『一年後』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
ー私の愛ー
私には認知症の祖母がいる
私を見て一番最初に出てくる名前は姉の名前
よほど姉に会いたいんだと思う
一番初めにできた孫だから思い出も多いのかな
いつも姉を連れて来れなくてごめんね
だからせめて
姉の名前で呼ばれた時は姉になり
本当の名前で呼ばれた時は本当の私になる
本当の姿じゃないとしても
祖母が姉に会えた気分になれば私は嬉しく思う
だから今日も私は姉になる
一年後
彼女の死からおおよそ一年後。
「あいかわらずセカイは変わらずだなぁ。」
そうぼやくのは私こと世界。このセカイの一人でもあり、
かんそくしゃ、きろくする者でもあるんだよ。
ずーっとずーっと昔からみんなのことみているんだ。
でもね。ふつうの人にはみえないんだ。私。なかまのみんなにもみえなくってさびしい。でもね。たまに夢の中でお話できるの!
その時はすっごくうれしいんだ。
「あっ、あの子だ。」
あの子と呼んだ子は彼女とずっと一緒に過ごしていてくれてた子なんだけれども.....。
彼女が死んじゃってからあの子はずっと大変だった。ずっと辛そうだった。
だから
「どうか幸せになりますように。」
あの子だけじゃなく、なかまのみんなも、みんなも死んじゃった子たちも.....。
みんなみんな幸せになりますように。
(一年後)
一年後。
君は暗闇の中で一人、瞼を開けます。狭くていた窮屈で、息苦しい。でも、とてもあたたかい、そんな場所です。
ほら、思いきって手を、足を、伸ばしてみましょう。あなたが思っていたよりも、とても柔らかい、薄い壁です。
——聞こえますか? 壁の外で、あなたの大切な人が、嬉しそうに笑っていますよ。
八年後。
あなたは小さな体にはとても見合わない、大きなランドセルを背負って、目をきらきらと輝かせているのでしょう。でも、少しだけ、不安に襲われる時があります。
大丈夫です。あなたはあなたが思っているよりも、賢くて、強い子です。あなたのその眼差しは、どんなに暗い、苦しい道も、明るく照らすことができます。
安心してください。どうしても辛くて、涙が溢れ出しそうな時には、私が必ず後ろにいます。恥ずかしがらずに、背中を預けてください。
でも、振り向いてはいけません。辛いこと、苦しいことから、目を背けてはいけません。大丈夫。その時はきっと、私も一緒です。
その大きなランドセルが、幸せな思い出でいっぱいになることを、心から願っています。
何年も、何年も、何年も経って、あなたは私の手が届かないところにまでいってしまうのでしょう。たくさんの、色とりどりの思い出を背負ったあなたの背中は、わたしの支えが要らなくなるくらい、大きく、たくましくなりました。
それとは裏腹に、私の体はあなたよりもずっと弱く、小さくなってしまいました。もう、あなたには追いつけない。それでも、離れたところからでも、あなたを応援して見せますから。
どうか、私があなたを置いていってしまうこと。お許しください。わがままですが、その時は、あなたの目からこぼれる涙よりも、傷ついた心が癒やされ、あたたかく包まれるような笑顔が見たいです。
いつかあなたが私と同じように、永遠に歩みを止める時。あなたの周りが幸せで溢れていますように。
最後の、お願いです。
一年後。
あなたの、儚げで可愛らしい、それでいて、元気いっぱいな産声を。
私の腕の中で、聞かせてください。
一年後
どうなっているか、
お楽しみ。
それまでがんばらないと。
22 一年後
一年後にはマイナス10キロ!と思っていたのに、今日という日を迎えたらプラス4キロでした。結婚式までに痩せられなくてごめんね。と控え室で夫になる人に謝ったら、彼も五キロ太っていました。二人のふたつめの共同作業はダイエットです。ということで今日まで支えてくれた皆さん、ご列席ありがとう。そちらの応援もよろしくお願いします。
ご飯のおかわりは一回まで。自ら作ったルールを破った昨日の自分を恨む。
給与日前の夕飯の時間、冷蔵庫の中身は空で財布の中身は30円。国民的安価のお菓子がギリギリ変える値段だが空腹の自分にコンビニもスーパーにも行く気力はなく詰みの状態。
「なんかなかったっけ…」
ソースとマヨネーズしか入ってない冷蔵部分を無視して冷凍室を漁る。ワンチャン冷凍ご飯とかないだろうか。
「!」
指先に何か硬いものがぶつかる。期待を込めて引っ張り出すとそれは肉の塊だった。気分が一気に高揚する。しかし、ある重大な事実に気がついてしまった。
これいつ購入した肉だ?
恐る恐る白くボヤける値札シールを指でなぞる。記載されている期日は今から一年前だった。しかも賞味期限ではなく消費期限。
「………」
警告を鳴らす脳内の一方で腹の虫が限界を訴える。目の前に現れたご馳走を前に人間の理性など無力に等しい。
冷凍していたから大丈夫では?
高温で焼けば問題ないのでは?
というか霜が降りているし実質これは霜降り肉では?!
