『バカみたい』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
誰かと、すぐに比較し自分らしさを見失う
自分の常識からの物差しで、相手の良ささえも
見えなくなってしまう。
本当に人間はバカだと思う。
私ばかりが気にしていてバカみたい。
いや、
気にしないほうがバカだ。
自分を卑下するのはやめよう。
バカみたいに。
古びた駅で、次の電車が来るのを待っていた。
数年ぶりに帰省した地元では、1時間に1本しか電車が走らない。
こんなことまで忘れるほど、私は地元を離れていたのか。
時刻表も見ずに向かった最寄り駅での待ち時間。
そこには左手に杖を持った老人と女の子が手を繋いでベンチに座っていた。
「おじいちゃん、あたしね、お花をつんできたの!触ってみて!」
「どれどれ…あいた、ちくっとするねぇ…これはコセンダングサかな?」
「おじいちゃんすごい!なんでも知ってるんだね!
でもね、ママはね、このお花のことを“バカ”っていったの。ねぇ、どうしてバカっていうの??」
「この花はねぇ、バカとも言われているんだよ。どうしてそう呼ばれるようになったかは爺ちゃんにもわからんが、他にも“くっつき虫”とも呼んだりするよ」
立ったままスマホをスライドしていた指が、いつの間にか止まっていた。
2人の会話に耳を傾け、私も正式名称を知らないままバカと呼んでいたことを思い出す。
小学生の頃、私には友達と呼べる子は1人しか居なかった。
当時のクラスメイトから“金魚のフン”や“バカみたい”と言われるほど、常にくっついてまわっていた。
「コセンダングサって言うのか…」
小さい声で呟いた言葉は、誰の耳にも届かないまま空気に吸い込まれていく。
再び2人の会話に耳を澄ませる。
「くっつき虫と呼ばれているのは、服にすぐくっつくからだよ。でもねぇ、人が色んな場所に運んでくれるから色んな場所で咲くことが出来るんだ。だからじいちゃんも、バカみたいなものなんだ」
そう言っておじいさんは女の子と繋いでいる手を少し上へあげた。
「どういうこと?」
女の子が不思議そうな顔で聞く。
私もおじいさんの言葉を理解できずに次の言葉を待っていた。
「ミヨちゃんが、じいちゃんを色んなところへ連れて行ってくれる。いつもじいちゃんの手を引いて歩いてくれる。だからじいちゃんは色んな景色を見られるんだ」
「うん!あたしおじいちゃんのこと大好きなの!だからこれからもたくさん、色んな“けしき”を見せてあげる!」
女の子が繋いでいる手をぎゅっと握った。
『まもなく電車が到着します。黄色い線の内側までお下がりください』
アナウンスが聞こえ、おじいさんと女の子が立ち上がる。
「ほれほれ、そろそろ電車が来るよ。ミヨちゃん、手を引いてくれるかい?」
「うん!」
2人が歩き始めてようやく気がついた。
おじいさんは“目が見えていない”。
左手に持っていたのは普通の杖ではなく、白杖(はくじょう)だった。
おじいさんの右手をしっかりと握る女の子は、凛とした表情を見せる。
今までもこうして、おじいさんの手を引いてきたのだろう。
その行為に責任を持っているのがよくわかる。
そしておじいさんもまた、女の子を強く信頼しているのだろうと思った。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
電車に揺られ約10分。
友達と待ち合わせしている駅に到着した。
車内でも小声で楽しそうに会話している2人をもう一度見てから電車を降りた。
(ずっと2人が一緒にいられますように)
見ず知らずの2人なのに、幸せを願わずにはいられない。
きっとこれからも、2人はたくさんの景色を見に行くのだろう。そんなことを思った。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「やー、お待たせ!」
「久しぶり、相変わらず元気だね」
数年ぶりの再会というのに、まるで昨日も会っていたかのようにお喋りに花が咲く。
ふと先ほどの2人を思い出し、こんなことを聞いてみた。
「小学生の頃、私がみんなになんて呼ばれてたか覚えてる?」
突然の問いかけに一瞬驚いたような表情を見せたが、すぐにこう答えてくれた。
「“バカみたい”でしょ?確かにあの当時みんなはあんたに言ってたのかもだけどさ、今思えば私のほうがお似合いの言葉だったと思うよ」
