「三日月」
深夜に家を抜け出して
化石の見つかる崖へ行った
14歳の頃のわたしは
山の麓に越してきてから
見るものすべて珍しく
好奇心旺盛で命知らずだった
星は隙間なく夜空に存在する
唯一
月の光に消された星
いいよ
わたしが後で
君たちの名前を調べるよ
月も嫌いではないが
わたしは弱いものを
見て見ぬふりはできない質
だから 苛められる
でも この自然の中で生きられるなら
友達なんていなくて平気
人間だけに執着して
強いものの顔色を伺い
騙されたり 裏切られたり
人間の汚い部分を見た日には
自然の中に入り込む
三日月の夜は
星の数が増えるから おすすめ
かの子
1/9/2024, 11:30:27 AM