『カーテン』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
カーテン
ほぼ開けない
隙間から光が漏れてる
完全には閉ざせない
閉したところで他から漏れる
設計上あり得ない
人間も同じで
完全性は備わってない
完全性があるとしても
あくまで何かに対してでしかない
私から見ての完全で
その何かからはないはず
完成してるなら手を加える必要はない
そのままは駄目でも
その人なりに作り変えていい
全てから閉ざすことは出来ないんだから
「カーテン」
ゆらゆら揺れるカーテンは、まるで海月のよう。
ひらひらしてる海月は、まるでスカートのよう。
ふわふわ柔らかいスカートは、まるで綿菓子のよう。
甘くて柔らかい綿菓子は、まるで貴方のよう。
怒りっぽい貴方は、まるであの人のよう。
私を叩くあの人は、まるでいじめっ子のよう。
人を痛めつけて笑ういじめっ子はまるで――。
私のよう……。
【#96】
お題:カーテン
風も無いのにカーテンが揺れる。
…それはなぜ?
おばけが動かす、霊的現象?
虫や生き物が隠れていて、それで動く?
体が感じないだけで、実は風が吹いていたり?
どれもありえそうだけど、1番多そうなのは
霊的現象と、どこかから来るすきま風かな。
虫が動かしてたら、虫が苦手な私にはキツすぎる。
おばけは見えなければ、まだ平気かもしれない。
無風で動くカーテンはつい、
自分が怖くない方へと、理由を考えてしまうな。
部屋のカーテンをぼんやりと
眺める。
知人に買って貰った星空のカーテン
でも、ほんとはあまり好きじゃない
買えというから渋々選んだ柄
来月になったら、買い換えようかな
カーテン/夜凪
〚カーテン〛
光を浴びる。
君のような光を浴びてから。
街に出かけているよ。
小さい頃、カーテンに巻き付くのが好きでした。カーテンを裂くのも好きでした。ええと、ヤンチャだったんだな、と感じました。
カーテンとは常に要る物ではない。西日が入ってくるなら要るけど、日を浴びたいなら、邪魔なだけ。人々は日を浴びたい時はカーテンなんかいらないというのに、西日を遮りたい時はカーテンがほしいと言う(実際、そんな人はいないだろうけど)。あくまでこれは例えで、こういう状況だから、彼が必要。でもその状況が転じたらポイっていう人、結構居る。戦略と言われればそれまで。でもその後の「彼」の生活は?カーテン君は捨てられちゃう?そんなことまで考えられるだろうか。
ブラインドっていうのかな?僕の部屋はカーテンじゃあない。でも、カーテンに感情移入してしまった僕。カーテン君、また、いつか会おうね。
のぞくことはできない
たった一枚の
薄いカーテンが
きみの心の窓に
引かれているだけで
………カーテン
【カーテン】
カーテンが揺れる。
穏やかな風が流れ、頬を撫ぜた。
明日もこんな風が吹けばいいねと、君は笑った。
部屋のカーテンは紺色の星空みたいなカーテンで
陽射しが当たると紫になる
とてもお気に入りで晴れの日は綺麗だと思うし
雨の日は夜空が部屋の中にあるみたいで
この部屋は落ち着く
カーテンを開けるのをつい忘れてしまう
太陽は嫌いだったけれど
カーテン一枚を通して少し好きになれた
引っ越す時にこのカーテンにしてよかった
私の自慢だ
彼と一緒に住む夢を描いたとき
まず想像したのがカーテンだった
彼がカーテンをつけてくれる姿を
横で手伝いながら
幸せだなぁって。
「カーテン」とかけまして
「トラブルなくスムーズ」と解きます。
その心は「幕/巻く」でしょう。
カーテン
カーテン越しに
見える風景
憧れの
東京のホテルから
小さく
スカイツリー
見えたらな
なな🐶
2024年10月11日2315
カーテン
天井から床まで覆う重厚なカーテン。落ち着いた色合いの布地に触れ、ほんの少し開けて視線を落とす。眼下、高速道路を流れるライトの列。ぼんやり眺めていると「何見てんの」背後から声が飛ぶ。振り返ればバスローブ姿の彼が背後に立ち、先刻の私と同じように窓の外へ視線を向けた。
「Rの33」
「カエルの散歩?」
「ちがうー、えっと……BCNR33」
「ああ、33」
「さっき積載車通ったの。タイヤ山盛りだったからドリ車かも。あした走行会かな」
「そういうことばっかり詳しくなって……」
「教えた張本人がそゆこと言う?」
「え、俺のせい?」
「おかげさまです」
腕を回され身体が密着。背中にじんわり伝わる彼の体温、感触。会えないあいだ、私がずっとほしかったもの。
「なんか、あっつい。熱ある? ねむたいの?」
