『ブランコ』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
深夜の誰もいない公園に行くのが好きだ
ブランコを漕いでいると
何だか今だけ世界の中心にいるような気がする
自販機の明りを横目に地面を蹴って
「僕は自由だ」
小さく呟いてみる
キー、と鳴る金属音すら今は心地いい
また明日も一日をやり過ごしてここに来よう
#4「 ブランコ 」
ブランコ
アニメ「ハイジ」のオープニングのブランコ
いいなーっていくつになっても憧れる
実は家族水入らずの最後の旅行中にね
偶然オーストリアで出会ったのよ
山間のハイジブランコに
童心にかえってはしゃぐ20歳過ぎのうちの子達
笑い声がこだまする
母さんものってみたら?
谷へのダイブ感すごいよー
外国だし誰も気にしてないわよねー
じゃあ行くよ そーれっ
あっという間に体が鞦韆と一体化して
グングン上がる 丸ごと委ねる快感に浸る
目の前に広がるのはアルプスの緑の谷と空
アハハスゴイ景色
まるでハイジの世界へのジャンプ台だ
♪ヨーレローレロヒホー
ヨヒドゥディ ヤホホー
ヨーレローレロヒホヤ
ラヒドゥディ ヨー♪
無邪気な笑い声と陽気なヨーデル擬の大合唱
愉快愉快…
こんな弾む思い出があって幸せよ私
—晴れの方角—
「『靴飛ばし』しようよ」と彼女が言った。
「いいよ」
それは、ブランコに乗ってどちらが遠くまで靴を飛ばせるか、というゲームだ。
昔、俺たちが大好きな遊びだった。
「じゃあ、まずは私からね」
彼女は大きく勢いをつけて、ブランコを漕ぎ始める。あっという間に、それが描く弧は大きくなった。
「えいっ」
オレンジ色のサンダルが遠くまで飛んでいった。彼女は片足でそれを追いかけた。
「次、あなたの番よ」
彼女は振り返り、こっちを見て言った。
「うん」
俺も負けないように、力を入れて漕いだ。
風を正面から強く浴びて気持ちいい。
この公園まで足を運んできた『嫌な理由』も忘れられるようだった。
「とりゃあ」
「すごっ!」
黒い革靴が宙を舞った。
彼女のよりも、自分が子供の時よりも、ずっと遠い場所に着地した。
「私の負けかぁ。やっぱり強いなぁ」
俺はしばらくブランコに揺れていた。
懐かしい思い出に、胸が温かくなっていた。
「俺さ……」と呟いた。
「うん」
「『新しい場所』で頑張ってみようかな」
「それがいいよ」彼女は静かな声で言った。
俺は片足で立ち上がり、よれたスーツを着直した。靴の方までジャンプしながら進んだ。
「でも、また辛くなったら戻ってきなよ」
「わかった」
革靴の向きは『晴れ』だった。
俺は、足を入れて靴紐をきつく結んだ。
お題:ブランコ
ブランコ
行ったり来たり
よろこんで
おちこんで
どちらももたのしんでる
どちらも同じ
いいわるいもない
等しく尊い
空、地面、その間
動く風景に夢中
変わる風の感覚をかんじて
明け放す足、鎖をつかむ手の感覚をたのしんで
そういう体験がしたくて
ここに来ただけ
それすらたのしんでる
大きなわたしがいるだけ
大好きな人が居なくなった。
もう二度と会えないんだ、
分かってはいたのにな。
認めたくなかった。
「私を置いて行かないって約束したじゃん」
「ねえ、貴女はどこにいるの?」
ブランコに揺られながら一人で呟く。
幸い、夜に近い為か人通りが少なく、誰かに聞かれる事気にしなくても大丈夫そうなのが救いだ。
「私も終わりにしよーかな」
ギーっとブランコが揺れる。
「約束破っちゃうね」
ギ、ギー、と不定期になるブランコ。
貴女と約束したけど、その貴女はもう二度と逢えない。
ぶわっと風がブランコの背中を押す。
ふわふわしてて何処か心地よい。
貴女と二人で漕いだ時を思い出すなあ…
「ふふ、冗談だよ。まだ明日も見るからまたね」
『ブランコ』
ぎい、と音を立てた。私とあなた、ブランコに2人。
どうぞ、と手渡されたのは、缶ビール。
「悩み聞くよ」
それは、あなたに好きな人がいると知ったとき。うっかりしてしまって、失恋したと言ってしまった。そうしたら、あなたは当たり前のように私を連れ出してくれた。だから私は、あなたが好きだ。いや──好きだった。
「わたしね、わたしね、ずっと好きだったんだよ」
そうだね、と微笑む声。知らないくせに。もう駄目なのに、まだあなたに縋り付くしかない哀れな私を、嘲笑くらいしてくれたらいいのに。
不意にあなたは、ブランコを漕ぎ始めた。
「俺もね、本当は失恋した」