昔は皮肉に聞こえたこの言葉も、あの2人の会話を聞いた今は全く違う言葉のように感じる。
お互いがお互いにくっついてたくさんの場所へ出掛けた。
そうして今も途絶えない友情が続いているのだとしたら、私はこの子にこの言葉を伝えたい。
「私、“バカみたい”って言われて良かった!」
好きか嫌いかで選ぶなら、どちらかと云うと掃除はそこまで好きではないと思う。
ただ、片付いていれば活動しやすいし、使ったものは元の場所に戻して、ものが増えたら収納場所を確保する。
どうしてもすぐに片付けられなければ、一時的に机の上や部屋の隅に寄せたりして邪魔にならないようにする。
掃除というよりも整理整頓の域ではあるが、「取り敢えず綺麗にする」レベルの術を何とか持てているのは、子供の頃から事あるごとに綺麗好きな母の指導を受けたのと、その手際と手腕を間近で見てきたおかげだろう。
まあ、未だに母の御眼鏡に適うほどでないのはお恥ずかしい限りだが。
しかしながらその未熟な整頓術も、世間的に見れば「綺麗好き」の部類に含まれるものなのかもしれない。自意識過剰にも、そう思えるようになったのは最近のことだ。
良くも悪くも昔からくそ真面目な性分なもので、学生時代の清掃時間も割り振られた分はきちんとこなしていた。
社会人になってからの業後の後片付けも、手本を見せる先輩に倣い、共に一通り綺麗にし終えてから帰宅して、それが当たり前のことだと思っていた。
それなのに、その当たり前も今ではそうでもないらしい。
一緒に勤めていた先輩も転居を機に退職して去り、残ったのは私と同僚や入れ替わって入社した後輩たち。
彼らに声をかけては仕事終わりの閉めに掃除を続けているが、如何せん習慣付いてくれず、今や率先して片付けているのは私と極一部のスタッフのみだ。
そしてそれは業後の清掃だけに留まらず、昼間の業務中からして人任せ。
広げた資料は机に開いたまま棚へ返さない。
折角納品したものも、誰かが収めてくれるまで触らない。
翌日がゴミ収集日で、ゴミ箱が満杯でも袋の交換もせずに知らんぷり。
さらにはポケットから出した私物のボールペンまでもが、使った机に転がして置き去りのままという有り様である。
片付けや清掃はスタッフ皆でやることとして特に当番などは割り振ってはいない。
それで本当に、手が空いた者から順当に皆で当たっているのならば文句も出ないだろう。
しかしながら、皆でやること即ち、
「誰がやっても良いこと」
「誰かがやってくれること」
「自分がやらなくても良いこと」
と認識して、意識を向けないのはまた違うことのように思う。
個人のデスクは無く、仕事は共有の作業台で行うので、そこが物で溢れていては仕事もやりづらい。
だから目についたものは片っ端から戻したり捨てたりしてスペースを確保している訳なのだが、最近はそれもちょっと馬鹿らしくなってきた。
何故に私ばかりが片付けねばならないのか。
私だって冒頭で触れたように、掃除はそこまで好きではない。
それでも職場でせっせと日々片付けをしているのは、医療機関であるから清潔と衛生面を保つというのは大前提として、自室と違って皆で使用する共有空間だからこそであるのに、その結果私や同調してくれるスタッフに負担が偏ってしまっているのは何だか可笑しなことのように思う。
いっそ掃除当番でもシフト上に振って回してくれた方が、気持ちとしてもまだ楽になれるのに。
過去にその旨を店長に異見してみたこともあるが、まさにぬかに釘打ち、暖簾に腕押しの返答で呆れ返ってしまったものだ。
「そんな独りで背負い込まなくても大丈夫ですよ」
「下手に当番割り振ると、当番があることにこだわって動けなくなる人が出てくるから振りたくないんですよねー」
「ヒロさんがまめに片付けてくれてるのは皆分かってますから」
「流石に荒れてきたら僕らもやりますよ」
「逆にヒロさんがやってくれないときとかは、僕らを試してるんだなって受け取ってますから大丈夫です!」
くそ真面目の癖に遠慮して一旦一歩引いてしまうところが私の駄目なところだと分かっているが、予想外の受け答えに渇いた笑いしか返せなかったのを覚えている。
大丈夫じゃないからわざわざ言ってるんだよ。
試してるって何だ。
そんな余裕ありませんよ。掃除できない日は単純に手が回らなくてやれていないだけさ。
私が動けてないのに気付いているなら代わりに掃除をしておくれ!
