ブランコ』の作文集

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ブランコ』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど

2/1/2024, 10:21:44 PM

ブランコ

 挨拶にも応じない。自分の名前も住所も答えない。貝のように口を閉ざす。完全黙秘の容疑者。

 もし僕が名刑事だったら。

 固いパイプ椅子じゃなくて、公園のブランコに座らせよう。

 最初は地面に足を着けて、じっと座っているだけかもしれない。でもきっとそのうち、膝を伸ばしたり戻したりをし始めるはずだ。だってブランコに座っているんだから。

 次の日には、ちょっとだけ鎖を短くしちゃおう。足が地面にくっついているより、ちょっと離れそうなくらいのほうが、ゆらゆらしたい気持ちになりやすいはず。

 その次の日には、僕も隣のブランコに座っちゃおう。本気を出せば、高くまで漕げるけど、そこまでは必要ない。のんびり、リラックス。ゆらゆら、ゆらゆら。きっと容疑者もつられてゆらゆら、ゆらゆら。

 その次の次の日くらいには、岩のように固まった体が、足元からゆらゆら、ゆらゆら、ほぐれてく。コンクリートでできていた口元も、プリンのようにゆらゆら、ゆらゆら、柔らかくなっているはず。

 その次の次の次の日くらいになったら、沈む夕日を並んで見ながら、刑事さん、自分がやりました、ってなるはず。よし。

 
 身心一如。心と体は表裏一体。心が揺れづらいなら、体から揺らそう。悪者は絶対許さないぞ。

2/1/2024, 10:15:32 PM

『ブランコ』

「もっと高く、もっと高く!」
空に向かって、大きく突き上げた右足。後退する感覚と前進するブランコのバランスに日常の普遍性を感じる。空は果てしなく遠くにあるのだと薄々感じながらも、あのスカイブルーの青を、この足で蹴り上げたい衝動に駆られる。ブランコは、日常から抜け出したい少女のとっておきの遊び相手だ。
「キーンコーン‥」
今日も空は掴めなかったけれども、『あした』の空が見えた気がした。

2/1/2024, 10:07:50 PM

ブランコはいつになっても楽しいよね

【ブランコ】kogi

2/1/2024, 10:03:35 PM

『ブランコをこいで』

学校に行くのが嫌になった時はいつも公園に行く。学校への通学路から脇道に逸れて離れた所にある公園に行く。高校生くらいの子供が制服を着たまま平日に公園にいるという異様な光景がたびたび目撃されるのはそのためだ。
今日も学校に行きたくなくなり通学の途中で公園へとかじを切る。学校には遅刻の連絡をいれる。いつも僕はブランコをこいで時間を潰す。無心でただひたすら足を曲げ伸ばししていると段々と力が加わり、僕は前に後ろに揺れていく。そうやっていると、
「先客か?」
というような声が聞こえてきた。僕は思わずブランコを止め声のしてきた方を見る。するとそこには同じクラスの友達が立っていた。
「さぼり?」
と気になり聞いたが、もう一限がはじまっている時間だから当然そうだろう。
「まあ、そうなるか」
というふうな曖昧な答えを返すと、そのクラスメートは僕の隣のブランコに乗ってきた。暫くの沈黙の末、
「なんか一限遅刻しそうで途中で行くのもなって思って」
と話し出してきた。
「どうせならサボっちゃおっかなって」
サボる理由なんてそんなものでしかないだろう。特に話を続けることもできず、また沈黙が場を支配する。
「君はどうしたの?」
と沈黙が嫌なのかまた話しかけてきた。僕は思わず
「君と同じ感じだよ」
と答えてしまう。なぜ学校に行きたくなくなるのかは僕にもわからない。それにこんな事説明してもなんにもならないことは僕にもわかっている。
「ふーんそうか」
そのクラスメートは興味なさそうにそう返事すると、
「ブランコって最近あまりやらないな」
と言いながらブランコをこぎ始めた。僕もそれに追随してブランコをまたこぎ始める。普段関わりのないそのクラスメートとその時だけはなにか繋がりができたような気がした。
しばらくするとそのクラスメートがブランコをこぐのを止めてこう言い出した。
「そろそろ一限終わる時間だし学校行ってくるけど君も行くのか?」
と。今日はまだ行く気が起きないけどここで行かないというのもおかしいかなとか考えてしまい、
「うん」
と肯定の返事をしてしまう。
僕とそのクラスメートはブランコをおり学校に向かって歩き出した。
それは僕の小さな思い出。

