『バカみたい』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
同じ毎日を繰り返しているのだと思っていた。
いつも眠れば巻き戻るあの子の寝顔を見ながら溢れる嗚咽を必死に噛み殺してきた。
目覚めれば同じ朝で、そして今日も繰り返す。
最近は随分と伸びた身長に私の成長を疑う素振りを見せるあの子の意識を逸らすことからはじまり、齟齬があれば取り繕いながら夕方には最早ルーチンと化した個人練習の見守りをする。
同じところで失敗する、いつも同じ繰り返し。
それを見ながら何もできない自分がもどかしい。
「バカみたい…」
言ってあげられない。
それは無意味だ、と。
眠ればまた昨日に戻るあの子には、どんなに練習しても意味はないのだと。
そんなことより美味しいものでも食べよう、暖かく甘いものでも飲もう、と。
言ってあげられない。
あれは、私のためだから。
一途に、直向きに、私を思うあの子の気持ちを複雑な想いで受け止める。
いつか、きっと。
次の日に歩き出せるようにしてみせるから。
そんな願いを抱いて空回る日々に、イライラしたりヤキモキしたり、焦ったりして。
自分一人で頑張っているような気がしていたし、実際そう思っていた。
けれども。
絶対的大ピンチに、あの子は日々の成果を出してみせてくれた。
進んでいるじゃないか。
ちゃんと、進んでいるじゃないか。
毎日同じ繰り返しを積み重ねて、ジリジリと。亀より遅い歩みではあるけれど。
「バカみたい!」
ホント、私、バカだ。
悲劇のヒロインになったつもりだった?
変わらないあの子を置き去りに進んでしまう自分のことに酔っていた?
変わらないあの子を憐れんでいたの?
違うでしょう。
私は私。
ヒロインなんかじゃない。ヒーローでもない。
私は世界征服をする女、誰かの正義なんて糞食らえだ。
「いくよ!」
そうだ。堂々と胸を張れ。
一人でも明日へと歩き出せ。
いつかあの子が走り始めたときに、ずっと前にいて両手を広げて待っててやるんだ。
そして、また始めよう。
二人で一緒に、世界征服を!
お題「バカみたい」
ヘブンバーンズレッド
山脇ボン・イヴァール
よォ、久しぶり。
誕生日おめでとう。
ん、これいつもの酒と煙草な。
花はない。
え?毎年来る時期が間違ってるって?
いいんだよ、俺はこれで。
嫌だよ俺、盆は。
あちぃし、お化け嫌いなんだよ。
いや……今のは忘れろ。
そういえばさ、ジミーいたろ。
軽音サークルの後輩。二個下の。
あいつ、先月死んだよ。ガンだってさ。
久しぶりにリッケンから連絡きてさ、
何かと思ったらそんな話だよ。
はええよなぁ。なんでかねぇ。
いや、俺らがもうそんな歳に
なっちまったって事か。
煙草、一本貰うわ。悪ぃね。
んーで、何の話だっけ。
おー、そうだ、ジミーが死んで
昔の事、思い出してたんだよ。
あの頃俺らバカみたいに騒いでたよな。
毎日女の子捕まえて酒飲んでライブして、
俺とお前、生意気だって対バン相手に
喧嘩ふっかけられること多かったよな。
けどお前喧嘩強くてさ、ありゃ
見てるこっちがヒヤヒヤしたね。
ジミーが叫んで、リッケンが煽って、
お前が相手をボコボコにして、
俺はその隙に女の子に手出したりして、
あのバカみたいでしょうもない時間、
俺は結構好きだったな。
まー、なんかそんな事をさ、
思い出したりした訳よ。
たまにはいいわな。
……じゃあ、そろそろ行くわ。
ジミーに会えたらよろしく言っといて。
俺とリッケンもそのうちそっち行くから、
したらまた皆でバンドやろうや。な。
また来るわ、来年、お前の誕生日に。
「今でも戻れるならあの頃に戻りてえ
なんて思ってる……バカみたいだよな」
2024.3.23
「バカみたい」
「バカみたい」
38万712年と108日。貴方と俺が過ごした時間。
38万712年と108日。俺が貴方の為に犠牲にした時間。
貴方は永遠の国を、たったひとりで治める女王。
俺は貴方を守るために作られた、唯一無二で無敵の機械人形。
貴方も俺も、ずっと平和に暮らしていた。
俺が必要ないくらいに。