これが某法医学ドラマの中堂さんだったら「糞が!」とか、チコちゃんの相棒のキョエちゃんだったら「バカー!」と叫んでいるところであるが、ハラスメントにも配慮しなければいけないこのご時世、波風立てずに声を上げると云うのは中々に難しいものである。
いや、負担やストレスに感じている点で言うならば、寧ろこちらがハラスメントを受けているとも言えるのか?
何にせよ、店長の云う荒れた状態にまで店舗を放ってはおけないので、これからも私は妖精さんのように掃除し続けるのだろう。
――クソがぁ!
(2024/03/22 title:014 バカみたい)
50代後半まで 仕事 頑張ったつもり…
50代前半から リウマチとなり
以後病気がちになった
結局 《結核》になり 隔離入院
3年半で3回の入院
延べ 約1年間の入院…
人生 変わった…
今は『生活保護』
身よりは無い…
悲しいかな 63歳…
何のために働き 何のために頑張っていたのか…
バカですネ…
バカみたい
山道を一緒に歩いていた友人の姿が突然消えた。
きょろきょろ見回していると地中から力強い太鼓の音が響いてきた。
ドンドンカッドンドンカッドンドンドンドンドンドドン!
地下?
こんな所に地下なんてあるか?
「おーい。ひょっとして友人?」
地面に向かって叫ぶと太鼓の音が止んだ。
「そうだよ」
「なんで地下で太鼓叩いてるの。てかどこから地下に入ったの?」
「穴に落ちて。うわっ、そっちこそなんで空中に浮かんでるの?
「浮かんでるって、私が?」
解説しよう!
これは道に穴がある世界とない世界、二つの並行世界が重なり合った状態なのだ。
二人は一緒にいるようで別世界の住人であった。
お互いの存在は認識できるけれど穴の存在は共有できない。
「それでなんで太鼓を叩いていたの?」
「ここにたまたまあったから。なんか照れちゃって叩いてた」
「照れると太鼓叩くの?なんだそれバカみたいだな」
一人が好き、誰とも会いたくない。
そうは言っても、一人で生きている人間はいない。
ものを買うのも、snsを見るのも、一人では成立しない。
お金で成立している社会、税金も収めなくてはいけない、
何かを作るのも売るのも、働くのも一人ではできない。
そうして毎日人と関わっているからこそ一人の時間がほしくなる。
たまに
そうして毎日働いて、老後に、一人で暮らそうと思っていても、
年を取ったら助けてもらわないと、
どこへもいけなくなるかもしれない。
死んだあとも、お墓にいれる段取りを誰かにしてもらわないと
何もできない。
この世界で生きていて、一人というのはありえない。
どんな山奥でも、何かを売ったり買ったりしなければ
人としての何かを保てない。
結局人は、社会の中にいてこそ、楽しみも苦しみも無く、
人間らしさを持続できない。
そこにいるからこそ、一人の時間がいいと気付く。
そのすべてが、計算なのか、すべてに意味はないのか。
ぐるぐるぐるぐる考える。
バカみたい
いろいろとやってきたけど、努力の方向性間違えてた。
今さら気づく。
私バカみたい。
こんな自分が、バカみたい。
誰にも愛してもらえるはずないことをわかってるのに、どうせうまくいかないのに、すこしの可能性を信じて期待しちゃう自分がバカみたいだ。
何もできっこないのに。
たいした才能もないのに。
取り柄なんてないのに。
恵まれているほうでもないのに。
できると思ってしまう僕がいる
やれると思ってしまう私がいる
勝手に期待して
勝手に喜んで
勝手に落ち込んで
勝手に嫉妬してたあの頃
気がついたら好きでいること自体苦しくなっていた
恋してる自分を自分が気持ち悪く感じた
バカみたい
そう呟いてよく泣いた
汗水流して、誰かのために働くのバカみたい。
他人を気遣って、自分をすり減らすのバカみたい。
実験マウスみたいに毎日同じことの繰り返しで、
こんな人生に意味なんてあるのだろうか?