2/1/2024, 9:51:48 PM

ねぇ、皆さん聞いて。

俺、不安障害なんです。
全部悪い方に考えるんです。
例えばね
道路に白線ってあるでしょ。
友達と2人で歩いてて
友達は白線の中にいて、俺は白線の外にいるっていう状況になったりすると、違う世界を想像するんです。
なんて言ったらいいかな、
難しいんだけど。
友達がいる白線の中は
幸せな未来がしっかりあって、ちゃんと長生きできる世界
俺がいる白線の外は
なにか不幸なことが起こって、うまくいかない世界
みたいな。
そんなことないんだけどね。
自分に人と違うところが少しでもあると不安になるんです。
俺、中学生の時
4人で行動してたんです。
グループって言ったらいいのかな
クラスは2クラスあって
先生、3と1にわけたんだよね。
そしたらね
3人は俺がいなくても
話すことができるし
普通に笑うことだってできてるし
当たり前のことなんだけど
俺って、いなくてもいいんだなって。
みんなは絶対そんなこと思ってないってちゃんと分かってたよ。
頭では分かるんだけど
なんか、
なんか悪い方に考えて
勝手に落ち込んで
全部、自分のせいなんだけどね。
少し考えはじめると
すぐ息苦しくなって
頭も痛くなって治んないし
酷いときは手の震えとめまいも起こるんです
俺、これがストレスからきてるものだって思ってるんだけど、もしかしたら病気なのかもしれないとか
少し体に異変が出ると
そこからまた考えて
病気なんじゃないかって、死ぬんじゃないかって。
不安になるんです。
ループから抜け出せないんだよね
俺最近、相談してみたんです。
高校の先生に
個別面談で。
全部は話してないけど
「自分の考え方がめんどくさくて嫌になります」って。

みんな言うんだよ。
「考え方は変えようと思えば変えられるんだよ」
「違うことを想像してみればいいじゃん」って。
できないんだよね。
やる気がないだけだって、みんな思うんでしょ。
先生にも言われたんです。
「変える気がないだけだ」
俺だって、
良いこと考えようって必死なんです。
努力してるんだよ。
だけど
良いこと考えようとしても、悪いことのほうが強く頭に浮かんで
良いことが
かき消されるんです。
消えるんです。
分かってもらえなくていいです。
理解してもらえなくていいよ。
でも
なんか悲しくなってきて
同じだよって思ってくれる人に会いたかったんです。
お題無視してごめんなさい。
ただちょっと
誰かに言いたかったから

2/1/2024, 9:49:03 PM

【ブランコ】

 ギコギコと音を立てて君がブランコが揺らす。幼い頃はいつも、競い合うようにブランコを漕いでいたっけ。大人になってからはもう、随分と長いこと乗っていなかったけれど。
「それ、大人の体重支えられるの?」
「さあ? でも壊れてないし大丈夫なんじゃない?」
 僕と問いかけに君はあっけらかんと応じる。それでも僕は君の隣のブランコに腰掛けられない。ポールに背を預けて、大人ぶった顔で君のことを見守るだけだ。
 取り繕うことばかりを覚えてしまった僕は、もう無邪気に君の隣にはいられない。夢を追ってこの町を飛び出していく君の背中を追いかけていけるほど、無鉄砲な子供ではいられなくなってしまった。
「じゃあ、気をつけてね」
「うん、行ってきます!」
 軽やかに笑って、君はブランコから飛び降りた。キラキラと輝く君へと重たい手を振る。無人になったブランコが、君の名残を残してあてもなく揺れていた。

2/1/2024, 9:09:50 PM

ブランコ

子供の頃から何度も同じような夢を見た
最近はあまりに見ていないけれど

公園のような場所で心地よい揺れを感じながらブランコを漕ぐ
最初は楽しく乗っているのだけれど、少しずつスピードが上がってくる
心地よさを超え不安がどんどん増す

更に揺れはどんどん早くなり、ブランコが支柱からちぎれて飛んでいってしまいそうな勢いに不安でいっぱいになる
降りることも止めることもできずなんとか乗っていることしかできない

でも次の瞬間、手が離れ体がふわりと宙に投げ出される
放物線を描き体が地面に着地するけど、夢だから痛みは感じない
けれどブランコの揺れは止まっていない
揺り戻されるブランコが眼の前に迫ってくる
避けようもなく、ああもうこのままぶつかってしまうのか…
と思った瞬間に目覚めるというお決まりのパターン

ブランコの形は夢を見る時により様々に変わるけれど、概ね流れは毎回同じ

このような夢の意味とは一体?

