、何も見たいものなどなく窓の外を見つめた。
毎日毎日、同じことの繰り返し。
やたらと頼ってくる上司に、ミスばっかりの後輩。
仕事ができるやつの方が苦労する世の中は何度思っても不条理の塊である。
この世界への、小さな怒りを込めて、エンターキーを強く叩いた。
この世界は不条理だ。
不条理を理不尽で、塗り固めたようだ。
それでも僕は歩き出す。
解けかかった靴紐と、
ずり下がった眼鏡と、
両手いっぱいに抱えても、
はみ出るほどの不条理と共に。
つい、うっかり
生まれてきてしまった
ほぼ、年子の兄のせいで
するりと安産
真昼間
母体のダメージは少なく
昼休憩中の連絡で
駆けつけた
父は間に合った
らしい
不条理だ
#173「不条理」
「フツーさぁ、こんなことくらいで『泣かないよ』?」
「メンタルよっわ〜」
「泣けばなんとかなる、って思ってんでしょ?」
「もういい大人なんだからさ、精神的にもっと強くならないとねぇ」
……など、そういったお言葉をよく賜るくらいには、感極まってしまうとすぐに、勝手に涙があふれてくる、そういうタチだったので、特に10代20代の頃は本当に困りました。
いまの時代なら、こういう気質なのだ、となにか名前をもらえたのでしょうか。
それにしても。
泣く、という機能は人間にとって、いったいなんなのでしょう。
他の動物にはないこれは、もしかしたら、進化の過程でやっと得たものかもしれない、なのにこの社会において、人前でその機能を使うべきではない、というのは、実は『不条理』なことなのではないか? なんて──。
……いや。
まぁね、みんながみんな、なにかの度にワーワー泣いてたら、いろんなことが立ち行かなくなりますからねぇ。
えー……はい、各方面に。
その節はいろいろとご迷惑をおかけして、どうもすみませんでした。ごめんなさい。
冒頭の言葉を投げかけてこない方々にも、たくさんフォローしていただきました。きっと思うところを飲み込みながら、ワタクシに接してくださったんだと思います。なのに責めないでくださって、ありがとうごさいました。
ちなみにですけど、この「すぐ泣いちゃう気質」を抱えたワタクシは、歳月を重ねたいまとなっては、前もって状況を回避することや、開き直ってしまうことが、だいぶ上手くなりました。
対人で苦労しそうな職にはもう就かないし、それでも職場でうっかり涙してしまっても、しょうがないそれを首にかけてるタオルで拭きつつ「ええ、泣きましたけども、なにか?」くらいの気持ちで仕事を続けたり、またはすぐに辞めてみたり……。
そうですね、やっぱりいまでも、フツーって言葉の範疇外には、きっと、なっちゃうんですよねぇ。
それでも、そんなワタクシだって、この星の片隅くらいでは生きててもオッケーなんじゃないかなって思うので。
こんなん抱えて生きるのって無理ゲーじゃね? って途方に暮れ自己嫌悪に溺れまくっている、あの頃の自分にそれが伝えられたら……。
や。伝えられたとしても結局、苦しいのは、あんま変わんないかー?