かつてはワクワクした出来事も、いつしか当たり前になって、その輝きを失ってゆく。
こんな世の中で、あくせく生きていることがバカみたい。
そんな愚痴をこぼしながら浴びるほど飲んで、帰り道で居眠り運転の車にはねられた。
警察や救急のお世話になり、何とか一命を取りとめ、長期の入院を余儀なくされる。
たくさんの人達に命を救われ、意識の無いうちにここまで運ばれて、道端に放り出されたまま息絶えずに済んだ。
病室のベッドの上でしか生きられない生活が始まる。
マウスどころか植物のように身動きが取れない。
そんな毎日が一週間も続くと、今までの繰り返しの毎日が愛おしく思えてきた。…ホント、バカみたい。
人生に意味なんて無くても、普通に生きてることに奇跡を感じた。
すべての身の回りの世話を他人にお願いして、生きてるんだか死んでるんだか分からない日々。
コロナの影響で面会もNGで、いることが当たり前だった家族に会いたくて仕方がなくなってくる。
次に会える日をワクワクして待とう。
今の自分には、それが大きな支えとなっている。
あの夜に愚痴ったことはすべて覆された。
だから俺は、バカみたいにあくせく生きることを選んだ。
良し悪しじゃなくて、それが人間らしい生き方なんだろう。
プレゼントをくれるし、おはようのメールも送ってくれるから自然と期待しちゃったの。ある日勇気を出してこっちからメールしてみた。“今度いつ会える?”って。そしたら、“君が会いたいと思った時”なんて返ってきたから飛び上がるほど嬉しくなったんだ。知らないうちに好きになってた。もうこの気持ちは止められない。あなたのこともっといっぱい知りたいなって心の底から思ったよ。
でも、待てど暮らせどあなたは私の前に姿を見せてくれない。あの日と同じように会いたい気持ちをメールしても、適当な返事が来る時もあれば既読スルーの日もあった。おかしいな、なんでかな。会いたいのって、もしかして私だけ?変な違和感を覚え始めつつ駅までの道を歩いてる。今日はバイトの日だから、向かうためにこれから電車に乗る。
いつもの、3番ホームで電車を待ってる時。向かい側のホームにあなたを見つけた。すごい偶然。私のことに気づくかな。ちょっと期待をしながら数十メートル先のあなたを見つめる。届け、私の思い。
でも、次の瞬間あれって思った。後ろから知らない女の子がやってきて、あなたの右腕に抱きついた。あなたは笑いかけながらその子の頭を撫でる。誰なんだろう。すごく仲が良さそうに見える。妹とかいうオチじゃないことくらいは分かる。妹でも姉でも従姉妹でもないのに腕を組める存在。答えは1つしかなかった。
「……なぁんだ」
私の独り言を呑み込むように電車が滑り込んでくる。あなたとその子は見えなくなった。それで良かったと思った。これ以上見ていたくなかった。
「バカみたい」
小さく呟く私の前で電車の扉が開く。暖房と人ごみのもわっとした嫌な熱気を感じた。どこまでも生温く、肌当たりは良くない。
今まであなたが私に向けた優しさも多分、こんな感じのものだったんだな。
尚更思った。バカみたい。
___バカみたいだ。
青春なんて、うるさく騒いで将来なんの役にも立たない思い出にしか過ぎない。放課後友達とカラオケに行ったり、制服でテーマパークに行ったり。そんな事をしている暇があったら勉強をする方がマシだ。
休み時間、読書をしながらクラスのどの女子を彼女にしたいかという話で盛り上がる男子達を横目にそんな事を考えていた。
なんてくだらないんだ。そのうち自分は選ぶ側ではなく選ばれる側だということを認識させられるだけだというのに。
「委員長ー!何読んでるんですか?」前の席の宇佐美信長が話しかけてきた。
「…………ハリー・ポッター」
「ええっ!以外!夏目漱石とか読んでそうなのに!」
「別にいいだろ!」
「ちなみに何作目ですか?」
「5作目、不死鳥の騎士団だ。……それより、ずっと前から気になってたんだが、なぜ宇佐美は俺に対して敬語なんだ」
「だって委員長ってクールでカッコイイし……ぼくよりずっと年上のお兄さんって感じだから」……意図してクールにしていたわけではないが、褒められるのは満更ではない。
