『三日月』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
昨年の1月9日のお題「三日月」が
私の「書く習慣」への
最初の投稿でした
皆さまから沢山の💙を頂いて
驚いたり喜んだりで
次の日のお題が楽しみだった事を
思い出します
ですが今日
丁度1年で同じお題では
少なからず
残念な気持ちになるのは
私の我儘でしょうか…
もしかして
明日のお題が
「20歳」とか「寒さが身に染みて」
だったりするのでしょうか…?
あまりお題に囚われずに
書きたい時に
書きたい事を
書けばいいだけのこと
ですね!
投稿2年目に入りました
これからもよろしくお願いします
# 三日月
昔から
日によって形を変える
月が
とても好き
『今日は三日月か』
明日はどんな形かな
お題 三日月
俺は長い間、ある場所を目指して旅に出ている。なんでもそこにはどのような病をも癒やす、なにかがあるのだそうだ。
三日月の形をした湖を目指せ。三日月の夜に照らされた湖面の水を汲め。その水には身体を癒やす不思議なチカラが籠もっている。
そう村長に言われて旅に出た。
旅に出てもう三週間経った。出会った人々に尋ねながら、この山の奥地にあると聞いて登って来た。
かなり険しい山道だった。俺は息を切らしながら歩いた。道中休憩を挟みながら歩いた。
そしてやっとその湖に辿り着いた。
三日月の形をした湖。特に変哲もない湖だ。本当にこの湖の水が、人を癒やすのだろうか。
俺は三日月が登る日までここに野営した。この山に登る前に三日分の食料は調達済みだ。だからゆっくりとその日まで待つ車にした。
そしてその日か来た。月が天頂へと登っていく。俺はゴムボートを用意して、月が湖を照らし出すのを待った。
やがて天頂へと登った月から、キラキラと光が湖面に向かって降りていく。降ってきた月明かりで湖面が照らされた。
俺はゴムボートでそこへ向かう。そして光を受けた湖面の水を、瓶に汲んで蓋をした。
ようやく念願の水を手に入れた。
この水さえあれば、俺は大金持ちになれる!
早速山を降りた。麓の村で、試しに病気の娘に飲ませてみた。すぐさま効いて元気になったのだ。
これはイケる!
俺は街に出て、アコギな商売を始めた。高額をふっかけて、庶民から金銭を巻き上げた。残りわずかになると、湖に出かけて水を汲みに行った。
あっという間に俺は大金持ちになった。俺は美女に囲まれ、酌をしてもらいながら肉を頬張る。何と言う幸せか……
そんな暴飲暴食の日々に明け暮れては健康であるはずがない。俺は今で言う生活習慣病、贅沢病になってしまった。
慌ててあの湖の水を求めて山に登った。必死で歩いた。俺はもっと生きたい。もっと遊びたいのだ。
山頂へ着いた俺は驚愕した。湖が干からびていたのだ。
俺は絶望感でいっぱいだった。そんな時だ。胸がぐっと鷲掴みにされるような感覚に襲われて地面に倒れた。
風景が暗くなっていく。
誰か助けて。
「もう、私を使って荒稼ぎはしませんか?」
誰か語りかけてくる。
「一度だけ助けましょう。もう二度と私を使って稼がないように。二度目はありませんよ」
口の中に水のようななにかが入った。俺はそれを飲んだ。すっと痛みが収まり苦しさが無くなる。
俺は大量の脂汗をかいて、ぐったりと横たわる。苦しかった息が整う。
俺はなんて事をしたんだ。こんな苦しい思いをする人達から金品を巻き上げてたなんて馬鹿だった。
それから山を下りた俺は、荒稼ぎした金銭を投げ売って病院を建てた。高名な医師と薬師を集めて、多くの患者を癒やせるようにだ。
もうあんな苦しい思いを、他の者に味あわせたくなかったからだ。
あの時の声が誰かは分からない。だが、あの時助けられたのは確かだ。誰かに助けられたから、助けられた者の気持ちが分かった。
だからもう二度とあの水で稼ぐのはやめる。金で相手を踏みにじりたくないから。
仕事帰りに
上弦の『三日月』が
目に飛び込んできた
飛び込んできたというのは
ちょっと大袈裟すぎるが
月を見ようとした
わけではない
気がつけば、月が視界に入り
「今夜は三日月か…」と
思う程度である
そんな適当なわたしを
あの月はいつも許してくれる
静かで優しい…
行ってみたい…
まー
三日月ってずるい。
満月も好きだけど、三日月はなんか絵になるからずるい。
三日月モチーフのアクセサリーは可愛いし、あの形を椅子に見立てたり、船に見立てたり、鎌や弓や剣に見立てたり。三日月そのものを人の顔に見立てたり。