この世はなんと汚いことか。
そう嘆いたのは君だったか、僕だったか。
今となってはもうわからないことだらけになってしまった。
あの子はだめで、この子はよくて。そんなの子どもの頃から変わらないし、大人になってもそうだ。
愛想がいい子がなんだかんだ世渡り上手で、健気に頑張っているあの子は鈍くさいだのと言われたい放題。
ああ、だから君はこの世界に見切りをつけたのか。
そんなことを思うのは、自分が先の内側に居られずはみ出したからだろうか。
まあ、今となってはどうでもいいか。
さてと、皆々様、今日までどうもありがとうございました。
そう高らかに心の中で挨拶をして、綺麗にお辞儀まで想像して。
あとは一歩踏み出すだけ。
明日になったらこんなのはその辺にあるニュースとして消費され、暫くしたら記憶は薄れ、誰も彼も日常を止めない。
はは、そんなものさ。
といつだか綺麗に笑った君が頭を過ぎった。
それが僕の最期の記憶。
" 不条理 "
不条理
子育てにおいて、ただただ「努力しろ」とは言わない。
言うなら「努力する事は無駄ではない」と伝える。
努力したという過程は、将来の自分の自信につながると伝える。
そしてちゃんと、世の中、努力してもどうにもならない事の方が多いことも伝える。
世の中、理不尽でわけがわからず、自分の常識が通用しない、そんなことだらけだから。
人には色々な役割があると思えばいいのだろうか。その立場でいることに、何か意味があるのかもしれない。何かの課題を乗り越えるためにあるのかもしれない。
これは不条理だと、真っ向から受け止めてしまうばかりだと、不条理というワナにずぶずぶと浸かっていくだけのような気がする。
側から見ると、不条理だと思うものも、当の本人にとっては、そうではないかもしれない。見ているとやるせなくなる。そんな思いも側から見ている人のものかもしれない。
「不条理」
『不条理』
いつもありがとうございます。
朝からバタバタで時間が作れず、スペースのみです💦
この人を一目見た時、見たこともない「ウミ」を連想した。
この人の瞳が「ウミ」そのものなんじゃないかなって思ったんだ。
【追記】約束の虹は神様からの約束ではない、わたしが、約束したんだ。
今日は近所を散歩していると、農園を営むご近所さんが作業していたので、背中へ声を掛けた。振り向いたご近所さんと、しばしお喋りして、ー「畑、やってみねーかぁ」と、言われた。うちでも畑はやってるけれど、主に夫が管理している。
わたし専用の自分ちの敷地外の畑をやってみてもいいかもしれない。でも、快い返事を即答できなかった。『自分がどうなるか分からない』『失敗するかもしれない』『ご迷惑をお掛けするかもしれない』などなど、瞬時に巡り、曖昧な応えをしてしまった。
「はい、やります、やらせてください」と、即答するだけで良かったのに。神様からのチャンスはいつ巡ってくるか分からない。それをフイにすれば、せっかくの縁が切れてしまう…その事にはたと、気づき、家の御神前でお詫びをし、明日話をさせていただこうと思ってる。夫ではなく、わたしがやるんだ。あれこれ思い悩む暇はない。完全無肥料無農薬の野菜を作るんだ。他人の土地なら、そこから縁が必ず生まれる。土の力を信じる、本当かどうかを確かめてみたい。
不条理などに嘆いている暇は、ない。
恨んでいる暇は、ない。
第一歩は、小さいのか大きいのか分からないけど。やる。
本当はまだ土いじりなど、菌が体内に入るかもしれない事はやらない方がいいのだけれど、わたしは、やる。
あの日の約束の虹を忘れてないから。
不条理
2年前から今の環境を嫌った
当時、教師達は口を揃えて言った
「あなたの考え方(見方)が変われば楽になれる」
と
だから変わろうとした
教師の理想の人物になろうと追い続けた
結局、無理だった
その1年と数ヶ月後、また教師が口を揃えて言った
「理想を追いかけるのは辞めろ、現実を見ろ」
と言った
なら最初から何も言わないでよ
風が強く吹いている。
木々を揺らし、窓を震わせる。
入れてくれと、ドアを叩くかのように。
窓は耐えている。
標識が飛ばされた。
ああ、制限速度がなくなってしまった。
風も見飽きたから、手持ち無沙汰に本を開く。
もう読み慣れてしまったが、これぐらいしか読むものがないのだ。
よくあるストーリーが書かれている。
敵がいて、勇者がそれを倒す。
けれど、こんなストーリーすらも残った数少ないストーリーだ。
甘んじて享受する。
窓は未だ音を立てている。
今度は、前の家の表札が飛ばされた。
彼らの苗字は消え去った。
あの人たちの名前知らないな。
