『七夕』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
織姫と彦星は恥ずかしがり屋だから、逢瀬の時間を見せてくれないの。
でもそれは七夕の夜だけでいいのでは?
雷雨豪雨明日も明後日もだなんて、なんてはた迷惑な。
「最近の七夕って雨ばっかりじゃない? 織姫と彦星ったら、もう何年も会えてなくて寂しくないのかな?」
「どうだろう? 雨を利用して大雨にして、波ができた天の川をサーフィンして会いに行ってるかもよ」
「夢があるというか、ないというか……」
その羽衣は薄っすらとしていて全く彼女の肢体を守ることも隠すこともできないように見えた。風に飛ばされてきた織姫の洗いたての洗濯物は洗濯バサミの跡がくっきりとついていた。私はフンと鼻息を吐き左手の人差し指と親指で摘んだそれを宙に放り投げた。それはフワリフワリと私の方に戻ってくる。コノヤローと羽衣を蹴っ飛ばした。今度はそこそこ遠くに飛んでくれた。彼女と訣れて、何年、何十年?何百年?ん?
5億光年以上はたつか?人間世界では誰かに訣れさせられたラブラブカップルに思われている(失笑)
私が短冊に願いを書くなら「放っといてくれ」だ。
今日は7月7日。七夕である。
世の中の子供たちは、短冊に願い事を書いただろうか。忘れ去られつつあるこの日。私も忘れていた。そう簡単に願い事なんて叶うわけがない。今までそうだったから。だから、私はこの日を忘れていた。
ある日。私は、学校で短冊を書く機会があったため願い事を書こうとしたのだが、考えてみると何も思いつかなかった。どうせ叶うわけがないと、現実を見てしまう。子供のくせに、もう夢なんて見るもんじゃないと決めつけてしまっているのだ。なんてつまらない人間なのだろう。とりあえず、誰もがそう願うだろう「お金持ちになりたい」と書いた。他の子は、「アリエルに会いたい」など様々な願いがあった。幼稚すぎるのではと考えたほどだった。バカバカしいと思った。そもそも存在しないものに会うだなんて、夢のまた夢だ。
あぁ、私はなんてつまらない人間なのだろう。
たった一人の
きみに逢いたくて
やさしい声
幸せな笑顔
心癒す仕草
きみへの想いが
強く強く蘇る
7月7日
満天の星空へ
祈りを
逢えますように
<七夕>
願いをこめる短冊に
人々は思い思いの願いを書く
せっかくだから私も
「幸せでいたい」
って書いてみた。
別に今が不幸せなわけではないし
この幸せが続けばいいな〜っていう
ただそれだけ
そんな私の願いは
人々の願いに埋もれ笹へと括り付けられる
どうか
私の願いも忘れないでね
ボクの知る限りじゃあ、七夕は天候の悪い日でしかない。天の川が本当に架かって、ほうっと息をつくような美しさを見たこのなんか一度もない。どっかの写真集で見るようなあの感じ。あれは、本物の空なのだろうか。ボクが日本にいるからそう感じるだけなのか。一歩外の世界に出てみたら、何か違うのか。
そう思いながら、風の強い、雲行きの怪しい日に歩いていた。
どこから飛んできたのか、ビニール袋が目の前を通り過ぎていく。似たように持ち場を離れた迷いものたちが、吹かれては視界の端に消えて行った。
ちょうど駐輪場の横を通り過ぎようとした時だった。『元カノが幸せになりますように』
と書かれた紙がタイヤの部分に引っかかっているのを見つけた。黄色い短冊にちょっと不格好な文字。
「ほえー、今ドキこんなの書く純情なやつがいるんだな」
気になったから、手に取ってみた。よくよく見てみたら名前がしっかりフルネームで書いてある。
すごい、願いの真剣さが違う……。
当たり前だが、全く知らない人だった。これで知っている人だったら、恋愛漫画みたいな流れだったけど現実はそうもいかない。
そもそもその展開を望んでないけど。
一度拾った物をまた宙に離すのは忍びないので、結局持ち歩くことになった。ついでに短冊を飾る場所探しをすることにした。
そういえば、ボクはまだ願い事を書いてないな。
何にしよう。世界平和とかかな。