あの形に何を見出すか、でその人の思考が何となく分かる気がする。
「で、アンタにはあれが何に見えるわけ?」
「爪」
「爪?」
「ちょっと伸びた貴女の爪」
「……」
「貴女の爪の先の白いところがちょっと伸びてるの、綺麗で好きなの」
「……そう」
「あ、照れてる?」
「うるさいよ」
END
「三日月」
夜空見上げると星よりも大きく輝く月。
月は日によって
いろんな形を見て楽しめる。
三日月は曲線が綺麗で
結構面白い形してると思う。
三日月のあの儚い形を見ると
なんだか落ち着く気がする。
空にチェシャ猫のような月がかかっている。
「見てよ、水蓮。ニヤけた猫が僕たちを見ているよ」
僕の遊びに気付いた水蓮が空の月と同じような笑みを浮かべた。
「ヤツは誘惑が好きだからね」
知ったような口で水蓮が言う。
「誘惑?イタズラ好きじゃなくて?」
僕の言葉に水蓮は首を振った。
「誘惑だよ。月は何時だって人を魅了して止まないのだから」
「チェシャ猫は月の化身なわけ?」
「もしかしたら」
水蓮は意味深な笑みを浮かべて月を見上げた。
「月と言えば、彼らはどうなったのだろう」
僕の言いたいことを水蓮は直ぐに理解してくれた。
「三日月少年か…」
いちいち説明しなくても水蓮は理解してくれる。
これって凄いことだ。
「彼らは、この世界に紛れているよ。もしかしたら、あの月も。チェシャ猫のフリをした三日月少年かもしれない」
「あぁ、不遜な感じが似ているかもね」
僕の発言に水蓮は声を上げて笑った。
────────────────────────
「三日月少年漂流記」より水蓮と銅貨
「…もしもし、どうした?」
携帯に見慣れない文字がならんで着信を知らせる。
休みを挟んで会えないのが寂しいなんて言われてつい連絡先を教えてしまった。
だらだらとたわいも無い話をしたり、こうして時々電話をしたりして俺もなんやかんやいいつつその時間を楽しんでいる。
「今日は月がとっても綺麗ですよ、先生もみえますか?」
そう言われて、慌ててベランダへと向かった。
窓を開けて空を見上げれば眩い月が輝いている。
綺麗にかけていて今日は三日月だろうか。
「うん、雲ひとつない月だねぇ」
「じゃあ私が見てる月とおなじですねっ、」
突然そんなことを言う貴方がおかしくて思わず笑った。
だって、月は1つしかないんだから、貴方が見てる月と同じにきまってるじゃないの。
「ねえ貴方、月はひとつしかないよ」
「え、ぁ……たしかにっ、」
そんな子供らしいところも可愛いなぁって思う俺は相当毒されているみたいだ。
へへ、なんてはにかんだような笑い声が聞こえて電話する度に顔を見て話したいな、なんて考えてしまってる。
「先生、起こしちゃいましたか?」
「ううん、読書してただけよ。貴方は?」
「……先生のこと考えてたら声、聞きたくなって…、思わず電話を……」
語尾がどんどん小さくなって最後は消えちゃいそうなほどか細くなった声。
きっと照れてるんだろうな、なんて想像しただけで口角が上がって頬が緩むのが自分でもわかる。
「ふふ、明日も学校だし早く寝なくちゃダメよ?」
「はぁい……おやすみなさいせんせぇ、」
「うん、おやすみ、」
ぷつん、ときれた電話にちょっぴり寂しくなった。
また空の上の三日月を眺める。
明日もあの子にあえますように、とそっと手を合わせた
2024.1.9『三日月』
三日月
欠けたものを補えず…
不安でいっぱい
落ち着かない
でも…
完璧なんてないん
だよね
欠けていてもきれい…
美しい…
ずっと…
300字小説
満月と三日月
その四角い茶色の箱は俺達にとって、お宝の山だった。
床に散らばる白い米粒をつまみながら、更に奥へと進む。
「今日は何が出るかな?」
突き当たった透明な壁をかじりとる。この向こうには必ず美味しいお宝がある。
「おっ!!」
出てきたのは茶色で塩っぱくてカリカリするもの。その次は甘くてサクサクするもの。それらを口いっぱいに頬張る。
突然、暗い空に金色の丸い月が二つ上がった。トンと何かが近くに飛び降り、鋭い三日月がいくつも降ってくる。
「にゃあぁぁ!」
三日月を必死にくぐり抜ける。俺達は茶色の壁を駆け登ると、家と続く排水口に飛び込んだ。
「ミケ、どうしたの? ヤダッ! 仕送りのダンボールの中身がネズミにかじられてるっ!!」
お題「三日月」
「三日月」
窓から見える三日月を指で掴んで
″これ、保育園のカバンにつけたい″
と駄々をこねた君は
もう大人になりました
小さな手の中で光る月は
今までで一番キレイでした...
