『タイムマシーン』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
街に季節外れの雪が降り積もった日
君は逝った
僕には宝物を1つだけ遺して
君が逝って
僕は君を忘れた
君は、少しずつ崩れていった
砂浜に建てた僕らの城は
打ち返す波に攫われ
世界へ希釈されていった
君の声の響きを忘れた
君の髪の香りを忘れた
君の肌の熱を忘れた
君の表情の移ろいを忘れた
君の唇の味を忘れた
だけど
君は君を遺した
久しぶりに会った君のお母さんが
君の欠片を僕に届けてくれたよ
どうして?
世界が君を連れ去っても
世界が僕の中の君を薄めてしまっても
僕が再生ボタンを押すたびに
君は何度だって甦る
あの砂浜に君が現れる
今度、あの子に君を逢わせたいんだ
君の声を聴かせてよ、ずっと
「−タイムマシーン−」
「タイムマシーン」
実際にあるとか無いとか。
もしもあっても私は使わないだろうな。
思う存分に今を生きる。
何も取り柄がないけれど、誰にも必要とさ
れていないけど、これで良かったと思って
る。
この世に存在できて、良くも悪くも色々な
ことを知って経験して喜怒哀楽他を全うし
たと思う。
まだまだ希望は持っています。
毎日を大切に生きているなんて言えないけ
ど、今のままで。これからも。
「タイムマシーン」
君たちはこれを使って何をしたいんだ?
そんなに今世の時空を変えたいのかい?
良い事ばかりの世の中には、ならないの
だよ。
無事に帰って来ても元の世界に戻れるな
んて思わないことだね。
それでも君はこれを使うかい?
友人が忘れていったタイムマシーンに乗って、5分前に戻った。
「5分後にこれ忘れていくから、使わせてもらった」
と友人に言うと、
「使い方間違ってない?」
とあきれた顔で笑われた。
もし、タイムマシーンがあったら、過去に戻って君に会いたい。何故、君は消えてしまったの?
結婚の約束までしてたのにここで終わるなんて嫌だよ
彼はいつも優しかった
彼は最後まで優しかった
私がもっと早く車に気づいていれば
私がまだ渡らなければ
私が早く渡っていれば
こんなことしなくて済んだのに
「危ない!!」
そんな言葉を聞いたのは一瞬で
私を守るように抱きしめる小さな衝撃と
大きなクラクションがなって感じる大きな衝撃
私は思わず目をつぶった。
目をつぶっている間には
コンクリートに強く当たる衝撃があって
目を開くとそこには
私の背中に手を回している彼
そして一瞬にして赤く染った彼がいた。
「な...なん...なんで、、、」
「良かった俺守れたんだね」
そう言って力無く笑う彼
分からなかったここまでして私を守る理由
私はきっと動けなかった。
彼の立場だったとしてもきっと私は守れなかった。
「俺最愛の人を亡くすのは嫌だから守れてよかった。
好きだよ。愛してる。俺かっこいいでしょ。」
そう言って私を抱きしめていた腕の力が抜けた。
「うん。わ...私も好き,愛してる。」
私は大粒の涙で彼を濡らしていた。
口が少し動いた。
「泣きすぎ」
遠くでいや近くで
「早く救急車!!」
慌ててる声
「何があったの?」
この集まりがなんなのが知りたい声
「大丈夫ですか?」
心配する声
「え?事故?」
状況を知りたい声
「ヤバ」
他人事だからと言って声を出す人
「誰か電話してる?」
連携を取ろうとしてる人
「轢かれたの?」
周りの人たちとなにがあったのかを言うひとたち
ぼんやりとだけ聞こえる救急車の音
何があったのか理解の追いつかない私の頭
ただただ涙を流し続ける私
私わかるよ。
この場面で力が抜けるのはさ,死んじゃうじゃん。
「ねぇ,なんで?なんでなの?」
「...」
「ねぇ,答えてよ。なんで助けたの?」
「...」
何を言っても答えない彼
ぼーっと気づけば私は病室にいた。
私も少しは怪我をしていたみたい。
でも骨折程度だって。
彼のことを聞いた。
病院に着いた頃には息を引き取ったって...。
私は彼の両親に電話をした。
かける前から涙は止まらなかった。
彼が亡くなったこと
きっと警察の人が伝えたと思うけど
私の声で伝えたくて
「ごめんなさい。
私のせいで彼が亡くなってしまいました。」
あなたのせいよ。とか
あなたがいなければ。とか
そんな言葉が来ると思っていたのに
「大丈夫?