けれど、恐らく話すことは無いので気にしないことにする。
ページをめくる。
空白が、増えていく。
ポツ、ポツポツ、ポツポツポツ。
白紙が本の上の文字を塗りあげていく。
めくる。
白紙。
めくる。
白紙。
1度だけ、飛ばされかけた名残なのだろう。
白紙が終わる頃には魔王は倒されてしまっていた。
窓が揺らいでいる。
風もこの本を読もうとしているようだ。
不安になって、小さく声を出す。
音はちゃんと響いた。
まだ、話せる。
誰か知らない人が飛ばされて行った。
隣に住んでいた人だった気もする。
名前が飛ばされたのだろう。
ただ、話すことは無かったけど。
窓に頑張れと声をかけた。
風はまだ窓を叩いている。
窓が震えている。
ガタガタ、ガタガタ。
もう無理だというかのように。
もう、なのかもしれない。
持っていた本を窓際に置いた。
名札を金庫に入れた。
ガタガタ、ガタガタ。
窓の音だけが響いている。
何かが飛ばされた。
標識か、名前か、人か。
窓にぶつかっている。
隙間風が入ってくる。
本をめくり、飛ばす。
隙間風が強くなる。
掛けられていた服も、置かれていた皿も。
窓は、開かれた。
家の中に風が入ってくる。
全てを物色して、飛ばしていく。
飾っていた表彰状、履歴書の束、隠していた本。
白紙になっていくそれらを眺めていた。
風は家を舞っている。
窓は壊された。
物が飛ばされ、消えていった。
まだ、金庫はある。
表札は、まだあるのか?
風は、居座ってる。
風は、物色してる。
卒アルも、明日のご飯も、身分証も。
そして、風は私を見つけた。
風は、金庫を持ち上げた。
金庫に手をかける。
手は空を割いた。
「私」も、飛ばされた。
は窓を叩いた。
『不条理』
忘れないで?
戦いに行くのはいつも
上の偉い人じゃない
全く関係のない私たちって事を
どっちに転んでも
被害はいつも―――私たち……
〜シロツメ ナナシ〜
前回投稿分のおはなしで、狂犬病予防法第5条に先駆けて、狂犬病予防接種を頑張った子狐です。
最近最近の都内某所、某本物の稲荷狐が住まう稲荷神社在住の末っ子子狐は、
善き化け狐、偉大な御狐となるべく、絶賛修行中。
注射を我慢するのもひとつの修行です。
「ちゅーしゃ!りふじん!リフジン!」
ですが子狐、なぜ毎年注射をするのか、誰のために毎年痛い思いをしなければならないのか、
ちっとも、少しも、理解していません。
「フジョーリだ!フジョーリだ!」
取り敢えず今年の分の注射を耐え抜きましたので、
ご褒美のお肉、油揚げ、豆腐、お餅等々、
存分に、十分に、堪能したのでした。
「フジョーリ!」
ちゃむちゃむ、ちゃむちゃむ。
コンコン子狐、大好きな特撮風アニメの次回予告に出てきた言葉「不条理」を叫びながら、
でもご褒美はとっても美味しいので、尻尾ぶんぶん、大満足。おかわりも抜かりありません。
そんな子狐の隣で虚ろ目して、子狐と上司による不条理と対峙してる野郎がひとり居りまして。
「そうだね 不条理だね……」
というのもこの野郎、ビジネスネームをツバメといいまして、
本当であれば今頃、予約しておいた喫茶店で、
予約しておいた最高級コーヒーを目の前で焙煎してもらって、挽いてもらって、淹れてもらって、
そして、フルーティーな香りと焙煎の苦味とを存分に楽しんでいる予定だったのです。
それが突然、敬愛する上司から子狐の見守りと食べ物の支払いを任せられまして。
「仕方無い。しかたないんだ」
ああ、ああ。私のコーヒー。
上司の指示の理由も、子狐の見守りに自分を指名した理由も理解しているツバメです。
喫茶店の店主をしている魔女のおばあちゃんからも、予約の件はキャンセル料と、それから24時間以内の入店とで、
ギリギリ、許してもらえそうなのです。
とはいえ本来ならコーヒーなのです(お題回収)
「フジョーリ!フジョーリ!」
「そうだね。不条理だ」
「オジサンも、フジョーリ」
「オジサンの年齢じゃないけど私も不条理だ」
「オジサン、おにく、たべる。
キツネのおにく、あげる。オジサンおたべ」
「うん。子狐、きみが食べて良いんだよ」
良い子良い子。
ツバメが子狐の頭を撫でてやると、子狐はそれが嬉しくて嬉しくて、
尻尾ぶんぶんぶん、お耳ペッタン、目が幸福です。
注射の不機嫌はもう吹っ飛んだようです。
ツバメも子狐の幸福を見て、ニッコリ。
とはいえ本来ならコーヒーです(略)
「フジョーリ!」
「そうだ。不条理だ」
「ちゅーしゃ、ハンタイ!」
「注射は来年も、頑張りましょうね」
「オジサンおにく。」
「私にお肉を渡しても来年の注射は消えないよ」
「おにく」
ちゃむちゃむ、ちゃむちゃむ!