「私の後を継いでくれそうなのは、貴方くらいしかいないわね」
なんて冗談を言いながら、貴方は頑強に守られ、暮らしていた。
俺が好きだった、平和の象徴。
朝焼けの色、昼下がりの紅茶、貴方の暃色の髪、子守唄。
俺が好きだった街並。
色とりどりの屋根、機械仕掛けの噴水、清く白い女神像。
俺が好きだった、貴方の───
でも、貴方は数多の罪を犯していた。
国民に重税を課し、小さな国同士での戦争を嗾け、そして唯一神に成り代わろうとした。
俺は貴方が罪人だとも知らないまま、貴方を全力で守った。
貴方の平穏を守るために。
貴方を捕えようとする奴らを、モーニングスターとレーザー銃で蹴散らした。
天国のような純白の城が、あっという間に焼け野原になる。
宝石で作られたシャンデリアも、異国から来た調度品の数々も、全て粉々になった。
俺に敗れた犠牲者の悲鳴も、怒号も、命乞いも、俺の耳には届かない。平和を壊そうとしたのだから、聞く意味はない。
城は随分と壊れてしまったが、修復すれば問題ない。
俺の右腕も壊れてしまったが、修復すれば問題ない。
これで平穏を取り戻せる。そう思ったのに。
貴方は邪魔者に対して叫んだ。
「私は何も知らない!その暴走した機械が全てしたことよ!」
何の話かわからない。俺はただ、貴方の平穏を───
一瞬動きを止めた隙に、俺は残党に捕らわれてしまった。
なのに、貴方は俺の方すら向かなかった。
奴らは俺の話を聞かずに、俺を断頭台へと連れて行った。
俺は民衆の罵声を浴びてやっと気づいた。
貴方が大罪を犯していたことに。
じゃあ、俺は今まで、何をしていたんだ?
ずっと大罪人を庇い続けていた、のか?
永遠に崩れることのない栄光を守っていたわけではなかった?
最後をこんなところで、何の罪も犯していないのに迎える?
意味が、意味が分からない。
俺が生まれた意味も、貴方と過ごした時間も、全て、全てが無駄だった!!
俺は俺の全てを嘲笑した。
全てが!全てが無駄だった!!バカみたいじゃないか!!
「何か言い残したことはないか?」
処刑執行人は俺に言った。
「そんなものはない!さっさと俺を処分でもすればいい!」
こうして、俺は38万712年と108日の人生に終止符を打った。
「バカみたいな事したなあ」
目の前のぬいぐるみをを見て、私はため息をつく。
先日、酔った勢いで注文したもので、本日晴れて届けられたものだ。
その時間違いなく欲しくて注文したもの。
だけど今の私には溜息しか出ない。
別にぬいぐるみは嫌いじゃない。
むしろ好きだ。
私の部屋には、他にもいくつものぬいぐるみがある。
このクマのぬいぐるみも、デザイン『は』好きだ。
だけど一つ不満がある。
唯一にして最大の問題点。
目の前のぬいぐるみはバカみたいに大きいのだ。
私より大きなぬいぐるみって何?
ここ狭い賃貸アパートだぞ。
置くトコねえよ。
どうしてこんなことに……
事の発端は、先週の会社の飲み会。
飲み会が開始されてみんなが酔ってバカみたいに騒いでいた頃、誰かが言った。
『人間より大きいぬいぐるみが欲しいなあ』と……
そこで酒を飲んでいい気分の私。
『そんなぬいぐるみが!?私が買っちゃる!』
とスマホを取り出し、ささっと注文。
『夢みたい』と思いながら次の酒を飲む。
そして今に至る。
……あれ、本当に夢だったらよかったのに。
やはり酒を控えよう。
何度目かもわからない反省をするが、きっと次もやらかす。
それが私。
だが、買ったものはしょうがない。
目の前の現実に向き合うことにしよう。
私はぬいぐるみに抱き着く。
おお、柔らかい。
この包み込むような安心感。
やはりぬいぐるみは良い物だ。
予定外の出費で、来月ピンチという事実がどうでも良くなっていく。
ピンポーン。
現実逃避している私の耳に、玄関のチャイムが鳴り響く。
配送業者くらいしか訪れることのない私の部屋に、誰かが来たようだ。
まさか、私の記憶がないだけで他にも注文をした!?
キャンセルの可能性をも考えながら、扉を開けると先輩が立っていた。
「来ちゃった」
まるで先輩は恋する乙女の様に微笑む。
だが笑顔の先輩とは逆に、私は混乱する。
なぜ先輩がここに?