私もあなたもまだ信じられないでしょ。
帰ってきなさい。待ってるから」
私は両親を高校生で亡くして
彼の両親が私をホントの家族のように接してくれて
優しくて温かくて
彼をなくしてしまった今
私を優しくする理由なんてなくて
今何をするにも涙が流れる私には
過去を変えられる力なんてなくて
タイムマシーンがあったらなんて
おかしなことを考えてしまう。
過去を変えられたら
どれだけ良かったか
今この瞬間を大事に大切にしてください。
─────『タイムマシーン』
わたしはタイムマシンがあったら、現在と未来を繋いでくれる架け橋になると思います。今の時代コロナやインフルエンザなど感染症が流行っていて、亡くなられた方もいます。なのでもしタイムマシンがあったら、未来に行って感染症や病気を治す方法を見て来れることができます。他にもタイムマシンがあったら、未来ではなく過去にも行くことなどがあるからです。
“タイムマシーン”
タイムマシーンと聞くと、
未来や過去に行ける
未来から来た青いロボットを思い出す。
私にとってタイムマシーンは、
過去へ行く、未来へ行く
それに理由があるんじゃないかな
と思いつつ、
私は過去に行き、
過去の人達はどうやって
過ごしてきたのか
社会の歴史的な勉強を
この目で見てみたいと思った。
🥀
もしもタイムマシーンがあったら、
あのときのあなたに会いに行けるのかしら。
もしもタイムマシーンがあったら、
わたしと出合う前のあなたに会えるのかしら。
もしもタイムマシーンがあったら、
あなたに言った酷い言葉も取り消せるのかしら。
だけどきっと、
タイムマシーンがあったとしても、
あなたの心の内がわかるわけじゃない。
タイムマシーンがあったとしても、
わたしの気持ちが伝わるのかはわからない。
だからきっと、
タイムマシーンなんてなくてもいいの。
今すぐ走ってあなたのところへ行くわ。
タイムマシーン
「あらあらこんな傷を作って、痕が残ったらどうするのよ」
「心配無用よお母さん。その時はタイムマシンに乗ればいいんだから」
22世紀初頭、科学の粋を結集し、人間の全身を原子レベルで過去の状態に巻き戻す装置が開発された。外見から内臓、それに記憶まで巻き戻してしまうさまから、小難しい装置名の代わりにタイムマシンと呼ばれていた。
「全くいい時代よね。私の指も元通りにできたら良かったのに」
「なんで失くしたんだっけ」
「工場のアルバイトでコンベアに巻き込まれたのよ。学生時代の話」
「タイムマシンは1年までだから無理ね」
様々な理由から、タイムマシンで1年以上遡ることは禁止されていた。タイムマシン側にも、それを防止する機構が組み込まれていた。
タイムマシンを使用すると、巻き戻した時点のスタンプが、暗号化されて全身に刻印される。たとえば12/31に364日分巻き戻せば、肉体の時間は1/1として記録される。しかし、12/31から遡行できるのは1年前の12/31までなので、もう一度タイムマシンを使用しても今度は1日しか戻せない。どうやっても1年以上前には戻れないのだ。
『お母さん、お母さん』
夕食の食器洗いの手を止め電話に出ると、せかせかとした娘の声が聞こえてきた。
「どうしたのよ、何かあったの」
娘は今日、彼氏とデートすると言っていたはずだ。
『彼が、彼が、死んでしまったのよ』
「え、あなた今どこにいるのよ」
『彼の家よ』
