三日月
冬休みが明けて雲に隠れている月を見ていた。
ふと、小さい時にお母さんと三日月を見たことを思い出した。
「ねぇ、前はまん丸だったのに今はどうしてこんな形なの?」
僕はお母さんに聞いた。
お母さんは「どうしてだと思う?」と答えた。
「んーっとねぇ、あ!宇宙人が食べたんだ!」
僕はドヤ顔しながら答えた。
ふふっ…と微笑む声が聞こえて僕も嬉しくなった。
その後も、お母さんと一緒に月を見ながら、色々な話をした。
今はもう癌を患っていたお母さんはいない。
僕は成長して医者になった。
お母さんとの約束を守るために。
今でも忘れられないよ。
お母さん、僕ちゃんと頑張れてるかな?
1/9/2024, 11:25:32 AM