コンコン子狐は幸福に、狂犬病予防接種を耐えたご褒美を堪能し続けます。
ツバメは相変わらず虚ろ目。
時折オジサンと呼ばれては、たまに「オジサン」を訂正して、子狐を撫でてやるのでした。
最終的にツバメは予約の時刻から、だいたい18時間ほど遅れて、
ようやく、念願のコーヒーに辿り着きましたとさ。
不条理
私には好きな男子がいる。
かっこよくて、頼りになる彼が大好きだ。
しかし、世の中は残酷だ。
彼には、好きな女子がいる。
彼の事をよく見ているから分かる。
彼は隣のクラスの女子が好きだ。
なんで、私のことが好きじゃないの。
出会いがあれば別れがあるなんて
愛すれば愛するほど痛むだなんて
なんて不条理だ
愛すれば愛するほど、深く柔らかく包まれたい
もしかしたら痛みの先に何かがあるのでしょうか
僕は知らない
あなたと探したい
あなたなら痛くても良い、結婚してください
【不条理】
真面目に生きれば報われると思っていた。
母はよく『優しくなりなさい』と言った。
父はよく『強くなりなさい』と言った。
先生はよく『真面目に生きなさい』と言った。
すべて信じた。だから、すべて守った。優しく、強く、真面目になった。でも、『幸せ』なんて感じれなかった。
一体、私にはどれだけ友達と呼べる人がいるだろうか。
あいつも、あいつも、あいつも、みんな自分勝手で弱くて不真面目。でも、そっちの方が楽しそうだ。みんな『幸せ』そうだ。ずるいじゃないか。こっちは大人の言うこと全部聞いて生きてきたのに。理不尽にも耐えてきたのに。あんなやつらいなくなってしまえばいい。そのほうが報われるだろう。私も、君も。
これを唯一の友達に話したとき、『辛』そうな声で『可哀想』なんて言われた。君のほうが今『可哀想』な顔をしている。なんで泣きそうな顔をしているんだ。
きっと全員が優しく、強く、真面目なら私は今『幸せ』だ。逆に、私含め全員が自分勝手で弱くて不真面目なら私は今『幸せ』だ。なら、後者のほうが圧倒的に楽ではないか。なのになぜ父も母も先生もあんなことを言ったのか。これでは私が一番『可哀想』ではないか。
「不条理」
男は朝食のパンにジャムを塗ろうとしたが、蓋が開かない。渾身の力で回すと、蓋ではなく自分の首が回転した。視界が真後ろを向き、背後に立つ見知らぬ老人が「お疲れ様です」と名刺を差し出した。役職は、運命の調律師
不条理
世の中が不条理しかないと嘆くのは誰にでもできる。
次へ次へと雪崩れ込んでくる不条理の波を乗りこなし
時には上手く躱さないと社会に飲み込まれてしまう。
ただ生きているだけで不条理の渦へと巻き込まれている
なんて不条理だよな。
"不条理"
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