頭の中にこの肉が食べれる理屈を並べ立て、氷ついた肉を電子レンジで解凍してコンロで一気に強火で焼き上げる。おかしい、お酢を入れてないはずなのに酸っぱいニオイがする。お肉に最初から調味料がついてたのかな。そうだろうな!
「いただきます!」
こんがりと焼けた肉塊に両手を合わせる。思い切り噛み付いた。
「意識大丈夫ですかー?点滴打ちますねー」
「あ、はい」
真っ白な天井、真っ白なベッド、真っ白なナースさん。見事なる予定調和。
みんな消費期限は守ろうね。
( 一年後に何かが起こります。)
こう言ったら人は何を考えるだろうか。
何も起きて欲しくない人は満たされてる人。
何かが起きて欲しい人は今に満足できてない人。
私はいつだって後者だ。
いつも何かが起きて欲しいと願ってる。
それを答えは分かってる友達に聞いた。
( くだらない。 )
この友達はいつもそうだ。
満たされてないくせに何かに希望を持とうとしない。
あいつは俺を子供に思ってるだろうな。
そう思うといつも自分が嫌になる。
一年後
将来の夢が無くなった…
交通事故に合った。足が動く事はもう無いと言われた。
兄がやっていた陸上その試合を始めて見たとき私もああなりたいあんなふうに走ってみたい始めて見えたやりたい事。家族は言う陸上を続けなくてもいい、他にも出来ることがあるよと励ましてくれているのは誰が見てもわかる。でも、私はどうしても立ち直れなかった。
私の将来が見えなくなっていた。
少しして学校に行けるようになった。足は不自由で大変だができないことは友達にみんなに助けてもらえた。
恵まれた環境が私を更に苦しめる。
もう、死にた…ポロロン
ピアノの音が聞こえてきた。私は音のなる方へ近づいていった。勢いよく扉を開けた。そこには一人の男の子がいた。「君がピアノ弾いてたの?」「…はい」分かりきった事を聞いたので男の子は少し困惑しながら返事をした。少しの沈黙が続いた「…少し弾いてみますか?」彼がそう言った。私はピアノの前に来た。ポロンピアノを始めて弾いた。一音一音ゆっくりと鳴らしていく。ただ音を鳴らしているだけそれなのに私は見えなかったはずの一年後がうっすらと見えてきていた。
1年。
365日。
8760時間。
525600分。
3136000秒。
途方もない時間のように思えるけれど、季節は目まぐるしくあっという間に巡る。
立ち止まってしまいたくなる。
がむしゃらに前に進みたくなる。
何もしたくない気持ちと、何かをしたい気持ちはいつだってころころと入れ替わる。
1年後の私はきっとこんな悩みを抱えてきたことを覚えてないけど、1年後の私はきっと同じことで悩んでる。
くるくるくるくる目まぐるしく。
ぐるぐるぐるぐる同じことを考えてる。
ただ一つ望むのは、1年後の自分がこんなくだらないことを悩んでぐるぐるしていられるくらい、平和で、健康で、それがあたりまえでありますようになんて、そんなことくらい。
そんな当たり前なことだけを、望んでる。
何事もなくいつも通りに
生きているだろうか
何か大きな出来事があって
生き方が変わっているだろうか
今の私にはそれを知る術がないけれど
想像だけしてみるのも悪くない
*一年後
ただの忠告/お題「一年後」
「一年後の私がどうなってるのか教えてくれ! いや、教えてください!」
爺さんくらいの年齢の男が、おふくろに頭を下げてるのを見たことがある。
まぁアレだ、例の与太話。おふくろが未来予知ができるとか、子供(オレだ)を産んでできなくなったとか、それは嘘でまだできるとか、それ系のやつ。
令和の時代に何言ってんだと呆れるが、溺れる者は藁にも縋るって言うし、どんな藁でも弱ってる奴は縋りたくなるんだろう。感心するのは、そもそも一部でしか知られてない、しかも一番流行ったのが十年以上前(オレが生まれた頃くらい?)の、古びた噂話なんて拾ってきたことだ。
感心してたのはオレだけで、おふくろはと言えばそんなんじゃ詐欺に遭うと説教し、誰から噂を聞いたのか聞き出し、ついでに弱ってるなら病院に行けとしめくくって追い出した。
「ごはんだよ」
と、何事もなかったかのように言うから、一応訊いてみた。
「あの爺さん、あれでいいの?」
「知り合いの親戚だからって、あれ以上面倒見てられないね」
それはそうもしれないが。
「あの爺さん、一年後には」
死んでそう、とオレが言う前におふくろが言った。
「だから病院に行けって言ったんだよ」
「あー……」
なるほど。知り合いの親戚くらいなら、そのくらいの忠告がギリギリだ。
ごはんだよ、とおふくろがもう一度言って、その話題はそれきりになった。
