『七夕』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
七夕
1年に1回しか逢えないと
言われている織姫と彦星
1年に1回会えるなら幸せだろう
僕は君にまた逢えるか
すら分からないのに
#七夕
旧暦では秋の行事であった七夕は、今や夏の風物詩となった。暦が変わって7月7日が梅雨の季節に移動してしまったのは、織姫と彦星にとっては不運なことに違いない。今夜も雨だ。私が物心ついた頃からの記憶では、織姫と彦星の逢瀬は一年に一回どころか数年に一回になっている。
とはいえ、ストーリーの原作である中国の「牛郎織女」の物語によると、織女は万物を支配する天帝の衣を織っている女であるし、牽牛も天帝に認められた男である。彼らが普通の人間であるわけがないし、そもそも彼らは人間なのだろうか。なにせ引き離す時に彼らの間に置くものは、天の川である。織女と牽牛は星の精霊か何かなのかもしれない。とりあえず普通の人間ではないのは確実だろうと思う。
そんな彼らが、地上にいる人間が暦を変えた程度で影響を受けるのだろうか。彼らは人間のやることなど気にしておらず、人間の心配などつゆ知らず、今も旧暦の時期、梅雨が明けた頃に再会しているのではないか。そんな考えが浮かんで天気予報を見て一喜一憂するのが馬鹿らしく思えてくるのと同時に、ほんの少し安堵する私がいた。
七夕(2023.7.7)
「…ん?」
「お、どした?」
何気なく通り過ぎた廊下の視界の端に、見慣れない緑色が目に留まって、立ち止まる。
プラスチックの笹に、色とりどりの短冊。
「あー、そういえば今日、七夕かぁ」
一緒に歩いていた七海が、納得したような声を上げる。
「七夕ねぇ…」
思わず皮肉げにつぶやいてしまった。
「なんだよ、七夕アンチなのか?いいじゃん、七夕。ロマンがあってさ」
まぁ確かに、リア充同士がいちゃつく日だってのは、癪に障るけども、なんて一人で葛藤している七海を尻目に、短冊に書かれた願い事を読んでみる。
「なになに…お金持ちになりたい、家内安全、合格祈願、彼氏が欲しいです…なんか、欲望の煮凝りって感じだな」
「微妙に嫌な表現するのやめろよ…」
呆れたような、少し引き攣った顔をする七海。
「そもそも、こんなご時世に、短冊に願い事を書いてお星様に叶えてもらいましょう、だなんて笑えると思わないか?」
七海は何か言いたげだが、言葉が上手く出てこない様子だった。だから、構わず言葉を続ける。
「だってさ、そのお星様直々に、この世界をぶち壊しに来てくれるんだぜ?」
本当、最高の皮肉だよな。
そう言うと、やっぱり七海は渋い顔をして、
「お前、本当いい性格してるよな…」
数瞬の後、二人で噴き出した。
教室に置きっぱなしのスマホには、ひっきりなしに隕石到来のニュースの通知が届いている。
俺たちの夏は、今日終わる。
仕事の帰り道、ふと空を見上げた。
今日はなんだか一段と、星が美しいなぁ。
隣の家から、子供達の楽しそうな声が聞こえる。
あ、そういえば…今日は七夕か。
家に帰って筆をとる。
何をお願いしようか。
…決まってる。
妻と息子に合わせて欲しい。
二つの遺影を眺めながら毎日床につくのは、
もう…たくさんだ。うんざりだ。
どうか、どうか。
そう願いつつ、目を閉じる。
翌朝。
俺は妻と息子に会えた。
思った感じと大分違うけど、まぁ…いいか。
でも、祖母には悪いことしたなぁ。
今日から、三つの遺影を眺めながら、床につくことになるのだから。
天の川
星の水面に
思い馳せ
流れゆく願い
掌に掬って
―七夕
七夕
「彦星に会いたい。…彦星に、逢いたい」
天の川の東と西に別れて暮らすように言い渡されてから何日がたったのだろうか。
何もする気になれない。ご飯も要らない。ただ頭の中に浮かぶのは彦星の笑顔だけで、ついこの前までずっと一緒にいてくれたのに、隣にあったはずの温もりが無くなってしまったことを痛感して心が締め付けられる日々だった。
起きている間はとにかく彦星のことを考えてしまう。
