『不完全な僕』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
直哉が戦慄くのが見えた。
「…ほんまに、わかっとるんか椋くん。
『ソレ』を捨てたら、今の力も地位も消えるんよ?もう二度と、あちら側には、」
無くすのは椋なのに、悲痛な顔をしているのは直哉の方で。
椋は首をかしげる。
「そうですね、今の『コレ』があったから、ぼくは『完璧な僕』を演じてこれた。あちら側が見える位置にも来られた。
でもぼくはそれよりも、明日ハンバーガーが食べたい」
「は…?」
椋は、晴れやかな笑顔で言葉を続ける。
「人目を気にせず安いハンバーガーにかじりつきたい。
口の周りにソースが付いてる『不完全な僕』がいい。
完璧で完成された未来より、ゲラゲラ笑いながらポテトを頬張ってお喋りしても赦される明日がほしい。」
「だから、さよならをするんです」
「まっ…!!」
静止の声を無視して、椋は整った蝶々結びの『縁』を、ほどいた。
【不完全な僕】
「不完全な僕」
僕は、不完全な人間なのかもしれない
ある人は、「そんなことはないよ」とか
「いや、君より、僕のほうが不完全だよ」とか
よく、言われる。色々、聴くからわからないものだ。
「不完全な僕」
私が思う、私の"完全"はどんなものか
そんなものはないと思う。いつでもそれが完全で不完全なのだ。
完全な状態というのは私にとっては理想だと言い換えができると思う。しかし、理想を叶えたところでまた次の理想ができるのは目に見えている。追い求めすぎると今度は、原型がよかったと思うようになる。でも元には戻れない。
だから私たちは理想を楽しまず、不完全な状態を楽しむことが必要だと思う
不完全な僕
カレーライスを作っていると……。
またカレーかよ、と弟と妹が口を尖らす。
わかった、わかった。きょうのはひと味違うから少し待ってな、 と、とりあえずなだめた。
さてどうしようか。キッチンを見回す。
確かこれいけたよな、と何処かで聞いた記憶を頼りに、チョコレートを鍋に入れた。
いただきます。 ふたりが一口。
どうだ。
おお、うまい。いつもよりちょっとだけ。なっ。
うん。ちょっとだけ美味しい。
そうかそうか。 ちょっとだけらしいが、それでも良かった。また一歩、完璧なカレーに近づけたようだ。フフッ。
ただいま。 姉が帰ってきた。
なに、カレー?
ああ、食べる?
うん。 勢いよく一口。すると、
なに、これ。甘すぎない?
あ、うん。隠し味にチョコレートを。
だめ。何やってんの。あんた、子どもじゃないんだから。 そう言って姉は冷蔵庫からワインを取り出し、ドバドバっと鍋に入れた。
しばらく煮込んで、
うん、美味しい。やっぱりカレーにはワインだな。
そ、そうか。 まあ、これはこれで完璧カレーに近づけたか。
ただいま。 母が帰宅した。
お腹すいた。あら、カレー?わたしにも頂戴。
僕は皿によそって母に運んだ。一口食べて、
なにこれ、クドい。何入れたの?
えっと、チョコレートとワインを……。
だからこんなにクドいのね。 そう言って母は冷蔵庫からレモン汁を出し、鍋にドバドバっと入れた。
うん、さっぱり。これでいい。と、母。
兄妹たちで新生、完璧カレーを食べる。
おお、美味しい、と一同。
まあ、美味しいのができたから、それはそれでよかったけど……。
こっちがいいと言われればこっちが良く思え、そっちがいいと言われればそっちがよく思えて……。
こんな不完全な僕に、本物の完璧カレーを作る日は訪れるのだろうか。
不完全な僕
なんで僕は不完全なんだろう。
何をとっても人より出来ない。
"人並み"というレベルのものは何も無い。
いつも他の人より出来なくて笑われる。
でもあの子だけは僕を受け入れてくれた。
「わたしがたすけてあげる!」って幼いながらに言ってくれたっけ。言葉通り本当に助けてくれて彼女は僕を庇って轢かれた。
完璧な君を含んでいる僕はなんでまだ不完全なんだろう。
「不完全な僕」
何をしても完璧には出来なくて。
自分では上手くいったと思っても、振り返るとアラが見えて来る。
何だかどれもこれも中途半端で、キチンとは出来ない気がする。
いつも不完全な、僕。
納得出来ず、自分自身に不安と不満を抱えて過ごしていた。
そんな日々が、君と出逢って急変した。
僕の足りない所を君が補ってくれる。
君の足りない所は僕が補える。
お互いにビックリするくらい、凸と凹が上手く噛み合ったね。
世の中には完璧な人もいるけど、凡人の僕達は支え合って、補い合って生きていける。
そして、完璧じゃないから人を頼って、だからこそ人を信じる事が出来る。
完璧じゃないからこそ、見えた景色や知れた知識がある。
君と出逢って、世の中の景色が変わったよ。
そして、不完全な僕を好きになれた。
有難う。そして、これからも宜しくね。
「不完全な僕」
キズだらけで
穴だらけで
壊れたとこばっかりで
だから
その度に修理してツギハギだらけ
とにかく不完全な
僕という存在…
それでも
心臓を動かして
呼吸をして
血を巡らせて
筋肉を動かして
何故か完全な僕の身体...
