─バカみたい─
「先輩、僕彼女できました!」
目の前には嬉しそうな部活の後輩。
ここで私は、単純に喜べばいいんだろう。
「…先輩?大丈夫ですか?」
『…あぁ、大丈夫だよ。おめでとう。』
入部してからは、一緒に笑ったりからかったり、
時には悔しくて涙を流したり。
とても楽しい毎日だった。
付き合いたいとは、思ってないつもりだった。
でも、いつの間にか傲慢になってたみたい。
『…本当、おめでとう。』
私の口から溢れた言葉は、とても小さく、
悲しいんだと自分でもわかるような声だった。
「え、先輩!?なんで泣いてるんですか!?」
『…いや、なんでもないよ。』
自分から伝えなかったのが悪いんだよ。
本当、バカみたいだなぁ、私って。
『…今まで、ありがとう。』
その言葉を最後に、私の恋は終わった。
3/23/2024, 9:50:25 AM