2/1/2024, 9:01:46 PM

夕暮れ時
  誰もいない公園で

  ブランコ漕いで

  ゆーらり ゆーらり
  ゆーらゆら


  漕ぎながら
  流した涙のことは
  誰にもナイショ


  一番星に
  かけた願いも
  誰にもナイショ


  ブランコだけが知る
  わたしの
  小さな秘密





           # ブランコ

2/1/2024, 8:46:59 PM

この時期のコントラストが1番好き。

雷雲がくっきりして見える青い空。

蝉が一生懸命鳴いている。
ひまわりが、太陽に向かって顔を上げている。

プールバッグを持って市営プールにかけ出す子供たち、
ソーダアイスを食べながら歩いている高校生。

私たちは団地にある公園のブランコを漕いでいたー。

2/1/2024, 8:38:20 PM

みんなとじょうずに遊びなさい、って。
わたし、じょうずがわからない。
帰りましょのチャイムがなったら、ブランコにのれる。
じょうずにのれたよ。

4組の女の子がだまって、となりのブランコにのった。
クツ、色ちがいだね、っていったら笑ってた。

2/1/2024, 8:33:11 PM

ブランコ。

ブランコに
2人で乗りたい。

靴投げして
はしゃぎたい。

夢でも 
良いから逢いたい。

2/1/2024, 7:36:25 PM

ちょっとぶらぶら揺れつつ、
漕ぐのを止めて地面を見つめ、考え事をする社会人。
そんな描写をドラマでたまに目にする。

子供時代に楽しく遊んだ遊具、
大人になった元子供達の居場所にもなるって、
素敵

お題『ブランコ』

2/1/2024, 7:06:25 PM

楽しい事があった時には

 立ち乗りをしてゆらゆら


 悲しい事があった時には

 地面に足を付けゆらゆら


 辛い事があった時には

 地面を思い切り蹴ってゆらゆら

2/1/2024, 6:40:02 PM

ゆらゆら揺れる

あの月に手を伸ばして

届かないとわかっているけど

少しでも高く

地面から遠ざかる

ブランコに乗って

あの月へ

2/1/2024, 6:39:11 PM

さびきった鎖と汚れた木の板の歴史は今後も続く__


"ブランコ"

2/1/2024, 5:16:54 PM

ブランコ

キィキィ音をたてながら
前後に揺れる
メトロノームのように一定のリズムを刻んで

風があたって
まるで飛んでいるよう

2/1/2024, 5:05:40 PM

「高く漕いだ方が勝ちだ」
「いくぞ!」
低いとこらから高いところへ
ねじり曲がって絡まって
いろんな方向へ行った
まるで一つの紙飛行機のように
大空へと飛びだった
その対象が彼だった

彼の死因は不明だ
だからこそ、ここ最近ではこのブランコは
「呪いのブランコ」と呼ばれている
いわゆる学校の七不思議みたいな感じだ
乗ったものは3日以内に病死か自殺らしい
これを考えた人の想像力はすごいなと私自身も正直飽き飽きとしている
でもただ彼と私には大切な思い出がある
誰にでも壊すことのできない大切な思い出が
私はそっとブランコに手を添えた
「寺塚さん!!触っちゃ危険よ❗」
三つ編みメガネの生徒会長が言った
「大丈夫だよー、彼が望んでいるのは私だから」
「きっとこれでもう終わる」

ブランコを漕ぎながら
昔彼はこう言った
「僕もブランコみたいになりたい」
「大空を飛んでみたい」
彼の目は水平線のように美しかった
「そっか、なれるよ❗」
「きっと」
彼とは昔から長い長い付き合いだった
保育園、幼稚園、小学校、中学校に続いて
だけどある日ブランコに乗っている途中彼に背中を押された
今まで何の落ち度も無かったはずだ、恨まれるような行動も言動も
その場で擦りむいた私は彼を見た
皮肉そうに笑って
「死ねばいいのに」と、ただ一言限りで去っていった
それからが始まりだった
叩くにも蹴るにも当然当たり前
それは彼にとって日常茶飯事だったのかもしれない
彼にはもう罪悪感も純粋な目も心も気持ちも一つのこらず全て消えてしまったのだ

その頃には彼の両親も離婚の最中だったため、彼にも色々あったのだろう

例えその行いが悪いと思っていても
それすら彼には癒しに見えたのかもしれない

彼は一人になってブランコに乗っていた
「死にたいと」独り言を言っていた

サプライズといって屋上に呼び出し
嘘をついた
「屋上って高けーなー」
彼は舌なめずりをした
「なぁ、人もいないしやろうぜ」
彼は後ろを振り向く
「ねぇ、知ってる?ブランコって一度漕いだらなかなか止まらないんだよ?」
私はそっと背中を押した
「今まで辛かった、だけどもう大丈夫」
「今からラクにしてあげるから」
「何言って」「あっ」
彼は日が沈む最中ゆっくりと遠ざかっていった
「良かったね、夢がかなって、、、さよなら」

その音は激しい衝動音ではなく、花火のように聞こえた

私はきっと呪われる
今日も明日も明後日も

2/1/2024, 4:53:18 PM

『ぶら下がり式』
ブランコの鎖が錆びている 蟻が落下する 地面が割れて時間ができる 人々もそこに落下する ぶら下がって飛び降りて ある人は創作のために またある人は自身の価値のため ぶら下がって飛び降りて

2/1/2024, 4:51:59 PM

だいたいどこの公園にもあって

誰かが乗ってくれないと寂しそう。

でもなんでかひとりぼっちじゃないよね

ほとんどが相方と対になっていて

次のお客を静かーに待ってるね。

2/1/2024, 4:50:21 PM

【ブランコ】

友人と公園にあったブランコで、二人乗りをして遊んだっけ。

フライパン返し、なんて技で気絶寸前の角度まで大きく漕がれたのは忘れられない。


今でもその友人との交流は、続いている。
穏やかに、座って漕ぐブランコのように。

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