東側にはかわいい女の子たちがいるだろう。彦星はきっと私の事なんてすぐに忘れてしまう。その子達の中から生涯の伴侶をみつけるのだろう。
“織姫のことは忘れてしまおう”
“織姫とのことは無かったことにしてしまおう”
何れそうなるに違いない。私と過ごした時間は、あの幸せだった時間は一体なんだったんだろう。
優しい眼差しを私以外に向けているのだろうか。
きっと彦星は素敵な方だから、好意を寄せる人は数多いる。目の前に広がる天の川を何時だか2人で眺めた時はきらきらと輝いていたのに、今は恨めしかった。
「7月7日の日にだけなら会っても良い」
そう言ってくださったから頑張って綺麗なはたを織った
彦星のいる東側にも届くように、とびきり綺麗なはたを織り続けた。それなのに、
「川が増水して渡れない!?何故!?」
年に1回しか会えないのに、何故か7月7日は毎回雨だった。目の前の天の川は今にも溢れそうな水位で、これでは渡れない。
きっとこれが運命なんだよ、彦星よりいい人は沢山いる
そう受け入れるよう周りは私のことを説得したけれど、
日々が楽しくなることは無かった。
今日もはたを織り続ける
いつか、何時かきっとまた彦星に逢えることを願って
吹奏楽の曲に「Tanabata」というものがあります
コンクールの課題曲でした
曲中の中の織姫と彦星はきっと年に1回逢えることをとっても幸せにしていて「その日があるから頑張れる」と遠距離恋愛を前向きに捉えられているんだなと演奏してて思いました
遠距離でも、たとえ年に1回しか会えなくても互いに巡り会えたことが幸せなんだと、きっとそんな作品だから明るい音が並ぶんだなと思いました。
現実の遠距離恋愛はそんなに上手く行かないことの方が多くて、どうしても近距離に勝るものは無くて
世の中の遠距離恋愛をされている方々が幸せな未来を歩めますように。
あわよくばもう辛い想いをしませんように( ¨̮ )
「今晩は生憎の雨。織姫と彦星の逢瀬を見ることは難しいでしょう」
お天気キャスターが残念そうに告げた。
本当に残念なのかな?
二人は、二人きりのデートを見られたくなくて、雨のカーテンを引いたんじゃなかろうか。
/7/7『七夕』
何かマイナスなことを言うと
必ずプラスに返してくれる彼は
自分のことだけは
プラスに出来ずにいた
ぼくはそのことを知らないまま
彼をなくしてしまった
ぼくはどうしたらよかったんだろう
彼の最後の笑顔を見たのはいつだったっけ――?
/7/6『友だちの思い出』
誰だろう?
雲の切れ間からのぞくそれを
『天使のはしご』と言ったのは
/7/2『日差し』
七夕
願い事
[今年こそ元気になれますように]
推しに会いたい。
巡り合わせてください。
〜七夕〜
七夕
今日、母の施設へ面会に行ってきた。週一で必ず行ってる面会。認知症がだんだんと進み、自分から進んで話す機会もなくなった。会話が続かないのだ。
帰り際、エレベーターホールに、小さな七夕飾り。短冊が幾つも下がってた。
一瞬、読んじゃいけないと思った。何を望むの?何を考えるの?と思っていた。次の瞬間、わたしって差別してるんだ、と思った。
その人の人格は変わりません。人格を尊重して対応しましょう。
認知症の人との接し方にはそう書いてある。
でも、そう対応出来るのは難しいことなんだと思った。
今日は、七夕だったので先生が小さな笹を持ってきてて、願いごとを書きたい人は書くみたいなイベントみたいなのがありました。朝休み暇だったので書こうかなと思いサマセミ無事に行けますようにと願い事を書きました。私はこういうのは信じていないけど願い事は叶って欲しいなとは思いました。あと気になる人もつい最近できたので順調に恋が進みますように。
七夕
七夕のやつに描こうとしてしまったやつ
金欲しい
体力欲しい
画力欲しい
想像力欲しい
健康体になりたい
そして病むな俺(命令)
七夕
今日は何の日だと思う?
そう、「七夕」。
゛みんなは何をお願いする?゛
「今年の受験が合格しますように。」
とか
「好きな人と結ばれますように。」
「運営の人と出会えますように。」
とかかな?