まず、書く場所ってあるのかな。中学校卒業以来、あんまり七夕を意識してこなかった。いつの間にか終わってしまって、ああ、そういえばそうだった、で完結する。なぜ七夕は、クリスマスほど盛り上がらないのか。
プレゼント渡しとかが無いからかな〜、と思ったけど実際どうだろ。
本来の目的地、商店街に着いた。
ここに来ると意外にも七夕で盛り上がっていることがわかる。小さな子供たちがわわわっと駆けてくる。
その子たちが元居たところには、たくさんの笹の葉が並んでいた。色とりどりの短冊と網目模様の折り紙、微かな太陽の光を捉えて輝く缶はその場を明るくしている。
あ、ここに飾らせてもらおう。
いろんな願いが密集している中、少しだけ空いている場所を見つけた。きっと背が届かなくてしょうがなく残ってしまったのだろう。
空がたとえ曇っていても、上の方ならきっと願いを天は叶えてくれる。
だから、拾った『元カノが幸せになりますように』という短冊をきゅっと結んだ。
それから、ボクの願い。
『ここに願われた思いが、天まで届きますように』
いい子ぶっていると昔のボクなら思う。
でも、今なら、ボクはこれをボクの願いとしたい。
七夕
まずは、織姫と彦星が今年も無事会えますように🎋
本当にこの二人がいたかどうかは置いといて、あのストーリーはとても羨ましいです。
私は恋人が出来ても五年二一度会えれば十分です…(多分言い過ぎ)
あんまり多くあっているとやることも話すことも無くなり早くに体の関係を求められてしまうのは怖いですし
まだ男性恐怖症が克服出来ていない私にとって毎日会うことや電話、会話をすることはとても苦痛です……
現実的に、せめて三ヶ月に一度会えれば十分です。
七夕に何をお願いしても叶ったことはありません
昔話ですから……
でも信じることが大切だと思うのでここでひとつお祈りをさせて下さい…
家族が健康でありますように。
欲を言うなら早めに死にたいです。
たとえ会えるのが一年に一度でも、牽牛と織女は両思いだからうらやましいっていうか
僕なんて片思いだから、いつか会えるんだかどうだか
相手は、多分僕のことなんか眼中にないんじゃないかな
君は?
片思いどころか好きな人もいないって?
家と会社を往復するだけの毎日か
それもさみしいね
じゃあさ、さみしい者同士、これから飲みに行く?
七夕
不意に覗いた貴方の願い事
『世界が平和になりますように』だって、
ハハッ感動しちゃうよ
じゃあ、君の願い事が叶うように私の紙は丸めて捨てとくね
どうか、君の願い事が叶いますように
#世界が滅亡しますように
#すんでる世界は同じなのに
七夕
もうそんな時期なんだね
すっごく早いね
時間ってのはすぐ流ていくんだ
もっとゆっくり進んでいいのにな
七夕かぁ
なにを願おう
そういえば今日は雨だな
二人は逢えるのだろうか
仕方ないし書いてやるか
“彦星と織姫が無事に逢えますように”
おやすみみんな
七夕
一年に1度だけ会える
彦星と織姫
だけど
雨が降ると会えないと
聞いた事がある
考えてみると
この時期は大抵 雨だ!と
思わず叫んだ僕の言葉に
空の上は 雨なんて関係ないから
きっと大丈夫だよと
彼女は笑いながら言った
もうすぐ
僕たちも遠距離になる
少し寂しそうにしてる彼女を
そっと抱き寄せて言った
君が寂しい時は
すぐに会いに行くよ
夜空に願った想い。
それは叶わない恋の話。
貴方に近づくことが出来なくとも、貴方の幸せを願って。
「好きな人が幸せに成ります様に。」
雲より高く、もっと高く掲げて天まで願う。
七夕。これは北海道と本州では日にちが違う。
何故だろう。
きっと本州の七夕で2人が逢って北海道の七夕で2人の思いが繋がるのだと私は思う。
そんな時揺れる笹の葉に書かれてた。
「2人が幸せになりますように。」
今から約12000年後。ベガが北極星になる。つまり、織姫を中心に世界が回る。そして、それを世界が認める。
そのとき、彦星は何を思うだろうか。世界の中心になった彼女に嫉妬する? 彼女が目移りしないか不安に駆られる? 彼女に簡単に触れられなくなったことを悲しむ?