「シャワー浴びたからだろ。むしろ寝かさないけど。……何笑ってんの」
「いつもすやすや寝ちゃうのにねえ」
「色々吸い取られてるからな」
「わたしのせいかあ」
首を傾げると同時、うなじに唇が触れる。軽い挨拶とは程遠い、明確な劣情を剥き出しにした性行為そのもの。
「まだ我慢させる気?」
耳元の囁きは誘い。俯く私の反応を愉しむように両眼で舐る。それすら私にとっては愛撫。振り向くと視線が交錯し、彼の手でカーテンが閉じられた。
(了)
2023.10.12 藍 お題「カーテン」
秋になってくると日も短くなり、仕事から帰宅する頃には外はもう暗い。
家の明かりや街灯がつき始め、夜道を照らすようになる。明るかった帰り道が暗くなり少し寂しさもあるが、住宅街を通ると子供の楽しそうな声が家から聞こえてくる事もあるので、嫌いではなかった。
その日も、定時よりは少し遅れて退勤して、帰る頃にはもう夜になっていた。
一軒家の家から子供のドタバタと走る音やお母さんの声。色々聞こえて来ると同時に平和を実感する。
微笑ましいなと思って歩いていると、とある家が目に入った。
あかりがついていない平屋。
だが、窓は開いていてカーテンが風になびきゆらゆらと揺れている。
不用心だな、と思いつつその部屋を見るとカーテンがめくれ部屋の中が見える。
すると、女の子が泣いているのが見えた。
可哀想に思い、声をかけようかと平屋のそばに行こうとするとふと違和感を覚えた。
部屋の中は真っ暗なためなんにも見えない。
なのにどうして、 “女の子“ だけはっきりと見えるのだろう。
何か嫌な予感がした時にはもう遅く、
窓を見ると女の子がこちらを見ている。
急に寒気がした。
立ち去ろうにも目が合っているせいか、動けなかった。足が地面とくっついてるかのように動かすことが出来ないのだ。
目はクリクリとしていて、髪は長い。
お化けのようにおどろおどろしい姿はしていないが、動きがなんだかゆらゆらとしている。
きっとこの世のものではないのだろう。
そんな心霊経験をした事もなかったので、為す術なくその場に立ちすくんでいた。
ゆらゆらと揺れる女の子の動きがピタリと止まる。
ゴクリと唾を飲むと女の子が口を開いた。
「た、……たすけ、」
ビュオオオッ
女の子が何かを言いかけた途端部屋から風が吹く。
体も動かないので目をつぶって風を凌ぐしかできなかった。
風が止み、窓を見ると女の子の姿はなく何も見えない真っ暗な闇となっていた。
足も動くようになっていたので、早々に家へ帰宅した。
あとから近所の人に聞いた話では、どうやらそこの平屋にはある一家が住んでいたらしい。
最初は平和に暮らしていたものの、父親の浮気から始まり、離婚、そして母親の暴力により一緒に住んでいた娘さんが亡くなったそうです。
母親も逮捕され、その平屋はそれ以来誰も住んでおらず、空き家のままだそう。
一時期ニュースでも取り上げられていたらしいが、だいぶ前のようで見たことは無かった。
そして、父親と離婚したあと、母親が仕事に出ている間の夜は、女の子の鳴き声がここ近所に響いていたらしい。
もしかしたら、亡くなった今でも誰かに助けを求めているのかもしれないと思うと、胸が苦しくなった。
#カーテン
これからの未来を
美しく仕上げるために
どんな今をも受け入れる
おはよう世界
先ずはカーテンを開けることから
背中が痛くて目が覚めたら、自分の家の床の上で寝ていた。むくりと起き上がって洗面台に向かう。昨日の服装、化粧も落とさないまま。髪の毛は凄いことになっている。不細工な鏡の中の自分がこっちを睨んでいた。
部屋中の窓を開け、換気をする。とりあえずお風呂に入ろうと思って湯を沸かす。その間にこの酷すぎる顔を何とかしたくてクレンジングに手を伸ばす。顔を洗いながら、考えるのは嫌でも昨晩のこと。ああ、終わったんだな、って。どこか他人事に思えるのは何故だろう。
「タオル、タオル……」
ぼーっとしてたらフェイスタオルをそばに準備しとくのを忘れていた。泡まみれの顔でサニタリーの棚を漁る。その後泡を流して顔をうずめるとリネンの香りが鼻腔に入り込んできた。少しだけ、気持ちが落ち着いた。わりとゆっくり行動していたらお風呂が沸いた。昨日の服を脱ぐ時、ストッキングに伝線があるのを見つけた。いつからあったんだろう。昨夜、あの人といた時はどうか無かったことを願う。
せめて最後は完璧な私で迎えたかったから。
