『もしもタイムマシンがあったなら』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
『もしもタイムマシンがあったなら』
テレビに写っているアニメで、ふと、「タイムマシンがあったら俺は何がしたい」という自分に対する疑問を抱いた。
タイムマシンがあったなら俺は何がしたいんだろう。
過去に行きたい?未来に行きたい?
どっちなんだろう。
あるアニメが流れるテレビを他所に、俺はその疑問について頭を回転させた。その間は天井を見たり、歩き回ったり、テレビを見たりと、とにかく動いている。
「タイムマシンかぁ……」
特に、過去で大きなヤラカシをしたというわけでもなければ未来に不安を抱いているわけでも、未来を見たいわけでもない。
それくらい、平凡で何事もなく生きてきた俺にとってはタイムマシンなんていらないもの。
だけど好奇心で、いらないものだけれどタイムマシンには乗ってみたい。なんていう人間によくある願望を抱く。
するとーー……なんて、都合のいいことは起きない。
「まぁ……俺にとってはいらないな」
呆れたような言葉を吐いて、俺はテレビをもう一回見る。
するとまた、テレビにはタイムマシンのシーンが流れている。
END
もしもタイムマシンがあったなら、
死ぬ一年前に行ってみたい。
最後の一年くらいは心置きなく過ごしたい。
もしかしたら、今がそうなのかもしれないけど。
仲良し三人組だねと言われてきた小学二年生の時。
三人組だったのに、私以外の二人が不登校になった3年生の時。
新しい友達と仲良くしだした四年生の時。
二人のうち、ひとりは学校に戻ってきたけれど、あの時みたいに本心で笑い会えなくなっていた。
きっと、ずっと休んでいたのだから不安だっただろうに、おはようすら言えなかった私を殴りたい。
「Yちゃんが休んでたあいだ、ずーっと心配してたよ。おはよう!」そう、明るく言えたら良かったなあ。
それに、五年生になった途端、クラスの男子が荒れ始めたね。わたしなんか、頭の上に消しカス乗せられたよ。
殴られそうになった。
何もしてないのに嘘を言われた。
足太いって言われた。
定期的に休むようになった。
水槽にものを投げられた。
足を蹴られた。
そして、掃除の時、私が雑巾がけしてるのに邪魔してきた男子がいたね。そしたら、Yちゃん。
「あんなの気にしなくていいよ」
そう笑ってくれたね。
ごめんなさい。
私、何も言わなかったのに。
ごめんなさい。
こんなのでごめんなさい。
過去に戻って、あいつら全員の顔殴って、Yちゃんを抱きしめてあげたいよ。
Yちゃんだって、嫌なことされてたのに。
許して。
助けてあげたかった。
殴っていいかな。
殺していいかな。
悪口言っていいかな。
警察に突き出していいかな。
全部全部、考えたよ。
でも、何もしなかった。
偉いよね。
褒めてくれるよね。
でも、私が褒める側になりたい。
過去に行って、沢山褒めて、今に戻って、またあの時みたいに笑い会いたいなあ。
「もしもタイムマシンがあったなら」が今日のテーマだ。
もしもタイムマシンがあったら、やはり過去の自分に助言をしに行きたい。中学入学直後に陸上部に入部しようとしている自分を捕まえて「つらいだけだからやめとけ、美術部か文芸部あたりにしとけ」と言いたい。しかしいきなり現れた「未来の自分」を名乗る奴なんて、中学生の自分から見ればただの他人だから、忠告が聞き入れられることはないだろう。
それなら自分のことは諦めて、他の時代を見学に行きたい。未来を知るのは怖いから、過去を見たい。江戸時代に侍が刀を差して歩いているのを見てみたいし、平安時代に本当に十二単衣を着ていたのか見たいし、弥生時代の農業を見たいし、縄文時代の集落も見たい。ティラノサウルスに羽毛が生えているのかも見たいし、プテラノドンが飛んでいるのも見たい。そして最後に、動物が陸上に進出するよりも前、植物だけが陸にあった時代が見たい。
生命は海で生まれ、植物が先に陸に上がり、植物の出す酸素がオゾン層を作り紫外線を遮ることで、やっと魚が陸に上がることができるようになったという。だから魚が陸に上がる前、陸地には一面に植物が生い茂り、それなのに虫も動物もまったくいなくて、ただ風が吹くだけの、とても静かな時代があったはずだ。それが見たい。