「えっと、先輩。何か御用で?」
すると先輩はにこやかに笑って、
「うん、アレ届いたかと思って……今日だったよね」
「??」
「覚えてない?デカいぬいぐるみ注文したんでしょ」
その時私の脳裏が高速回転をし始める。
頭に浮かぶ一つの言葉。
『人間より大きいぬいぐるみが欲しいなあ』
「ぬいぐるみ欲しがったの、先輩だったんですか!」
「今気づいたの?」
先輩はおかしそうに笑う。
「で、届いた?」
「届きましたけど……なんで先輩が届く日を知っているんですか?」
「え?聞いたら教えてくれたよ。見せてくれるとも言った。覚えてない?」
覚えてない。
本格的に酒との付き合いを考える日が来たのかもしれない。
それはともかく。
「まあ、入って下さい」
私は先輩を招き入れる。
そして部屋に入った先輩は、置かれたぬいぐるみを見渡す。
「ひえー、バカみたいにでけぇ」
目を輝かせながら、先輩は大きなクマのぬいぐるみに抱き着く。
「ひゃー、すごい安心感。あっ他にも小さなぬいぐるみがある。可愛い~」
今まで見たこともないくらい、先輩のテンションが高い。
こんな一面もあったのか、と先輩を眺めていると不意にこちらを向いた。
「あ、そうだ。タダで見せてもらうのが気が引けたから、お土産あるんだよ」
と先輩はポリ袋からお酒を取り出す。
私はそれを見てニヤリと笑う。
「じゃあ、飲みましょう」
私は急いで、プチ宴会の準備を行う。
「では、この素晴らしきぬいぐるみたちに乾杯」
「乾杯」
そして私たちは缶ビールを片手に、ぬいぐるみに人生相談したり抱き着いたりして、バカみたいな宴会を繰り広げる。。
「このぬいぐるみ可愛くない?」
「可愛いー。買っちゃう?買っちゃう?」
そして、1週間後には新たなぬいぐるみがやってくるのであった。
なんでアナタのこと、こんなに好きなのかな?
もうどうすればいいのか分からないよ。
─バカみたい─
「先輩、僕彼女できました!」
目の前には嬉しそうな部活の後輩。
ここで私は、単純に喜べばいいんだろう。
「…先輩?大丈夫ですか?」
『…あぁ、大丈夫だよ。おめでとう。』
入部してからは、一緒に笑ったりからかったり、
時には悔しくて涙を流したり。
とても楽しい毎日だった。
付き合いたいとは、思ってないつもりだった。
でも、いつの間にか傲慢になってたみたい。
『…本当、おめでとう。』
私の口から溢れた言葉は、とても小さく、
悲しいんだと自分でもわかるような声だった。
「え、先輩!?なんで泣いてるんですか!?」
『…いや、なんでもないよ。』
自分から伝えなかったのが悪いんだよ。
本当、バカみたいだなぁ、私って。
『…今まで、ありがとう。』
その言葉を最後に、私の恋は終わった。
色々考えて一人で落ち込んで
バカみたい
案外簡単に物事は進む
考えるほど悪い事は起きない
気楽に生きていこう
期待ばかりして
バカみたい
自分ほど相手は
何も考えてない
何とも思ってない
バカみたい…。
『バカみたい』
あ〜、バカみたいにはしゃいで暴れたあの頃。
そんなのは学生時代の青春だからできたこと。
大人なんてはしゃいで暴れるなんでてきない。
会社に入り社畜を味わったりするものだ。
はしゃいで暴れるほどの自由は得られない。
ホント、あの頃の自分がバカみたいに思えるよ。
僕は周りの人間が嫌いだった。
あるいは自分以外の人間に対して悲観的だと、そんな言い方もできる。
今思えば、高校3年生の自分は艶がなく小賢しい人間だった。
でも、僕は僕1人が最高であった。
わかり合える奴はただ1人だった。
僕は臆病な腰巾着が嫌いで、彼は大人に混ざる愚かなダチョウ人間が嫌いだった。あるいは逆も同様だった。
僕は彼のことを尊敬していたし、何より好きだった。
彼は大衆の波に逆らう小さな小さな孤軍奮闘erのようだった。
彼とは色々な話をした。2人でなにかに挑戦することは無かったけれど、各々の挑戦や決意を話すことで勇気を出していた。9.9割のことはどんなに馬鹿な事柄でもお互い応援していた。でも0.1割は「それは違くない?大丈夫か?」とつっこむことがあった。それでも僕と彼の足と期待は止まらなかった。
琴線に触れる風景が好きだった。それは彼も同じだった。いつも話す時はそんな風景を見ながら話していた。