片手で掴めそうな華奢な姿
何かを願うにはあまりに儚い
哀しいのか嬉しいのか分からないまま
涙が滴りそうな覚束なさ
暗夜の行く末を侵さない ひっそりとしたその光
見上げると、金色に輝く三日月があった。
三日月を見ると昨日のことのように思い出す。
何にも不安なんてないように、ただ笑い合ったあの日々。
過ぎ去りし日々がかけがえのない宝物だったと気付くにはあまりにも遅すぎた。
もう2度とこの過ちを繰り返さぬよう、1日を大切に生きる。
「三日月」
深夜に家を抜け出して
化石の見つかる崖へ行った
14歳の頃のわたしは
山の麓に越してきてから
見るものすべて珍しく
好奇心旺盛で命知らずだった
星は隙間なく夜空に存在する
唯一
月の光に消された星
いいよ
わたしが後で
君たちの名前を調べるよ
月も嫌いではないが
わたしは弱いものを
見て見ぬふりはできない質
だから 苛められる
でも この自然の中で生きられるなら
友達なんていなくて平気
人間だけに執着して
強いものの顔色を伺い
騙されたり 裏切られたり
人間の汚い部分を見た日には
自然の中に入り込む
三日月の夜は
星の数が増えるから おすすめ
かの子
三日月
冬休みが明けて雲に隠れている月を見ていた。
ふと、小さい時にお母さんと三日月を見たことを思い出した。
「ねぇ、前はまん丸だったのに今はどうしてこんな形なの?」
僕はお母さんに聞いた。
お母さんは「どうしてだと思う?」と答えた。
「んーっとねぇ、あ!宇宙人が食べたんだ!」
僕はドヤ顔しながら答えた。
ふふっ…と微笑む声が聞こえて僕も嬉しくなった。
その後も、お母さんと一緒に月を見ながら、色々な話をした。
今はもう癌を患っていたお母さんはいない。
僕は成長して医者になった。
お母さんとの約束を守るために。
今でも忘れられないよ。
お母さん、僕ちゃんと頑張れてるかな?
夜の帰り道、空を見上げると三日月があった。目を閉じて、手を合わせて祈った。どうかこの想いがあの人に届いてほしい、と______
「三日月」
朧三日月を前髪で隠し 急ぎ足の帰宅道
遠くに行ってしまっても
あなたは笑っていられるのね
『三日月』
私ってないもできないんだな。
そう落ち込んで月を見る。
なんの才能もないのに努力も出来ない私。
そんな昔の私に、おばあちゃんは教えてくれた。
「月は太陽の力を借りて光っているんだよ。
だから自分で自立できるだけめいいっぱい友達に頼っていいんだよ。そしたらほら、月は地球を支えてくれているだろ、貴方にも支える人ができるよ。」
あの頃は何を言っているか全然分からなかったけど、今なら分かる気がする。
今日は三日月。
欠けているところが沢山あるけど、どんどん成長していくんだ。
そしてその姿を「綺麗・すごい」と言ってくれる人がいる。
人間ってこうゆうもんだろ
「はぁ…」
小さくため息をついて夜道を歩く。
今日は残業もしたからか体が疲れきっていて、
頭の中もネガティブなことばかり考えてしまう。
なんてツイてない日なんだろう。
それにいつもより遅いこの時間帯は、
シンと静まり返っている。
自然と頭の中はもやもやと後ろ向きなことばかり
考えてしまう。ああもうどうしたものか!と
勢いよく上を向いたとき、満天の星空の中に
三日月を見つけた。そういえば、ここ最近
ずっと正面ばかり見ていて空を見上げていなかった。
そのとき、ふと思い出したことがあった。
【三日月にお祈りすると願いが叶う】
そんなわけないよなぁなんて思いながら、
何となく軽い気持ちで、こう願ってみた。
「コンビニに俺がずっと食べたかった
期間限定のプリンがありますように。」
まだ一度も買えたことがない伝説のプリン。
まぁ、あるわけないよな。なんて思いながら
近くのコンビニに寄ってみたら、
「あった。」
心臓がドキリと跳ねたと同時に、
テンションが上がる。
すぐにプリンとノンアルコールのチューハイを
購入した。願いが叶ったことが無性に嬉しくて、
先程の落ち込んだ気分が吹っ飛んだほどだ。
あれ?俺って意外と単純なんだなぁと思ったら、
なんだか面白くて。
それと同時に気持ちが軽くなった。
軽い足取りでそのまま夜の公園に向かった。
ベンチに座り、ネクタイを緩めて、
セットしていた髪の毛をくしゃっと崩す。
念願のプリンをぱくりと食べて、また空を見上げる。
先程と変わらず空にはキラキラと満天の星空が。
そして一際輝いている三日月に感謝を込めて、
この美しい夜の時間を満喫したのだ。
#6 『三日月』