もしもタイムマシーンがあったなら
もしもタイムマシーンがあったなら私は過去に行くだろう。昔泣くことしかできなかった自分に「大丈夫だよ」と伝えたい。どんなに助けを求めても誰もが見て見ぬふりをした。そして大人は全員通り過ぎていった。汚いものを見るような目をして。それからだ。口が悪くなったのも態度が悪くなったのも自分を守るために仕方がないことだった。毎回「その態度は何だ」と言われるが、見て見ぬふりをしたお前らが悪い。でもそんな私を変えてくれた。私が先生に説教をされて機嫌が悪かったとき幼馴染のあなたが「本当にそれが素のお前なの」と言った。その時私は自然に涙が出た。ずっと気づいてほしかった。苦しくて辛かったときに求めていたものをあなたがくれた。あなたは私が泣くとおろおろしていたので私はすぐに涙を拭って言った。「ありがとう」と。
未来を見るのは怖いので過去に行きたいけど行きたい時期が見つからない
タイムマシンの開発計画が本格的に動きだしたことを知らせるニュースが流れた。
もし、タイムマシンができたら。
お前が死ぬ前に戻って、
お前を脅かすものを全部消して、
今に戻って、
元気に生きてるお前と一生幸せに暮らすんだ。
まあその前に、何十年分か稼がないといけないけどな。大丈夫、まだ若いから。
…コーヒー淹れるの、上手くなったんだ。
お前のために練習したんだよ。
オレなら、毎日、完璧なコーヒー淹れてやれる。
だからさ、
【もしもタイムマシンがあったなら】
#もしもタイムマシンがあったなら
給料日前の銀行の金庫に忍び込んで、諭吉を袋いっぱい詰め込んで戻ってくる。
①あっ、あのっ、ちょっ、防犯カメラがあるんですかっ、そんなっ、ちょっとした出来心でっ、
②待って、手袋と覆面とでっかい袋買ってくる
あっ、レシートください。
③透明マントとか無いんですかっ、ええっ、なんで無いの、これじゃ只の盗人じゃん。
④大人しく観光でもしますか
「もしもタイムマシンがあったら」
昭和30年代~平成元年。高度経済成長期の時代。
写真集で幾度無く見ている時代。
本当に写真集のような光景があったのか見たい。
証券取引所でバブル崩壊の瞬間で証券紙が散乱した床を見てみたい。
ノーチラス号とニチモやLSの当時のプラモメーカーや
当時の雑誌や漫画を見たい。
SUBARU360を見たい。
当時のニュース番組を見たい。
欲望が溢れ出してくる時代でもある。
人間像や政治像など、
良いところも悪いところがはっきりしているようでしていない。
あの頃、あの時代、
不便でありながら満足していたかもしれない時代
ちょっとだけ格差が浮き出してきた時代に
タイムマシンがあったら行ってみたい時代だけど、
帰って来れる保証は…?
昭和以外なら、大正・明治かなぁ…?
「ごめんね」
「いや、こちらこそ、困らせちゃってすみません」
好きだった年上の人に振られてしまった。
自宅近くのごはん屋さんで、たまたま隣の席になった彼とは、お店で会うと話すようになった。
8つ上の大人の男性。
大学生の私は、相手にされなかった。
「もし、私が椎名さんと同じ歳だったら、私のこと好きになってくれましたか?」
「ごめんね」
曖昧な返事をするずるい人。
そういうところも、好きだった。
「また、ご飯食べてくれますか?」
「もちろんだよ」
そう言って優しく笑う彼。
しばらく忘れられそうにないけれど、もう彼を困らせたくないから、しばらくは私1人で抱えようと思った。
もう少しだけ、好きでいさせて下さい。椎名さん。
〜 椎名side 〜
未来に希望がたくさん詰まっている彼女。
30代に差し掛かる僕には、眩しかった。
「椎名さん、おやすみなさい」
無邪気に笑うところとか、ご飯を頬張って幸せそうに食べるところとか、真っ直ぐすぎるところとか、僕の方がやられていた。
手を振って僕と反対方向に歩く彼女の背中が、小さくなっていく。
もしも、同じ歳だったなら
もしも、同じ歳に戻れたなら
「すきになってたよ、きっと」
彼女の背中が消えてから、僕は足を動かした。
《もしもタイムマシンがあったなら》
「タイムマシンなんて、あっても使わないさ」
もしタイムマシンがあったらどうしたい?