「救急車は呼んだ?すぐに呼びなさい」
『無理よ』
「落ち着きなさい。深呼吸して、そうしたら119にかけるの」
『私が殺したのよ』
息を呑んだ。しかしすぐに平静を取り戻した。
「わかったわ。そこで待ってなさい」
母親が家に着き、娘について部屋に入ると、滅多刺しにされて臭気を放つ男の死体が横たわっていた。
娘曰く、デートの待ち合わせ場所に彼は来ず、電話にも出ないので心配になって家に行くと、知らない帰ってくれと門前払いを食らったという。ショックで玄関先に泣き崩れたところ、迷惑そうにしつつ家に上げてくれた彼だったが、自分のことを忘れてしまったかのように他人行儀に話すので、堪えられなくて殺してしまったらしい。今日は娘の誕生日だった。
母親は娘をなだめ、てきぱきと男の死体をビニールシートで梱包する。
死んでいようがバラバラだろうが、肉体は過去と繋がっている。肉体に刻まれた過去の痕跡を遡れば、生前まで構築し直すのは造作もないはずだ。生死は人が決めた線引きであり、実態は原子の集合体でしかないのだから。
死体と娘を車に乗せ、家に戻る。
男の死体をタイムマシンのカプセルに寝かせ、遡行時間を設定する。7時間で十分だろう。実行ボタンを押し、いくつかの警告に同意すると、作動音が鳴り始める。電気自動車の走行音程度の静かな音だ。無事動いていることに安心して、母親は寝ることにした。娘はそばで見守るらしい。
母親が布団でスマホを見ていると、娘が血相を変えて寝室に入ってきた。タイムマシンがエラーを起こしたらしい。急いで駆けつけディスプレイに表示されたエラーコードを見て、母親はハッとした。
見覚えのあるコードだった。肉体を1年巻き戻して、更に1年巻き戻そうとしたときに見たものと同じコード。
壁に掛かった時計はちょうど12時を回っていた。母親はすべてを悟った。この男は昨日1年分遡ったのだ。そして、日付が変わって遡行期限が1日分更新されることで、当初戻ろうとしていた時点が1年と1日前として扱われることになってしまったわけだ。
どうすることもできず、点滅する表示灯をただ見つめた。泣きわめく娘の声が頭蓋骨に響いた。
2023/01/23
次の日
次の日
次の日
次の日
次の日
次の日
ある日僕の意識は途切れた
次の日
次の日
次の日
今日は何日だっけ
「タイムマシーン」
「あの時やり直せたらって思ったことある?もし過去や未来に行ける機械があったら使いたい?」
君はいつだって突拍子もないことを言い出すんだ。さすがに考えたことくらいあるが、今の自分を否定する結果になるから過去は変えたいなどと思わない。もし、死んでいった戦友を助ける術があったとしても必ずどこかで埋め合わせが起こるだろう。全てはなるべくして起こった事。
それに過去が変わったら君に会うことがないまま過ごす可能性が高い。そんなの君を知った俺には堪えられそうになかった。変えるとは何かを失うことでもある。
「未来だって気にならないと言えば嘘になってしまうけど、俺はどちらにも行きたいとは思わないな。」
まるで俺の答え知っていたのかのように君は穏やかに笑っていた。
「いつも前を向いてるからそう言うと思ってた。」
分かってるのにわざと聞いたのか。君は俺を理解してきたみたいだね。そうこなくては。
「未来でも見てきた?」
「まさか。読んだ本に蝶の羽ばたきひとつで世界が変わるって書いてあったから、私達が会えたこと実はすごいことなんだなって。」