……わからない。
#七夕
☆七夕ゼリーの作り方☆
―材料―
・ゼラチン 10g
・水 大さじ4
・サイダー 500ml
・晴天の青色 1滴
・煌めく星 2個
・星屑 適量
―作り方―
① ゼラチンを水と混ぜてふやかし、電子レンジで10秒程度
温めてゼラチンを溶かす
② 琺瑯の容器にサイダーと晴天の青色を入れて、そっと混
ぜる
③ ②に①を入れて、そっと混ぜる
④ ③を冷蔵庫に入れて冷やし固める
⑤ 固まったゼリーをフォークで軽く崩して、クラッシュゼ
リーにする
⑥ 器に⑤を入れて、煌めく星と星屑を入れて完成!
―備考―
※②③で混ぜる時、勢いよく混ぜると炭酸が抜けてしまう
ので、そっと混ぜてください。
※「晴天の青色」「煌めく星」「星屑」は、最寄りの宇宙
商店にてお買い求めください。
※深い青色にしたい場合は「宵の青色」がオススメです。
※星屑はアラザンでも代用できます。
―――銀河レシピより抜粋
#4【七夕】
やっぱり神様は意地悪だね
よりによって七夕の日に会わせてくれないなんてさ
『七夕』2023.07.07
成人してからよく行くようになった綺麗なお姉さんのいるクラブは、季節感を大事にしているらしかった。
だから今日もテーブルに着くなり短冊を渡されて、願い事を書くように勧められる。
彼のことをお願いするんでしょう、とすっかり顔なじみになった嬢にからかわれる。軽そうに見えて、実は勘の鋭いところがあるから全てお見通しだ。
最初に指摘されてから、口止めの意味もこめて彼女を指名している。だが彼女はプロ意識が高く、そういった事を言いふらすことはしなかったので、今は「嬢と客」というより「ヒミツを共有する友だち」といった関係だった。
彼との仲をもっと深めたい、のは事実である。しかし、こういった場で私情を出すことを彼は良しと思っていない。
彼と自分とでは立場が違いすぎるのだ。万が一、関係がバレてしまってこっちの立場が悪くなることを、彼は懸念している。それは、そういう仲になった時に言われたことだ。
そんな事を嬢に正直に伝えると彼女は、七夕の時ぐらいいいじゃない、と優しく言った。短冊には名前は書かなくていいから、と彼女にしてはしつこく押してくるので、しぶしぶペンを取った。
なんと書けばいいのやら。
悩みに悩んで書けた頃には、嬢は別のテーブルに呼ばれた。
そして代わりに伝票を持って彼がやってくる。
代金と共に書いた短冊を恐る恐る手渡すと、彼はありがとうございますとにこやかに笑った。
そして、
「お客様のお願いはきっと叶いますよ。この後、必ず」
と囁いて彼は笑顔を深めた。にこやかとは違うその笑顔。
やっぱり渡すんじゃなかった、と後悔した頃には彼は行ってしまった。
必ず、と強調されたからには、そうなるのだろう。
有言実行をするのが彼だから。
短冊は笹の葉に吊るされることなく、胸ポケットにしまわれた。
――一緒に七夕を過ごせますように。
中学の時の友達や先生に
久しぶりに会えますように。
#七夕
私は今日、初めて七夕というものを知りました。
また、七夕には薄い1枚の紙に、
願い事を書いて笹の葉,,だったでしょうか。
それもまた、折れそうなほど長細く、
とても貧相で弱々しくみえました。
しかし、幾つもの願いを掲げているそれは、暖かく大きく力強く、どこまでも高くそびえ立っていました。