SF好きな俺が聞いてみたら、友人はつまらなさそうにそう返した。
視線が何故かいつもより痛い。
「そんなモンあったって幸せになれやしねぇだろ」
「言い切ったな。なんでだよ?」
「あー?そりゃあお前……」
俺から視線を外して、そいつは言った。俺もまた、すぐそこの景色を見る。
廃墟と荒野。寂れたそこには、生命の気配はひとつもない。
「身をもって知ったからな」
「質問を変えようか。タイムマシンを使った感想は?」
「笑える」
「……マジでどうしよう」
「もしもタイムマシンがあったなら」
もしもタイムマシンがあったなら、あの時に戻りたい。
もしもタイムマシンがあったなら、友よ、君に一言ちゃんと言いたい。
もしもタイムマシンがあったなら、 私は今の私でいただろうか。
タイムマシンがあってもなくても、私は私のままで今を生きるのだ。
それが今できる、私と友の遠い約束。
「もしもタイムマシンがあったなら」
もしもタイムマシンがあったなら、過去に別れた人たちに、たくさんたくさん話をしよう。
変なやつと思われてもいい。
とにかく、たくさんたくさん話をしよう。
そして、去り際に笑顔を向けよう。
悪い思い出をいい思い出に。
悲しい別れを笑顔の別れするために。
【もしもタイムマシンがあったなら】
過去に戻りたい。
18の僕から
10の僕を褒めないといけない
11の僕を励まさないといけない
12の僕を受け入れないといけない
13の僕のそばにいないといけない
14の私の個性を守らないといけない
15の私を止めないといけない
16の僕を抱きしめないといけない
17の僕にエールを送らないといけない
そんなものはないからいま
18の僕は過去を守り続けなければならない
【大震災】
「もしもタイムマシンがあったら何したい?」
急に友達に聞かれた。
その答えは1つしかない。その友達も知っているはずだ。
「知っているだろう」
と、冷たく返すと、
「変わんねーなお前。そういうとこじゃねーの?」
「うるせぇな」
痛いとこを着いてくるものだ。
俺には愛する恋人がいた。結婚の約束もしていたし、指輪だって買っていた。
何気なく今日を過ごしていた時、事件が起こった。
震度七の大地震が彼女の実家を襲った。
急いで向かってみれば、家族はもう避難していて、安全な状況だった。1泊だけして、帰ろうとした時、また地震が起こった。そして、彼女の近くにあった崩れ掛けの屋根が彼女の上に落ちてきた。
彼女は死んだ。俺があの時横に入れば、彼女は死ぬことはなかった。
こんな不器用な俺を愛してくれた彼女。
俺はお葬式が終わって1年がたっても、まだ前に進めずにいた。
その時に戻って彼女を救いたい。
「そんだけ悲しんでたら、お前の彼女も悲しくなっちまうぞ」
そんなことわかっている。
「わかってるよ」
「じゃあなんで前に進もうとしない?」
「前に進む理由が見つからないんだ」
「そういうもんかねー」
お題…もしもタイムマシンがあったなら
嫌になる。
自分に精一杯な大人達の群れに流れていく。
何者かになりたいと叫ぶ人間を見るだけでため息が出る。
仕事終わりに見る承認欲求にまみれたタイムライン。
居場所が欲しくて作ったアカウントに首を絞められる。
消してしまいたいのに消せない。卑しい自分が嫌い。
「壊してしまえ。何もかも」
