「バカみたい」
本当に、私ってバカみたいだな。
何で生きてるのかな。生きてても良いのかな。
そんな考えが脳裏をよぎる──。
でも、一人だけ、バカでも良いって言ってくれた人がいたんだ。
私がバカと言われて泣いているところに、
「バカでも良いじゃん!ほら、オレもバカだからさ!仲間だよっ!ねっ!」
と、励ましてくれた。
あの頃は自分が5歳くらいのときだっただろうか。とっさに助けてくれて、とても嬉しかった。
なのに、あの人は交通事故で亡くなった。それに、彼は臓器提供をしていたらしい。
私の弟は、心臓が弱くて、誰か知らない人にドナーを買って出てくれた人がいた。
そのドナーの人が、彼だったらなあ、とあるわけない事を思ってしまう。
そして、手術が終わってからの弟は、何だか人が変わったように明るくなった。
私がお父さんやお母さんに、
「バカなんだから、早く勉強しなさい!」
と言われるたびに、
「良いじゃんバカだって。父さんも母さんも人生の本当の楽しみ方を忘れてるよ!」
と言い返してくれるようになった。まるで、彼のように────。
こんな事思ってる自分って、本当バカみたい。
オニロ。
3/23/2024, 9:28:59 AM