同じ年齢で 同じような顔をしていると
完全のレベルは決まってくる
皆より少し成績がよく
足が速くてスポーツができ
友達に大切にされて等々
なにか飛び抜けてできるよりも
できないことがない事が大切
完全の条件は無数で
突き詰めて考えられなくなる
不完全な僕は
とりあえず今日は眠ろう
皆僕を褒めたたえた
皆僕を羨ましがった
金があって、頭も良くて、容量も良い
コミュニケーションだって難なくできる
嫌味を言うやつもいたが
僕は気にしない
僕はいい人だからね
僕は完璧人間だから
僕は
もう
完璧でなければ
いけない、から
「香水と不完全な僕」
ドルチェ&ガッバーナかどうか知らない僕だけど、僕の部屋のカーテンについていた君の香水の香りにときめきメモリアルの僕はなんて不完全な人間なのであろうかと思う。
むかし聞いたヒット曲の男のように
背を向けてABAYOと言って
「行ったきりなら幸せになるがいい」なんて言いながら、その後の「戻る気になりゃいつでもおいでよ」に想いをかけていた自分に気づく。
君が僕を見る時に眉間に寄せる皺が
レントランで注文に30分かかる君が
少しとぼけたような口調と声色が
忘れられない
君の抜け殻探して
カーテンに顔を埋めた
相当に気味悪い不完全な僕
せめて、少しは格好つけさせてくれ
この、みっともない無様な姿を
酒のせいにでもさせておくれよ
眠らない街で、朝までふざけよう。
君の香水の香りと不完全な僕と。
令和6年8月30.31日
心幸
不完全な僕
頭が悪い。運動も出来ない。かと言って人ずきあいも得意じゃない。なんなら人と関わるのが苦手。
何か特技を見つけようとあれこれやってみるけど大した続かないし上手くもない。
頭悪いなら勉強をするべきだが勉強も嫌いだからやる気も起きない。もうどうしようもないくらいダメ過ぎる自分。こんなんで自分の事を好きになれと言うやつはいないだろ。
不完全な僕
僕は完璧だ。
世界を救うために作られた No.1
〜僕は、完璧なはずだった〜
でも僕は、妹、弟に僕は全て負けていた。
何をやっても負けて、負けて、負けて。
僕は出来損ないだった。
街を歩いているときに、一人の女に出会った。
その女は、「凛」と名乗った。
素敵な名前だと思った。
その後、話しているうちに僕は、家族のことを話した。
凛は、真剣に話を聞いてくれた。
こんなに話したのは初めてだった。
凛は言ってくれた。
「君は出来損ないじゃないよ。」
初めて言われた言葉だった。
とても嬉しかった。いつのまにか涙が出てきた。
ボーン(莫大な音)
「僕行ってくる!」
凛はニコリと笑い、僕を見送った。
僕は思った。
不完全でもいいんじゃないか、
完璧じゃなくてもいいんじゃないかと
不完全な私
私は何事にたいしても完璧でない完璧と言ったらちょっと変わってしまうが,,,だが、これだけは言える私は完全な、状態ではないことをなぜかと言うとまだまだ伸び代がありまだまだ成長ができる年でもあり、実際今成長中だ、今入っている部活は小学校から続けている競技を、部活動でもやり始めただから、初心者の人が多くなかなかもっとレベルが上がる練習が出来ていない,,,そこにも不満を感じる部活動...なかなか認められていないと思っていても小学校からやっている習い事の方では、前に比べたら良くできてる、よく動けている、強くなっている、など、良く褒めていただくことが増え今私は成長中だと、感じているから不完全だと思う。
勉強の方でも、まだまだ頑張ってより良い結果が、出せると思う、先生にも、○○は、もっと出来ると思うとも言われているし、親からも期待されているだからこそ私はまだ、完璧でないと、感じるため不完全な私。
『不完全な僕』
「あ。この問題間違っちゃった。」
「でも、沢山努力してきたし、いいか」