アルコールを煽って出てくるのはしょうもない言葉。
今日も無意味な気持ちを吐き出してしまえばいい。
どうせ朝には全て溶けてしまっているのだから。
「ねぇねぇ、もしもタイムマシンがあったなら、過去と未来どっちに行きたい?」
青年は、無邪気な笑顔を向けて恋人に問いかける。
「えーっと……」
彼女は言葉に困ったようで、苦笑いしながらどう答えるか迷っていた。
しまったなと、青年は思った。
過去について聞いた時、彼女が言葉に詰まっている姿を何度も見ていた。その事を失念していたのだ。
最初は小さな違和感。回数を重ねるごとに、それが確信になったのだ。
ただ、そのタイミングはそれなりの時間が経った後なので、どうしても忘れてしまう。
「あー……ごめん」
「え?」
青年は、謝りながら彼女の手を握る。
彼女の過去なんて、正直関係ない。
今、ここにいる彼女が大事で、誰よりも愛おしい。
「タイムマシンなんて……要らないね」
青年の言葉に驚いて、見上げる。その瞳は潤んでいた。
青年の胸は締め付けられて、彼女を抱き締める。
「はい。一緒にいて欲しいです」
彼女も青年を強く抱きし返した。
「大好きだよ」
「私も、大好きです」
過去なんてどうでもいい。
未来は……共に歩んでいけば良いんだ。
おわり
お題:もしもタイムマシンがあったなら
もしもタイムマシンがあったなら
「もしタイムマシンがあったのなら、いつに戻るのが最適解か。」
私の数少ない友人の、私のたった1人の親友である彼は、いつも通りのしかめっ面をしてそう問いかけた。お気に入りのカフェで行われる2人だけの討論会。話すのは意味の無い雑談の延長戦。
「戻るのは前提なんだね。君にしては意外だ。」
偏屈で堅物としか言いようのない友人は、たしか決定論を支持していたはずだ。たとえタイムマシンが実現したとしても、歴史の一貫性を壊すような、パラドックスとなる行為は出来ない。そんな話。
以前、過去に戻ったらという問いに、小学生時代に戻って十何年分の宝くじを当てまくるといった私に対して、彼は冷ややかにそういったのだ。見下すような目で見てきたコイツを私は忘れない。
「意外も何も、私にだって変えたい過去の一つや二つある。ただ、変えたい過去を最善の過去にするためにはどのタイミングに戻ればいいのかと。」
「変えたい過去、ねぇ。」
コイツが主張を曲げてまで、変えたい過去とは?
やっとこさテーブルに乗った彼のサンドイッチは思考の前に放棄された。この店の自慢であるカツサンドには目もくれず、見覚えのある古い万年筆を頭に押し当てている。それが彼の癖だった。集中している時、手に持っているもので頭を押す。周囲には目もくれない。
「結局のところ、そのタイミングの直前がいいんじゃない?あまりにも前過ぎると忘れてしまうし。」
「それで変えたい出来事に対応出来なければ意味が無いだろう。」
それもそうだ。例えば事故を防ぎたかったとして、それが起こる1秒前に戻ってもきっと防ぐことは出来ない。ただ、その変えられなかった過去を見届けるだけだ。
それなら直前は最適解ではない。
そもそも、コイツは一体何を変えたいのだろうか。最適解を見つけたい問はその変えたいものなのだろう。
恥ずかしい思い出?辛かった記憶?染み付いた後悔?自分のこと?それとも、他の誰か?