これ以外にも、勉強面、恋愛面、運動面など、沢山あるね。
でも、お願い事は欲張っちゃだめだよ、
叶いにくくなっちゃうかも。
きっと、心優しい人なら
「平和に暮らせますように。」
「みんなが楽しく健康に暮らせますように。」
とかなのかなぁ。
お願い事は自由だよ。
彼氏、彼女が欲しいとか、頭が良くなりたいとか、かわいくなりたい、かっこよくなりたいとかもあるかも。
゛みんなは何をお願いする?゛
「おばあちゃんが元気になりますように。」
_9end_
「好きな人と結ばれますように。」
(実は自分片想いです、)
「思う」より「想う」の方が自分はすき。
「明日、晴れますように。」
7月6日に笹に短冊にが吊られていた。
内容は、「明日、晴れますように。」
どうしてそう晴れにして欲しいのかは私には分からないけど、何か明日に幸せなことが起きるのだろうなと、
ささいながら私も祈ってみる。
「はい、お素麺」
「あ、ありがとう…。」
知り合ったばかりの彼女の部屋で、僕はドギマギしながら箸とおつゆを受け取った。なんでも今日は、素麺の日らしい。
「七夕にお素麺を食べるとね、一年間風邪を引かないって言う言い伝えがあるんだって!」
「そうなんだ?」
僕が育った四国の田舎町では、そんな習慣はなかった。どうせ、バレンタインみたいにどこかの素麺メーカーが勝手にこじつけたんだろう。
「あ、疑ってるね?」
僕のそんな気持ちを目ざとく察したのか、彼女は不服げに声を上げた。
「七夕に素麺を食べるのは、平安時代からの習慣なんだよ。もとは中国の皇帝の子どもが亡くなった時に始めたんだけどね。」
「へえ…。」
「皇帝の子どもが、小さい時に病気で死んでしまったの。そのあとすぐ、疫病が流行ったから、周りの人はきっと子どもの祟りだと考えて、その子が好きだったお菓子をあげたの。」
「お菓子?」
「そう。索餅っていうお菓子よ。索餅は、そうめんの元になったお菓子なの。細長くしたのをねじって…」
熱心に素麺のルーツを説明する彼女を見て、僕はなぜかドキドキしてしまった。人が我を忘れて、何かに夢中になるのを目にするのはいいものだ。
「聞いてる?」
「あ、うん聞いてるよ。」
本当は全然はなしなんか聞いてない。素麺を食べてはいるが、味だってまったく分からない。彼女のきれいな柔らかそうなピンク色の頬に心を奪われたままだ。
彼女が素麺に缶詰のミカンを入れる家庭の出身じゃなくて良かった、とぼんやり考えている。
【七夕】
地元の七夕祭り
初めて2人で待ち合わせ
ソワソワしながらキミを待つ
カラコロ下駄の音と共に
少しハニカミながら近づいてくるキミ
「可愛い」と言いたいのに
キミの姿が眩しすぎて
顔を見ることが出来なくなった
ぎこちなく手を繋いで出店を回る
キラキラしたキミの表情を直視できないから
チラチラとキミの姿を盗み見ては
友達に見せびらかしたい気持ちと
誰にも見せたくない気持ちが
ぐるぐるぐるぐるループする
短冊が置いてある場所に付き
お互いに願い事を書く
「恥ずかしいから見ないでね」
キミは言う
「来年も一緒に七夕祭りに来れますように」
口ではうまく言えないから
短冊に願う
それを見て少し驚いた顔をした後に
「同じこと書いてる」
嬉しそうに笑顔を見せるキミ
その笑顔に吸い込まれるように
キミから目を離せなくなる
思わす抱き締めたくなる衝動を抑えて
思わず「好きだ」と呟いたその顔は
キミの帯より赤かったかも知れない
七夕
年に一度しか逢えない人。
願いを下げた竹。
浴衣。
夜市。
子供の頃、夜市のある日は、
学校から帰ると、風呂に入らされ、
湯上がりに浴衣を着付けた。
肌に、浴衣の衣の当たる皮膚感覚。
着付ける部屋の西日の微妙な暑さ。
ふわふわとした赤や黄色の帯が嬉しくて。
夜市そのものの記憶より、
この時の思い出の方が何故か
心に残っている。
七夕の日
彦星と織姫は年に1度だけ会うことを許されている日
なのになんで、どうして、私はあの人と会えないの?
年に1度だけ会える日のはずなのに、
わたしはもう二度と会えない。
嘘つき。
テーマ:七夕 #236
七夕祭りに行くと
たくさんの短冊が笹に掛けられていた。
小さい頃、
織姫様と彦星様が会えますように。
そんな願いをしたのを思い出した。
あの時は可愛げがあったのに、
今では上司に怒られませんように。
とか
給料が上がりますように。
とか
今年こそは結婚とか……。
随分社会に飲み込まれてしまったなぁと思う。
笹が風に揺られ、
そよそよと音を立てる。
変わってしまった私を少し寂しげに撫でるように。
七夕の物語好き
───────「七夕」