もし機械が本当にあるなら使いたい人間はごまんといるだろう。君の話したようにほんの些細なことで君との関係が変わってしまうなら…
「…誰かが使う前にその機械を壊しておかないと」
「例えの話しだって…!」
実際にあったら俺は、機械が存在する限り何処へでも破壊しに行くだろう。慌てだす君に冗談だよと、向かい直した。
「過去は教訓になり学びを与えてくれる。そうやって積み重ねて、欲しい結果は自分で掴むものだよ。君が良いって言うならこの先も俺と…どうかな?」
この先は君次第。とりあえず首を長くして待つことにするよ。
頬を染めはじめた君は俺に何て言うのだろう?いくつも予想をたてるけどわからないから未来は面白いんじゃないか。
あ、でも「君の未来の旦那様だよ」と小さい頃の君に会って言ってみたかった。
『タイムマシーン』があったなら
タイムマシーンであの頃の家族に逢いたい。
守れなかった私の心を守ってあげたい。
笑顔を守ってあげたい。
ずっと好きでいたいのに。
大切な人や、ものが壊れると悲しんだりする。
それと似たような感じに私の家も古くて脆くてすぐにでも
崩れそうな家。
壊したくないな、でも死にたくもないな。
思い出いっぱいの家はいつしか無くなるから。
それまで、この家に居させてはくれないだろうか。
タイムマシーンがあればずっとその時にいたい。
でも過去は過去なんだ、それぐらい許してよ。
未来に歩くのはもう疲れた。
ただ、過去は知っているから。
こんな私の思いは逃げているだけなんだ。
未来がある私はわがまま過ぎかな。
もう、タイムマシーンあるなら連れてって。
#タイムマシーン
タイムマシーンにのって
行きたい未来を
なくしてしまった私は
どう生きればいいの…
タイムマシーンで
Let's go!
どうする?
行き先は
過去?
未来?
その前に
行ったきりになるのか
覗いてくるだけなのか
記憶はこのままなのか
消されるのか
そこ大事
例えば過去へ戻り
記憶を持ったまま
生き直すなら
そこで新たに
何を選び
何を得て
何を望み
何を叶え
誰を愛し
誰に愛されるのか
捨てなければ
得られなかったものを
諦める事は出来るのか
時空を超え
違う世界線を生きる
何を生き甲斐に
何をどのように変え
どう生きていくのか
新たな選択肢を前に
見誤らず悔いなく
上手く生きていけるのか
きっと
今と大して変わらない
こんな私の事だから
「タイムマシーン」
あら、お帰りなさい
見ないお顔の方もこんばんは
私のお話を聞きに来てくれたの?
嬉しいわ
じゃあ、早速お話を始めましょうか
そうだわ、最初から聞きたいのなら
昨日のものが残ってるから、そこから聞いてね
私ね、彼に一目惚れだったのよ
私は人と顔を合わせるのが苦手なの
だからずっと下を向いていたわ
前からの友達とは前を向いて話せるけどね
最初は彼から話しかけてきたの
メールの方でね
一緒に遊ばないかって
電話をしてネットで遊んでいたのだけど
私はまず彼の声に惹かれたわ
とてもかっこいいの
次に、彼の性格
とても優しくて、そこで顔を知りたくなったの
学校の日、声を頼りに彼を探したわ
私、耳がいいのよ
そして見つけたの
彼は、とってもかっこよかったわ
そして可愛いの
人に囲まれながら笑う彼の姿に
私の心は一瞬で奪われたわ
その時は大変だったのよ
見ただけで顔が真っ赤になっちゃったみたいで