気になってしまえば分かるまで引けないのが私の性分というもので、頭にあるのは最適解よりもコイツの変えたいもののことだった。
「君は一体何を変えたいのか、その前提が分からなければ話し合おうにも話せない。そうだよね?」
「……確かにな。」
そうして彼は渋々と言ったように、ポツポツと語り出した。
なんでもコイツは、人が死ぬ運命を変えたいらしい。
この偏屈で堅物の変人野郎にそんな相手がいるとは思えなかったが、真剣で、それでいて悲壮感のあるその顔を見れば茶化せなくなってしまった。
運命をねじ曲げて、せめて今自分がいる時まで生きていて欲しい。だが、何度考えても上手くいかない。たとえ初めの死因を回避出来たとしても、別の事象が殺してしまう。そうやって何度も何度も思考実験を繰り返し、行き詰まった。
だから、気分転換に話にきた。と、彼は言った。
「ねぇ、その運命を変えたい人、死んでしまう過去の人って。」
「もしかして私だったりするのかな?」
返事は無い。ただ、ゆっくりと万年筆を置いて、目を閉じる。そして意を決したように、ゆっくりと開いて私を見つめた。そして、
「なぜ」
と、一言問うのだ。
初めから、正確には彼が遅れてこのカフェに入ってきた時から違和感はあった。
見たことがないコートを着ていたこと、いつもは頼まないようなカツサンドを頼んだこと、先日あげたばかりの万年筆が古ぼけていたこと、彼の信じているものが変わっていたこと。
きっと私の知る彼と目の前の彼には大きな時間のズレというものがあって、その隙間で変わったのだろう。彼は私が知っていて、それでいて知らない彼なのだ。
なんでも私は、今から数年後にとても凄惨な死に方をするらしい。誰もが後悔するような、生きていて欲しかったと願うような、そんな死に方。詳しくは教えて貰えなかった。
彼はそんな私の未来を、彼の過去を変えようとしたらしい。そのためにタイムマシンなんてものまで作って、過去を変えようとした。
だが、私の結末は変わらなかった。彼の変えた運命はまた私に降りかかり──私はとても凄惨な死に方をしたそうだ。
彼が辿り着いた結論は
「過去は変えられない」ということ。皮肉にも、昔の彼が辿り着いていた決定論そのものだった。
「ここに来たのはほんの気まぐれだった。結論が出て、諦めて、最後の悪あがきにお前に聞きに来たんだ。お前なら別の答えを知っているんじゃないかと思ってな。」
「未来の君が知らないのなら、過去の私が知っているわけがない。」
「ごもっともで。」
すっかり冷えきったカツサンドにやっと手をつけて、未来人は苦笑した。
「でも、君がここに来た意味はあったのかもしれない。」
未来人は停止する。今度は困惑の色をめいいっぱい広げて、
「なぜ?」
と、一言問うたのだ。
過去は変えられない。それは彼が何度も試行した時間遡行で思い知っている。
過去というのは、歴史というものはもはや神の領域だ。今を生きる人類には手を出すことが出来ない不可侵領域。
だが、未来というのは私たちのものだ。私たちが動き、考え、創り出す。今を生きる人類のための領域。
たとえ過去を変えられなくても、未来は変えられるのかもしれない。彼が変えられなくても、未来の私が変えれられなくても、過去の私なら、未来が存在する私なら間に合うのかもしれない。
「つまるところ、タイムマシンで戻るべきタイミングの最適解とは、その変えたい瞬間が、変える人にとってまだ未来である時。というわけさ。」
そりゃ君には変えられないわけだよ。
鳩が豆鉄砲を食らったような顔とはまさにこの事だろう。いや、空いた口が塞がっていないと言うべきなのか。なにか文句を言いたげな素振りをした後、それを飲み込んだ。
「馬鹿げている。そんな屁理屈のような、おかしな理論が通用するか。」
「試してみればいいじゃないか。私が未来を変えられたかどうか。そもそも、私が君の思い通りになると思ったことが間違いなんだ。」
「それじゃ、未来でまた会おう未来人。」
「もしもタイムマシンがあったなら」
138億年前に誕生したといわれている宇宙。
宇宙ができる前とは、無、だったのだろうか。
もしもタイムマシーンがあったなら
高校の頃からやり直したい…
友達作りを間違えた。
面倒くさい人ばっかりで
あんまり良い記憶が無い…
やり直したい。
もし、タイムマシンがこの世にあったら
私はお父さんに会いたい
会いに行きたい
私と会わずに遠くへ行くなんて悲しいよ
今の姿のままタイムマシンに乗って戻って
こんなに成長したよって言いたい
会ったことないけど家族の中で1番好きだよ
お父さん