「そういう宇佐美は無邪気というか、可愛らしいな」
「か、かわいい!?カッコイイが良かったけど……でも、そうですよね。ぼくって信長っていう名前のわりに弱々しくて織田信長に申し訳ない……委員長みたいにもっとクールになれればいいのに」
「別に無理に変わろうとしなくていい。宇佐美には宇佐美の良さがある」
「……も、も〜!委員長ったら!そんなこと言われたら勘違いしちゃいますっ!」宇佐美が顔に手を当てて体をくねらせる。
「あっはは!なんだそのノリ」
「……あ!そうだ、もうすぐ夏休みですけど委員長は予定はありますか?」
「予定?特に……図書館に行って勉強をしようと思っていたが」
「さっすがマジメ!でもそんな委員長には少し休息が必要じゃないですか?」
「休息?」宇佐美は誇らしげに手を腰に当て口を開いた。
「ぼくと一緒に行きましょう!USJ!」
「は」
_____________________
「……着いたー!!」
「来てしまった……」
ユニバーサル・スタジオ・ジャパン。USJ。ユニバ。世界でも大人気のテーマパークに俺は宇佐美と遊びに来ていた。
「やっぱり夏休みだから人が多いですね!」
「ああ、そうだな……」
「委員長は初めてでしたっけ?USJ!」
「ああ。テーマパーク自体まだ小さい弟がいてなかなか行くことができない」
「そうなんだ!じゃあ、今日はいっぱい楽しみましょうね!」
初めはハリー・ポッターのエリアにきた。
「委員長のこと連れてきたかったんですよね!ハリポタ好きなんでしょ!?」
「いやまあ、好きだが……」
「あ!あそこ、魔法が使えるとこですよ!行きましょ!」
「あ、おい、走るな!」すみませんとわざとらしく舌をペロっと出す宇佐美は、いつもより活き活きしている。
「委員長!まずはぼくがお手本するので見ててくださいね!」
そう言うと宇佐美は慣れた様子で杖を動かした。真っ白の雪が降る。
「どうですか〜!?すごいでしょ!」
「ああ、凄いな!慣れてるんだな」
「ふふん、委員長もどうぞ!」
杖を借りて見よう見まねで動かす。少量だが雪が降った。
「……降った!」「さすがです委員長〜!!」達成感で心が躍る。街並みもさることながら、実際に本の中の世界にいるようで夢見心地だ。
「前に買った杖持ってきて良かったです〜!」
「ああ。助かったな」
「このあとは……やっぱりアレですね!」
「アレ?」
_____________________
「ぷは〜!」「思ったより甘いな」
美味しいですねと宇佐美が笑顔を見せる。バタービールを飲みに来ていた。
「あ、委員長泡のヒゲついてますよ〜!ギャップ萌えってやつですね!カワイイ!」
「かわいいって……そういう宇佐美もついてるぞ」
「え!ちゃんと舐めたつもりだったのに〜」
アハハと2人で笑い合う。宇佐美といると心地いい。雰囲気が明るくなる。
___散々楽しんだ後、帰り道。
「は〜、楽しかったですね!特にジェットコースター乗った時の委員長には笑っちゃったな〜!」
「宇佐美こそ、乗る前は緊張で吐きそうだったじゃないか」
「あ〜!もう!それ禁句です!」
「あはは、ごめんごめん……今日は連れてきてくれてありがとう。宇佐美のおかげで忘れられない日になった」
「ぼくも楽しかったです!委員長も楽しめましたか?」
こんなに胸が高鳴るのはいつぶりだろう。また楽しい時間を過ごしたいと、期待している自分がいる。
「ああ。宇佐美といると楽しい。また俺と遊んでくれるか?」
「わ……!もちろんです!今度はディズニー行きましょう!!」
__青春なんて無駄だ。遊んでいる暇があったら勉強する方が将来のためになるのに。
知らなかった。好きな友達と遊ぶことがこんなにも楽しいなんて。
「まったく……」
宇佐美の眩しい笑顔を見ながら口を開く。
「バカみたいだ!」
『バカみたい』
USJに行った事がないのに話のネタにしたのを激しく後悔しています。間違いがあったらすみません。
「バカみたい」
ずっと書く、描く事を続けていくと
時々、笑われ
時々、大丈夫?と言われる。
繋がりたくない人が、わさわざ来る
その言葉が「バカみたい」って言ってるみたい
だけど
書きたい気持ちが勝るから