首を傾げると、
「好きな人に、そんな好きな人がいるの、知らなかった」
大きな優しい両の手、小さく可愛い背中。
互いの顔は見えないけれど、笑顔。
ただ揺れるだけのブランコは、笑顔と幸せ、そして色褪せない思い出を届けてくれる。
ブランコ
高くこぐと、きりん公園は少しかたむいて、
ぼくをつつむ風だけが、つよくかわる。
それがおもしろくて、また足をのばす。
よくゆれるから、きょうも左から三ばん目がいい。
だれに話しかけてみても、へんじはない。
でも、あの子とは きのう、目があった。
さいきんは、
じぶんがいるかどうかは、もう気にしてない。
太陽がのぼってくる。
ぼくのかげは、うすくなる。
もっと明るくなると、
あの猫が来るから、少したいくつじゃなくなる。
地面に足がとどきそうになるたび、
すこしだけ、せかいのほうが とおざかる。
右のくつをとばしたら、
遠くまでとんで、
かた足でケンケンして こけたけど、
いたくなかった。
くつの向きは、晴れのほうへ ころがった。
題 ブランコ
〈ブランコ〉
ゆらりと揺れる
子どもたちが吸い寄せられる、不思議な磁場をもつ
彼らの心をやわらかくつかむ、やさしい魔物
ブランコ
風の手に
そっと背中を押されて
空へゆらりと浮かび上がる
地面と空のあいだを
行ったり来たりするたびに
胸の奥の小さな不安が
ひとつずつほどけていく
遠ざかる景色は
昨日の悩みのように淡く
近づく空は
まだ知らない未来の色をしている
足を伸ばせば
もう少しだけ高く
もう少しだけ自由に
世界が揺れて見える
降りるとき
ほんの少し名残惜しいのは
あの一瞬だけ
自分が風になれた気がするから
眞白あげは
ブランコ
あなたを待っている
あの日過ごした時間から
いつになっても変わらずに
前に後ろに揺れながら
孤独の夜でも眠らずに
ずっとあなたを待っている
あの日
輝くあなたの笑顔
決して忘れることはなく
ずっとあなたを待っている
ブランコ、塾の帰りにあのテリトリーが私の遊び場だった。
ブランコそのものでの浮遊感は勿論のこと、ブランコ周囲の柵の上を歩く、ということもした。
飽きることもなくブラブラ、ブラブラ。
そのまま時が止まっていれば幸せだったかもしれない。
あ ここ、前はデパートだった
い そうね
あ 変わったわね
い そうね…ちょっと!順番んこでしょ!
あ ふふふ
い ?
あ 親だわ
い ま
あ 変わったね
い 変わったわ
『ブランコ』
【ブランコ】
寂れた公園
金属が擦れる音が響く
僕は下を向いて前後に揺れる地面をじっと見つめている
隣では少女が上を向きながら、これでもかとブランコを漕いでいる
少女は息を切らしながら言った
あたしね、あなたのことを大切に思ってるの
不幸になってほしくない
何でもしてあげたいの
少女はさらに勢いをつけると、ブランコを飛び降りた
ゆるく弧を描いて少女は着地を決める
さっ、帰ろうか。
…うん。
帰りにコロッケかってあげる。好きでしょ?
旅路の果てに
あの日から
周りを気にせずに黙々と
がむしゃらに働き続けた
暑かろうが寒かろうが。
寂しくて悲しくて。
色褪せた心が
凍ってた心が
やっと見え始めたかも。
旅路の果てに
やっとあなたの写真を見る事ができた。
あの頃は、大きく漕げば空まで届くと思っていた。
「ブランコ」
心がブランコのように揺れている。
前に進もうとすると後ろに戻ろうとする。
誰が後ろか前に立って止めたら良いのに
ブランコのきしむ弧を描く行き戻り君と僕との距離に似ている
(ブランコ)
小さい公園に置かれた二つのブランコ。
小さい頃はどこまで高く漕げるか試したり、立って漕いだりして、空を目指していた。
すごく楽しい遊具なのに、今ではボロボロで錆びついてしまい、使用禁止になっている。
新しくするってなると、やはり金が掛かるから無理なのだろうか?
今の子供達にも、小さい頃の俺と同じ気持ちになってほしいのに。
まぁ、公園自体が少なくなっているから、これも時代の流れかもしれない。
とはいっても、このまま何もしないのも歯痒いな。
俺はダメ元で、市にブランコ修理と子供達の遊び場を増やすよう要望を出すことにした。
上の子が2歳くらい
2DKの部屋のひとつに
室内用の
ブランコを置いた
とても狭い
銀色の丸い脚
その横に
枕を置いて眠る
狭いが
私達は気にしなかった
夕方 子供は
アニメ番組を見ながら
ブランコをこぐ
ブランコはキシキシ鳴って
子は揺れを楽しむ