隣にいた友達に凄く心配されたの
彼の周りには人がよく居るの
男友達も女友達も
私は彼と女子が絡む度に嫉妬をしたわ
最初は羨ましいって焼きもちを焼く程度だったの
でもね、最近は自分でも度を超えてると思うわ
彼と絡む女子に、昔からの友達もいたの
他にも、新しく友達になった子もいたわ
その友達たちに対して、殺意が湧いてしまったの
私って最低だわ
人を殺す度胸もないのに殺意が湧くなんて
そもそも友達に対して
こんな気持ちが湧いてしまうなんて
自分が嫌になったわ
こんな事を考えてしまう自分が嫌いなの
だから必死に抑えてるのよ
私が誰にも危害を加えないように
絶対に何も起こらないように
少し話を戻すわね
私は不安になったわ
彼が絡んでいる女子の中に
彼の好きな人がいるんじゃないか
私は眼中にないんじゃないかって
それでも彼は私と夜に電話をしながら
一緒に遊んでくれるのよ
共通点も多いから、話題には困らなかったわ
そこで私は気づいたの
彼はたらしなんだわ
彼に対しては失礼だけれど
私は彼に惚れた女子を少なくとも一人知っている
彼女は私の為に諦めてくれたのだけど
本当に優しい子よね
彼はきっと天然たらしってやつなのよ
確かに、あんなにかっこ良くて、性格がいい人に
ちょっかい掛けられたら気になるわよね
私だって、そのたらしに引っかかった一人だもの
それぐらい分かるわ
いつだか私は不安が頂点に達して
つい、彼に聞いたわ
私は皆や貴方の足を引っ張っているんじゃないかと
でも、彼は優しく慰めてくれたの
自分の方が足を引っ張っている
なんて事も言ってくれたの
全くそんな事はないのだけどね
そして、私は彼の言葉に
心が暖かくなって、涙を流したわ
やっぱり彼は優しい
でも、私はこの不安について話したこと
相談したことを後悔してるの
だって面倒臭い女だなんて思われたくないじゃない
もう思われているかもしれないけれど...
あぁ、やり直したい
こんな時にタイムマシーンがあったら
やり直したい所からやり直す事ができるのに
他にも、今まで私は沢山間違えてきたの
間違えた所は分かっているのよ
だからこそやり直したい
本当にタイムマシーンがあったらいいのに
やだ、もうこんな時間だわ
貴方もやる事があるでしょうし
今日はここまでね
私のお話を聞いてくれてありがとう
またね
私へ!忘れちゃダメ!
私は私を信じてる。
だから私は私を信じてくれる人が大好き
私を信じてくれなかった人に対して
私はすごく寂しいなぁって思う。
これは私を否定された気分になったから。だと思う。
私で自分を守ろうとする人がいた。
私を信じてくれたから、
私に頼み事をしてくれたり、私を見てくれたり、
私と一緒にいてくれたんだと思ってた。
でもそれは、色々な面で間違ってた。
あの人はいつも人に囲まれてて、
頭も良くて、足も早くて、にこにこしてる
誰が見てもおぉ!ってなる人だった。でも
私といる時は、いつも寂しそうにしてた。
可哀想だと思ったから、隣に座った。
あの人は笑ってくれた。
私は信じられてるって思って嬉しかった。
でも、いつの日か私は気づいたことがあって、
あの人はいつも私を疑ってた。
疑うって信じてる人にするのかな、
あの人にどうして疑うのか聞いてみた。
あの人は人を信じられないって言った。
人を信じられない。悲しいことだと思った。
私が信じるをわかって貰えるようにできるのでは?