熱いシャワーと熱いお湯に浸かって、長湯から出た時はもう昼時に近かった。籠の中のさっき脱ぎ捨てた昨日の服。もうこんな、背伸びしたワンピースなんて着ない。鼻を近づけると煙草の匂いがした。途端に気持ちが落ちてゆく。心がずんと沈んでゆく。もうあの人には会えないのに、あの人の匂いを持ち帰ってしまった。折角お風呂でさっぱりして、このまま昨日のことは夢だったんだと言い聞かせようとしたのに。香りは瞬時に記憶を呼び起こす。涙腺が脆くなるのも必然だった。
「あーあ」
ばたりとベッドに倒れ込んだ。泣きたくない。頭じゃそう思っていても心は言うことをなかなか聞いてくれない。たかが失恋。あの人に私は必要なかった。ただそれだけのことだ。それで終わらせてしまえたなら今、こんなに苦しんではいない。本当に、好きだった。でも叶わなかった。気持ちだけでは駄目なんだ。恋は2人でするものなんだ。分かっちゃいるのにうまくいかなくて、やりきれなくて。それが涙となり頬を伝った。
さっき開けた窓から少しの風が入り込んできた。涙に濡れた頬に当たって僅かにひんやりとする。ベランダのカーテンが揺れている。ひらひらと揺れ風に舞う姿は私の今の心境と正反対に軽やかだ。見てるとなんだか、さっきまでのざわめきが薄れていくような気がした。
そうだ、カーテンを洗おう。ふと思い立ち、レールから外しにかかる。何もない土曜日の昼間。外は快晴で洗濯日和。昨日の弱った私と決別するために、部屋中のものを洗濯するのだ。
カーテンを外しきった窓の向こうに青空が見えた。目に染みるほどの青。深呼吸を1つしてから洗面所へ向かった。
自分の心もまっさらに洗えたら良いけどそれは無理だから、一先ずカーテンを洗おう。お気に入りの柔軟剤で、昨日のワンピースもついでに。大好きな匂いに囲まれていれば、少しは気が紛れるだろう。もう煙草の匂いは嗅ぎたくない。
カーテンが揺れている。
彼がその事に気付くと冷たい風が入ってきた。
今は21:00だ。
彼の夜の時間はあっという間に過ぎていく。
彼の世界に夜しか無かったら人生はあっという間だ。
夜の仕事をしている人はそうなのだろうか。
彼は冷たい風を追いかけて街に出掛けて行きたくなった。
だけど、明日も朝早く出勤する。
結局、彼の夜は寝るために眠るために存在してしまう。
日中、日差しが強かったのでカーテンを閉めていた。数時間後、部屋が暗く思えたのでカーテンを開けたところ、黄色さを帯びてきた太陽が目に入り、ああもう夕暮れの時間が近いのか、などと思った。
「あ」
誰かが声を上げた。
「ちょっと、今良いところなんだけど」
カーテンである。
「今日の夕焼け、絶対綺麗なんだもの、見ていたかったのに」
眩しくて何も見えない時と暗くて何も見えない時しか閉めてくれないんだから、これだから人間は、などと愚痴愚痴と言われたので「ごめんごめん」と平謝りしつつ、「じゃあ」と持ちかけた。
「半分閉めて、半分開けるでどうかな」
両開きのカーテンはぱたりと愚痴を止めた。しばらく押し黙り、もしかして唐突に普通のしゃべらないカーテンに戻ったのかなと思い始めた頃、ようやく声が聞こえてきた。
「……許す」
どうやらお許しいただけたらしい。
約束通り、片方のカーテンだけを閉めて、もう片方は開けたままにする。やがて傾いてきた日が濃いオレンジ色になって辺りを照らす様子を、カーテンと共に静かに眺めた。
カーテンの隙間から、溢れ出る極光が私の顔を照らした。
夜は白夜であって、開けることはなかった。
ノルウェーの、北東部。
朝方、エミリアは季節性のメランコリックで、起きるのが遅かった。
セントジョーンズワートのハーブティーを飲んだのも、眠りが深い要因の一つだった。
ただ、その眠りが彼女を深い悲しみへと、突き落としていた。
酷い夢だった。
なんだか、とりとめなくて、それでいて別れを想起させるような。
「また会おう」
彼はそう言った。
もう一度会いたいと思っていた、あの顔だということに気がついた時、エミリアは慌てた。
「会おうって!?」
ここは夢の中なのに。そう、夢の中だと分かっている夢だった。いわゆる明晰夢みたいな。
起きると、なぜこんなに空が明るいんだろうと、憂鬱になった。
遮光カーテンを買うべきかもしれない。
だがしかしそれだって、憂鬱を増幅させる材料になるだろう。
永遠に続く夢なら良かったのに。
とりとめもない夢は、夢の中に消えた。
カーテンの隙間から朝日が差し込み、いやでも目が覚める。
今日は休日で特に予定もない。
隣でスヤスヤと寝ている彼女を起こさぬよう、そっとカーテンを閉めなおした。
「ゆっくりおやすみ」
彼女の額にキスをして再び布団の中へと潜り込む。
さて、何時に起きることやら。
"カーテン"