ある日、大人の手で1掬いしたくらいの空を映した池のある公園でそれを眺めながら腰をかけていた。
当然のように彼も一緒にきて、腰をかけていた。
関わり合うはずの無い池の水と太陽がこの夕暮れ時に美しく水面で触れ合っていた。
「家にあったやつ持ってきた」と彼はカバンの中の酒缶を見せてきた。
僕は最初少し躊躇ったが、気付いた時には迷うことなく2つ目の缶を開けていた。
アルコールでよたついている脳と目の前の佳境は5万m先の雲をも溶け込ませるほど調和していて、僕の胸の温度を柔らかくも大胆に上昇させた。
お互い体と共に話もどんどん熱くなっていった。
僕たちはここで会う度にこうして酒を飲んでは語り、大人ごっこをしていた。
僕たちの大嫌いで最悪なバカみたいな日々だった。
ああ、今まで何してたんだろうな
やることまだ残ってるのに
時間ってのは早いな
無駄な時間だったな
――午前2時37分、今日も独りベッドの上で
「バカみたい」
本当に、私ってバカみたいだな。
何で生きてるのかな。生きてても良いのかな。
そんな考えが脳裏をよぎる──。
でも、一人だけ、バカでも良いって言ってくれた人がいたんだ。
私がバカと言われて泣いているところに、
「バカでも良いじゃん!ほら、オレもバカだからさ!仲間だよっ!ねっ!」
と、励ましてくれた。
あの頃は自分が5歳くらいのときだっただろうか。とっさに助けてくれて、とても嬉しかった。
なのに、あの人は交通事故で亡くなった。それに、彼は臓器提供をしていたらしい。
私の弟は、心臓が弱くて、誰か知らない人にドナーを買って出てくれた人がいた。
そのドナーの人が、彼だったらなあ、とあるわけない事を思ってしまう。
そして、手術が終わってからの弟は、何だか人が変わったように明るくなった。
私がお父さんやお母さんに、
「バカなんだから、早く勉強しなさい!」
と言われるたびに、
「良いじゃんバカだって。父さんも母さんも人生の本当の楽しみ方を忘れてるよ!」
と言い返してくれるようになった。まるで、彼のように────。
こんな事思ってる自分って、本当バカみたい。
オニロ。
仮面をつけて踊りましょう
華やかな噂話と宝石の数々で飾り
下を向いてはいけない
絶望が口を開けて待っている
空虚な言葉や毒入りの杯を持ち寄る
知ろうとしない傲慢な愚者たち
言葉の刃や酔わす杯を突きつける
保身が第一の賢しき愚者たち
冷静に見つめる私もまた
そんな愚者のうち
仮面をつけて踊りましょう
煌びやかな服と偽りの笑みで飾り
足元を掬われぬように
絶望の上を綱渡り
何時の間にか仮面を外せなくなって
本当の私は何処へ?
仮面舞踏会
元々ない隙間に無理やり入ってた
満員電車へ我が身をねじ込む嫌な奴みたいに
長時間の拘束にも関わらず相手は虚無
1年で辞めると思い続けなければ精神が壊れてた
そんな環境。ほぼ空気。まぁ……いないよりは…ねぇ?笑 が私
でも何故か少しだけ期待してた。
もしかしたら隙間が空くかもしれないって小指くらい入るかもって…全く入らなかったけどね笑 なんで期待したんだろう。
情が生まれてしまったのかな。自分馬鹿すぎるね笑
貴方がこの先の人生で一切関わらなくても天珠が全うできるくらいに おまけな仕事。
そんな小さな小さな世界に存在するより小さな社会
その世界から馬鹿が消えるまであと1週間…
恋なんて(テーマ バカみたい)
薬物中毒にでもなったみたいで。
バカみたいなことをしたり、勝手に苦しんだり、勝手に幸せになったり。
『人間は恋と革命のために生まれて来たのだ』という言葉がある。太宰治の『斜陽』の中の言葉だ。
恋とは、子を残すための、人の個の動物としての本能。
革命とは、現状を改善して進化するための、人の集団としての、『人間』としての本能。
両方とも本能。
『寄生獣』で、『人間はもう一つ脳を持っている』という台詞がある。
人間とは、個々の人とは別に、組織、集団として別の生き物を構成しているのだ。
その集団としての生き物の本能が『革命』だったり、あるいは国家の維持だったり、経済活動だったりする。
集団としての人間を維持するための行為。
ルールを決め、集団を壊す個を『犯罪者』として排除して、ルールが現実に合わなくなるとルールを見直す。
そして、ルールを管理する『脳』にあたる集団と組織そのものが現実と適合しなくなり、『集団を維持するのに適切でない』と判断すると成り代わる。これが革命。