って思ったから実行した。
これが信じるってことって、私の思う信じるとか
物語に出てくる信じるとか、身近な人の信じるを
沢山教えさせてもらった。
でも、結果として出た答えは、
自分の信じるが分からない、だったらしい。
あやふやでも自分の考えがない状態で、
たくさんの意見を聞きすぎたかな、
そう考えて申し訳なくなって謝った。
そしたらあの人は、ゆっくり頑張るって言ってくれた。
ゆっくり、ゆっくり、
きっとあの人にもこの気持ちが分かるようになる、
私は信じてた。
あの人は嘘をついてた。私に、皆に、
あの人は自分の存在を私の、皆の信じる気持ちを使って
証明させたかったらしい。
別にこれはいい。納得した。問題はこの後
あの人は私たちのことを嫌っていた。
しかも、大嫌いって言ってた。
どうしてなのか、気になった。
でも、聞かなかった、いや、聞けなかった。
あんなに頑張ったのに、とか一瞬思ったけど
よく考えれば余計なお世話だったし、
私ってウザかったのか、と思った。
私はあの人に謝って家に帰った。
あの人とはもう会わなくなった。
それから気づいたことがある。
私はあの人に酷いことをしていたってこと。
私があの人を使って自分を正当化していたこと。
もう謝った。でも、罪悪感を感じてる。
だから私は自分の考えをしっかりと表明させた。
私は私を信じる。
あの人みたいな人って結構いたし、
そのおかげで耐性も前よりはついた。と思う。
相手の意見を尊重する。
自分の我を通し続けるのは無理たから
多面的な意見を沢山知る!
私なら大丈夫!何時でも信じる心を持つ!
「タイムマシーン」
未来へ行き、あなたとの歩んでいるか見たい。
天才的な頭脳を持つ俺は、若くしてタイムマシーンの制作に携わっていた。とは言っても、まだ試作段階だ。
小型の試作機にマウスを入れて、一日後の未来へと飛ばす。今でこそ成功しているが、これが人となるとそうもいかない。
絶対に失敗は許されない。故に、慎重になる。俺は助手と二人で、数年にも及ぶ研究を続けていた。
ある日、人間用のタイムマシーンを起動する、最終チェックを行っていた時だ。
突然、研究室の扉を開け、一人の老婆が飛びこんできた。老婆は、ヨボヨボの足腰と棒切れのような腕からは想像もつかないほどの力で、俺に抱きついた。
醜い顔に、ずっと風呂に入っていないであろうベタベタの髪、悪臭が鼻をつく。何かを叫んでいるが、歯がない口からは何を言いたいのか聞き取ることが出来なかった。
考える暇もなく、俺はテーブルの果物ナイフを手に取り老婆を刺した。
殺人を犯すことよりも、このまま揉み合いになりタイムマシーンを壊してしまう方が、よっぽど恐ろしいことに思えたのだ。
あっけなく老婆は死んだ。まったく、一体どうやってここに迷いこんだのだろう。迷惑なやつだ。
そんなことを考えていると、ちょうど使いに出した助手が戻ってきた。一見すると、非常にまずい状況だが、俺は至って冷静だった。
長年一緒にいたのもそうだが、俺よりもずっと歳上の彼は、とても強い忠誠心を持っていた。
俺の思考を読み取っているんじゃないかと思うほど、常に先回りをして準備をし、快適な空間を作り上げ、必要な案を出してくれる。タイムマシーンの研究に、彼は必要不可欠な存在であった。
だからこそ、俺は落ち着いて彼に言った。どうせ身寄りもないであろうこの老婆の、後始末をしておくようにと。
彼は……助手は、一瞬悲しそうな表情を見せたが、淡々と老婆を担ぎ、部屋を出ていった。
……さて、後は俺の知ったことではない。研究の続きを始めよう。
それから月日は矢のように流れ、ついにその日はやってきた。
完成した、巨大なタイムマシーンの試作機。マウスの分も含めると、これは二台目だ。
だが、これに乗るのはマウスではない。人間だ。それも、俺が自ら実験体となり、数日先の未来へと飛ぶ。
これが成功すれば、ゆくゆくは数年先……いや、未来旅行だって夢ではない。この実験には、人類の夢が詰まっていた。