一人で自分と向き合う
今日も誰かいるのに、誰もいない世界。
あーあ、なんでこんなことになっちゃうんだろ。
冷たい雨が私の体を濡らす。家には帰らない。いや、帰れない。母が外で作ってきた男と暮らすため、私は邪魔みたい。
「最初から産まなければよかったじゃないのよ…」
そんな私の呟きは雨に溶けて消える。友達の家に行こうなんて思っても、生憎私に友達なんて居ない。
出血する地球の話
足元に、朽ちたAKが落ちていた。
そのすぐそばに、焼けただれた男か女か分からない黒い塊がうつ伏せで倒れている。
夜間なのにとても明るい。僕らはハンビーとともに行軍という名のピクニックをしていた。いくつもの焼死体をまたぎ、油田の燃えるにおいを嗅ぎながら、油でベトベトした砂を踏みしめて歩く。
地球の肥溜めのような場所からは火が吹き上げ、大地を妖しく照らしていた。それはマグマのように流れ、出血しているようにも見える。
どこもかしこも死体だらけだ。兵士の死体かレッドゾーンからグリーンゾーンへと逃れてきた市民かは知らない。ただ、死体は僕らを殺しに来ることはなかった。僕らは油でぬるぬるした装備一式を手持ちの水筒で洗い流した。東の空で味方のA-10の飛行音を聞いた。やれ、やっちまえ。敵の車両をズタズタにしてやれ。僕らはM16を掲げて空に向かって大声で吼えた。
合衆国からここへ来てもう200日が経過していた。僕はまだ一人も殺していない。仲間たちもだ。死体はそこら中にあるというのに、本当に何もしていなくても行く先々に争いの痕跡が残っていただけ。きっと空軍や陸軍が掃除してくれたんだろう。海兵隊はただ怯えながら、歩くだけだった。
目が覚めないんだ。眠らずに僕らはずっと歩き続けている。合衆国に帰りたいと思っていたはずなのに。異国の死体に囲まれて、家族の元へ帰ることを忘れて。ここはどこだ? 中隊長は黙って歩くよう命令する。地球が血を流している。合衆国市民はラジオで大統領演説を自宅のソファーで寝転んで聞くだけ。地球が血を流していることなんて知りもしない。
僕らが死んだって、誰が気にかけるだろう。僕らはいつの間にか砂漠の砂となって朽ち果てていく。
あのAKのように。
あの焼死体たちのように。
ホワイトハウスに星条旗が掲げられても、僕らの魂はまだこの地獄をさ迷い続けていた。
【バカみたい】
ああもう。
なんでみんな、私の話を聞いてくれないんだろう。
私が絶対正義なんて言わないけど、他の方法試して無理で、でもまだ見捨ててないから私のやり方やってほしいって言うの、そんなに駄目なの?
「こっちにしなさい、こっちの方がいいから。決まりね」
って言ってくるのなんで?私は何時までも何も決めちゃいけないの?
あの人に選択肢委ねたら、楽な方しか選ばずに、それで今まで駄目だったのに?それで私の案は出したら消されて?
もう考えるの嫌になってきた。
なんでこんなに、他人の人生考えているんだろう。
バカみたい。
なんであんな男に恋してたんだろ。
クズだしアホだし金ないし
でもいつもデートの帰りに見てた河原の夕日が
今も瞼の裏にこびりついて離れないの。
#バカみたい
バカみたい
私の隣に住んでる子はずっと真面目。
いい意味でもあり、悪い意味でもあるこの言葉がその子の代名詞だ。
小学校から高校までずっと成績優秀。でも、私は羨ましいなんて思わない。
あの子の親は成績のことしか考えてないし、友達だって私しかいない。友達と言っていいのかも分からない仲だけど。
でもあの子はそんなこと気にせず、勉強をずっとしている。
「バカみたい。」
彼女に向けてそう言ってしまった。だって、卒業式の時でも勉強のことばかり考えてるんだから。
勉強ばっかして周りとの関わりが消えているのに気付かないふりしてるなんてバカみたい。
そう思ってみたが私はどうしても彼女を目で追ってしまう。
「彼女に執着する私もバカみたいだな。」
自傷気味に心の中で呟いた。
気になる人に好かれたいと、化粧をする女性は多い
だけど、それはつまり偽りの自分を見せているだけなんだと気付いて欲しい
ありのままの自分を受け入れて欲しいのであれば、まずは化粧を辞めるところからだ
マメ豆腐