『やわらかな光』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
柔らかな光が肌を撫でる春の朝
心地よい風に靡かれながら外を散歩する。
少し肌寒いがその寒さを太陽が緩和してくれる
空気も澄んでいて気持ちが良い
1日の始まりにもってこいな天気ではないか。
15のとき、10歳年上の姉に赤ちゃんが生まれた。
暖かな日が差す春の始まりに生まれたその子は、ヒナタと名づけられた。
わたしは、その年のお盆、姉家族が帰省してきたとき、ヒナタと初めて対面した。
姉に抱っこされて車から降りてきたヒナタをおっかなびっくり覗き込んだら、黒目がちな瞳にじーっと見つめられた。わたしはどうしたらいいのかわからなくて、手を振って、とりあえず挨拶をしてみる。
「はじめまして、ヒナタちゃん。きみのお母さんの妹のエミです。よろしくね」
ただ見つめ返されるだけで、反応はなかった。
「ふふ。ふたりとも緊張してておもしろい」
姉が微笑む。
わたしは確かに緊張していた。だって、こんなに小さい子と関わったことなんてないのだもの。
わたしは振ってた手を引っ込めて、ヒナタから離れた。
そんな緊張の初対面を終えたわたしは、それ以降、四六時中、ヒナタが気になって、何かと構いに行った。
次第にきちんと反応してくれるようになって、一緒に遊べるようにもなった。わたしに慣れてきてくれたのかと思うと嬉しかった。
わたしもヒナタもお互いに慣れてきた頃。
「抱っこしてみる?」
姉が言ってくれた。実はずっと抱っこしてみたかったわたしは、うんうん頷いた。姉にやり方をきく。
そうしてわたしは初めて、ヒナタを抱っこした。
思ったより重い。それに、あったかい。胸にじーんとくるものがあった。
「ヒナタ、」
呼びかけてみる。ヒナタは笑って、手足を動かした。
細められた目に、やわらかな光がキラキラ輝いている。
『子宝』なんて言葉があるけれど、確かにこれは宝物だと思った。
この光が、どうかずっと失われませんように。
ヒナタを胸に抱きながら、わたしは祈った。
〜やわらかな光〜
カーテンから入る光
寝ている私を包み込むように
ゆっくりとした寝息が聞こえてくる……
文章では、柔らかく感じるけど
実際は、徐々に熱くなって
熱くて寝苦しくなるというなー
でも、気持ちいいんだよなぁ〜
ちょうど一年前
君から告白された
次の日の朝
やわらかな光で目覚め
幸せな朝だったな…
目を開けないまま色を知る
それはいっとう美しい命の輝き
照さずとも見える砂浜みたいな愛しい光
目蓋の裏に映る景色全てが私のもの
わたしだけの、やわらかなひかり
どうやら自分自身の命が、私を照らし続けているようだ
やわらかな光
やわらかな光はいつも私の手をすり抜ける。
近くに現れた光に手を伸ばして触れたと思った瞬間、形を変え遠く離れる。
他に見える光には既に誰かがいて私が近づく余地はない。
また近くに光が現れた。私は触れようと伸ばそうとした手を止め、そのやわらかな光へと飛び込んだ。
ーーーー
木々が立ち並ぶその合間を暖かな風が吹き抜ける。
枝葉たちが一斉に騒ぎ出してはまた静かになり、声を潜めていた虫たちが代わりにと鳴き始める。
絶えず声があり続ける空間に木漏れ日が降り注ぐ。
『やわらかな光』
夜が明けた。光が心地良い。ここは何処だろう。じんわりと血の巡りを感じる。…存在している。今まで何をしていたんだろう。何も思い出せない。
ふ腕にぐっと力を入れて上半身を持ち上げる。見ると、手足が濡れている。嫌、全身に重い水が纏わりついている。服が肌に張り付いて気持ちが悪い。
周りを見渡す。景色が広がっている。が、何も情報が入って来ない。脳の動きが、五感が、すっかり言う事を聞かなくなってしまったではないか。なんとも不思議な感覚だ、語彙力も感受性の欠片もないどこぞの馬鹿野郎になってしまったのか。嫌、元々こうだったのかもしれない。だってそれを否定できる記憶がすっぽりと抜けてしまっているのだから。
光が心地良い。柔らかな光が僕の肌をそっと撫でる。焦らなくて良いんだよ、と。
身体が軽くなっていることに気がついた。服を見ると乾いている。元からこうでしたよ、とでも言うように。嫌、元々こうだったのかもしれない。だってそれを否定できる記憶がすっぽりと抜けてしまっているのだから。
さて、ここは何処だろう。光、それだけしか感じられない。僕の脳が皮膚が、五感が情報を欲する。
耳を澄ます。何も聞こえない。耳を澄ます。この心地良い静寂にノイズが混じる。気持ちが悪い。眉をしかめる。音は止まない。耳を押さえる。鼓膜と外界を遮断する。ノイズが聞こえる。かえって音が大きくなる。これは、何だ?人の声?誰が僕に話しかける?誰なんだ!お前は!