いざ実験を始めようとした矢先、彼女が息を切らして研究室に飛びこんでくる。どうやら、俺を心配して彼女も一緒に実験へ参加したいらしい。
俺は少し悩んだ……が、彼女とは将来を約束しあった仲。この実験を一緒に乗り越えてこそ、絆も深まるというものだ。
彼女と二人、タイムマシーンに乗りこみシステムを起動させる。少し不安そうな彼女の手を、俺はギュッと強く握った。
……覚えている記憶は、そこまで。身体が、異常に熱くなったのを最後に、俺の意識は途絶えた。
目を覚ますと、俺一人。タイムマシーンであっただろう部品と、数十年前の日づけが記載されている、捨てられて間もない雑誌。
未来どころの話じゃない。俺は、過去に飛ばされてしまったのだ。しかも、タイムマシーンも彼女もいない。
一部の部品しかないということは、残りのタイムマシーンは彼女の元にあるのだろうか。
しかし、どこにいるのか場所が分からない。そもそも、同じ年代にいるのかすら怪しい。もしかすると、俺よりもずっと過去まで行ってしまったのかもしれない。
俺は、彼女を探した。最後に握ったあの手。絶対に離さないと、守ってみせると誓ったのだ。
過去の世界で生き抜くために、生まれて初めてバイトも始めた。住所不定の男を、雇ってくれるところなんてほとんどない。だが、運良く気のいい飲食店の店主が、こんな怪しい俺を引き取ってくれた。
衣食住には困らなくなったが、俺の頭の中には常に彼女の存在があった。
今、どこで何をしているのだろう。腹を空かせていないか。住むところもない女性一人、危ない目にあっていないか。毎日、そればかりが気がかりだった。
そんな時、運命を変えるような出来事が起こる。
俺が……過去の俺が、来店したのだ。懐かしい。まだ、学生だった頃の俺だ。
あの頃の俺は、まさかこんなことになるだなんて、思ってもいなかっただろう。涙をグッとこらえて、俺は必死に俺に取り入ろうと奮闘した。
俺の考えていることは、俺自身が一番よく分かる。
俺は俺の信頼を得て、過去の俺はこの店の常連となった。
そして、俺は俺に言われた。
タイムマシーンを作ろうとしている。助手になってくれないかと。
俺は二つ返事で了承した。
タイムマシーンが完成すれば、消えた彼女を探しにいける。そうして、元の世界に帰ろう。彼女と一緒に。
それから毎日、あの研究漬けの日々が始まった。
と言っても、俺にとっては全て過去のこと。タイムマシーンの研究は、順調すぎるほどに進んでいった。
このままいけば、もうあと幾日もしないうちにタイムマシーンは完成するだろう。
高齢とは言わないまでも、中年のおやじと呼ばれるまでは歳をとってしまった。あの日、あの事故さえ起こらなければ。そもそも、タイムマシーンを作ろうとしたこと自体、間違いだったのか。
……よそう。今更、そんなことを言ったって無駄だ。
早くタイムマシーンを完成させ、一刻も早く彼女を探しに行かなければ。
俺に言われた備品を買い足し、研究室に戻ると……俺が、知らない老婆を刺し殺していた。
知らない……いや、違う。俺も歳をとったように、彼女もまた、歳をとっていたのだ。
力なく横たわる彼女。あぁ、こんなおばあさんになって、一体どれだけ過去に……。
そいつ、片付けておいてと言い放つ俺に、俺は言い返す気力すら残っていなかった。
彼女の亡骸を抱きしめ、研究室を出る。
俺たちはやっと、一緒になれたのだ。
もしもそんな機会があれば
あんな初恋、もうしない
もっといい人好きになって
もっと幸せになりたかった
けど、そんな機会ないのだから
私は、その記憶を美化して
心に閉まっておく
それが、1番いい方法だと今は思う
指の隙間から覗いたくらいの未来から、君がどんな子供を孕むのだろうと考える
ぺたんこの腹がぽこっと膨らむのは多分少し不愉快で、でもやっぱりきれいなんだろうと
そう思うだけにして、ひだりの薬指の第二関節をゆっくりとなぞった