僕は不完全だけど、がんばってるよ。
お母さん。
終
まだ元気だったあの夏。
俺は昔から夏が好きだった。
夏になると、家が近い幼馴染の家に行って、虫取りをしたり一緒にゲームしたりする。
楽しくて、楽しくて、夏休みはずっと続けば良いってそんな事をずっと思っていた。
だけどそんな夏は数ヶ月で終わってしまう。
冬休み、俺は何時も婆ちゃんの家に行っていた。
「(今年のお年玉どれくらいだろ、早く婆ちゃんお年玉くれないかなぁ。)婆ちゃん!お久しぶり!」
「お久しぶりだねぇ……これ、お年玉。」
まぁ言うて、俺が婆ちゃんの家に行く理由はお年玉目当てぐらいしか無い。
婆ちゃんの家に行ったらやること無いし、あの幼馴染と遊ぶ事も出来ないし。
だけど、これは俺が中学生になった頃だった。
「は…?」
「貴方の幼馴染だった○○が事故で入院してるって…、お見舞いでも行ってあげなさい。」
幼馴染が冬休み中に不運にも、交通事故に遭ってしまったという。
俺は誕生日で貰った自転車に乗って、母親が言っていた病院に向かった。
勿論、冬だから何回も凍った場所に滑って落ちた。
【ガラガラ】
身体中がボロボロになりながらも、病院に着いた。
病室の扉をゆっくり開けると、見慣れた顔がベットに横になっていた。
「お前………よく原型は留めてたな。これ、林檎置いていくから食えよ。」
あまり顔は見たくなかった。
俺はそう言い、部屋を出ようとした。
その時に嫌な音が俺の耳には入ってしまったのだ。
【ピッピッ……ピーーーーー】
彼奴の心臓が止まってしまった音。
彼奴は13という若い歳で死んでしまったのだ。
だから俺は、何故冬が嫌いなのか、と聞かれたら俺は何時もこう答える。
「昔は…夏は良かったよな。」
嫌いじゃないのは
キミが好きだと言ったから
【不完全な僕】
・不完全な僕
コイツは言葉が上手く喋れない。それどころか私が何を言ってるかも分かってない。
身体の作りも違うせいで歩き方も変だった。
オマケに皆が当たり前に出来ることが何一つできない。
しかしコイツは主である私への忠誠心が誰よりも大きかった。
「ご飯だよー」
毎日律儀に献上品を差し出す僕(しもべ)は今日も変な言葉を言っている。
全く。たまには私と同じ言葉を喋ってほしいものだ。
「今日もうにゃうにゃ言いながら食べてるなぁ。そんなに美味しいのかな、これ」
不完全な僕
不完全な君へ
不完全な君はいつだって愛らしくて愛おしくて、
不完全な君はたまらないくらい可笑(おか)しみがあって面白くて、
不完全な君は誰にでも慈(いつく)しみを持って接することの出来る温かい心を持っている。
それなのに、いつだって君は完全になりたくて、頑張り過ぎて、疲れ果て、途方に暮れる。
もっと強くなりたくて、
もっと正しくなりたくて、
もっと美しくなりたくて。
もしすべてのことを完全にこなせる君だったなら、僕は君をこんなにも深く愛せただろうか。
不完全な君を僕は今日もこうして愛している。
これは完全なる事実だ。
不完全な僕より
お題
不完全な僕
不完全な僕
完全、すなわち完成されたと同時に
崩壊が始まるのならば
不完全なままでいいのだ
不完全な僕
不完全な、しもべ
不完全な僕、ひとつぐらい綻びがある方が味があるって思い詰め込んできた
それでも蓋を開ければただのビビりで笑われた
いつも空回るこの生き様を笑うんじゃねえ!!!
僕らは人であることを選んで生きていくタイプなんだ
頭悪いとこもみんな愛して欲しいんだよ
「いいよ多分」って言われたってお前吹き出しそうだぞ?!
だけどそんな声が届くのを一生待ってるんだよ
こんな文章読むってこった、はみ出し者だろアナタも
でも大丈夫、全ての原点はアナタだ
人の弱さも笑って向かい合えるようになろうぜ
ドジだって愛そう