光が眩しい。光は全身の毛穴から侵入し、僕の全身に行き渡る。
音は聞こえない。目の前にいる生物共は手を取り合っている。僕に向けて何やら音を発する。不快だ。何も聞こえていないんだぞ。気づけよ。
起こしかけた上半身を地面にぼふっと押し付ける。光った。頭の中に火花が散った。頭を押さえる、が何も変わらない。苦しい。穢いヘドロがドロリと流れ込んでくる。
思い出した。取り戻したかった記憶を。嫌、取り戻さないほうが幸せだったかもしれない。僕はここに存在するはずでは無かったんだ。自ら水と一体化する事を望んでいたのだ。そうか。そうか。そうか。だから、あのとき。
息が苦しくなる。大きな空気の泡が見える。何だ?水?水中なのか?今まで陸にあったはずの僕の体は適応し遅れ、酸素を求める。がぼっと大きな泡を吐く。何で、何で何で何で。僕は生き残れたんじゃないの?やっぱり駄目だったの?苦しいよ。助けてよ。誰か、誰も見てないの?
頬に温かい線を感じては消えてゆく。
感覚も薄れ、景色が歪み、時空が曲がり、何も、何も分からなくなった。
ここは何処だろう。やわらかな光が僕の肌をそっと撫でる。お疲れ様、と。
※やわらかな光
真っ暗な隠し廊下の中、
手に持つランタンの光だけを頼りに先へ進む。
巨大な地下迷宮とまで呼ばれるようになってしまった
この地下墓地。
自分の祖先が割り当てられた土地は、
何と徒歩で3日も潜った箇所である。
それだけ長い間、ランタンのみで地下にいれば、
現実か幻想か不明だが……
時折やわらかな光が廊下を照らしだす。
美しい墓から放棄された墓まで。
時を超えしは、墓なのか光なのか自分なのか。
そんな事を考えながら、重い背負子と共に奥へ進む。
【やわらかな光】
助けてくれ。この暗闇から解放されたい。何処まで行っても暗闇、暗闇。これが幾日も続いている。気が狂いそうだ。もしかしたら、狂った結果がこれなのかも知れない。分からない。何も。部屋なのかも外なのかも分からないが眠たいという感覚があるだけ救いなのかも知れない。だから、暗闇で眠る。目覚めたら日常に戻っている。悪い夢だと言い聞かせて。だが、寝ても覚めても変わらない。助けてくれ。
〈お題:やわらかな光〉
とても冷たい雨が街灯で弾ける。
弾けた雨が波紋を呼び、コンクリートで身を寄せ合った仲間に広がっていく。落ちた雫が光を求めてザーザーと声を荒げている。
時より車に撥ねられる街灯の写し鏡が、窓越しに映る光景がとても強かで。
スポットライトに照らされた水溜まりが放つその輝きはとても、やわらかい。
私には、ちょっとした特殊能力がある
例えば、結婚するであろう男女が
初対面した場合…
別にお見合いでも合コンでもなく
ある家のBQにたまたま来た男女とか…
私も見ようと思って見る訳ではなく
何気なく見た視線の先に、これまた
たまたま隣合わせで立っている2人
「……結婚するんだ…2人」となる
何故なら「やわらかな光」で2人が
1つに包まれて見えるからだ…
以前も書いたが自分自身でも
同じ現象が起こり…
「私…この人と結婚するのか」と
初対面でわかった…
彼(旦那)も柔らかな真っ白い光(オーラ)
で包まれて私の視線の先に現れた
今までこの現象が現れて何組か結婚
したが、私は最初から見えていた事は
ずっと内緒にしている…
何故って…愛を育む過程が大切な時間
だとわかっているから…
結果が出た恋愛なんて味気ない…よね。
やわらかな光があるというのなら
やさしい星もあるのだろうか
/お題「やわらかな光」より
あの人は今、深い悲しみの中にいる
心は闇に閉ざされ、
嘆く気力すら失われてしまったようだ
私はあの人を助けたい
しかし、私に何ができるのだろう?
