たくみ

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 やわらかな光はいつも私の手をすり抜ける。
 近くに現れた光に手を伸ばして触れたと思った瞬間、形を変え遠く離れる。
 他に見える光には既に誰かがいて私が近づく余地はない。
 また近くに光が現れた。私は触れようと伸ばそうとした手を止め、そのやわらかな光へと飛び込んだ。

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 木々が立ち並ぶその合間を暖かな風が吹き抜ける。
 枝葉たちが一斉に騒ぎ出してはまた静かになり、声を潜めていた虫たちが代わりにと鳴き始める。
 絶えず声があり続ける空間に木漏れ日が降り注ぐ。


『やわらかな光』

10/16/2024, 11:38:17 AM