雪 兎

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 この世はなんと汚いことか。
 そう嘆いたのは君だったか、僕だったか。
 今となってはもうわからないことだらけになってしまった。
 あの子はだめで、この子はよくて。そんなの子どもの頃から変わらないし、大人になってもそうだ。
 愛想がいい子がなんだかんだ世渡り上手で、健気に頑張っているあの子は鈍くさいだのと言われたい放題。
 ああ、だから君はこの世界に見切りをつけたのか。
 そんなことを思うのは、自分が先の内側に居られずはみ出したからだろうか。
 まあ、今となってはどうでもいいか。
 さてと、皆々様、今日までどうもありがとうございました。
 そう高らかに心の中で挨拶をして、綺麗にお辞儀まで想像して。
 あとは一歩踏み出すだけ。
 明日になったらこんなのはその辺にあるニュースとして消費され、暫くしたら記憶は薄れ、誰も彼も日常を止めない。
 はは、そんなものさ。
 といつだか綺麗に笑った君が頭を過ぎった。
 それが僕の最期の記憶。

" 不条理 "

3/19/2026, 8:13:36 AM