もちろん、これが正しく機能するときばかりではない。
病には、体の持つ元々の機能がうまく働かないために起こるものもたくさんある。そういう革命もある。
何が言いたいかというと、恋も革命も、本能に基づくものであり、『そのために生まれてきた』というのは間違いではないが、それが正しいかというと、それに限らないと言うことだ。
恋に夢中になる人が端から見ると浮かれてバカみたいに見えるように、革命家は夢みたいなことに人生をかけるバカみたいに見える。
ただし、一方で、その本能に基づく行動がなければ、革命は起きないし、恋も成就することはない。
『バカなことを』と笑っていた求愛行動ができず、生涯独身は現代では珍しくない。
『生活が苦しいのに、誰も国を変えようとしない』と嘆くばかりで、皆が我慢するばかり。
なぜなら、革命なんてバカみたいなことをしない、利口で忍耐強い国民ばかりになったから。
そしてますます苦しくなる。
バカみたいと思っていても、素直にバカをやる必要がある場面が、人生にはある。
『バカみたい』
「ほんと、私ってバカみたい…」
全てを忘れ去ったような感じだ
私は何に悩んでいたのだろうか
思い出せない
友達と喧嘩したわけでもない
大事な物を無くしたわけでもない
もう、どうでも良い気がしてきた
私はポツリと呟いた
「ほんと、私ってバカみたい…」
※この文章は上下どちらからでも読めます
「バカみたい」
『プリンタベタノダァレ?』
3人に1人が人生で言う言葉!
『チョットダンシ~』
10人に1人が人生で言う言葉!
『fuckYou』
絶対誰もが言う言葉!
バカなこと考えてる自分、バカみたい( ᐛ )
バカみたい
「私、あのぶりっ子女に彼氏取られたんだけど」
あぁ、私のことだ。
罪悪感なんて無い。
だって、相手から寄ってくるからね。
私はただ、仲良くしよ〜♡と話しかけてるだけだから。
私がそんな事を繰り返して2年が経った頃
「私は悪く無い!、あの女が、あの女が悪いのよ!」
私は階段から突き落とされた。
そのせいで私は足、鼻、指を折った。
その時に頭も打ったので植物状態に。
その時、私は「あっ、今まで私がした事が一気に帰ってきたんだ」
けど、そんな事で怒ってたらシワが増えちゃうよ?
私みたいに、広い心を持たないとね!
そんな事を思うけど、言葉は出ない。
誰もいない病室で、一人寂しく息を引き取る。
まぁ、いっか。
私の事、誰も見舞いにこなかったし、両親も一度来たきりだし。
もう、いいや。
風が吹いた。
窮屈な部屋に「ピーーーーーーーー」と機会音が響いた。
親に将来の夢を否定されても反論出来ない自分がほんっとにバカみたい。
喉の奥から込み上げてくる熱い塊の正体はなんなのだろう。
「バカみたい」
一緒にバカやってた友達は28にしてとうとう就職した。そうやってみんな俺を置いてく。大学生の頃は絶対働かない同盟を組んでいたじゃないか。これで同盟を組んでいる仲間はいなくなった。これでは俺が寂しいじゃないか。スッゲーアホくさいじゃないか。それにしてもあいつ等が揃いも揃って抜け駆けしていくとは思いもしなかったな。しかも皮肉なことに同盟のリーダーのあいつが一番最初に就職した。大学を卒業して一年も経たずに焦り始めて必死に就職活動してたっけな。みんなで裏切り者とバカにしていた二人もいなくなった。最後の裏切り者の佐々木は随分と就職活動に手こずっていたな。それはそうか。空白の五年間があるんだもんな。その五年間は友人と酒飲みまくってゲーム三昧してましたなんて言えるわけないよな。佐々木は裏切らないって思ってたんだけどなぁ。
なんか一人になると急につまらんな。ゲームも酒も。同盟って人がいて成り立つものだしこのまま一人でやってても意味ないよな。そろそろ俺も重い腰上げて就職活動ってものをしてみるかな。せっかく働くならゲーム関係の会社に就職するのはありかな。
あれ?何本気で将来のこと不安になってんだ。俺は働かないで人生の幕を閉じるって小学生の時に決めたんだぞ!危なかった。今就職する方向に人生の舵をきるところだった。俺は決して屈しないぞ。会社の犬に成り下がるわけにはいかない!
一年後〜
彼は働かなければいけないという社会の仕組みには勝てず普通に働くのであった。