何かをしてあげたいが、
もしかしたら、余計に傷つけてしまうかもしれない
でも、何もしないことも耐えられない
ここで動かないと絶対に後悔する
私ひとりで助けられないなら、手を借りよう
あの人を大切に思う人はたくさんいる
あの人の優しさで救われた人は多い
あの人を慕う人たちと協力して、
今度は私たちがあの人を救おう
私たちの声が、あの人の心を覆う闇を払う、
やわらかな光になりますように
ーやわらかな光ー
突然の訃報に、唖然とした。
学生時代、大好きだったバンドのベーシストが亡くなったらしい。
SNSでその訃報に驚く人の声をぼんやりと眺めていた。
そのバンドといえば、私の青春そのものだった。
そのバンドの音楽はまるで、私の全ての傷を歌い、癒してくれるようだった。
そして、私の謳歌する青春にいつも寄り添ってくれた。
今でも、一筋の光のように、私の心を照らしてくれる。
それはいつでも柔らかく、温かい。
今も私の心を照らしてくれる存在だ。
彼はこの世を去っても、多くの人にとってのやわらかな光となり照らし続けるのだろう。
押入れに入れた段ボールの中からCDを取り出し、プレイヤーで私が一番好きだった音楽を再生する。
いつまでも、思い出はあの頃のままだ。
私は涙を堪えながら、心から彼の冥福を祈った。
やわらかな光がね、
私を照らしてくれたの、
木々の間からこぼれる光が
優しく包んで
静かな時間が
ゆっくり流れていく。
光の粒子になっていく。
ただ「ある」
周りからの
「当然」と呼ばれる
期待感も
存在するための
「条件」も
そんなものは
いらない
ただ、
「ある」
そうすると、
自分の周りには
やわらかな光が
満ちあふれている
ことに気づく
あなたもね
きっと僕にはこれくらいがちょうどいい。
真昼の太陽より、真夜中の月。
あまりにもまぶしいと僕の汚い部分が浮き彫りになる。
夜は僕の汚い部分も見えなくして、やわらかな光で包んでくれるから。
もともと月もない真夜中の街で生きていた僕だ。
きみが月になって僕をいつの日からか優しく包んでくれた。
例え、これが許されない恋だとしても、僕はきみがいないと呼吸もままならないんだ。
─やわらかな光─ #96
幸せだった
今日は幸せだった
みんなとたくさん話した
とても幸せだった
匿名М
やわらかな光が私を包み込む
天気の良い日の午後
窓際で本を読む
窓を開け心地よい風を感じながらページをめくる
外から聞こえる鳥の鳴き声、紙が擦れる音
風に揺れる葉の音
現実の世界から離れ、本の世界へ旅立つ
読んでいる途中で眠くなってきたらしおりを挟んで
睡眠をとった
椅子に座ったままうつ伏せで寝ていて起きた時
ブランケットがかけられていた
なかなか部屋から出てこない私の様子を見にきたのだろうか、外を見るともうすぐ日が暮れようとしていた
ブランケットを持って部屋を出ると、とてもいい匂いがリビングを満たしていた
彼が夕食を作りながら、起きてきた私を見て
おはようと言った
とても幸せな空間
失いたくないな
やわらかな光
ぽかぽかと降り注ぐやわらかな光
縁側で丸くなって自分の体毛に光を集める
太陽光で温められた自分の毛皮が羽毛布団
みたく光で温められ ふわふわとする。
顔を上げて欠伸を一つすると長い舌と共に
喉の奥が丸見えだ。
上半身が起き上がり周りをきょろきょろと
見渡すと四つん這いになり大きく伸びをする。
尻尾が陽の光に向かってピンと立つ
ふいに耳に「タマご飯だよ!」と言う声が
聞こえる
縁側の丸い光から離れお皿の中の魚の風味の匂いを嗅いで魚のすり身を口の中に入れ
自分の歯で噛み魚の食感と濃い味を味わう
お皿の縁にある物まで舐めとって
新品のお皿みたいに綺麗にすると
舌で毛づくろいをしながら
「ニャアー」と鳴き 大きな手が頭の上を
撫でてくれる。
そうして今度は、縁側に座ったその膝の上に乗りまた丸くなり膝の上を自分の毛皮で
温めながら 今度は、太陽の暖かなやわらかい光と微睡みを誘う様な柔らかな膝の上で 大きな手で撫でられながら
また再びぽかぽかの眠りに付いた。