1年、という月日にどれだけの重みと価値があるのだろうか。残念ながら自分には、1日1日が軽すぎて1年など人生の1mm程度にしか感じたことがない。だがしかし、自分の周りの人間は、一年間で計り知れない苦労をし、努力を重ね、以前よりもいくらかやつれた姿で「大人になった」と喜んでいるのだ。社会不適合者の自分は、あまりにも解りたくないが、この現代社会を生き抜くには「金」が必要らしい。それも自分で稼がなくてはならないようだ。人間の生まれてきたその意味を純粋に問うてみたくなる。働いて生活を養うだなんて本来の人間らしさとかけ離れていると思わないか??と、言っては見たが、自分は原始的な力仕事がとてつもなく嫌いである。泥や土にまみれて畑仕事を行っているありがたい神様の遣いの方々には、本当に心からありがとうと言いたい。貴方のおかげで生きています。
世の中には、なくてはならない仕事がある。それこそ、農家のような食物を作る仕事。はたまた、医者のように人間の命を繋ぎ止める仕事。このふたつがあれば生きていけると思うのだが。と思っていた自分は、資本主義社会をあまりにも理解出来ていないチープな人間である。
そんな難しいこと言わないでさ、
一年後もみんなと一緒に居たいなあとか
そんなのでいいって思ったんだ
〜一年後〜
『初恋』
初恋を 教えてくれた あなたから
旅立ちの日に 餞別の花
-
思いだけ 重ねて描いた 3年に
勇気を足して 君に届ける
-
実らない 恋があるのは 知っていた
涙を夕日 に溶かして、行く
『一年後』
『一年後』 つぶやいた君 の凛々しさ
また春がきて やっと会えるね
-
ハイハイが はるか昔の 出来事で
これから先も はるか遠くへ
-
変わらない 日々を送って 一回忌
居ないあなたに ただ会いたいわ
#一年後
一年後の今ごろ、
成人なんだよね。
大人になるって
どう言うことだろうね?
わたしのなにかが
変わるのかな?
変わるとしたら何だろう?
答え合わせとか出来るのかな?
#一年後
また新しい春がやって来ました。
きみが私の目の前からいなくなって、十年目の春です。
この時期に思うことは変わりません。
またプロポーズをしたら、君はイエスと言ってくれますか。
ただ、それだけです。
一年後、おまえはなりたいものになっている
何者かになっている
おまえが行きたくて仕方のなかった
その場所まで おまえは自分の足で
行くことができるんだよ
おまえよ
おまえの望むものはなんだ
なりたいものはなんだ
答えろ
おまえよ
答えてみろ
今日おまえが 生まれ変わるために
『1年後、僕らは何してるんだろうね。』
綺麗な笑顔を浮かべて君はそう言った。
なんて僕は答えたんだっけ。……確か、
-今と変わらず、2人で楽しくやってるんじゃないかな
そう答えた気がする。それに対して君は…
『そっかぁ、僕はね色んな子とこうやって
仲良くなれてたら良いなって思ってる!』
そう言ってたな。でもさ、、
-全然違うじゃん。僕らに仲のいい"親友"みたいな友達は
出来なかったし何より、、
ここに居るのは僕一人じゃないか、、
あの日の会話の時、既に君の身体は病に蝕まれていた。
だからあの時彼が言ったことは
絶対に叶う事ない夢に過ぎない。
叶うはず無かったんだ。
なのにどうして、どうして君は、
僕の頭の中でそんなに綺麗に笑って"ユメ"を語るの…?
-1年後の僕らは離れ離れになっちゃったよ。
君は夜空に浮かぶ鮮やかな星に、
僕は"君"という夢に取り憑かれて、囚われてしまったよ。
お願いだから、これが最後でいいから。
あの日みたいに僕の隣で笑って、手を繋いで、
君の存在を感じさせて……
一年後
高校に入学して一ヶ月くらい。
入学式の直後に連続で休んだ。
ただ、なんとなく。
漠然と恐怖が募った。
体調不良を理由にして休んだ。
程なくして、親に
出席日数が足りなくなる。
と叱られた。
本当に体調を崩して休むこともあった。
ただ、怖かった。
眠れなくなった。
固形物が喉を通りにくくなった。
これから
ちゃんと進学できるか
とても不安だ。
”拝啓 1年後の貴方へ”
そう書き出した、雨の日。
雨だけれど、陽が雲の隙間から病室へ、カーテンを通り抜けて入ってくる、そんな日。
ぽつぽつという小さな音を聞きながら、書き出した、雨の日。
…このあと、何を書いたら良いかしら。
ペンを詰まらせ、一生懸命に貴方を考える。何から伝えておけば良いのか。どういう風に書いたら良いのか。ペンを一度諦め、カーテンの隙間から外を覗いてみた。さっきの光は雨雲にはばまれていた。
ちょっと座ってみよう、と思って、腰をゆっくり立てる。今はスムーズかもしれないけれど、1年後にはもう、座れなくなるだろう。
医師の話いわく、二年も保たないのだから。
そんなことを考えて、ふとワードを思いついたから、急いでベッド上の机に戻る。
”私が居なくなっても ◯◦º”
雨漏りはしていないはずなのだけれど。
冷たい水が3粒、遺言書に降りかかった。
お題
1年後 より